【30年ぶりの値上げ】郵便料金の値上げとコストを抑える方法を網羅的に解説
2024.07.22物流・フルフィルメント
「郵便料金が値上がりするって本当?」「値上げ後はどうやって配送コストを抑えればよいの?」などの疑問を抱いていませんか。日々の生活や事業に与える影響を心配している方は多いでしょう。郵便料金は、2024年10月1日に値上げが実施されます。例えば、通常はがきの料金は、2024年9月までが63円、2024年10月以降が85円です※1。
ここでは、EC業界で働く筆者が自身の経験を踏まえて、値上げ前、値上げ後の郵便料金を紹介するとともに、値上げの背景や配送コストを抑える方法を解説しています。郵便サービスを利用している方は確認しておきましょう。
また、郵便料金の値上げが気になるEC事業者様には、発送代行サービス「ウルロジ」がおすすめです。発送代行サービスは、ECの発送業務をまとめて委託できるサービスです。業務効率を改善し、配送コストを抑えられる可能性があります。サービス詳細は、以下のページからダウンロードできる資料でご確認ください。
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目次
2024年10月から値上げする郵便物の種類や特徴
郵便サービスを安定的に供給するため、2024年10月1日から郵便料金が値上がりします。変更前、変更後の主な郵便料金は次のとおりです。
種類 | 重量 | 変更前料金 | 変更後料金 |
---|---|---|---|
定形郵便物 | 25gまで | 84円 | 110円 |
50gまで | 94円 | 110円 | |
定形外郵便物(規格内) | 50gまで | 120円 | 140円 |
100gまで | 140円 | 180円 | |
150gまで | 210円 | 270円 | |
250gまで | 250円 | 320円 | |
500gまで | 390円 | 510円 | |
1kgまで | 580円 | 750円 | |
定形外郵便物(規格外) | 50gまで | 200円 | 260円 |
100gまで | 220円 | 290円 | |
150gまで | 300円 | 390円 | |
250gまで | 350円 | 450円 | |
500gまで | 510円 | 660円 | |
1kgまで | 710円 | 920円 | |
2kgまで | 1,040円 | 1,350円 | |
4kgまで | 1,350円 | 1,750円 | |
通常はがき | - | 63円 | 85円 |
往復はがき | - | 126円 | 170円 |
レターパックライト(特定封筒郵便物) | 4kgまで | 370円 | 430円 |
レターパックプラス(特定封筒郵便物) | 4kgまで | 520円 | 600円 |
速達料 | 250gまで | 260円 | 300円 |
1kgまで | 350円 | 400円 | |
4kgまで | 600円 | 690円 |
※レターパックプラスは、特別料金と特殊取扱料金の合計金額
※1
各郵便料金について解説します。
定形郵便物
定形郵便物は、縦14.0~23.5cm以内、横9.0~12.0cm以内、厚さ1.0cm以内、重さ50g以内の郵便物です※2。2024年9月までの料金は25g以内が84円、25g超50g以内が94円です。2024年10月以降は、重さにかかわらず郵便料金が110円に統一されます※1。
定形外郵便物
定形外郵便物は、定形郵便物の枠組みから外れる郵便物です。具体的には、規格内の定形外郵便物と規格外の定形外郵便物に分かれます。それぞれの概要は次のとおりです。
定形外郵便物 | 縦 | 横 | 厚さ | 重さ |
---|---|---|---|---|
規格内 | 34.0cm以内 | 25.0cm以内 | 3.0cm以内 | 1kg以内 |
規格外 | 縦60.0cm以内かつ縦、横、厚さの合計が90.0cm以内 | 4kg以内 |
※2
最小サイズは、以下のように設定されています。
【最小サイズ】
形状 | 最小サイズ |
---|---|
円筒形かこれに似たもの | 長さ14.0cm、直径3.0cm |
円筒形かこれに似たもの以外 | 縦14.0cm、横9.0cm |
※2
上記より小さなものでも「12.0cm×6.0cm以上」の耐久性のある厚紙または布製のあて名を付ければ送付できます※2。規格内、規格外とも、各重量で値上げが予定されています※1。
はがき
はがきは、縦14.0~15.4cm、横9.0~10.7cm、重さ2g~6g以内(往復はがきを除く)の通信用紙です※3。年賀状や暑中見舞いなど、幅広い用途に利用されています。2024年9月までの郵便料金は、通常はがきが63円、往復はがきが126円です。2024年10月以降は、通常はがきが85円、往復はがきが170円に値上がりします※1。
レターパック・速達
レターパックは、A4ファイルサイズ(縦34.0cm、横24.8cm)、重さ4kg以内であれば、全国一律の料金で利用できる郵便サービスです。厚さに指定がないレターパックプラスと厚さに指定がある(厚さ3.0cm以内)レターパックライトに分かれます※4。レターパックライトは370円から430円、レターパックプラスは520円から600円に値上げが予定されています※1。
速達は、郵便物を速やかに届けるサービスです。速達料も、2024年10月1日に値上がりします。具体的には、250gまでが260円から300円、1kgまでが350円から400円、4kgまでが600円から690円に値上がり予定です※1。
郵便料金が値上げする背景
以上の通り、郵便料金は大幅に値上がりします。日本郵便株式会社は、値上げの主な理由を「郵便サービスの安定的な提供を維持していくため」と説明しています。現行料金では、郵便サービスを安定的に提供できないのでしょうか。
日本郵便株式会社は、郵便利用の拡大につながる取り組みや機械化による業務効率化などを進めています。しかし、同社を取り巻く環境は厳しいと考えられています。デジタル化の進展などを受けて、2001年度をピークに郵便物数が減少しているためです※5。
