
越境ECにおける海外消費者の実態調査
越境EC支援サービス強化の一環として、日本からの越境ECの主要進出国となっているアメリカ・中国・台湾・イギリス・シンガポール・マレーシア・タイ・インドネシアの8ヵ国に対して、越境ECにおける海外消費者の実態調査を実施しました。
■調査概要
調査対象 :20-40代の男女 800名
調査対象エリア :アメリカ/イギリス/中国/台湾/シンガポール/マレーシア/インドネシア/タイ
調査期間 :2024年6月20日~7月3日
調査方法 :インターネット調査
備考 :年代別に人口割合を基に均等割付
■海外商品を購入する場合、ECモールでの購入が8割
「海外商品を購入する際にどちらの購入方法が多いですか?(単一回答)」と質問したところ、「ECモールで購入する」が55.6%、「ECモールとブランドECサイトのどちらも同じくらい利用する 」が25.5%と約8割の海外消費者が越境ECの商材はモールで購入していると回答しました。ECモールは購買ももちろんですが、認知のきっかけにもなります。初めてであれば、先進国のECモールは利用すべきといえるでしょう。
■一方で、そもそもECサイトにまで手を広げられていないEC事業者が多い可能性も
「ECサイトではなく、ECモールで購入することが多い理由を教えてください。(複数回答)」と質問したところ、「モールの方が便利だから」が59.3%、「モールの方が安く買えるから」が32.4%と回答した一方で、「欲しい海外商品ブランドのECサイトがないから(25.3%)」、「欲しい海外商品ブランドのECサイトの使い勝手がよくないから(20.1%)」という声も上がりました。
越境ECにおいて、初期段階から自社ECサイトを制作することはハードルとなっており、手を出せている越境EC事業者がそもそも少ないということも理由の1つにありそうです。
■海外商品の購入に商品以外の理由で約半数が購入を見送っている
「海外商品をECで購入する際に、配送や決済方法などの商品以外の観点で購入を見送ったことはありますか?(単一回答)」と質問したところ、「ある」が49.8%、「ない」が50.2%と2人に1人の海外消費者が商品以外の理由で購入を見送った経験があることが判明しました。
越境ECの場合、国内ECに慣れているユーザーにとって、配送の煩雑さや限られた決済方法などは離脱の要因として上がりやすいことがうかがえます。
■越境ECのボトルネックである「配送時間」を解決できれば強みに変わる
「海外商品をECで購入する際に、配送面で感じたことのあることを教えてください。(複数回答)」と質問したところ、「届くまでの時間が長い」が66.2%、と6割以上の人が越境ECにおける配送面に不満を感じていることがわかりました。
物理的制約の大きい越境ECにおいて、リードタイムの短縮は強みに変わる可能性を秘めています。物流モデルを変更することは難しいかもしれませんが、配送会社を変えるなどから検討していくのも1つではないでしょうか。
今回の調査で越境ECの商品を購入している外国人の実態について一部を明らかにしました。国内ECとは異なることを海外消費者も理解はしているものの、心情として納得はしていない人もいらっしゃいます。日本でもいえることですが、現地消費者にとっての当たり前を埋めてあげることで、プロダクト以外での強みに転じる可能性も高いでしょう。
配送面や決済、ECサイト・モールなどは土台となるため、こうした土台を整えていきながらマーケティングに力を入れていくことも一手であるように思われます。
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