ライブコマースとは?日本では流行らない?国内の成功事例に学ぶヒント

2025.03.29集客・販促
Pocket

ライブコマースとは?日本では流行らない?国内の成功事例に学ぶヒント
EC事業者の皆さんは「ライブコマース」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。ライブ配信を通じて商品を紹介・販売する新しいEC形態として、アジア市場で急速に広がっていて、日本でも徐々に普及されてきています。テレビショッピングに似ていますが、双方向コミュニケーションができる点が大きな違いです。

この記事では、ライブコマースの基礎知識から成功のポイントまで詳しく解説します。ライブコマースの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

ライブコマースを始める際は、急増した注文数にも対応できる物流体制の構築も重要になります。物流構築もあわせて検討されている方は、ウルロジのサービス詳細も要チェックです。

>>物流波動に強いウルロジのEC物流代行サービスの資料をチェックする

ライブコマースとは?

ライブコマースとはライブ配信を通じて商品を紹介・販売する新しいEC形態

ライブコマースは、ライブ配信を通じて商品を紹介・販売する新しいEC形態です。配信者が商品の特徴や使用方法をリアルタイムで説明し、視聴者はコメントで質問したり、その場で購入したりできます。テレビショッピングに似ていますが、視聴者と双方向のコミュニケーションができる点が大きな違いです。

中国を中心に急成長している一方、日本ではまだ発展途上ですが、コロナ禍をきっかけに注目を集めています。SNSやライブコマース専用のプラットフォームを活用することで手軽に始められます。

ライブコマースについては、以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。

>>ライブコマースとは?従来のECサイトとの差や国内の事例も解説

ライブコマースに向いている業界

ライブコマースに向いている業界

ライブコマースは、以下のような、文字や写真だけでは伝えづらい商品の魅力を視覚的に伝えられる業界と相性が良いです。

  • アパレル
  • 化粧品
  • 食品
  • フィットネス
  • 雑貨・家電 など

特にアパレル業界では、服の着心地やサイズ感を実際に着用して見せることで、「届いてみたら想像と違った」という事態を防げます。化粧品業界も、使用感や発色などを実演できるため効果的です。食品業界では調理方法や食べ方の提案、フィットネス業界では使い方の実演が可能です。雑貨・家電業界では機能や使い勝手の紹介といったように、購入前に「見て確かめたい」商品を扱うEC事業者全般に向いています。実物を見せながら説明することで購買意欲を高められる点が最大の強みです。

ライブコマースのメリット

ライブコマースのメリット

ライブコマースにはさまざまなメリットがあります。商品を視覚的に伝えられるだけでなく、視聴者とのリアルタイムのコミュニケーションによって購買への不安を解消できます。また、販売までの導線もスムーズで、短時間で大きな売上も期待できるなど、EC事業者にとって魅力的な販売手法です。

商品の魅力を動画で伝えられる

ライブコマースでは、文字や静止画では伝えきれない商品の特徴を動画で視覚的に伝えられます。アパレル商品なら布地の質感や着心地、化粧品なら色味や使用感、家電製品なら操作方法など、実際に商品を使いながら紹介できるため、購入への信頼感が高まります。

視覚情報は人間が最も情報を得やすい方法であり、商品の開発ストーリーや使用シーンなどの背景情報も含めて伝えられることが大きな強みです。

ユーザーの疑問をその場で聞いて答えられる

ライブコマースでは、視聴者と配信者がリアルタイムでコミュニケーションできます。通常のECサイトでは問い合わせに時間がかかりますが、ライブコマースではコメント機能で視聴者が直接質問でき、配信者がその場で回答できるのが特徴です。

「このサイズは身長○○cmの人に合う?」「この色は実際どう見える?」といった質問に、商品を示しながら即答できるため、購入への不安を取り除き、購買率を高める効果があります。

ライブ視聴から購入までの動線がスムーズである

ライブコマースでは、視聴から購入までの動線がスムーズです。テレビショッピングでは電話やWebサイトへの移動が必要でしたが、ライブコマースはプラットフォームによっては、配信画面上の商品アイコンをタップするだけで購入ページに直接アクセスできるものもあります。

また、ライブ限定の特別クーポンやセール情報も購入への心理的ハードルを下げるため、視聴者の「欲しい」という気持ちを即座に購買行動につなげられます。

短時間で大きく売上を伸ばせる可能性がある

ライブコマースは短時間で大きな売上を生み出せる可能性があります。中国では数時間で1億円以上を売り上げる事例があり、日本でも配信開始10分で完売するケースがあります。

