【EC運営】OMS(注文管理システム)とは?機能とメリット・デメリットについて
2023.12.29店舗運営収益性の高いEC運営を行うためには無駄のない注文管理が重要です。
売れやすい商品だとしても、注文受付から配送までの間に余計なコストがかさんでしまっては、利益率が悪くなってしまいます。
そこで注目したいのがOMS(注文管理ステム)です。
OMSは注文管理をオンラインで自動化したシステムのことであり、物流業務にかかる余計な工数を削減することができます。
今回はEC運営の核ともいえるOMS(注文管理システム)について、その概要から具体的な機能、メリット・デメリットを解説していきます。
目次
注文管理とは
注文管理とは顧客の注文を管理する一連の業務のことを指します。
具体的には注文受付から注文内容の確認、在庫の確認、配送指示、出荷などが含まれます。
詳細な業務内容は異なりますが、個人の消費者向けの場合も法人向けの卸業の場合も基本的な業務内容は相違ありません。
また、注文から出荷のみではなく、顧客の注文データの管理や、在庫確認から配送指示までの作業の効率化など、運営全体の改善といった役目も注文管理には含まれます。
たとえば、注文データは生産部門や仕入部門の生産性アップに、配送指示は出荷配送部門の効率化に大きく関係してくるでしょう。
このように注文管理はEC運営や物流における重要なステップと言えます。
業務の流れ
一般的な注文管理の業務の流れは以下の通りです。
1.注文受付
2.注文内容の確認
3.仕入れ・在庫の確認
4.入金確認
5.出荷指示
6.メール送信
1つずつ順番に見ていきましょう。
注文受付
注文管理の最初のステップは注文受付です。
EC運営における注文の受付方法は、AmazonのようなECサイトであればサイト内の注文画面から、テレビショッピングであれば電話から、公式サイトなどの販売画面であればメールからなど、販売している媒体毎に様々です。
注文画面で動作できない、電話が繋がらない、メールが届かないなどのトラブルが発生すると、
顧客からの注文を受注できず、利益どころか売上すら見込めません。
注文受付ができないとその後の業務は全く意味を成さないため、いかに正確に、そして素早く顧客からの注文を受付できるかどうかが重要となります。
注文内容の確認
注文受付ができれば次に、どの商品を何個、いつまでに、どこへ、どのような方法で届けるのかといった注文内容を確認します。
たとえば個人の消費者であれば、配送日時の指定があったり、遠方や離島などへ届ける際の手数料が必要になったりする場合があります。
法人であれば、複数種類の商品をそれぞれ何個ずつという注文の場合もあるでしょう。
このように注文内容は在庫管理や出荷業務へ影響するため、正確に処理するとともにデータの管理が必要となります。
仕入れ・在庫の確認
仕入れ・在庫の確認では、注文内容に沿って在庫があるのか、仕入れが必要なのかの確認を行います。
顧客に対して、即出荷できるか仕入れを待ってもらうかの連絡を返す必要があるため、仕入れ・在庫確認はできるだけスムーズに行う必要があります。
ただし、仕入れ・在庫確認は注文データの傾向から、ある程度は事前に対応することができるため、日々の仕入れ・在庫確認にも注意を払っておきたいところです。
入金確認
入金確認は売上に直結する重要なフェーズです。
入金確認の際のイレギュラーとして、入金額が不足していれば出荷はできない、入金額が多ければ後日返金対応という大きく2つのケースが挙げられます。
特に公式サイトやSNSなどから直接販売する場合に多い、振込みによる入金では、金額間違いによるイレギュラーが発生しやすいため注意が必要です。
出荷指示
注文内容の確認から入金確認まで完了したら、最後に出荷指示を行います。
出荷指示は顧客の注文内容に基づいて行うため、内容を出荷部門へ正確かつ素早く伝達することが求められます。
他の顧客の注文内容と混同してしまうと、出荷ミスが発生し大きなトラブルに繋がる恐れもあるでしょう。
特にEC運営では顧客の購入体験がブランドへの信頼と直結するため、注意しながら出荷指示を行うことが必要です。
メール送信
最後に、発送が完了したことを顧客へ伝えるメール送信を行います。
メールには注文内容の詳細、発送完了のお知らせ、いつ頃届く予定なのかの3点を記載するのが一般的です。
顧客から問合せがある場合の連絡先もメールに記載しておくとよいでしょう。
OMS(注文管理システム)とは
OMSとはOder Management System(オーダーマネジメントシステム)の略であり、注文管理のあらゆる行程の一元管理と効率化が可能なシステムです。
たとえばモール型ECサイトや自社の公式サイトなど複数の媒体で販売している場合、それぞれの媒体毎に注文受付方法が異なるため、
