【EC物流】配送方法別に比較!物流倉庫会社の特徴と選び方

2022.06.20物流・フルフィルメント
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物流倉庫会社
コロナ渦の巣ごもり需要もあり、EC業界の拡大傾向は今後も続いていく見通しです。
以前はAmazonや楽天などのプラットフォームが主でしたが、近年では各企業が自社ECサイトを立ち上げることも多くみられるようになり、EC市場が活発になりました。
EC運営において商品を保管する倉庫は必須です。また保管するだけではなく品質とコスト、どちらのバランスもとった配送方法選びは経営を大きく左右します。
今回はEC物流を配送方法別に比較し、それに沿った物流会社の特徴と選び方について解説していきます。

大きく2つの配送方法

配送サービスは業者により異なりますが、大きく2つの配送方法があります。

  • 宅配便
  • ポスト投函便

主に大きさや重さで料金が異なりますが、それぞれの特徴があります。
順を追って、メリット、デメリットを紹介していきます。

宅配便

宅配便
宅配便は個人宅や企業宛に荷物を配達するサービスのことです。
指定された住所はもちろん時間帯も選択可能で、受け取りは各運送会社の営業所やコンビニでも受け取りできます。各運送会社共にサイズと重さで料金が決まる形態になっています。

メリット

宅配便は主に3つのメリットがあります。
各運送会社で荷物の到着スピードや事故の補償内容が異なるので、検討しているサービスの
詳細は把握しておきましょう。

最短翌日に荷物が受け取れる

発送距離や状況で異なりますが、最短で注文から翌日に荷物を受け取ることが可能です。
また同一エリア内での発送の場合、朝の受付で当日受け取りが可能な地域もあります。

直接荷物が受け取れる

置き配など指定した配達方法を除き、対面で受け渡してくれるので未着事故が防げます。留守の際には不在届を投函し、希望日時に再配達可能です。発送段階で日時指定ができるのもメリットのひとつです。

配送時の破損、紛失の保証

責任限度額がありますが配送時の破損、紛失の保証制度があります。高価なものを発送する際、宅配便で申し込んでおけばトラブルが発生した場合でも安心です。

冷蔵、冷凍物の発送が可能

宅配便は冷蔵、冷凍物の注文にも対応しています。近年は冷凍技術が発達してきたので地域のお取り寄せや生鮮食品の発送が可能です。

デメリット

宅配便のデメリットは主に2つのデメリットがあります。
運営コストに反映されることなので、しっかり把握しておきましょう。

サイズや重さにより割高になる

軽量な荷物の発送でもサイズで料金が異なり、大きくなるほど割高になります。
また重さでも料金が上がっていくので重い荷物の発送は小さなサイズでも割高になるでしょう。

不在がちだと配達が完了しない

宅配便は基本的に対面受け取りのため、受取人の滞在時間により荷物の受け取りが完了しないケースがあります。再配達でもすれ違いのことが多く、場合によっては差出人に返送されることもめずらしくありません。

ポスト投函便

ポスト投函便
ポスト投函便は対面受け取り方式ではなく、ポストに投函することにより配達を完了するサービスです。小さくて軽い商品を発送するのに適しており各配送会社で様々なサービスが取り扱われています。ワレモノ対応はしてくれないので商品によっては、丁寧な梱包が必要です。

メリット

取り扱いサービスごとに異なりますが主に3つのメリットがあります。
対応サービスで詳細が異なるので事前に把握しておきましょう

料金が安い

ポスト投函便の最大のメリットは料金が安いことがあげられます。大きさの制限こそありますが、宅配便の半分以下の料金で発送できるのは配送コストの削減につながります。

日本全国一律料金

全国一律料金も魅力のひとつです。宅配便の場合は距離で料金が変わりますが、ポスト投函便なら北海道から沖縄まではもちろん、離島でも一律料金です。

在宅の必要が無い

宅配便と違いポスト投函にて配送完了となるので在宅の必要がありません。不在がちな人は、宅配便より早く荷物が受け取れる可能性があります。

デメリット

ポスト投函便には主に2つのデメリットがあります。
メリット以上に大事なことなのでしっかり把握しておきましょう。

未着や破損時の補償が少ない

宅配便と違い未着や破損時の補償が少ないことが挙げられます。対面受け取りではないため、ポスト投函後に盗難の可能性があります。また保証額が少ないため、壊れやすいものの発送には適さないでしょう。

代金引換の利用ができない

ポスト投函で発送完了のため、代金引換システムを利用することができません。
基本的に決済が完了した場合のみ、対応可能な発送方法になります。

各配送方法別の倉庫の特徴

各配送方法により、倉庫の特徴は大きく変わってきます。具体的には取り扱う商品により、適切な倉庫選びが重要です。特に鮮度を保つ必要がある生鮮食品は冷蔵便や冷凍便に対応した倉庫選びが必須になります。

宅配便

商品の発送手段として宅配便は一般的といえるでしょう。直接手渡しのため未着事故を防止でき、荷物の破損保障にも対応しているからです。
送料の安いポスト投函便に対応していないサイズを取り扱う場合も必然的に宅配便になります。

希望の配送会社の取り扱いの有無

宅配便の業者は数多く存在しますが、委託会社は大手配送会社を検討するのがよいでしょう。EC物流の配送先は全国規模になり、配送会社も全国展開していることが必要になってくるからです。国内の個人宅向けの配送会社は大手3社になります。
各運送会社ごとにサービス名称が異なり、以下になります。

  • ヤマト運輸:宅急便
  • 日本郵便:ゆうパック
  • 佐川急便:飛脚宅配便

それぞれの宅配便サービスの特徴を紹介していきますので、参考にしてみてください。

ヤマト運輸(宅急便)

