東南アジアで人気の越境ECプラットフォーム9つを比較!どのサイトがおすすめ?
2024.11.21ECサイト東南アジアの越境EC市場は、デジタル化の進展と中間所得層の拡大により急速な成長を続けており、多くの日本企業にとって魅力的な市場となっています。新規参入を検討する企業にとって、各プラットフォームの特徴や強みを理解することは、成功への重要な第一歩となります。
この記事では、ShopeeやLazadaをはじめとする東南アジアの主要なECプラットフォームを徹底比較しました。それぞれの特徴や手数料、サポート体制など、海外展開する際の参考となる情報をご紹介します。東南アジアに進出するにあたって、どのECサイトを利用しようか検討中の方はぜひ参考にしてください。
なお、東南アジア各国の市場規模や進出時の注意点などは、下記の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。
>>東南アジアの越境ECの市場規模は?始め方や進出時の注意点を紹介
これから越境ECを始める方は、越境EC完全攻略ガイドもご活用ください。
目次
越境ECで東南アジアに進出する方法は主に2つ
東南アジアでの越境ECビジネスを始めるにあたって、主な参入方法は2つあります。自社の状況や目的に応じて、最適な方法を選択することが越境EC成功への第一歩となります。ここでは、それぞれの方法のメリット・デメリットを詳しく解説します。
ECプラットフォームに出店する
ShopeeやLazadaなどの東南アジアの主要ECプラットフォームへの出店は、越境EC初心者に特におすすめの方法です。ECプラットフォームは、すでに確立された集客力と信頼性を持っているため、ブランドの知名度が低くても比較的スムーズに販売を開始できます。
プラットフォームでは、決済システムや多言語対応、物流網が整備されており、販売者は商品登録と在庫管理に注力できます。また、現地の消費者動向やトレンドを把握しやすく、マーケティング施策も展開しやすいのもメリットです。
ただし、プラットフォームへの出店には手数料が発生し、多くの場合、売上の15〜20%程度を支払わなければなりません。プラットフォームのルールや規約に従う必要があるため、独自の販売戦略を展開したい場合は制限を受ける可能性があります。
自社ECサイトを構築する
独自の越境ECサイトを構築する方法は、より自由度の高いビジネス展開が可能です。自社のブランディングを重視し、独自の世界観や価値提案を行いたい企業に適しています。商品の見せ方やプロモーション方法、顧客とのコミュニケーション方法など、すべてを自社で決められます。
また、プラットフォームへの手数料支払いが不要なため、長期的には収益性が高くなる可能性があります。顧客データを直接管理できることも大きな利点で、より効果的なマーケティング戦略の立案が可能です。
しかし、ECサイト構築には専門的なノウハウと相応の初期投資が必要です。多言語対応、決済システムの導入、物流網の確保など、すべてを自社で手配しなければなりません。集客も自社で行う必要があるため、参入国に合わせたSEO対策やデジタルマーケティングの知識も求められます。
自社ECサイトを構築して越境ECを行おうと考えている方は、下記の記事も併せてご覧ください。
>>東南アジアで大注目の「SHOPLINE」の主な機能や特徴を紹介!Shopifyとの違いは?
>>越境ECのサイト構築のポイントは?モール運用との違いも解説
東南アジアで人気の越境ECプラットフォーム9選を比較
東南アジアの主要なECプラットフォームには、複数国で展開するShopeeやLazada、各国を代表するTokopediaやTikiなど、特徴の異なる多様なプラットフォームが存在します。
ECサイト | 対応国 | 初期費用 | 販売手数料 | 日本語サポート |
Shopee |
|
無料 | 3.21〜11% | 〇 |
Lazada |
|
無料 | 1〜4% | 〇 |
Qoo10 |
|
無料 | 6〜10% | 〇 |
TikTok Shop |
|
無料 | 国により異なる | × |
Amazon | シンガポール | 無料 | 5~15% | × |
Tokopedia | インドネシア | 無料 | カテゴリーにより異なる | × |
Bukalapak | インドネシア | 無料 | 1.5〜6% | × |
Tiki | ベトナム | – | カテゴリーにより異なる | × |
Sendo | ベトナム | 無料 | – | × |
ここでは、各プラットフォームの対応国や手数料、日本語サポートの有無など、越境ECを始める際に重要となる情報を詳しく解説していきます。
なお、世界各国で人気のECモールは下記の記事でも紹介していますので、併せてご覧ください。
>>【最新版】越境ECで人気のECモールランキングを発表!主要な進出先国別にTOP3を紹介
Shopee
引用:Shopee
Shopeeは、2015年にシンガポールで設立された東南アジア・台湾最大規模のEコマースプラットフォームです。現在はシンガポール、マレーシア、タイ、台湾、ベトナム、フィリピンなど、東南アジア各国で展開されており、毎日数千万人の消費者が利用しています。
