【動物・植物・鉱物のどれ?】異物混入はなぜ起こる?その原因と対策を解説!

2024.02.28物流・フルフィルメント
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商品をつくる事業者や、販売する事業者にとって最も気を付けなければいけないことの一つに、異物混入があります。
異物混入は0にするのは非常に困難ですが、出来るだけ減らす努力をしなければいけません。
なぜ気をつけているはずの異物混入が、しばしば起きてしまうのでしょうか。今回では、製造・流通過程における異物混入について考えてみましょう。
今回はそんな「異物混入」についてご紹介していきます。

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異物混入とは?

ニュースなどでよく耳にする「異物混入」。
特に食品製品によく起こるイメージがありますが、そもそも異物混入とは、どのような意味なのでしょうか?
「異物」とは、文字通り「異」なる「物」で、その製品に本来は含まれていないものです。その異物が製造工程や輸送工程などのどこかで混入してしまうことを、異物混入と言います。

「異物混入」と聞くと、皆さんは何を連想するでしょうか?
おそらく「食品に虫や髪の毛、糸くずなどが入っていた」という事故を想像する人が多いと思います。
確かにそういった事件がニュースで報道されることは多いですが、異物混入は食品に限った事故ではありません。
生活用品や紙類、医薬品などでも異物混入は起こっています。
ということで、今回は食品だけにとどまらず、異物混入全体についてご紹介していきます。
まずは、混入異物の分類についてみていきましょう。

「異物混入」には、主に下記の3つの分類に分けられます。

動物関連の異物(ダニ・寄生虫・昆虫など)

動物関連の異物は、ダニ・寄生虫・昆虫などの虫類の異物、人毛やネズミの毛などの毛類、虫やネズミのフンなどの排泄物が主な例として挙げられます。
動物関連の異物は食品に混入することが多く、特に虫類はつかない食品は無く、美味しい食品ほどつきやすいと言われています。

鉱物関連の異物(砂利・針・プラスチックなど)

鉱物関連の異物は、土砂・砂利などの自然にあるもの、針・金属片などの金属製品、プラスチックや陶磁器片などの人工物などが主な例として挙げられます。
これらは、製造工程に砂などを使う製品や、大規模な機会を用いて使われる無機物製品などに混入するケースが多いです。鉱物関連の異物は硬く鋭利なモノが多いため、食品に混入している場合、口腔内を傷つける可能性が高く、注意が必要です。

植物関連の異物(綿・包装紙・糸くずなど)

植物関連の異物は、木片や紙片などのものや、糸や布きれなどの柔らかいものなどがあります。
紙類や糸などは軽く、風によって運ばれたり、衣類からほつれて出てきたりするため、注意が必要です。

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異物が混入してしまう原因

「異物混入」は、ニュースなどで取り上げられてしまうほど大きな問題にもかかわらず、後を絶ちません。なぜ異物は混入してしまうのでしょうか?
ここでは、異物が混入してしまう原因をいくつかご紹介します。

原料に異物が混入している

食品の異物混入では、そもそも原料の段階で異物が混入しているケースがあります。大豆や麦などの穀物類は、虫や虫の卵などが付着していて当たり前です。
原料に殺菌・消毒などを行ったり、ふるいにかけることで、ある程度防ぐことは出来ますが、卵などはその対策をしていても入ってしまうことがあり、製造工程で孵化してしまうこともあります。

製造工程で異物が混入する

あらゆる製品への異物混入で多いのが、製造工程で異物が混入するパターンです。
大手の食品工場などの場合、食品の加工工程は厳格に管理されていることがありますが、食品以外の向上や食品でも加工工程以外の工程では、清潔な現場とそうでない現場の区画分けもされていないケースも多く、混入の可能性が高くなります。
また、人が作業を行う場合、作業着に付着している繊維や、髪の毛や眉毛などの毛が入ってしまうことがあります。
それ以外にも、機械が欠けて金属片が入ってしまったり、工場自体の壁や天井の一部などが取れて混入してしまうケースもあります。

保管時に異物が混入する

原料や加工時に異物混入対策をしっかりしていても、保管時に混入してしまうケースもあります。
食品などの場合、しっかりとパッケージしてあっても、プラスチックやアルミホイル素材などの柔らかい素材の場合、虫などが食い破って入ってしまうケースがあります。
また、倉庫の粉塵などが人や物の移動時に舞い上がり、入ってしまうこともあります。また、保管時に湿度や保管期間の影響でカビが生えてしまうこともあります。

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異物の混入を防ぐ対策

上記にて、異物混入の原因の一例をご紹介しましたが、混入を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか?
上記でご紹介したそれぞれの原因における対策の一例をご紹介します。

原料に異物が混入している

原料に異物が混入している場合で有効な対策は、取引先の選定です。しっかりと検査項目を作っている業者か、それの遵守度はどれくらいか、過去の混入事件発生度などを事前に調査し、異物の混入確率が低い業者かを見極めることが重要です。
ただし、混入を0にすることは難しいです。混入が分かった際には、しっかりと記録を付け業者に共有し、再発防止策を練り改善を続けることで混入確率を下げることが出来ます。
また、自社でもフィルターやふるいにかける、機械を使い検査をする。などの検品を行うことが重要になります。

製造工程で異物が混入する

製造工程で異物が混入することを防ぐには、製造現場の管理徹底が重要です。
まずは、清潔であるべき区画とそうでない区画を徹底して分けることが必要です。そして、区画の間は二重扉にし、外からの空気や虫などの異物が侵入しないようにします。
また、人が異物を持ち込まないことも大事です。帽子やマスク、清潔な作業着などを身に着け、体に付着したものを持ち込まないようにする、ホッチキスやシャープペンシルなどの一部が混入しやすい物品の持ち込み禁止、ピアスや指輪などのアクセサリー類の禁止なども有効な対策です。
また、機械を定期的にメンテナンスすることも重要です。機械の一部が欠けて入ってしまったり、緩んだネジが入ってしまうなどの事故は頻繁に起こっています。しっかりとメンテナンス・定期清掃を行うことでこういった事故を防ぐことが出来ます。

保管時に異物が混入する

保管場所は、製造現場よりも対策が甘くなってしまうことが多い場所です。しかし、モノの出し入れが行われる場所は、異物混入の可能性が極めて高い場所なのです。
出入り口には、しっかりと防虫カーテンなどを付けておく。また、入ってこようとする虫を捕虫ランプで捕まえるなどの対策も必要です。
また、ダンボールなどの紙の包装材は虫が付きやすい素材です。防虫対策をしっかりした業者から仕入れる等の対策が重要になるでしょう。

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おわりに

いかがだったでしょうか。異物混入は0にすることはほぼ不可能です。なので、より企業としての対策や改善が必要な分野になってきます。
あらゆる工程を細かく分析し、それぞれの混入確率を下げることで、全体の異物混入事故確率を下げることに繋がります。しっかりとした対策と、起きてしまった場合の改善をしっかりと行っていきましょう。

タグ : ECお役立ち情報 EC運用 化粧品・コスメ キャラクター
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角田和樹
上場企業であるディーエムソリューションズ株式会社の物流関連サービスで15年間、営業やマーケティング、物流企画など様々なポジションを経験。 現在は物流・発送代行サービス「ウルロジ 」のマーケティング全体設計を担う。通販エキスパート検定1級・2級を保有し、実際に食品消費財のEC事業も運用。ECノウハウに対しても深い知見を持ち、物流事業者としてだけでなく、EC事業者の両面からnoteウェビナー等での情報発信を行う。