フルフィルメントサービスとは?メリットと業者選定のポイントについて

2021.11.29物流・フルフィルメント
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フルフィルメントサービスとは?メリットと業者選定のポイントについて
各種物流に関する業務や、決済処理、カスタマーサポートといったEC関連の業務を代行業者に任せたいと考えた際、選択肢に挙がるのが「フルフィルメントサービス」です。

ここでは、おすすめのフルフィルメントサービス業者とフルフィルメントサービスの詳細、利用するメリットなどについて紹介していきます。記事後半で紹介するフルフィルメントサービス利用の注意点や、気をつけたいポイントなども参考にしてみてください。

フルフィルメントサービス業者5選

フルフィルメントサービス業者5選
おすすめのフルフィルメントサービス業者として、5社の特徴、料金体系から紹介します。

社名/サービス名 特徴 料金体系
アマゾンジャパン合同会社
「フルフィルメント by Amazon(FBA)」
・商品の発送、保管、返送、お客様返品などの手数料が無料
・商品はAmazonプライム対象になる
・無料でカスタマーサポートを利用可能
・小口出品:1商品につき110円(税込)+販売手数料
・大口出品:月額5,390円(税込)+販売手数料 【1】
株式会社スクロール360
「フルフィルメント代行サービス」
・受注から発送までワンストップで利用可能
・2種類の料金プランを用意
・マーケティングサービスとの連携も可能
・物流代行(発送代行)
・単品リピート通販物流:ポストイン:1出荷439円(税込)~
・受注代行:6万6000円(税込)~ 【2】【3】
※詳細は要問合せ
ディーエムソリューションズ株式会社
「ウルロジのフルフィルメントサービス」
・当日分の出荷指示は13時まで対応
・使用しているカートによってはAPI連携による自動連携が可能
・新規立ち上げ時にも適したサービス
・ポスト投函便 350円(税込)
・60サイズ650円(税込)~
※作業込み
※全国一律
ヤマト運輸株式会社
「フルフィルメントサービス」
・入庫以後の各作業をヤマトが代行
・ヤマト運輸ならではの高品質な配送サービスを提供
・Yahoo!ストアクリエイターProとAPI連携などが可能
要問合せ
楽天グループ株式会社「楽天スーパーロジスティクス(RSL)」 ・対象は楽天市場に出展している店舗
・専任担当のコンサルタントがサポート
・倉庫の保管・出荷の上限はなし
在庫保管料+出荷作業量+配送料
※例:10日間保管した靴を、80サイズで出荷:527円(税込)【4】

出典:【1】料金プラン、配送手数料、料金シミュレーター | Amazon出品サービスの料金
https://sell.amazon.co.jp/pricing

出典:【2】単品リピート通販物流代行 | EC通販・物流代行【スクロール360】
https://www.scroll360.jp/service/fulfillment/logistics/repeat-logi/

出典:【3】受注処理代行サービス「土日祝対応プラン」提供開始/大手モール 配送品質基準ラベルの対応へ | EC通販・物流代行【スクロール360】
https://www.scroll360.jp/topics/20231031-10690/

出典:【4】サービスの詳細|楽天スーパーロジスティクス(RSL)|楽天ロジスティクス事業
https://logistics.rakuten.co.jp/rsl/overview/

それぞれの概要を紹介します。

アマゾンジャパン合同会社「フルフィルメント by Amazon(FBA)」

商品の保管から配送まで総合的に依頼できるサービスです。
FBAを利用することにより、Amazonプライム会員であればお急ぎ便・当日お急ぎ便などが無料で利用できる「Amazonプライム」の対象です。そのため、プライム対象商品を探している方の目に留まりやすくなることが期待できます。

また、昼夜問わず電話やメールで利用が可能な無料のカスタマーサービスのほか、返品サービスが充実しています。

公式サイト:フルフィルメント by Amazon(FBA)

株式会社スクロール360「フルフィルメント代行サービス」

通販フルフィルメント業務全般の物流・発送代行、リピート通販物流、分散出荷、受注代行、EC運営支援、決済代行などのサービスが利用できます。このほかにマーケティングのサービスも提供しており、これらの業務と連携させて利用できるのも強みです。

また、初期費用0円、固定費0円からはじめられる決済サービス「後払い.com」も利用可能です。物流・発送代行では流動的なカスタマイズ物流によって業務の最適化が期待できます。

公式サイト:フルフィルメント代行サービス

ディーエムソリューションズ株式会社「ウルロジのフルフィルメントサービス」

国内外のEC・物販物流代行のほか、受注代行、カスタマーサポートが利用可能です。発送業務のほか、受注業務、決済サービス、カスタマーサービスまで幅広く通販業務を支援しています。当日13時まで出荷指示を行えば、当日発送が可能です。

