【2025年最新情報】越境ECの関税対策で押さえるべきポイントと注意点
2025.07.01ECサイト越境ECでの海外販売、順調に進んでいますか?
「売上は伸びているけど、関税の手続きが複雑で不安…」
「予期せぬ関税がお客様の負担になり、クレームに繋がらないか心配…」
そんな関税に関する悩みは、越境EC事業者にとって避けて通れない課題です。
この記事では、越境ECの関税で失敗しないための、初心者にもわかりやすい基本的な仕組みから、主要国の最新ルール、そして具体的な対策までを網羅的に解説します。
HSコードの正しい使い方や、DDU・DDPといった配送条件の選び方、さらにはトラブル回避のための実践的なヒントまで、これ一つであなたの越境ECビジネスを次のステップへと進めるための情報を徹底解説します。
弊社が独自で作成した「越境EC完全攻略ガイド」は、これから越境EC事業を考えている方の疑問や不安を解消するために作られました。越境ECの市場分析から、ビジネスモデル、そしてECサイト制作の具体的なステップまで、成功への道筋を詳細に解説しています。
目次
越境ECの関税とは?基本の仕組みと重要性
この章では、越境ECビジネスを進める上で避けては通れない「関税」について、その基本的な概念と仕組みを深く掘り下げていきます。関税がなぜ存在するのか、そして越境ECにおいてどのような役割を果たすのかを理解することは、トラブルを未然に防ぎ、スムーズな国際取引を行うための第一歩となります。
越境ECとは国境を越えての商品を売買する電子商取引
越境ECとは、国境を越えて商品を売買するeコマース(電子商取引)のことです。インターネットの普及により、世界中の消費者が日本の商品を手軽に購入できるようになりました。
しかし、その手軽さの裏側には、各国独自の法規制や物流、そして「関税」という、乗り越えるべき壁が存在します。越境ECを成功させるためには、これらの仕組みを正確に理解することが不可欠です。
関税とは、国境を越えて物品が移動する際に輸入国がその物品に課す税金のこと
関税は、国内産業の保護や、国の財源確保などを目的としています。越境ECにおいては、商品を海外へ発送する際、その商品を受け取る側の国で関税が発生する可能性があります。
関税以外にも、越境ECで知っておくべき税金があります。代表的なものは以下の通りです。
- 消費税・VAT(付加価値税): 多くの国で、商品やサービスに対して課される税金です。EU諸国ではVAT(Value Added Tax)と呼ばれ、日本の消費税に相当します。国によって税率や課税対象が異なります。
- 物品税: 特定の物品(酒類、たばこ、貴金属など)に対して課される税金です。
これらの税金は、商品の種類、価格、発送元と発送先の国によって税率や課税基準が細かく定められており、その計算は非常に複雑となっており、越境ECを実施する上での大きな問題点の一つとなっています。
相互関税とは貿易相手国との間に生じる関税措置のこと
単なる「関税」が輸入国が一方的に課す税金であるのに対し、「相互関税」は、貿易相手国との間に生じる応酬的な関税措置という点で明確に異なります。
相互関税とは、特定の国間で貿易を行う際に、互いに関税を課し合う制度のことです。これは、一方の国が特定の輸入品に関税を課した場合、その影響を受けた相手国が報復措置として同様に関税を課すことで発生します。
例えば、近年顕著に見られたのがアメリカと中国の間で課された追加関税です。アメリカが中国製品に対し「安全保障上の懸念」や「不公正な貿易慣行」を理由に追加関税を課すと発表しました。これに対し、中国もアメリカからの輸入品に同様の追加関税を課すことで対抗しました。このような動きが「相互関税」の典型例であり、貿易戦争と呼ばれる状況を生み出すことがあります。
相互関税が導入されると、以下のような影響が越境EC事業者に及びます。
コスト増加と価格競争力の低下
相互関税の対象となった商品は、輸入国側での販売価格が上昇します。これにより、競合他社の商品や、関税対象外の国からの商品と比較して価格競争力が低下し、売上減少に繋がる可能性があります。
サプライチェーンの再構築
関税リスクを避けるため、製造拠点や調達先を変更するといったサプライチェーンの見直しを迫られることがあります。
市場の不確実性の増大
相互関税は政治的な判断に強く影響されるため、その動向は予測が難しく、越境EC事業者は常に国際情勢と各国の関税政策の動きに注目し、迅速に対応できる体制を整えることが重要です。
特に2025年に向けても、国際政治の不安定さや経済安全保障の重要性の高まりから、特定国間での貿易摩擦が再燃し、新たな相互関税が課される可能性は十分に考えられます。
例えば、半導体や重要鉱物といった戦略物資に関する貿易政策の変更が、新たな相互関税の引き金となることもあり得ます。越境EC事業者は、これらの動向を常に注視し、リスクヘッジの戦略を立てておくことが求められます。
主要国の越境ECの関税制度と最新動向【2025年版】
