単品リピート通販とは?メリット・デメリットと成功するためのポイント

2023.12.22物流・フルフィルメント
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近年ネットEC業界は単品リピート通販という販売方法が注目されています。
通販というとAmazonや楽天、カタログ販売などの幅広い品揃えのいわゆる総合通販を想像する人が多いかと思います。しかし最近では決まった商品を同じ顧客が何度も繰り返し購入する単品リピート通販の事業を始める業者が増えてきています。

今回は単品リピート通販とはどのような事業形態なのか、また単品リピート通販を行うメリットやデメリットについて詳しくご紹介します。

単品リピート通販とは?

インテリア・雑貨ECの動向

単品リピート通販とは様々な種類を販売する総合通販とは真逆のビジネスモデルで1つの商品を繰り返し販売し続ける方法のことです。

例えば総合通販の代表であるAmazonや楽天などでは、家電から書籍、食品やアパレルなど幅広い品揃えで勝負をしており、顧客も欲しい物があったときに、似たような商品と比較して購入するこができます。しかしながら単品リピート通販は1つの商材を定期的に繰り返して購入してもらうスタイルで、比較する同種類の商品を販売しないため品揃えは1店のみ、または圧倒的に少ない商品数で勝負しています。

単品リピート通販のメリット

アパレル物流の特徴

商材1種類からでスタートできる

単品リピート通販は総合通販とは違い、1ジャンルの商品のみの販売、またはこだわりの商品を取り扱う通販サイトではたった1種類しか販売しないという店舗も存在します。

例えば単品リピート通販業者の中でトップクラスの売上を誇るサントリーウエルネス社では、サプリメントや健康食品という1ジャンルに特化し、こだわりの自社製品である健康サプリ「セサミン」に力を入れ販売しています。今ではこのセサミンが消費者たちに認知され、リピーターはもちろんのこと今でも新規の顧客を増やし続けているのです。

価格競争をする必要がない

前述したように単品リピート通販は自社ブランドの商品を販売するため価格競争に巻き込まれることがありません。総合通販であれば同じ種類の商品でも様々なメーカーで製造され、色々な通販や小売店で販売されている商材を取り扱うので、他社と比べ商品を安くしないと価格競争に負けてしまい売上が悪化します。

そのため他社よりも薄利で安い販売価格にして、経営をどんどん圧迫してしまう可能性があるのです。自社製造のオンリーワンの商品であれば多少の類似品はあっても全く同じものは存在しないので、利益が出る価格を自由に設定して販売することができます。

単品リピート通販のデメリット

Shopify導入のデメリット

認知されるまでが大変

単品リピート通販の大手でも、立ち上げ当初の売上はとても少ないものでした。しかし、自社にしか作ることのできない質の良い商材を良質なサービスで販売し続け、お客様の口コミやマーケティングの努力によりここまで大規模な通販企業になれたのです。

総合通販の商品はすでに有名なメーカーの商品が多数揃っているため品数や価格が良ければすぐに売上につながりますが、単品リピート通販は種類の少ない、まだ認知されていない商品を販売することから始めなければいけません。単品リピート通販の店舗は商品やサービスの質だけでなく広告やマーケティングでも努力が必要なのです。

広告費がかかる

金額

まだ認知されていない自社ブランドの商品を販売する単品リピート通販ではマーケティングが店舗の今後を左右すると言っても過言ではありません。商品に自信があったとしても、まだ無名で実績のない商品なので消費者に高品質であるということを理解してもらう必要があります。サイト内にお客様の声を掲載させ、画像や動画でわかりやすく商品を説明することはもちろん、テレビやネットなど商品を販売するターゲットの性別や年齢層にも広告を流す必要があります。

それでも始めは認知度が低いため色々な媒体に広告を出しているにも関わらずあまり売上が伸びないこともあり、広告の効果が出始めるまでには時間がかかるのです。

単品リピート通販に向いている商材とは?