総務省が発表している「令和5年版情報通信白書」によると、2013年度における総引受郵便物等物数は223億個(郵便物186億個、荷物38億個)、2022年度における総引受郵便物等物数は185億個(郵便物144億個、荷物41億個)です※6。郵便物数は、今後も減少傾向が続くと予想されています。人件費や燃料費などのコストの上昇も影響していると考えられます。
これらの要因から、現行の料金体系では郵便サービスを安定的に提供することが困難であるとされています。したがって、2024年10月1日に値上げが予定されているのです※1。
郵便料金の値上がり負担を抑える方法
郵便料金の値上げが、消費者や事業者に及ぼす影響は大きいです。ここからは、配送コストの負担を抑える方法を紹介します。
代替サービスを利用する
代替サービスを利用すると、郵便料金を抑えられる可能性があります。たとえば、定形外郵便物ではなくゆうメールを利用するなどが考えられます。ゆうメールは、冊子にした印刷物、CD、DVD(1kgまで)を安価で送付できるサービスです。参考までに、定形外郵便物(規格内)とゆうメールの料金を紹介します。
定形外郵便物(2024年10月1日以降の料金) | ゆうメール | ||
---|---|---|---|
~50g | 140円 | ~150g | 180円 |
~100g | 180円 | ||
~150g | 270円 | ||
~250g | 320円 | ~250g | 215円 |
~500g | 510円 | ~500g | 310円 |
~1kg | 750円 | ~1kg | 360円 |
※1、7
ゆうメールは、2024年10月1日以降も値上げを予定していません。ゆうパック、ゆうパケットも同様です※1。各サービスの詳細と料金を把握して、適切に使い分けることが大切です。
情報を電子化する
郵送している書類を電子化すると、配送コストを抑えられる可能性があります。送料、紙代、印刷代、封筒代などを削減できるためです。具体的な効果はケースによって異なりますが、送付数が多い場合はまとまった金額を削減できるでしょう。
さらに、各種書類の電子化によって業務効率の向上も期待できる点も重要です。たとえば、書類が管理しやすくなる、データが活用しやすくなるなどの効果が考えられます。書類を紙で管理している方は、この機会に電子化を進めるとよいかもしれません。
郵便物の形状を見直す
郵便物の形状を見直すことでも、配送コストが削減できる可能性があります。たとえば、封書で送っていた書類をはがきに変更すると25円の削減につながります(2024年10月1日以降の料金:封書(定形郵便物)110円、通常はがき85円)※1。情報量を減らして、圧着はがきを利用すれば、封書からはがきへ変更できるでしょう。配送コストを抑えたい場合は、料金変更を機に郵便物の見直しを行うことが大切です。
ECの運営にかかるコストを削減したい方は、以下の記事も参考にしてください。
>>ECコスト削減方法をご紹介!ECの利益構造から見直す削減方法とは
郵便料金を抑えるには発送代行の活用もおすすめ
郵便料金の値上げで困っているEC事業者様には、発送代行の利用をおすすめします。発送代行は、ECの発送に関わる業務をまとめて委託できるサービスです。具体的には、受注処理、梱包作業、伝票発行、発送手配などを委託できます。
発送代行を利用することで、発送業務に割いていた人員と手間を削減でき、人件費や工数を抑えられます。その分EC事業者様は、商品企画やマーケティングなどのコア業務に集中しやすくなるでしょう。また、発送代行業者が、配送業者と大口契約を締結しているため、自社で個別に契約するよりも、送料を抑えられる傾向があります。
発送代行の活用により、業務の効率化や配送コストの削減に成功しているEC事業者様は少なくありません。筆者は自身の経験から、EC事業の成否を分けるポイントになりうると考えています。実際に、発送代行の利用をきっかけとして、売上や利益を大幅に伸ばしているEC事業者様も存在します。郵便料金の値上げでお困りの方は、発送代行の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
発送代行のメリット、デメリットなどを詳しく理解したい方は以下の記事を参考にしてください。
>>発送代行サービスとは?通販(EC)事業での委託するメリットや費用相場、業者の選び方を解説
郵便料金の値上げに備えて準備を進めましょう
2024年10月1日に、郵便サービスの安定的かつ持続的な提供の実現を目的として、郵便料金の値上げが行われます※1。対象になる郵便サービスは、定形郵便物、定形外郵便物、通常はがき、往復はがき、レターパックなどです。配送コストを抑えたい方は、利用する郵便サービスや送付する郵便物の見直しを行うとよいでしょう。
その他、発送代行サービスを利用して、発送料金を抑える方法もあります。発送代行業者は、日本郵便など、主要配送業者と大口契約を締結しているため、1個あたりの発送料金を削減できる可能性があります。
発送代行サービスなら、ウルロジはいかがでしょうか。ウルロジは流通加工や返品対応など、さまざまな業務に対応しており、配送費は梱包資材費を含めて全国一律300円からとなっています。同時に、最新システムと設備を導入して自動化を進めているため、EC事業者様の発送ミスを最小限に抑えることが可能です。
日本郵便の値上がりに伴い、発送料金でお困りのEC事業者様には、当社のサービスをおすすめします。ウルロジにご興味がある方は、お気軽にご相談ください。
※1 出典:日本郵便「2024年10月1日(火)から郵便料金が変わります。」
※2 出典:日本郵便「第一種郵便物 手紙」
※3 出典:日本郵便「定形郵便物・はがきの基本条件」
※4 出典:日本郵便「レターパック」
※5 出典:日本郵便「郵便料金の改定および新料額の普通切手の発行などについて」(pdf)
※6 出典:総務省「第12節 郵政事業・信書便事業の動向」(pdf)
※7 出典:日本郵便「ゆうメール」
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