ショッピングアプリのダウンロード数や月間アクティブユーザー数において、東南アジアで常にトップクラスの実績を誇ります。特徴的なのは、単なる商品販売だけでなく、ライブコマースやゲーミフィケーションなど、エンターテインメント性の高い機能を提供している点です。また、定期的な大型セールの開催や、著名人を起用したマーケティング施策により、継続的な集客と売上向上を実現しています。
対応国 | シンガポール、マレーシア、タイ、台湾、ベトナム、フィリピン |
初期費用 | 無料 |
販売手数料 | 3.21〜11%
※国により異なる |
日本語サポート | あり |
Lazada
引用:Lazada
Lazadaは、2012年の設立以来、東南アジアのEコマース市場をリードし続けているプラットフォームです。2016年にアリババグループの傘下となり、同グループの最先端テクノロジーを活用した革新的なサービスを提供しています。
現在はインドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの6カ国で事業を展開し、1.3億人以上のアクティブユーザーを抱える東南アジア最大級のECプラットフォームに成長しています。
特筆すべきは、一度の商品登録で6カ国への同時出品が可能な効率的な運営システムと、AIを活用した自動翻訳機能による言語バリアフリーな取引環境の実現です。また、30カ所以上の倉庫センターを活用した包括的な物流サポートにより、出店者は国内発送のみで東南アジア全域への販売が可能となっています。
対応国 | インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム |
初期費用 | 無料 |
販売手数料 | 1〜4%
※商品カテゴリーにより異なる |
日本語サポート | あり |
Qoo10
引用:Qoo10大学
Qoo10は、eBay Japan合同会社が運営し、東南アジア市場に強みを持つECプラットフォームです。1999年に東南アジア向けサービスとして創業され、現在は日本、シンガポール、インドネシア、マレーシアなどのアジア市場で展開しています。
特筆すべき点は、1つのアカウントで複数国への出店が可能な点と、Qxpressという独自の物流ネットワークを持つことです。注文された商品を、複雑なデータ処理しなくても海外に発送できます。
また、成果報酬型のビジネスモデルを採用しており、販売が発生した時のみ手数料が発生するため、低リスクで海外展開を始められるのも魅力です。為替レートに応じた価格の自動調整機能や、多言語対応の商品登録システムなど、越境EC特有の課題を解決する機能が充実しています。
東南アジアの対応国 | シンガポール、インドネシア、マレーシア |
初期費用 | 無料 |
販売手数料 | 6~10%
※カテゴリーによって異なる ※決済手数料を含む |
日本語サポート | あり |
TikTok Shop
引用:TikTok Shop,https://partner.us.tiktokshop.com/
TikTok Shopは、人気SNSアプリTikTokにショップ機能が統合されたECプラットフォームです。インドネシア、タイ、シンガポール、ベトナム、マレーシア、フィリピンなどの東南アジア主要国で展開されており、ユーザーはアプリ内で商品を発見し、そのまま購入手続きをすることができます。
プラットフォームの特徴は、ショート動画やライブ配信と商品販売を組み合わせた独自のショッピング体験ができることです。クリエイターと連携した商品紹介や、リアルタイムでのライブコマース機能により、商品をより魅力的な形でプレゼンテーションできます。また、アプリ内決済システムにより、ユーザーは動画視聴から購入までをスムーズに完了できます。
東南アジアの対応国 | インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナム、フィリピン、シンガポール |
初期費用 | 無料 |
販売手数料 | 国によって異なる |
日本語サポート | なし |
Amazon
引用:Amazonグローバルセリングを利用して海外で販売する方法
Amazonのグローバルセリングは、世界最大級のECプラットフォームを通じて海外展開できるサービスです。東南アジアではシンガポールを中心に展開しており、3億人以上のAmazonユーザーにリーチできる可能性があります。
特筆すべき点は、1つのセラーアカウントで複数の国際市場に参入できることと、Amazonの信頼性の高いブランド力を活用できることです。すでにAmazonを活用してアメリカやヨーロッパなどの地域へ参入済みの場合は、シンガポールへも展開しやすいでしょう。
FBA(フルフィルメント by Amazon)を利用すると、在庫管理から配送まで一貫したロジスティクスサポートを受けられるのも、Amazonを活用するメリットです。また、Amazonの豊富なデータ分析ツールを活用することで、市場動向の把握や販売戦略の最適化が可能です。
東南アジアの対応国 | シンガポール |
月間登録料 | 無料 |
販売手数料 | 5~15% |
日本語サポート | なし |
Tokopedia
