発送代行サービスとは?メリット・デメリットや選び方を解説!
2022.04.05物流・フルフィルメント
2022年現在、ECの市場規模は拡大中で、それに伴いECサイトを開設する事業者が増えております。商品発送については、準備することが多く負担に感じているEC事業者も多い中、手軽に物流業務の委託サービスの利用が出来る発送代行サービスが人気上昇中。
この記事では、そんな発送代行サービスについて徹底解説していきますので、参考になさってください。
目次
発送代行サービスとは?
発送代行サービスとは、事業者が発送のプロに発送業務全般をアウトソーシング出来るサービスです。
商品などの入庫受付、保管、梱包、伝票発行、出荷、配送管理までの一連の作業をアウトソーシングが出来ます。
商品と合わせて、アッセンブリ作業も依頼するなどカスタマイズすることも可能です。
発送代行サービスのメリットについて
発送代行サービスを利用すると主に3つのことでメリットを感じることが出来ます。
コスト
コスト面で削減することも可能です。一般的にはアウトソーシングをするとコストが上がってしまう事も懸念点としてあると思います。
しかしながら、以下の理由から現状よりも実はコストダウンできるケースも考えられるのです。
配送料金
配送料金は、自社で契約するよりも、発送代行会社に依頼した方が安いことがあるでしょう。
配送料金は、大手配送会社との契約金額は様々な条件で変動します。ヤマト運輸、佐川急便、日本郵政、西濃運輸、福山通運などが大手配送会社として良く名前が上がります。
契約金額については、どんなことで決まるのでしょうか。
基準の中で一番ウェイトを占めている指標は、「年間発送数見込み」です。
数量が見込めれば、大手配送会社は金額の交渉に応じてくれやすくなります。
発送代行会社は荷主となる複数の企業と契約をすることになる為、自然と発送数が多くなり、大手配送会社と交渉が可能なのです。
交渉の結果として、契約単価が下がるので、発送代行会社に依頼した場合は自社で契約した際よりも安く手配が出来ます。
配送方法の切り替えが容易
自社で複数の配送会社と契約し、配送方法を変えようとしても中々オペレーションが上手く行かないことがあるでしょう。
発送代行会社は、伝票発行も含め一連の作業が効率化されている為、発送条件の切り替えは容易です。
例えば、従来宅配便で出荷していた企業が新たにポスト投函が可能なサイズの商品の出荷を希望した場合に、契約していた配送会社でポスト投函便の取り扱いが無かった際には配送手段は宅配便しか選択が出来ません。しかし、配送会社を変更すれば大幅に配送料金を下げることが叶うのです。
(例)
一部の配送会社60サイズ料金(同一県内):800円
↓
ポスト投函費用(全国):350円
これは一例ではありますが、このように条件によって最適な配送方法でコストダウンが可能になります。
梱包に関わる資材が安い
発送代行会社は、荷主からの梱包資材の調達も依頼されることが多いです。その為、大量に梱包資材をストックしているケースが多く、業者価格として仕入れています。
アスクルやたのめーるなどで梱包資材を発注する前に一度、資材についても見積比較することで、発送全体のコストダウンをすることが可能になります。
業務負荷
発送に関する業務は、いくら慣れても時間は取られてしまいます。
参考までに一般的な60サイズのダンボールに梱包をしようとすると以下の工数が掛かります。
発送内容確認
↓
伝票データ抽出
↓
伝票印字
↓
ダンボール組み立て
↓
商品、チラシピッキング
↓
緩衝材同梱
↓
伝票貼付
↓
配送会社へダンボール引き渡し
上記は一般的な作業を順番にしたものです。時間にしておよそ10分/1梱包が目安になります。
1日20個の作業がある場合には、1日に200分掛かることになります。
発送は緊急を要する業務でもある為、優先的に対応せざるを得ないということも業務負荷を上げてしまう要因となるでしょう。
EC事業者であれば、サイトの改修やプロモーション活動などは売上に関わるコア業務となります。コア業務の時間が取れなくなる前に業務負荷軽減をする対策として発送代行は有効な手段です。
品質
発送業務は、物流の中の一工程でもあります。品質の低下は届け先からのクレーム等に繋がります。一定以上の品質は常に求められるものです。
梱包品質