この章では、越境ECで主要な販売先となる国・地域の関税制度と最新の動向について解説します。特に2025年に向けた変更点や注意点に焦点を当てます。
アメリカの関税制度と越境ECの影響
アメリカは、その巨大な消費市場規模から、越境EC事業者にとって最も魅力的な進出先の一つです。しかし、その市場への参入には、独自の関税制度と物流の特性を深く理解することが不可欠です。特に重要なのが「デミニミス(De Minimis)制度」(少額免税制度)であり、これは越境ECの運用に大きな影響を与えます。
デミニミス制度の概要とメリット
アメリカのデミニミス制度は、輸入額が800ドル以下の貨物について、関税および一部の税金が免除されるというものです。この高額な免税枠は、特に小口配送を行う越境EC事業者にとって非常に大きなメリットとなります。消費者が少額の商品を購入する場合、予期せぬ関税の追加請求がなく、スムーズな受け取りが可能になるため、顧客満足度の向上に直結します。これは、国際的な競争において、日本の越境EC事業者が優位に立つための一つの要因とも言えます。
出典:De minimis – デ・ミニミス(非課税基準額)
2025年に向けた最新動向と影響
しかし、このデミニミス制度については、近年、国内産業保護や公平な競争環境の観点から見直しを求める声が高まっています。特に、中国製品や繊維・アパレル製品に対するデミニミス制度の適用除外の動きが加速しております。
これは、特定の原産国や商品カテゴリーによっては、800ドルの免税枠が適用されない可能性があることを意味します。 2025年以降も、この制度の動向は越境EC事業者に大きな影響を与え続けると予想されるため、常に米国政府の発表や貿易政策の動きに注意を払い、自社の商品がこれらの適用除外の対象とならないかを継続的に確認する必要があります。
デミニミス制度を活用しつつも、配送の遅延や紛失といったトラブルを避けるためには、信頼できる物流パートナーとの連携が不可欠となります。アメリカは広大な国土を持つため、配送距離が長く、送料が高額になりやすいという特性があります。また、主要な配送業者(USPS、UPS、FedExなど)のサービスレベルや料金体系、追跡システムなどを理解し、自社の商品やターゲット顧客に最適な配送方法を選択することが重要です。
アメリカ向け越境ECの最新情報については、以下の記事でさらに詳しく解説していますので、ぜひご確認ください。
【2025年最新】アメリカ向け越境ECの始め方!成功するためのステップと注意点
中国における越境ECと関税の注意点
巨大な市場規模と旺盛な消費意欲を持つ中国は、越境EC事業者にとって非常に魅力的な国であり、多くの企業がその成長性を目指しています。中国政府は越境ECの発展を促進するため、独自の優遇税制や制度を導入していますが、同時にその複雑さと頻繁な制度変更には細心の注意が必要です。
中国独自の越境EC税制(越境EC総合税)
中国では越境EC向けの独自の税制「越境EC総合税」が適用されます。これは、通常貿易とは異なる優遇措置であり、関税、消費税、増値税(VATに相当)をまとめて課税する仕組みです。この総合税は、商品によっては一般貿易よりも低い税率が適用されることが多く、消費者の海外商品購入を促進する目的で設けられています。
出典:中国における越境ECの概要と留意点
「ポジティブリスト」による品目制限と取引上限額
中国の越境EC税制の大きな特徴の一つが「ポジティブリスト」の存在です。これは、越境ECで輸入が許可される品目を具体的に定めたリストであり、リストにない商品は越境ECの優遇税制の対象外となるか、そもそも輸入が認められない可能性があります。
EC事業者は、自社の商品がこのポジティブリストに含まれているかを事前に確認することが不可欠です。また、個人消費向けの越境EC商品には年間あたりの取引上限額や1回あたりの購入上限額が設定されており、これを超えると一般貿易の税率が適用されるなど、税負担が増加する可能性があります。
出典:中国における越境ECの概要と留意点
頻繁な政策改正と情報収集の重要性
中国の越境ECに関する政策は、市場の変化や政府の方針により頻繁に改正される傾向があります。特に食品、化粧品、医薬品、健康食品などの特定商品は、厳しい規制や複雑な許認可が必要となる場合があり、政策変更が急に行われることも少なくありません。2025年以降も、これらの政策変更は継続すると予想されるため、常に最新の情報を確認し、JETRO(日本貿易振興機構)や現地に詳しい専門家、信頼できる物流パートナーと連携しながら進めることが重要です。最新の政策に対応できない場合、商品が税関で差し止められたり、予期せぬ追加課税が発生したりするリスクがあります。
中国市場への参入戦略について、プラットフォームの観点や上位のポジティブリストについて以下の記事で詳細を解説しています。こちらも合わせてお読みください。
【2025年最新】中国越境EC市場の現状と参入戦略|成功するためのポイントとは?