視聴者が一度に集まり、リアルタイムでの熱狂や限定感が購買意欲を高めるためで、在庫情報のリアルタイム共有や配信限定特典が即決を促し、短時間での売上に貢献します。

インフルエンサーによる集客効果が期待できる

ライブコマースでは、インフルエンサーやタレントを起用することで効果的な集客が期待できます。特に自社のフォロワーが少ない場合、多くのフォロワーを持つインフルエンサーの起用は強力な集客手段となります。

インフルエンサーのファンはその推薦商品に強い関心を持ち、中国ではKOLと呼ばれるインフルエンサーの一言で商品が飛ぶように売れる現象も一般的です。また、自社では接点を持てなかった新たな顧客層にリーチできる点も大きなメリットです。

テレビショッピングよりもコストがかからない

ライブコマースはテレビショッピングと比較して低コストで実施できます。テレビショッピングでは、以下のような多額の費用が必要です。

  • 放送枠購入費
  • スタジオ設備
  • 人件費
  • タレントギャラ など

一方で、ライブコマースはスマートフォン1台からでも始められ、基本環境さえ整えれば数万円程度の初期投資で開始可能です。

配信プラットフォームの利用料も比較的安価で、社内スタッフで対応すれば追加コストもかかりません。このコストパフォーマンスの高さは、中小EC事業者にとって大きなメリットです。

ライブコマースのデメリット

ライブコマースのデメリット

ライブコマースには多くのメリットがある反面、いくつかの課題や注意点も存在します。配信者の選定や技術面での準備、視聴者とのコミュニケーションリスク、急な注文増加への対応など、実施前に考慮すべき点を把握しておくことが重要です。

効果は配信者の力量に左右される

ライブコマースの成否は配信者の技量に大きく左右されます。魅力的なトークや商品の効果的な見せ方、視聴者コメントへの適切な対応など、多くのスキルが求められます。

商品知識が不十分だったり、コミュニケーション能力が低かったりすると、視聴者の購買意欲は高まりません。特に疑問点に的確に答えられないと、信頼性が損なわれます。カメラ慣れしていないスタッフでは緊張して魅力的な配信ができないこともあるため、事前の練習や台本の用意が必要です。

配信環境の準備が必要である

ライブコマースには適切な配信環境の整備が欠かせません。スマートフォン1台から始められますが、質の高い配信にはカメラ、照明、マイク、三脚などの機材が必要です。特に照明は商品の色や質感を正確に伝えるために重要で、暗すぎると商品の魅力が半減します。

また、配信場所の背景も視聴者の印象に影響するため、清潔で整った空間が必要です。安定したインターネット環境も不可欠で、このような整備には初期投資と準備時間がかかります。

配信中にトラブルが起きる可能性がある

ライブコマースではリアルタイム配信ならではのトラブルリスクがあります。通信障害による映像・音声の途切れや、機材不具合での配信停止が起こりうるため、視聴者が離脱してしまう恐れがあります。

また、ライブならではの言い間違いや説明不足も起こりがちで、録画と違って編集での修正はできません。特に商品価格や仕様について誤った情報を伝えるとクレームにつながります。このようなトラブルに備え、バックアップ環境や対応マニュアルの準備が重要です。

視聴者による迷惑行為が問題になることがある

ライブコマースでは、視聴者からの不適切なコメントや妨害行為が問題になることがあります。悪意あるユーザーが過激な発言をしたり、根拠のない批判をすることで配信の雰囲気が悪化する可能性があります。競合からの妨害や、意図的なネガティブキャンペーンのリスクもあります。

こうした迷惑行為は他の視聴者の購買意欲を削ぎ、配信者の集中力も妨げます。そのため、不適切なコメントを削除したり、問題ユーザーをブロックしたりする機能を持つプラットフォームを選ぶと良いでしょう。

物流波動に対応できなくなることがある

ライブコマースでは、短時間に大量の注文が集中する「物流波動」が発生することがあります。通常のECサイトでは注文が分散しますが、ライブコマースでは一気に注文が入るため、対応できないと発送遅延や誤出荷などのトラブルにつながります。

特に人気インフルエンサーの起用時や限定商品販売時には、想定の数倍の注文が入ることも珍しくありません。対策としては、余裕を持った在庫管理と急な出荷増に対応できる物流体制の構築が不可欠です。

こうした物流波動に適切に対応するには、専門的な知識と柔軟な体制が必要となります。ウルロジでは、急激な注文増にも対応できる仕組みと専門スタッフによる伴走サポートを提供しています。物流のプロに任せることで、EC事業者はライブコマースの企画や集客に集中でき、売上拡大と顧客満足度の向上を同時に実現できるでしょう。

ウルロジのサービス詳細は、以下のページよりご覧いただけます。

>>物流波動に強いウルロジのEC物流代行サービスの資料をチェックする

物流波動は以下の記事でも解説していますので、あわせて参考にしてください。

>>EC事業者必見!物流波動の基本と効果的な対応戦略

ライブコマースは日本で流行らない?今後の可能性は?

