【5000%達成】クラウドファンディングをやってみて物流会社が気づいたこと
2024.03.01物流・フルフィルメント画像引用元:Makuake(マクアケ)「簡単施工カーコーティング! 新素材のカーボンナノチューブ配合。驚きの艶&撥水!」
https://www.makuake.com/project/rhet/
クラウドファンディングは、インターネットを介して不特定多数の支援者から資金を集める仕組みです。詳しい知識がないため「本当に資金を集められるの?」「実体験に基づく注意点を教えて欲しい」などと考えている方は多いでしょう。
ここでは、物流・配送代行会社が、クラウドファンディングをやってみて気づいたことを、物流のプロの視点で解説しています。リターン配送にフォーカスしている点がポイントです。先に結論を示すと、リターンを用意する場合は、配送方法に注意しなければなりません。準備を怠ると、プロジェクトに対する信頼を失ってしまう恐れがあります。クラウドファンティングに挑戦したい方は参考にしてください。
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目次
物流・発送代行会社がクラウドファンディングを実際にやってみた感想
ウルロジを運営するディーエムソリューションズ株式会社は、クラウドファンディングの理解を深めるため、そしてクラウドファンディングを利用する事業者様の課題を理解するため「Makuake」でプロジェクト達成にチャレンジしました。実際にチャレンジしたのは、弊社が運営するMOBY事業部です。同事業部は、MOTOR&HOBBYをコンセプトに掲げてクルマの楽しさや魅力を発信するウェブメディアを運営しています。
今回のプロジェクトでは、簡単施工が特長のカーコーティングスプレー「RHET.CNTコーティング」を提案しました。MOBY編集部の周りで「おしゃれなカーコーティングってないよね」「機能的なカーケアアイテムを揃えたいんだけど」などの声があがっていたためです。質にこだわった商品と、生活のワンシーンに馴染むデザインで、自然体のカーライフを提案する「RHET.CNTコーティング」を企画しました。
RHET.CNTコーティングの特徴は、最先端素材であるカーボンナノチューブと超高密度高硬度シリコンを独自の配合で組み合わせていることです。これにより、誰が使ってもムラになりにくい簡単施工や驚きの艶と撥水性、ハイレベルな耐久性などを実現しています。
以上のプロジェクトを立ち上げた結果、2,084人のサポーターを集め、目標金額300,000円に対して15,052,330円を調達し、プロジェクトとしては5000%越えの大成功を収めました。プロジェクト完了後は、弊社ウルロジチームと数回の打ち合わせを重ねて、搬入から配送まで対応しています。サポーターからクレームを受けることなく、2,000件のリターン配送を無事完了しました。
物流・発送代行会社で感じたクラウドファンディングにおける物流の重要性と課題感
前述のとおり、弊社はクラウドファンディングで、プロジェクトの立ち上げからリターン発送まで経験しています。当初の目的通り、クラウドファンディングを利用する事業者様の課題を感じることができました。
特に重要と感じた点は物流業務です。リターンを設定する場合、高い配送コストや想定外の物流コストは、プロジェクトの利益を減少させてしまいます。コスト削減は有効ですが、無理をしすぎると作業ミスによる追加負担の発生や配送遅延などを招く恐れがあります。支援者からの信頼を失い、プロジェクトの評価を低下させてしまうかもしれません。
上記の課題に対処するために検討したいのがリスク対策です。リスクマネジメントでは、リスク対策として以下の選択肢があります。
対策 | 概要 |
---|---|
リスク回避 | リスクを発生させる要因を取り除く |
リスク軽減 | リスクが発生する可能性を低減する、またはその影響を小さくする |
リスク移転 | リスクを他の組織へ移転する |
リスク保有 | 対策を講じずリスクを受け入れる |
上記の課題は、発生確率が低いものの、もし発生すれば大きな影響を及ぼすリスクです。このようなリスクに対しては、リスク移転による対応が妥当です。物流業務を外部へ委託してリスクそのものを移転するなどの対策が考えられます。具体的な対策は、以下のプロセスで検討します。
【プロセス】
- リスクを洗い出す
- リスクを評価する
- 対策を検討・実施する
- 対策を評価する
- 1へ戻る
クラウドファンディングでは、低コストかつ高品質な配送が求められます。配送ミスが少ないことはプロジェクトの評価を向上させ、継続的な支援を促す可能性があります。物流をプロジェクト成功のポイントと捉えて、対策を講じることが大切です。
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現在のクラウドファンディング市場
クラウドファンディングは、日本語で群衆を意味する「crowd」と日本語で資金調達を意味する「funding」を組み合わせた造語です。具体的には、あるプロジェクトを立ち上げた事業者などに対して、不特定多数の支援者が資金を提供する仕組みを指します。クラウドファンディングは、特徴によりいくつかの種類にわかれます。主なものは以下の3つです。
種類 | 概要 |
---|---|
購入型 | 支援の報酬としてモノやサービスを提供する |
寄付型 | プロジェクトに賛同する支援者がお金を寄付する |
融資型 | 事業者が個人投資家から小口資金を集めて大口化したうえで貸付を行う |
市場という観点では、融資型が注目を集めています。
画像引用元:矢野経済研究所_国内クラウドファンディング市場の調査を実施(2022年)
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3042
国内のクラウドファンディング市場は拡大傾向です。「Makuake」「CAMPFIRE」「REDYFOR」などのサービスが登場しており、2019年に1,567億円だった市場規模が2021年には1,642億円まで拡大しています。現在では、業種を問わずさまざまな個人・団体がクラウドファンディングで資金を調達しています。