ヨーロッパ共同体(EU)における関税政策
世界有数の経済圏であるヨーロッパ共同体(EU)は、単一市場としての特性を持つため、域内での物品移動には原則として関税がかかりません。
しかし、域外からEUに輸入される商品には共通の関税が適用され、特に近年はVAT(付加価値税)に関する制度変更が越境EC事業者に大きな影響を与えています。2025年に向けても、この動きは加速すると予想されるため、最新の政策動向を正確に理解しておくことが極めて重要です。
VAT(付加価値税)課税の標準化とIOSS制度
EUではIOSS(Import One-Stop Shop)制度を導入し、少額貨物に対するVAT(付加価値税)の徴収を強化しました。
これは、2021年7月以降、EU域外からEUに発送されるすべての商品(金額にかかわらず)にVATが課税されるようになったことによるものです。
IOSS制度を導入した事業者は、販売時にVATを徴収し、EU加盟国に一括して申告・納税することで、購入者が商品受け取り時にVATを支払う手間を省くことができます。
IOSSを導入しない場合、購入者が商品受け取り時にVATと通関手数料を支払う必要があり、受け取り拒否や顧客満足度低下のリスクが高まります。
出典:【事業者さま向け】IOSS制度を利用した国際郵便の発送について
150ユーロ以下の免税ルール見直しと2025年以降の展望
かつてEUには、150ユーロ以下の少額貨物に対するVAT免税ルールが存在しましたが、これも調査レポートに記載の通り廃止されました。この変更は、低額帯の商品を扱う越境EC事業者にとって、コスト構造の大きな変化を意味します。 さらに、欧州委員会は2028年までに輸入VATの現行の徴収方法を統一し、加盟国への出荷ベースでの課税に移行する計画を進めています。
この動きは、越境EC事業者がDDP(Delivered Duty Paid:関税販売者負担)モデルを導入する重要性をさらに高めるものとなるでしょう。2025年以降も、この改革の動きは継続すると予想され、より一層のDDP対応が求められる可能性があります。これは、顧客が最終支払額を事前に把握できるため、購入プロセスでの不透明性を解消し、カゴ落ち防止にも繋がります。
出典:DDP条件で輸出する際の注意事項
DDP(関税販売者負担)については後ほどDDU(関税負担購入者)との比較で詳しくご紹介します。
各国独自の規制とHSコードの重要性
EUは単一市場ですが、加盟各国独自の輸入規制や製品基準が存在する場合もあります。例えば、特定の食品や化粧品、電子機器などについては、EU共通の規制に加えて、国別の追加要件があることがあります。また、正確なHSコードの特定は、EU共通関税の適用において不可欠です。誤ったHSコードの申告は、過少申告とみなされ追加課税や罰金の対象となる可能性があるため、細心の注意が必要です。
ヨーロッパ市場に向けて越境ECを展開する際に押さえておきたい「法規制・税制・物流・マーケティング・成功事例」などの重要ポイントを確認したい方はこちらの記事も合わせてご覧ください。
【完全ガイド】越境ECでヨーロッパ市場に参入するために知っておくべき5つのポイント
東南アジアにおける関税の注意点
急速な経済成長を遂げ、デジタル化が進む東南アジア諸国は、越境ECの新たなフロンティアとして大きな可能性を秘めています。しかし、この地域は多様な国々で構成されており、各国で関税制度や輸入規制が大きく異なるため、一律の対応は困難です。特に近年、低額貨物への課税を強化する動きが顕著であり、現地の状況を正確に把握し、適切な対策を講じることが成功の鍵となります。
多様な関税制度と課税強化の動き
東南アジア各国では低額貨物に対する課税を強化する動きが顕著です。これは、各国の税収確保と国内産業保護を目的としています。
- マレーシア
「マレーシアのLVG(Low Value Goods)売上税」がその代表例です。これは、オンライン販売される低額商品に対して課される税金であり、越境EC事業者にとって新たなコスト要因となります。
出典:関税制度 | マレーシア – アジア – 国・地域別に見る – ジェトロ - タイ
「タイの少額輸入貨物へのVAT課税」も進められており、以前は免税となっていた少額の貨物にもVATが課されるようになりました。 - ベトナム