商品の破損や汚れは、梱包の品質を高めることで防ぐことができます。ダンボールがつぶれないようにするためには、緩衝材の使用が必須です。輸送途中でもつぶれない強度のダンボールと緩衝材を使い商品を守ります。また商品をOPP袋(透明の袋)などに事前に入れておけば、万が一輸送途中で雨に濡れても商品の水濡れを防ぎます。
このように発送代行会社では、梱包時のリスクから対策を施し品質を高めていくでしょう。
スピード
商品の注文から配送完了までのスピードは、届け先の満足度に影響します。昨今のEC利用者の大幅な増加により、一般消費者も早く到着することが当たり前となってきました。注文の翌日に到着可能な即日発送に対応する事業者も多くなっています。人員の不足などが起きると発送業務が押してしまい、当日業務が終わらず結果として配送完了までのスピードが遅くなります。発送代行会社では、仕組み化された業務フローと繁忙期でも耐えうる人員の調整で、遅延の可能性が低くなり、配送完了までのスピードが早くなります。
発送代行サービスのデメリットやリスク
発送代行サービス利用のメリットはご理解いただけたかと思います。しかし、デメリットやリスクはあるのでしょうか。その点もご紹介いたします。
個人情報の取り扱い
発送代行サービスを利用する際には、伝票発行のために発送先の情報を共有しなければなりません。企業側の個人情報の取り扱いについては、プライバシーマークなど個人情報に関する資格を持っているかのチェックや個人情報漏洩を防ぐために機密保持の契約書を締結するなどリスクヘッジは必ず必要です。
作業指示の言語化や手順化
自社で作業を行っていた場合、慣れてしまうと特にマニュアルなど無しに作業が出来てしまいます。発送代行会社へ依頼をする場合には、「慣れている作業」を言語化して伝える必要があります。細かな作業の手順化も取引する際には詰めなければなりません。気を付けなければならないのが、細かな手順を省略化してしまい発送ミスが起きてしまうことです。意図した発送業務がしっかりと発送代行会社へ伝わるまで打合せを進め、共通認識となる言語化や手順化をしましょう。
カスタマイズ性が高い発送業務は高コスト
発送代行会社は、複数の企業の発送作業を並行して進行させています。1社1社のカスタマイズ性が高すぎると慣れた作業員しか対応することができず、発送代行会社ではコストを上げざるを得ません。そのコストが利益を減少させてしまう可能性が高く結果として依頼を諦めることになるでしょう。カスタマイズ性が高い発送業務とは、複雑な条件で梱包資材を細かく変えることや、手書きのメッセージを入れる、名入れしたチラシを入れるなどが挙げられ、細かくなればなるほどコストが高くなります。そもそも発送代行会社で対応することが出来ない可能性もある為、シンプルな発送業務にすることがポイントとなります。
発送代行を検討するタイミング
それでは、どんなタイミングで発送代行を利用するべきなのかを3点上げ、ご説明いたします。
物量が増えた
発送業務で扱う物量が定期的に増え続けてしまうと、比例して時間も取られてしまいます。
商品の在庫から、梱包資材の調達も含めて管理をしなければなりません。1ヶ月でおよそ50個程度から管理が煩雑になる可能性が高くなり、業務に取られる時間が多くなります。50個を目安に、また実際に掛かっている時間から検討してみましょう。
まとまった発送を予定している
大量に注文が入ることが見込まれている場合、スポットで依頼することも検討しても良いでしょう。通常よりも業務に対応する時間が増えることが予測され、発送ミスのリスクも高まります。2~3週間後の発送予定でも発送代行会社へ相談すれば見積や擦り合わせの時間を持つことができる為、自社で行った場合と比較したうえで依頼するかを判断することが可能です。
配送コストの見直し
自社または他社で対応していた場合でも、配送に関わる料金は年々高騰しており、利益を圧迫する要因です。配送料金が上がることが予想される場合には、新規で発送代行会社へ相談をしましょう。現時点よりも安く見積が出てくればラッキーです。また発送業務に関わる人件費を算出した場合、発送代行に掛かる作業費用と比較すれば現状のコストよりも安く出来ることもあります。原価を見直し、その中でもウェイトを占める配送コストを見なすタイミングは、発送代行へ依頼するタイミングの一つです。
発送代行会社の選び方
発送代行会社の選び方や見極めポイントをご紹介します。
コスト面