ただし、純粋な資金調達手段とはいえない面があります。プロジェクトを立ち上げないと、どの程度の支援者が集まるかわからないためです。ローンチ前のファン作りや話題作りとして活用されている面もあります。
出典:矢野経済研究所_国内クラウドファンディング市場の調査を実施(2022年)
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クラウドファンディングに取り組む際の流れ
クラウドファンディングは、どのように取り組めばよいのでしょうか。ここでは、基本的な取り組み方を紹介します。
①準備期間
最初に、プロジェクトで達成したい目標、その達成に必要な金額、および必要な期間などを設定します。これらが曖昧だと、支援者を集められません。できるだけ具体的に設定することが大切です。
次に、利用するクラウドファンディングサイトを決定します。サービスにより得意分野などは異なるため、目的を踏まえて選択しましょう。並行して、プロジェクトに関わるチーム作りを行います。ポイントは、プロジェクトの進行に関わるコアメンバーに加え、プロジェクトの拡散に関わるサポートメンバーを集めておくことです。これらの準備が整ったら、クラウドファンディングサイトに登録してプロジェクトページを作成します。この段階から、支援者の共感を集められるように作り込んでいくことが大切です。
クラウドファンディングのサイト比較に関しては、こちらのページで詳しく解説しています。
>>【2023年】最新クラウドファンディング11選!特徴や料金を徹底比較
準備段階の仕上げとして、リターンの設定を行います。ターゲットを明確にして、思わず支援したくなるようなリターンを設定しなければなりません。準備に要する期間は1~2カ月が目安です。
②クラウドファンディング中
クラウドファンディングサイトの審査を受けて、問題がなければプロジェクトを開始します。目標金額と募集期間を考慮し、1日あたりで達成すべき金額を理解しておくことが大切です。ただし、毎日、一定の支援者を集められるケースはほとんどありません。基本的には、開始直後に支援者が大きく増えて、しばらく経過すると伸び率が悪くなります。新鮮味が失われると、情報の拡散力も低下するためです。したがって、定期的にイベントなどを開催して、プロジェクトの鮮度を保たなければなりません。
活動報告を欠かさず行うことも大切です。ここでいう活動報告は、プロジェクトの進捗報告や資金の使い道の説明、リターンの紹介などを指します。定期的に活動報告を行うことで、プロジェクトの信頼性を高められます。また、支援者に熱意も伝染しやすくなります。募集期間後半に、支援者を獲得する原動力になるでしょう。
③リターン期間
募集期間が終わると、リターン期間に入ります。プロジェクトを達成した場合は、所定の手数料を引いた金額が指定の口座に振り込まれます。ただし、これをもってプロジェクトが終了するわけではありません。リターンを設定した場合は、お礼の連絡とお届けの予定を報告しなければなりません。前述のとおり、クラウドファンディングにはファン作り、話題作りという面があります。支援者にリターンを届けるまで気を抜かないことが大切です。ファン作りや話題作りの観点からは、プロジェクト未達成でもプロジェクトページやSNSでお礼を伝えることが重要です。結果に関わらず、誠実な対応を心がけると信頼を獲得できます。
クラウドファンディングのリターン発送における注意点
クラウドファンディングの中で、重要な取り組みになるのがリターンの発送です。ここからは、経験を踏まえつつリターン発送における注意点を解説します。
差出人やプロジェクト名を記入する
リターン発送では、差出人やプロジェクト名をわかりやすく記載します。プロジェクトの終了からリターンの発送まで時間がかかるケースが多いためです。プロジェクトが開始された直後に支援が行われた場合、リターン発送までの間隔がさらに長くなります。したがって、リターンを忘れている支援者が少なくありません。リターンを受け取る際、支援者が安心できるよう配慮することが重要です。
遅延の際には必ず連絡を入れる
さまざまな理由でリターンの発送が遅れる場合があります。例えば、大量の発送に対応できず遅れてしまうなどが考えられます。遅延が明らかになった場合は、支援者からクレームが届く前に状況を報告します。遅延理由や修正後のお届け日時、改善策を伝えると理解を得やすくなります。配送が大幅に遅れる場合は、状況をこまめに報告する必要があります。発送トラブルで、信頼を失わないように心がけましょう。
発送先が間違っていないかを確認する
プロジェクト終了からリターン発送まで時間がかかる場合は、発送前に改めてお届け先を確認しておくことも大切です。期間が空くと、引越しで住所が変わる支援者もいます。以前の住所に配送すると、返送されることがあります。無駄な手間を省くため、リターン発送が遅くなる場合は、支援者の住所を確認しておきましょう。
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クラウドファンディングはリターン発送まで考えておくことが重要
クラウドファンディングは、不特定多数の支援者から資金提供を受けられる仕組みです。多くの共感を集められるプロジェクトであれば、目標金額を大きく上回る資金を集められることもあります。ただし、資金集めがゴールではありません。事業を後押ししてくれるファンを作るため、リターン発送も確実に行わなければなりません。多くの支援者が集まると、リターン配送の難易度はあがります。配送遅延により、評価を落としてしまうことがあるため注意が必要です。
上記の課題に対処したい方は、クラウドファンディングサイト「Makuake」と「ウルロジ」が提供しているMakuake専用リターン配送サービスをご利用ください。実体験をもとに誕生した、コスト削減や受け取り拒否などに対応できる特別プランを提案しています。
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