引用:Tokopedia,https://www.tokopedia.com/
Tokopediaは、2009年に設立されたインドネシアを代表するECプラットフォームです。ソフトバンクグループやアリババグループからの出資を受け、インドネシアのユニコーン企業として急成長を遂げています。月間アクティブユーザー数は3,800万人を超え、現地のEC市場シェアの約30%を占める巨大プラットフォームに成長しました。
Tokopediaの特徴は、2,000以上のオフィシャルストアを展開し、商品の信頼性を担保していることです。また、分割払いなどの決済機能や、ホテル予約、チケット販売などの生活サービスも提供しており、ECプラットフォーム以上の総合的なデジタルプラットフォームとして機能しています。
対応国 | インドネシア |
初期費用 | 無料 |
販売手数料 | カテゴリーによって異なる |
日本語サポート | なし |
Bukalapak
引用:Bukalapak,https://www.bukalapak.com/
Bukalapakは、2010年に設立されたインドネシアを代表するECプラットフォームです。アリババグループの支援を受け、1,350万以上の加盟店と約1億人の顧客を抱える巨大プラットフォームに成長しました。Bukalapakの注目ポイントは、B2B、C2C、O2Oなど幅広い事業展開と、独自のコミュニティ形成による加盟店支援の充実度です。
また、セミナーやウェビナーを通じた売り手の支援、AIを活用した商品推奨システム、多様な決済方法への対応などもBukalapakの特徴的な点です。2019年からはBukaGlobalという海外輸出サービスを開始し、シンガポール、マレーシア、香港などアジア市場への展開も進めています。
対応国 | インドネシア(BukaGlobalで他アジア地域へ展開) |
初期費用 | 無料 |
販売手数料 | 1.5〜6% |
日本語サポート | なし |
Tiki
引用:Tiki,https://tiki.vn/
Tikiは、2010年に英語書籍のオンラインストアとしてスタートし、現在はベトナムを代表するECプラットフォームへと成長しました。34以上のカテゴリーで600万点以上の商品を取り扱い、特に都市部の若いオフィスワーカーから支持を得ています。
最大の特徴は、ハノイとホーチミン市での2時間配達サービス「TikiNOW」の提供です。独自の物流ネットワークを構築し、現地の配送業者と連携することで、迅速な配送を実現しています。また、ベトナム政府のキャッシュレス推進と連動し、電子決済の普及にも貢献しており、取引の40%がオンライン決済で行われています。
対応国 | ベトナム |
販売手数料 | カテゴリーにより異なる |
日本語サポート | なし |
Sendo
引用:Sendo,https://www.sendo.vn/
Sendoは、ベトナム最大のIT企業FPTが運営する地域密着型のECプラットフォームです。ベトナムの全63省で1,200万人以上のアクティブユーザーを抱え、特に地方都市や農村部での強い影響力を持っています。「赤い蓮」を意味する社名には、ベトナムの国旗の色と国花が象徴として込められています。
Sendoの特徴は、地域特性に合わせたきめ細かなサービス展開です。都市部と地方の架け橋として機能し、60%以上の購入者がハノイ・ホーチミン以外の地域から、一方で70%の販売者が都市部からという独自の市場構造を確立しています。
また、地域ごとに最適な配送会社を自動選定するシステムや、ベトナムで一般的な現金決済への対応など、地域事情に即したサービスを提供しています。
対応国 | ベトナム |
初期費用 | 無料 |
日本語サポート | なし |
東南アジア越境EC進出はウルロジまでご相談ください
東南アジアの越境EC市場では、各プラットフォームが独自の強みを持って展開しています。Shopeeはエンターテインメント性の高いサービスで若年層を魅了し、Lazadaはアリババグループの技術力を活かした6カ国展開、TikTok Shopは動画コンテンツとの融合による新しい購買体験を提供しています。
また、TokopediaやBukalapakなどのローカルECサイトは、現地の商習慣や消費者ニーズを熟知し、各国市場で強い影響力を持っています。プラットフォームの選択は、進出先の国や顧客層、販売商品に応じて慎重に検討する必要があります。
越境ECの成功には、プラットフォームの選択と同様に、効率的な物流体制の構築が不可欠です。ウルロジは、商品保管から梱包、発送まで一貫した物流サービスを提供し、充実した物流施設と最新の倉庫管理システムで、安定した物流オペレーションをサポートいたします。東南アジアへの越境ECの物流でお悩みの方は、ぜひウルロジにご相談ください。
最新記事 by 角田和樹 (全て見る)
- 東南アジアで人気の越境ECプラットフォーム9つを比較!どのサイトがおすすめ? - 2024年11月21日
- 東南アジアの越境ECの市場規模は?始め方や進出時の注意点を紹介 - 2024年11月21日
- 東南アジアで大注目の「SHOPLINE」の主な機能や特徴を紹介!Shopifyとの違いは? - 2024年10月24日