これを一つにまとめて管理するとなると対応コストがかさむことが考えられます。
OMSを導入すればこうした異なる方法の注文を全て一元化することができ、コストの削減ができます。
また、上記で解説した注文管理の業務内容は、商品や販売方法、物流システムによって大きく異なるため、
効率的な物流を実現するためには、それぞれにあった注文管理システムが必要です。
衣料品を販売する会社の注文管理と、お中元などの生鮮食品を販売する会社の注文管理では、
配送方法や出荷指示、倉庫管理も大きく異なるでしょう。
こうした、商品や販売方法、物流の仕組み毎に適した注文管理方法もOMSの導入によって実現することができます。
なお、OMSと関連してWMS(倉庫管理システム)というものがあります。
WMSはどの商品が倉庫内のどこに何個あるかといった情報や、入出庫に必要な人員の配置、帳票やラベルの発行など、倉庫内の業務のみを管理するシステムです。
WMSを有効活用することで倉庫内の無駄なスペースを省くといったコスト削減にも繋げられます。
WMSについては以下記事で具体的に解説していますので、ぜひ参考にしてください。
注文管理システムの主な機能
OMSの主な機能を以下で解説していきますので、オフラインでの一般的な注文管理業務との違いを比較してみてください。
注文受付
OMSの注文受付は様々な媒体からの注文を1つの管理システムにまとめられることが大きな特徴です。
複数の販路を保有している場合、媒体ごとに注文受付を行い、さらに注文内容を自社のデータとしてまとめる行程が必要になります。
しかしOMSを導入することで、注文受付からデータ集計まですべて自動で行ってくれるため、注文受付管理が楽になるでしょう。
受注処理
従来の受注処理では、注文が重なった際に大きな管理コストが発生していましたが、OMSを導入することで、注文内容を正確にデータへ反映することが可能になります。
繁忙期によって注文数が増えた場合、従来の処理体制では全ての内容を確認する必要がありましたが、OMSを導入することで自動化し人為的なミスを無くすことができます。
また、確認のための工数の削減にも繋げられるため、受注処理の行程を大幅に改善できるでしょう。
在庫確認
OMSでは在庫確認も自動化することが可能であり、顧客からの注文に対してすぐに発送できるか、仕入れが必要かということも全てシステム上で管理が可能です。
また在庫の増減数も、これまでの注文履歴から自動で算出してくれるため、在庫管理の効率化にも繋がります。
さらに、人が手動で在庫数を数えていると、実際の在庫数とデータ上の在庫数に差異が生じる可能性もありますが、OMSではリアルタイムで正確な在庫数をデータに反映できます。
入金処理
OMSは入金処理の効率化にも大きく関係してきます。
OMSでは入金額の確認から出荷可能かどうかの判断まで自動で行われるため、スムーズかつ正確な出荷指示が可能です。
たとえば全て手動で行っている場合、営業時間外であれば確認処理ができないため、出荷指示も繰り上げで遅れることになり、即配達を希望する顧客は期日までの入金が求められます。
しかし、OMSの導入によって物流倉庫の営業時間に関わらず、入金から出荷までの伝達ができるため、即配達も可能になります。
このように、システムを導入したからこその運営体制を築ける点はOMSのメリット1つと言えるでしょう。
出荷指示
OMS上で入金確認ができれば、出荷指示も自動で完了するため、人為的な指示は必要なくなります。
1つの工程を削減できるため、人件費の削減に繋げられ、その他の業務へリソースを割くことができます。
メール送信
OMSではメール送信も出荷完了と同時に自動で配信されるため、確認しながら行う必要がありません。
メールのテンプレートを作成しておけば、注文受付の際に顧客のメールアドレス宛に自動でメールを作成してくれるため、メール送信においても大幅なコスト削減ができます。
導入するメリットとデメリット
OMSは注文管理を効率化できる優秀なシステムですが、一方で、導入にはデメリットもあります。
デメリットも押さえておくことで、OMSの性能をより理解した上で導入するか否かの判断ができるでしょう。
ここからは、OMS導入におけるメリット・デメリットを解説していきます。
メリット
【メリット1】作業ミスの防止
OMS導入の1つ目のメリットは作業ミスの防止です。
従来の人が操作する管理体制では何かしらのヒューマンエラーが起こりトラブルに繋がる可能性がありますが、OMSを導入し自動化することで、こうした人為的な作業ミスを防止することが可能です。
たとえば、人によって注文内容を確認していると、その他の注文と混同してしまい配送ミスが発生する恐れがありますが、OMSによって自動化することでミスなく、注文を処理することができます。
【メリット2】作業時間を短縮できる