コスメ・化粧品通販における3PLとは

単品リピート通販に向いている商品は消費者が日常使いする消耗品で、自宅で在庫を切らすたびに注文してもらえる商品が適しています。

健康サプリ

サントリーウエルネス社のセサミンなど、健康食品は自社開発の製品で他社製品では代えがきないため、一度定期購入し始めた顧客はなかなか離れません。毎日摂取するものなので、終わりそうになれば繰り返し購入され、顧客を掴み続けることができます。

また、他社が同商品を取り扱うことがないので、価格競争をすることが無く常に同じ利益で販売し続けることができます。

自社独自の食品や飲料

飲料水や米などほぼ毎日消費される食品や飲料は、一度顧客をつかむと定期的に、そして継続的に購入してもらえます。スーパーなどの小売店や他の通販サイトでも取り扱いのある商品ですが、自社にしか無い品質や、ダイエットや健康などに絡めた特別な食品飲料であれば定期的な顧客をつかめるでしょう。

化粧品

ドラッグストアで手に入る大手メーカーの化粧品ではなく、自社で開発、販売する化粧品は他店では販売されておらず、信頼を得られることができれば定期購入の顧客がつきます。高品質でお客様の信頼度も高い化粧品であれば、一般的に販売されている化粧品よりも価格が高くても売上が落ちないこともメリットです。再春館製薬所のドモホルンリンクルシリーズなどは化粧品の単品リピート通販商品の代表と言えるでしょう。

単品リピート通販ではカートシステムが重要

単品リピート通販では楽天やアマゾンのようなショッピングモールに出店するのではなく自社の直営店サイトを作る必要があります。大手ショッピングモールでは定期販売機能が無く、商品1点ごとに販売手数料を支払う必要があるところがほとんどなので、1点ごとの販売手数料分自社サイトの金額よりも高く販売しなければ同じ利益が得られなくなります。

そのため単品リピート通販を行う業者では自社で通販サイトを作り、顧客管理やカート機能をカスタマイズできるカートシステムを利用するのが一般的です。会員登録や会員管理機能、定期販売機能など単品リピート販売に特化していることはもちろん、開始当初は多くの売上を望めませんので、初期費用や月額使用料が安いカートシステムが適しています。

サブスクストア(たまごリピートNext)

引用元:サブスクストア(たまごリピートNext)

おすすめのカートシステムとしてはサブスクストア(テモナ株式会社)が提供している「サブスクストア」(旧たまごリピートNext)というカートシステムが単品リピート通販のカートシステムでは最も人気となっています。 リピート購入や顧客管理はもちろんのこと、入出荷や売上集計などの業務も容易に行うことができます。
利用料は初期費用が69,800円(税抜)~、月額利用料が49,800円(税抜)~と比較的安価に利用することができます。

カラーミーリピート

引用元:カラーミーリピート

簡単にECショップを作ることができるカラーミーショップなどのカートシステムで有名なGMOペパポ社の「カラーミーリピート」は利用料が安く人気となっています。サイトをビジュアル的に構築し、初心者でも簡単にサイト作成ができるだけではなく単品リピート通販に必要な機能はすべて網羅しています。
さらに初期費用が0円、月額使用料が9,800円(税抜)~とかなりリーズナブルなので、手軽に始められるカートシステムになります。

おわりに

単品リピート通販は高品質な自社商品を開発し、計画的にマーケティングすることができれば様々な商品取り扱う総合通販の店舗よりも長期的に安定した収益が望めます。

自社の商品を好んでくれて、定期的に購入してくれる「ロイヤルカスタマー」と呼ばれる顧客を多く獲得し、商品の質や顧客管理を徹底して信頼を損なわないことが成功への近道です。

 

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角田和樹
上場企業であるディーエムソリューションズ株式会社の物流関連サービスで15年間、営業やマーケティング、物流企画など様々なポジションを経験。 現在は物流・発送代行サービス「ウルロジ 」のマーケティング全体設計を担う。通販エキスパート検定1級・2級を保有し、実際に食品消費財のEC事業も運用。ECノウハウに対しても深い知見を持ち、物流事業者としてだけでなく、EC事業者の両面からnoteウェビナー等での情報発信を行う。