「ベトナムのデミニミス完全撤廃」は、越境ECでベトナム市場を目指す事業者にとって大きな変化です。これまで適用されていた少額免税が完全に撤廃されたため、全ての輸入貨物に関税や税金がかかる可能性があります。
このように、シンガポール、インドネシアなど他の国々も含め、各国によって関税率、免税範囲、輸入に必要な許認可が大きく異なります。例えば、特定の食品や化粧品、医薬品については、輸入に厳しい規制や複雑な登録・許認可が必要となる場合があり、これらを怠ると商品が税関で差し止められるリスクがあります。
一部の国では、通関手続きが複雑で時間がかかったり、書類の不備で商品が差し止められたりするケースも散見されます。特に、現地の言語での書類作成や、現地法の専門知識が求められる場合も少なくありません。そのため、現地の税関事情に詳しいパートナーや、信頼できる発送代行サービスとの連携が非常に重要になります
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越境ECでの関税対策で押さえるべきポイント
この章では、越境ECで関税に関する問題を回避し、効率的にビジネスを進めるための具体的な対策を解説します。適切な配送条件の選択から、正確な書類準備まで、実践的なノウハウを学ぶことで、予期せぬコストやトラブルを最小限に抑えることができます。
DDU(関税負担購入者)とDDP(関税負担販売者):どちらを選ぶべきか?
越境ECにおいて、関税の支払い責任を誰が負うかを示す貿易条件がDDUとDDPです。この選択は、顧客体験と事業者のコストに大きな影響を与えるため、慎重な検討が必要です。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自社のビジネスモデルやターゲット顧客に合わせて最適な方法を選びましょう。
- DDU(Delivered Duty Unpaid – 関税・消費税購入者負担)
メリット: 販売者側の初期コストが低い。手続きが比較的簡素。
デメリット: 購入者が商品受け取り時に関税・消費税を支払う必要があり、予期せぬ費用に不満を感じる可能性がある。配達遅延や受け取り拒否のリスクがある。
適しているケース: 低価格帯の商品、顧客層が関税に慣れている場合。 - DDP(Delivered Duty Paid – 関税・消費税販売者負担):
メリット: 購入者は商品代金以外に追加費用を支払う必要がないため、顧客満足度が高まる。受け取り拒否や配達遅延のリスクが低減し、スムーズな発送が可能。
デメリット: 販売者が事前に関税・消費税を計算し、支払い手続きを行う必要があるため、手間とコストがかかる。
適しているケース: 高価格帯の商品、顧客体験を重視するブランド、リピート購入を促したい場合。
ウルロジの発送代行サービスでは、DDP方式にも対応しています。 事前に関税・消費税を徴収し、販売者に代わって支払い手続きを行うことで、購入者の負担をなくし、よりスムーズな顧客体験を提供できます。これにより、顧客の不満や受け取り拒否を防ぎ、結果として売上向上に繋げることが可能です。
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効率的な通関手続きと必要な書類準備
越境ECで商品を海外に送る際、避けて通れないのが「通関」というプロセスです。これは、輸出入される貨物がその国の法律や規則に適合しているかを税関が確認する手続きのことで、スムーズな通関なくして商品がお客様の手元に届くことはありません。通関を効率的に進めるためには、事前の準備が何よりも重要です。
ここでは、越境EC初心者の方でも失敗しないために、特に「これだけは押さえておきたい」という3つの重要なポイントを解説します。この3点をしっかり理解し、準備を進めることで、通関の遅延やトラブルを大幅に減らすことができます。
正確なインボイス(Commercial Invoice)の作成が最重要
インボイスは、税関が商品の種類、価値、そして関税額を判断するための唯一の情報源となります。もし記載内容に誤りや不足があると、税関は商品の詳細を確認するために、手続きを一時停止します。これが配送遅延の主な原因の一つです。
項目 | 記載すべき内容 | 補足・注意点 |