WMSによる在庫管理を行っており、倉庫への出荷指示や倉庫在庫の確認はいつでもオンラインで行えます。お客様の商品に合わせた作業プランでの対応ができるのも特徴です。

また、安価かつ分かりやすい料金体系も特徴の一つ。各作業費込みでA4サイズのポスト投函便が350円、60サイズ便が650円と低価格で、さらに全国一律(沖縄と離島を除く)の料金設定なので、物流コストが把握しやすい点も魅力的です。

初めてアウトソーシングを依頼される方からの利用が多く、倉庫見学のほか、WMSのレクチャーなどのフォロー体制も充実しています。月間100,000個以上の発送実績を持っていることから、実績を重視している方にもおすすめです。

公式サイト:ウルロジのフルフィルメントサービス

ヤマト運輸株式会社「フルフィルメントサービス」

ヤマト運輸の営業倉庫で商品を在庫し、入庫、保管、梱包出荷、配送、代金回収までEC事業の物流業務を総合的に代行してくれます。また、海外輸入商品の国内向け流通加工のほか、FBA向け納品代行といった豊富なオプションが用意されているのも特徴です。

物流に特化している会社ということもあり、一部の地域では当日配送に対応しています。また、サービスの導入によりYahoo!「優良配送」の対象になるのも特徴です。

ストアの商品が受領された時点から料金が発生し、契約時にかかる初期費用はありません。

公式サイト:フルフィルメントサービス

楽天グループ株式会社「楽天スーパーロジスティクス(RSL)」

楽天市場内に出展を行っている店舗に向けて提供している物流アウトソーシングサービスです。ギフトラッピングなどにも対応しているので、ギフト需要の高い商品を取り扱っている場合にも活用できます。

梱包から配送まで総合的に依頼が可能で、また楽天のイベントスケジュールを把握していることから、大型セールでもしっかり対応してくれます。
店舗と二人三脚で進めるサポート体制に力を入れていて、現状分析・課題把握・提案が受けられるのも特徴です。

公式サイト:楽天スーパーロジスティクス(RSL)

フルフィルメントサービスってなに?

フルフィルメントサービスってなに?
フルフィルメントサービスとは、通信販売やインターネット通販での、受注、 梱包、発送、受け渡し、代金回収までの一連の流れを指しています。

通信販売やインターネット通販の場合、その場で引き渡しと生産まで終了する店頭販売と違い、受注してからの作業が必要になります。この一連の作業がフルフィルメントサービスと呼ばれています。

フルフィルメントサービスのメリット

フルフィルメントサービスのメリット
通信販売やインターネット通販において重要なフルフィルメントサービスですが、代行業者にアウトソーシングするのが一般的です。では、フルフィルメントサービスを利用するメリットはどのようなものなのでしょうか。

サービスの質の向上

フルフィルメントサービスを利用すると、梱包、発送などをノウハウのあるプロが行うことになります。プロの手による的確な梱包や発送が個人経営のショップでも実現可能になり、大手の配送サービスと同レベルのサービスを提供することができます。

スピーディーな対応と顧客満足度

スピーディーな対応と顧客満足度
フルフィルメントサービスの利用は、作業を効率化させ、受注から納品までの時間を短縮することにつながります。質の高いサービスを提供しつつスピーディーな取引を実現させることができます。

通信販売やインターネット通販における受注から消費者の手元に届くまでの時間は短ければ短いほど消費者からの評価は高くなる傾向があります。つまり、フルフィルメントサービスの利用は顧客満足度アップにもつながるのです。

コスト削減

配送や梱包に関する人員やノウハウそして、システム構築や作業スペース確保などのコストをフルフィルメントサービスの利用で大幅に削減することができます。フルフィルメントサービスの利用にも費用が掛かりますが、決して安くない初期投資や継続的に発生する人件費を考えると、フルフィルメントサービスの利用は悪くない選択肢です。

マーケティングなども

フルフィルメントサービスを提供している業者の中には、マーケティングや商品の販売を合わせて行っているケースもあります。Amazonもその一例ですが、大手インターネット通販会社のホームページに自社製品を掲載することで、一般消費者の目にとまりやすくなり、製品の認知度アップにもつながります。

フルフィルメントサービスの注意点

フルフィルメントサービスの注意点
デメリット…というより注意点というほうが正しいフルフィルメントサービスを利用する際に考慮すべき点をいくつかご紹介します。

フルフィルメントサービスの利用料

フルフィルメントサービスの利用料と、得られる利益のバランスはしっかりと考慮する必要があります。
フルフィルメントサービスはとても便利で魅力的なサービスですが、どのくらい売れるか見当もつかないものや、今まで売れていなかったものがフルフィルメントサービスを利用しただけで売れるようになるというものではありません。

利用料を支払っても利益を確保できるかは、しっかりと考慮すべきポイントです。

顧客との接点が減る可能性も

顧客との接点が減る可能性も
フルフィルメントサービスには、コールセンター業務が含まれているケースがあります。この場合、顧客からのクレームなどを自社で対応しないので、顧客との接点が減り”何を求めているか?”という声がダイレクトに届かなくなります。