また、OMSの導入では作業時間を短縮できるという点も大きなメリットです。
人が担当していた各工程をOMSによって自動化することで業務にかかる時間を大幅に削減できます。
作業時間を短縮できれば、その分の時間を人が必要な業務へ充てられるため、システムが担当する業務と人が関わる業務の密接な連携がとれた管理体制を作り上げられます。
また、最小限の時間で業務が完了すれば労働環境の改善にも繋がるでしょう。
【メリット3】人件費の削減
OMSの導入による作業時間の削減は人件費の削減にも繋げられます。
物流において、いかにランニングコストである人権費を削減した上でスムーズな運営ができるかは大きな課題となります。
売上に伴って人件費もかさんでいては、最終的な粗利が増加しないということにも繋がりかねません。
繁忙期により多くの人を割いていては、ただ受注数が増加したのみで終わってしまう場合もあります。
OMSを導入することで、最低限の人件費で業務を遂行できるため、コストの問題を改善してくれるシステムとも言えます。
デメリット
【デメリット1】導入コストが掛かる
OMSの導入にはメリットがある一方で、デメリットもあります。
それは導入コストが掛かるという点です。
OMSは導入の際に掛かる初期費用と毎月掛かるランニングコストが必要であり、合計の相場は月1万円~です。
参考:ネクストエンジン
また稼働量によってコストが必要になる場合がほとんどであり、売上に比例してコストも増大すると見込んでおく必要があります。
ただし、OMS導入のコストと人件費を比較した場合、OMS導入のほうが安く抑えられるケースが多いです。
またその他にも、管理工数が減る、作業時間が短くなる、人為的なミスを防げるなど、OMS導入のメリットのほうがはるかに大きいと言えるでしょう。
OMS(注文管理システム)の種類
OMSには大きく2つの種類があります。
・オンプレミス型
・クラウド型
基本的な機能は変わらないものの、それぞれに特徴があるため、導入を検討している場合はそれぞれがどのようなものか押さえておきましょう。
オンプレミス型
オンプレミス型とは、自社内でサーバーや通信システムなどを構築・運用し、その上でシステムを利用する仕組みです。
OMSとして注文管理システムを利用する前に、システムが起動するためのインフラの構築が必要になります。
そのため導入にあたって複雑な手続きが必要であり、それにともにない費用も高くなるケースが多いです。
また、導入後のサーバーの保守・運用も自社で行う必要があるため、専門的な知識をもった技術者を自社で抱える必要があります。
システム導入に伴って外部の社員を導入することも多いですが、その分の費用や情報漏洩リスクなども発生するでしょう。
こうしたデメリットがある一方で、オンプレミス型は自由なシステムを構築できるというメリットも挙げられます。
たとえば、販路を複数保有していたり、さまざまな決済方法に対応していたりするEC事業者の場合でも独自のOMSを導入することが可能です。
また、自社でハードウェアを構築することで、外部からのアクセスを防げるため、セキュリティ面でのメリットもオンプレミス型には挙げられます。
こういったことから、売上規模の大きい企業や独自のシステムを構築したい企業、セキュリティ対策を万全にしたい企業におすすめと言えるでしょう。
クラウド型
クラウド型とは、サーバーや通信回線はオンライン上の外部のものを使用し、システムのみ自社で利用する仕組みです。
OMSだけでなく、ホームページやCRM(顧客管理システム)などもクラウド型が一般的になります。
クラウド型はオンプレミス型とは異なり、自社でサーバーの構築・運用をする必要がないため、専門的な知識は必要ありません。
また、OMSのシステムのみ導入するだけで運用を開始できるため、コストもオンプレミス型よりは安くなるケースが多いです。
ただし、クラウド型はカスタマイズ性に乏しく、自社独自のOMSを作ることができません。
複雑な運営体制を保有しているEC事業者は、一部のみしか活用できずOMSを有効活用できない場合があるでしょう。
また、オンライン上のサーバーを利用するため外部からアクセスされる可能性もあります。
ただし、サーバーを運営している業者側でセキュリティ対策を行っていることが一般的なため、過剰に心配する必要はありません。
こうしたことからもクラウド型は、中小企業やカスタマイズにこだわらない企業、コストをなるべく抑えたい企業向けと言えます。
おわりに
OMSは注文管理業務を効率化できる優秀なシステムです。
EC運営の核でもあるバックヤード業務の課題を解決できれば、大幅な売上改善にも繋げられるでしょう。
ぜひOMSを導入して、効率の良いスムーズなEC運営を実現していきましょう。
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