ヤマト運輸ロゴ
特徴:配送スピードは業界トップクラス、令和2年度宅配便シェア43.8%第1位
価格:930円~
規定サイズ:60サイズから200サイズまで20cm刻み
日数:全国翌日発送
追跡有無:有
注意事項:一梱包の価格が30万円(税込)を超える荷物や引火性のある荷物は取り扱い不可
付加価値:冷凍商品の鮮度を保ったまま配送できる「クール宅急便」の対応可能

参考サイト
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001418260.pdf
https://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/customer/

日本郵便(ゆうパック)

日本郵便ロゴ
特徴:宅配便業者で一番営業所の数が多く、ヤマト運輸に比べて料金が安い
価格:810円~
規定サイズ:60サイズから160サイズまで20cm刻み(最大170サイズ)
日数:基本翌日、地域によっては翌々日到着
追跡有無:有
注意事項:爆発性、発火性、その他の危険性のある物の配送不可(アルコール濃度70%までは配送可能)、生鮮食品は冷蔵の「チルドゆうパック」で対応、冷凍品は配送不可
付加価値:30kgまでの重量物が発送できる「重量ゆうパック」のサービス展開

参考サイト
https://www.post.japanpost.jp/cgi-simulator/youpack_choice.php

佐川急便

佐川急便ロゴ
特徴:他の2社に比べて最大260サイズの大型商品の発送が可能
価格:770円~
規定サイズ:60サイズから160サイズまで20cm刻み(三辺合計260cm以内、重量50kg以内の飛脚ラージサイズ宅配便の取り扱い有り)
日数:基本翌日、地域によっては翌々日到着
追跡有無:有
注意事項:爆発性、発火性、その他の危険性のある物の発送不可(アルコール濃度60%までは発送可能)
付加価値:法人契約の場合、割引や送り状発行の特典あり

参考サイト
https://www.sagawa-exp.co.jp/send/fare/faretable04.html

冷蔵・冷凍便の対応有無

保管する荷物によっては冷蔵や冷凍に対応している必要があります。生鮮食品や温度管理の必要な薬品が該当します。
10度以下の低温で荷物を管理するのが冷蔵倉庫、-18度以下で管理するのが冷凍倉庫の目安です。

ポスト投函便

ECサイトの取り扱い商品の多様化により、ポスト投函便を希望する企業は数多くあります。書籍やDVD、またはアクセサリーなど小型商品の配送にポスト投函便は適しているといえるでしょう。ポスト投函便は配送業者によりサービス内容と料金が大きく異なるので、事前に確認する必要があります。

ポスト投函便の対応有無(配送ルート)

大型商品をメインに取り扱う物流倉庫会社では、ポスト投函便の取り扱いが無いケースも見受けられるので事前確認は必須です。
またポスト投函便を個人向けに展開している運送会社は少なく、代表的なのはヤマト運輸と日本郵便の2社になります。

  • ヤマト運輸:ネコポス
  • 日本郵便:ゆうパケット
ヤマト運輸(ネコポス)

特徴:宅急便同様に翌日配達が可能、不在でも郵便受けで荷物が受け取れる
価格:全国一律385円
規定サイズ:縦 23cm~31.2cm×横 11.5cm~22.8cm、厚さ2.5cm以内
日数:全国翌日発送
追跡有無:有
注意事項:ポストに入らない場合、手渡しの再配達。再配達期限を過ぎると依頼主に返送される
付加価値:3,000円までの紛失、破損補償あり

参考サイト
https://business.kuronekoyamato.co.jp/service/lineup/nekoposu/

日本郵便(ゆうパケット)

特徴:厚さにより料金形態が異なり、薄いほど安くなる
価格:1cm以内250円、2cm以内310円、3cm以内360円
規定サイズ:三辺の合計が60cmまでで長辺34cm以内、厚さは3cm以内
日数:基本翌日~翌々日
追跡有無:有
注意事項:紛失、破損補償は無し
付加価値:規格に合えば、格安で発送が可能

参考サイト
https://www.post.japanpost.jp/service/yu_packet/

ポスト投函便の対応有無(作業)

ポスト投函便は宅配便の段ボールとは異なり、細かな作業が必要になります。限られたサイズでの梱包になるので、対応可能有無と作業範囲の確認は事前に行いましょう。
梱包資材のバリエーションやチラシ同梱が可能かも確認しておくことも大事です。

おわりに

配送方法別に物流倉庫会社の特徴と選び方を解説しました。
宅配便、ポスト投函便のサービス内容は配送会社によってまちまちです。
取り扱う商品によって柔軟な対応が必要です。
ウルロジではわかりやすい料金形態で検品からチラシ同梱まで多数のサービスを一括管理しています。
運送会社も佐川急便、ヤマト運輸、日本郵便の大手三社、ポスト投函便のネコポス、ゆうパケットにも対応しております。
事業様のニーズに合った提案が可能ですのでお気軽にお問い合わせください。

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タグ : コスト削減 ECお役立ち情報 EC運用 発送・梱包
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角田和樹
上場企業であるディーエムソリューションズ株式会社の物流関連サービスで15年間、営業やマーケティング、物流企画など様々なポジションを経験。 現在は物流・発送代行サービス「ウルロジ 」のマーケティング全体設計を担う。通販エキスパート検定1級・2級を保有し、実際に食品消費財のEC事業も運用。ECノウハウに対しても深い知見を持ち、物流事業者としてだけでなく、EC事業者の両面からnoteウェビナー等での情報発信を行う。