ライブコマースは日本で流行らない?今後の可能性は?

日本でライブコマースが中国ほど普及していない理由は、いくつかあります。

  • 影響力のあるライバーが少ない
  • 専用プラットフォームが少ない
  • 日本人は中国人よりもモノを買わない傾向にある
  • 大手企業がライブコマースから撤退した

しかし、InstagramやYouTubeがライブコマース機能を強化していることや、Z世代を中心に動画コンテンツ消費が増加していることから、今後は緩やかに市場拡大が見込まれます。特に成功事例が蓄積されれば、販売戦略の一環として取り入れる企業も増えていくでしょう。

海外のライブコマース事情は、以下の記事で紹介していますので、あわせてご覧ください。

>>越境EC×ライブコマースで海外進出を加速!成功のコツと海外市場を分析(※内部リンク)

ライブコマース成功の6つのポイント

ライブコマース成功の6つのポイント

ライブコマースを成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。計画的な告知から視聴者とのコミュニケーション、特典の用意、物流体制の整備など、しっかりと準備して臨むことが重要です。以下のポイントを押さえることで、成功率を高められるでしょう。

配信日時を予告する

ライブコマースを成功させるには、事前の告知が非常に重要です。配信日時を明確に予告することで、視聴者が予定を立てやすくなり、リアルタイムでの視聴者数を増やせます。SNSを活用し、配信予定日の数日〜1週間前には告知を始め、当日までカウントダウン形式で情報を更新すると効果的です。

特にInstagramのストーリーズ機能を使えば段階的に訴求でき、既存顧客にはメールマガジンやLINE公式アカウントでの告知も有効です。告知時には紹介商品や特典情報も伝え、定期的な配信スケジュールを組むと良いでしょう。

コミュニケーションを大事にする

ライブコマースの最大の強みは、配信者と視聴者のリアルタイムのコミュニケーションです。視聴者からのコメントには積極的に反応し、名前を呼んで返答することで親近感と信頼関係を築けます。

「○○さん、こんばんは!」「△△さんのご質問にお答えします」など個別に話しかけると、視聴者は大切にされていると感じます。質問には具体的に回答し、「この色はどう思いますか?」など視聴者に問いかける工夫も大切です。このようなコミュニケーションが購買率向上につながります。

ライブ視聴者限定特典を用意する

視聴者限定の特典は、ライブコマース成功の重要ポイントです。「今だけ」「ここだけ」という限定感や特別感が購買意欲を高めます。例えば、以下の特典が効果的です。

  • ライブ中だけ使えるクーポン・割引
  • 先行予約権
  • ノベルティ
  • 送料無料キャンペーン など

時間制限を設けることで緊急性を演出し、購入を後押しします。特典はライブ中にしっかり伝え、視聴者が「参加して良かった」と感じる体験を提供しましょう。

アーカイブに残す

配信後にアーカイブとして残すことで、ライブコマースの効果を最大化できます。リアルタイムで視聴できなかった顧客や購入を迷っていた視聴者に後から見直す機会を提供でき、一度の配信効果が長期間継続するのがメリットです。

特に商品の詳細説明やデモが含まれる配信は参考資料としても価値が高く、アーカイブ視聴者向けの特典も用意すれば購入促進につながります。配信内容の要約や質疑応答をテキスト化したり、次回配信の告知を添えたりすると使いやすいコンテンツになり、継続的なマーケティング活動の資産となります。

インフルエンサーを起用する

自社に適切な配信者がいない場合や大きな集客効果を狙うなら、インフルエンサーの起用が効果的です。特に商品ジャンルと親和性の高いインフルエンサーを選べば、商品の魅力を自然に伝えられ、新たな顧客層にアプローチできます。

家電は暮らし系インフルエンサー、アパレルならファッション系インフルエンサーなど、専門性とフォロワー層が合致する人物を選びましょう。事前に商品説明を十分に行い、実際に使ってもらうと説得力が増します。フォロワー数だけでなく、エンゲージメント率や交流の質も重視した選定が大切です。

大量注文にも対応できる物流体制を構築する

先ほどもお伝えしましたが、ライブコマースは短時間に大量注文が発生するため、通常のECサイトより高い物流対応力が求められます。事前に十分な在庫確保、人員配置、梱包資材準備、配送会社との連携など総合的な物流計画が重要です。