商品の状態の把握が難しい

商品を自社で発送していれば、どのような状態で発送しているかを発送のたびに確認できます。ですが、フルフィルメントサービスを利用した場合、その確認はできません。

デリケートな商品の場合や、毎回しっかりと確認したいという商品の場合にはフルフィルメントサービスは向いていない場合もあります。

梱包時の細かな気配りがしにくい

梱包の際、発注したのが女性の場合にはテープの端を少し折ってシールを貼っている…というインターネットショップがあります。これは、ネイルをしていることを想定して開けやすくするためのちょっとした気遣いです。そして、折り曲げていることがわかるようにシールを貼って季節感などを演出する個人経営のショップならではのサービスです。

このような”ちょっとした気配り”はフルフィルメントサービスではほぼ対応不可と言えるでしょう。

お届けの日時の指定やスピーディーで美しい梱包は可能ですが、ひとりひとり消費者に合わせた心配りは自社で発送するからこそできるものでもあります。

フルフィルメントサービスを選ぶときに気をつけたいポイント

フルフィルメントサービスを選ぶときに気をつけたいポイント
メリットがある一方で注意点もあるフルフィルメントサービスですが、アウトソーシングする場合はどのようなことに注意して選べば良いのでしょうか。

サービスの幅を確認する

フルフィルメントサービスに何を望んでいるか、そして、業者の対応するサービスが自社の望むサービスに対応しているかを確認する必要があります。

ニーズとサービスが合致していなければ、望むサービスを顧客に提供することはかないません。

コールセンターなどの質

フルフィルメントサービスにはコールセンターサービスが含まれていることが多く、大切な顧客とのやりとりを任せることになります。顧客にへの電話対応の質などはしっかりと吟味する必要があります。

保管場所のクオリティ

保管場所のクオリティ
大切な商品を保管する倉庫の場所や保管環境の確認も重要です。保管するものによっては、温度や湿度など、デリケートな管理が必要になる場合もあります。

保管環境が整っていなければ、保管している間に商品が劣化しそのままで顧客の手元に届いた場合、自社の信頼を損なう結果にもなりかねません。

出来れば、倉庫の見学をさせてくれる業者のほうが安心といえます。

料金

フルフィルメントサービスの一番のデメリットといえるのが、毎月かかる利用料金です。
取り扱う商品によって様々な料金体系がありますので、なかなか料金の比較がしにくいという側面があります。
また、トータルの料金だけでなく”なににどのくらいの費用が掛かっているか”をしっかりと把握して、納得できる価格かどうかも考慮するポイントです。

しっかりと連携できるか

保管場所や顧客対応でも当てはまることですが、しっかりと連携したサービスを提供してくれるかという点は重要なポイントです。顧客への対応はもちろん、自社への対応の早さや質、柔軟性などをしっかりと見極めることは非常に重要です。自社への対応が遅い業者は顧客への対応も同様になると考えることもできます。

おわりに

おわりに
フルフィルメントサービスとは、通信販売やインターネット通販における、受注、 梱包、発送、受け渡し、そして代金回収までのすべて工程を指しています。

その場で決済と商品の引き渡しが終了する店頭販売と違って、受注してから検品、梱包、発送、料金回収を行う通信販売において、非常に重要な過程であり、顧客満足度に直結する部分でもあります。

フルフィルメントサービスは、アウトソーシングが多くプロによる質のよいサービスを提供することができます。保管場所や料金、サービスの質などをしっかりと吟味して業者を選択する必要があります。

代行サービスの活用で業務の効率化が期待できる

代行サービスの活用で業務の効率化が期待できる
おすすめのフルフィルメントサービス業者や、フルフィルメントサービスを利用する上でおさえておきたいポイントを紹介しました。
フルフィルメント代行サービスを活用することで、業務の効率化につながるため、社内での対応が難しくなってきたと感じる場合は代行サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
通信販売やECにおいて非常に重要な過程であり、顧客満足度に直結する部分です。

ウルロジでもフルフィルメント代行サービスを提供しています。物流業務全般のほか、受注情報の管理業務、カスタマー業務まで幅広く対応可能です。
フルフィルメントサービスの利用を検討している方は、ぜひご相談ください。

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タグ : EC物流初心者向け ECお役立ち情報 EC運用 発送・梱包 EC物流用語
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角田和樹
上場企業であるディーエムソリューションズ株式会社の物流関連サービスで15年間、営業やマーケティング、物流企画など様々なポジションを経験。 現在は物流・発送代行サービス「ウルロジ 」のマーケティング全体設計を担う。通販エキスパート検定1級・2級を保有し、実際に食品消費財のEC事業も運用。ECノウハウに対しても深い知見を持ち、物流事業者としてだけでなく、EC事業者の両面からnoteウェビナー等での情報発信を行う。