コスト比較は最も重要な要素の一つです。 以下の見積り時に見るべき項目を羅列しました。ここでは純粋に他社と見積り合わせをする際に、正しく総額の比較をする為に洗い出すことを推奨しています。
【見積り項目例】
・地域別配送料金の事前提示
・追加作業など見積項目網羅
・システム利用料や初期費用の明示
・電気代など稼働前に利用料金が見えづらい項目
・梱包資材費用の事前提示
・その他明確にわかりづらい項目の有無
発送代行会社に見積を依頼する際には、事前に状況を見ながら上記項目の提示を打診しましょう。それでも分かりづらい項目があれば質疑し、理解を進めて行きます。
スケジュール
コスト面とあわせて重要なこととして挙げられるのが発送までのスケジュール感です。それぞれのタスク内容と日数ががどのくらいかかるかをチェックします。
・契約締結までのフロー
・ECサイトの設定と事業者側のタスク
・作業の打合せ
・当日発送の締め切り時間と発送個数上限
上記を詰めていきましょう。
また発送日と配送完了日を明確にすることが重要です。
出荷日:発送代行会社から配送会社へ引き渡した日
発送日:配送会社が発送開始する日
配送完了日:発送した商品が到着した日。
良くある認識の祖語は、発送日を配送完了日としてしまうことです。
「配送完了日が●●日だから逆算すると●●日に出荷(≒発送)」していれば大丈夫と事前すり合わせしておけば安心。細かい言い回しですが、この認識がずれるとクレームに繋がることもあるので注意です。
おおよそのスケジュールについては、事前に発送代行会社から提示してもらい、問題無いスケジュールなのかをチェックしましょう。
倉庫について
倉庫についても確認が必要です。まず倉庫に荷物を送る必要があります。現在の倉庫や商品が生産される地域が契約を検討している倉庫と近ければ近いほど移動コストを抑えられます。場所が近いかは全体コストを抑える為には重要なのです。また、発送代行会社によっては、自社倉庫ではなく提携倉庫の場合がデメリットです。
発送代行会社が自社倉庫では無く提携倉庫の場合のデメリット
・作業指示が最初と異なると受付出来ないことがある
・コストが高くなっている可能性がある
・倉庫会社に無理な金額で委託している可能性がある
間に入る発送代行会社のマネジメントがしっかりされていれば問題が無いのですが、マネジメントがされていない場合は、思わぬ発送ミスが発生する可能性がある為、注視するべきでしょう。
デジタル化が進んでいるか
発送代行会社によっては、デジタルツールの操作に慣れていないケースがあります。チャットツールなどを使っていれば、より早いレスポンスを求めることが容易になります。またデジタル化が進んでいないと、ECサイトの連携など時間が多くかかります。
レスポンスの早さやデジタルツールに慣れているかなどチェックすれば、スムーズなコミュニケーションが可能です。
発送代行会社への相談方法
発送代行会社へ相談する際には、下記一般例を参考に打診してみると良いでしょう。
・発送代行を検討している背景
・発送に関わるアイテム数やアイテムサイズ
・ECサイト(カートやモール)
・付帯作業の有無
・在庫保管スペースがどのくらいあるか
問い合わせ時に伝えておくとスムーズに商談が進みます。
コラム
発送代行会社によっては、宅配便だけではなくダイレクトメールの発送代行を行っている会社もあります。商品を届けるというよりは、刊行物、セールや新商品の案内などを送ることができます。EC事業では『顧客単価を上げる』、『休眠の顧客に再販売促す』などを目的としてダイレクトメール施策を検討する機会があるでしょう。商品発送代行会社がダイレクトメールの発送代行もできる場合、同じ会社で依頼ができます。その点、複数の会社に依頼をかけるよりも運用が楽になる為、さらなる業務改善ができるでしょう。
まとめ
発送代行サービス利用に際してのメリットを中心にリスクなどご紹介いたしました。
発送代行会社によって提案方法も様々です。今回解説した選び方やチェックポイントを参考にしていただければうれしい限りです。
ウルロジを運営するディーエムソリューションズ株式会社では、
商品の発送代行とダイレクトメールの発送代行の二つのサービスを提供しています。
状況に合わせてご提案が可能なので、「発送代行」に関するご相談があれば一度ウルロジまでお問い合わせくださいませ。

ウルロジ 編集部

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