輸出者情報 | 会社名、住所、電話番号、連絡先、担当者名、VAT ID(必要な場合) | 正式名称で正確に記載。 |
輸入者情報 | 会社名または個人名、住所、電話番号、連絡先、EORI番号(EUの場合)、納税者番号(必要な場合) | 受取人が個人か企業かによって必要な情報が異なる場合あり。 |
発送日 | インボイス作成日 | |
インボイス番号 | 各取引に割り振る固有の番号(管理用) | 追跡や問い合わせ時に必要となるため、一意の番号を付与。 |
取引条件 | DDU(Delivered Duty Unpaid)またはDDP(Delivered Duty Paid)など、インコタームズを明記 | 関税や税金の支払い責任の所在を明確にする。 |
商品詳細 | 品名、数量、単価、合計金額を具体的に記載。 | 例:「雑貨」ではなく「陶器製マグカップ 5個」。 |
HSコード | 各商品の国際的な統一システムコード(6桁以上) | 関税率決定の基盤。 |
原産国 | 各商品が製造された国 | 貿易協定の適用にも影響。 |
総重量・純重量 | 梱包材を含めた全体の重量(Gross Weight)と商品のみの重量(Net Weight) | 運賃計算や税関での重量確認に使用。 |
署名と日付 | 輸出責任者の署名とインボイス作成日 | 正式な書類としての有効性を示す。 |
為替レート | 異なる通貨で記載された金額がある場合、その換算レート(必要に応じて) | 複数通貨の場合に明確化。 |
支払い条件 | 決済方法や支払期限(必要に応じて) |
作成のポイント: 手書き禁止されているため、PCで作成し、分かりやすく整理されたレイアウトにすることが望ましいです。複数枚になる場合は、ページ番号を振るなどして、見落としがないように注意しましょう。
HSコードの正しい特定と明記
HSコード(Harmonized System Code)は、商品の種類を国際的に統一された数字で分類するコードです。世界共通の「商品のパスポート」のようなもので、関税率や輸入規制はこのHSコードに基づいて決定されます。
HSコードを誤って申告すると、正しい関税率が適用されず、過少申告とみなされて追加課税や罰金の対象となる可能性があります。また、商品の内容が税関で確認できず、通関が大幅に遅れる原因にもなります。特に、食品、化粧品、医薬品など、特定の規制がある商品は、HSコードの特定がより重要になります。
調べ方と明記のポイント
- JETRO(日本貿易振興機構)のウェブサイト: HSコードを調べるための便利なツールが提供されています。
- 税関のウェブサイト: 各国の税関もHSコード検索サービスを提供している場合があります。
- 発送代行サービスの活用: 専門の発送代行サービスは、商品の特性に応じたHSコードの特定をサポートしてくれます。複雑な商品の場合は、プロの知見を借りるのが最も確実です。
必要な許認可(ライセンス)の事前確認と準備
一部の商品を海外に輸出する際、輸出国側または輸入国側で特別な許認可(ライセンス)が必要となる場合があります。これは、商品の安全性、衛生、環境保護などの観点から各国が定めている規制です。この確認を怠ると、商品が通関できず、最悪の場合、没収されるリスクも伴います。
必要な許認可が取得されていない場合、商品が税関で差し止められたり、没収されたりするだけでなく、罰則の対象となる可能性もあります。特に、食品、化粧品、医薬品、医療機器、動植物、アルコール類、特定の電子機器などは、厳しく規制される傾向にあります。
正確なインボイスの作成・適切なHSコードの設定・必要な許認可の確認は時間のかかる作業になっており、専門的な知識や経験が必要な分野となっています。自社内で完結させるよりも発送代行サービスを利用することで、より主要な業務に時間をかけることができます。
発送と関税処理を合わせて代行できるウルロジに相談してみる
越境ECの関税対策は専門家に任せるのが最適解
この章では、複雑化する越境ECの関税対策を自社だけで全て抱え込むのではなく、専門家である発送代行サービスを活用することの有用性をご紹介します。専門知識と経験を持つパートナーと連携することで、事業者は本来のビジネスに集中し、効率的に海外展開を進めることができます。
なぜ越境ECの関税対策に発送代行サービスが有効なのか?