特に人気商品や限定商品では予想を上回る注文に備え、通常の2〜3倍の処理能力を確保しておくとよいでしょう。配信中にリアルタイムで在庫状況を把握し、透明性ある運営も大切です。自社のキャパシティを超える可能性がある場合は、物流波動に柔軟対応できる物流代行サービスの活用も検討しましょう。

このような急な物流波動の課題には、物流代行サービス「ウルロジ」がおすすめです。拡張性の高い倉庫と専門スタッフの伴走サポートで、SNSバズやライブコマースによる急激な出荷増加にも柔軟に対応し、安定した物流運用を実現できます。

物流についてお困りごとがあれば、何でもお気軽にウルロジまでご相談ください。

>>自社のEC物流状況をウルロジに相談する

ライブコマースを活用した企業の成功事例

ライブコマースを活用した企業の成功事例

日本でもライブコマースを効果的に活用し、成果を上げている企業が増えています。各社それぞれの特徴を活かした取り組みは、これからライブコマースを始める企業にとって貴重な参考例となるでしょう。

ユニクロ

ユニクロのライブコマース

引用:UNIQLO LIVE STATION

ユニクロは「UNIQLO LIVE STATION」という自社プラットフォームとInstagramでライブコマースを展開しています。店舗スタッフが配信者となり、商品の素材感や着心地、コーディネート術を詳しく解説するのが特徴です。配信者と別に司会役を置くことで、商品紹介と視聴者コメントへの対応を分担し、スムーズな進行を実現しています。

配信冒頭には基本情報の説明があり、初めての視聴者でも安心して参加できます。配信中に紹介した商品は画面上に表示され、タップするだけで購入ページに移動できる導線設計も魅力です。

資生堂

資生堂のライブコマース

引用:Find Beauty LIVE

資生堂は「Find Beauty LIVE」という自社プラットフォームとInstagramでライブコマースを実施し、美容部員や開発者が出演して商品を紹介しています。特徴は専門家が使用方法や効果を詳しく解説しながら実演する点で、テキストや画像では伝わりにくい化粧品の質感や発色を視覚的に伝えることに成功しています。

また、視聴者からの質問にリアルタイムで回答し、商品の選び方や使用方法の不安を解消します。配信画面から直接購入ページへ遷移できる仕組みも整え、配信限定セットの販売やクーポンなど特別感のある企画も人気です。

ファンケル

ファンケルのライブコマース

引用:FANCL LIVE

ファンケルは「FANCL LIVE」という自社プラットフォームとInstagramでライブコマースを展開し、社員が商品のデモンストレーションを行なっています。ビューティーやヘルスケア、ライフスタイルといったジャンルに分けて、化粧品やサプリ、アパレルなどの商品を紹介しています。

ライブ配信限定の特別価格や先行販売の実施で購買意欲を高め、視聴者との活発なコミュニケーションによりファン獲得にも成功しています。今では多くのファンを抱えるライブコマースになりましたが、最初は私物の三脚で立てたスマホで撮影するところから始まったそうです。

日本のライブコマースプラットフォームを紹介

日本のライブコマースプラットフォームを紹介

ライブコマースを始めるには、既存のSNSや専門サービスを活用する方法があります。それぞれ特徴が異なるため、自社の目的や予算に合わせて選ぶことが重要です。SNSでライブコマースを始める場合は、以下のいずれかを選ぶと良いでしょう。

  • YouTube
  • Instagram
  • TikTok
  • facebook など

ただし、2025年3月現在、国内のSNSにはライブコマース専用の機能が実装されていないため、ライブ配信画面から商品の購入ができないのがデメリットです。ライブ配信画面から商品を直接購入できるような動線を整えたい場合は、有料のライブコマースプラットフォームに登録する必要があります。

EC事業にライブコマースを取り入れて更なる販路拡大へ

EC事業にライブコマースを取り入れて更なる販路拡大へ

ライブコマースは、商品の魅力を動画で伝え、視聴者と双方向コミュニケーションを取りながら販売できる新たなEC戦略として注目されています。中国で急成長を遂げ、日本でも徐々に普及が進んでいます。成功のカギは、適切な配信者の選定、事前の告知、視聴者とのコミュニケーション、特典の提供、アーカイブの活用にあります。

特に重要なのが物流体制の構築です。ライブコマースで売上が急増した際にスムーズに出荷できなければ、顧客満足度が下がりブランドイメージを損ないます。ウルロジの物流代行サービスなら、通常時の安定した出荷はもちろん、急な注文増にも柔軟に対応可能です。

EC事業者は配信企画や商品開発に集中し、物流はプロに任せることで効果的な販売戦略を展開できるでしょう。新しい販路を活用し、さらなる事業拡大を目指してみませんか。

ウルロジに相談してみる

タグ : EC運用 ライブコマース
Pocket