越境ECにおける関税対策は、単なる税金計算に留まりません。各国の法規制の把握、HSコードの正確な特定、DDP/DDUの適切な運用、そして予期せぬトラブルへの対応など、非常に多岐にわたります。これら全てを自社で網羅し、最新情報を常にキャッチアップし続けることは、リソースの限られた中小企業や個人事業主にとって大きな負担となります。
発送代行サービスは、これらの複雑な手続きや情報管理を専門としています。長年の経験と知識を持つプロフェッショナルが関税対策をサポートすることで、事業者は本来の業務である商品開発やマーケティングに集中できるようになります。
ウルロジが提供する関税対策の具体的なメリット3選
ウルロジは、越境EC事業者の皆様が関税に関する不安なく海外展開できるよう、多角的なサポートを提供していますが、特に以下の3つのメリットが挙げられます。これらのメリットによって、貴社は関税の複雑さから解放され、安心してビジネスの拡大に注力できるようになります。
- DDP対応による顧客満足度向上とトラブル防止
ウルロジはDDP(関税・消費税販売者負担)方式に標準対応しています。これは、事前に関税・消費税を計算し、販売者が徴収・納税を代行するモデルです。
購入者は商品受け取り時に予期せぬ追加費用を支払う必要がないため、顧客満足度が大幅に向上します。
これにより、お客様からの関税に関するクレームや受け取り拒否といったトラブルを未然に防ぎ、スムーズな購入体験を提供することで、リピート購入や良いレビュー獲得にも貢献します。 - 正確なHSコード特定と専門的な通関サポート
各国の複雑な関税制度やHSコードの正確な特定は、越境ECにおける大きな課題です。
ウルロジでは、専門知識を持つチームが貴社の商品特性とターゲット国に合わせた最適なHSコードの選定をサポートします。
これにより、誤ったHSコードによる通関の遅延や、過少申告とみなされて追加課税や罰金が発生するリスクを大幅に軽減し、スムーズな通関手続きを実現します。 - 常に最新情報を反映した迅速な対応
国際情勢や各国の関税ルール、特にデミニミス制度やVATに関する政策は日々変化しています。
ウルロジは、これらの最新動向を常にキャッチアップし、サービスに迅速に反映します。
アメリカのデミニミス制度の流動性や東南アジア諸国の低額貨物への課税強化といった変化に対しても、いち早く情報を提供し、貴社のビジネスに影響が及ぶ前に適切な対策を提案することで、リスクを最小限に抑えます。
発送代行サービスは、関税手続きだけでなく、適切な配送ルートの選択、コスト効率の高い運送手段の提案、そしてリアルタイム追跡サービスの提供など、総合的な物流ソリューションを提供します。
海外発送の「困った!」をまとめて解決できる発送代行サービスについて、そのメリットから最適なサービスの選び方、そして実際の活用事例まで解説しているこちらの記事もよろしければお読みください。
海外発送代行完全ガイド|メリット・デメリットから失敗しない業者の選び方まで徹底解説
まとめ:越境ECの関税対策で成功するために
この記事では、越境ECにおける関税の基本的な仕組みから、主要国の制度、そして具体的な対策までを詳しく解説しました。2025年に向けた最新動向も踏まえ、あなたのビジネスが国境を越えてさらに発展するためのポイントをお伝えしました。
越境ECにおいて、関税は単なるコストではなく、顧客体験を左右し、ブランドイメージを構築する上でも非常に重要な要素です。DDP方式の導入や正確なHSコードの特定、そして最新の関税動向への迅速な対応は、ビジネスを成功に導くために不可欠です。
しかし、これらの複雑な関税対策を自社だけで完璧に行うのは容易ではありません。時間、労力、そして専門知識が必要です。そこで、私たちウルロジのような専門の発送代行サービスを活用することをおすすめします。
ウルロジは、長年の経験と知識に基づき、貴社の越境ECビジネスにおける関税に関するあらゆる課題を解決します。DDP対応、正確な通関サポート、最新情報の提供を通じて、貴社が安心して海外市場でのビジネスを拡大できるよう、強力にサポートいたします。


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