発送代行サービスとは?通販事業でのメリットや費用相場、業者の選び方を解説

2024.04.15物流・フルフィルメント
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「発送作業を業者に委託したい・・・」
「発送に関わるコストを削減したい・・・」
「自分たちで発送業務を担うのが負担になってきた・・・」

発送代行サービスは、ECサイトや通販などの事業主が商品を発送する際に発生する物流業務を、発送のプロへ委託できるサービスです。EC市場の規模は拡大しており、それに伴いECサイトを開設する事業者が増えています。
梱包作業や出荷などの手間とコストも掛かる物流業務を手軽に委託出来る発送代行サービスのニーズが近年増加しています。この記事では、発送代行サービスのメリットやデメリットから業者の選定方法、オススメの業者までを解説していきます。
発送代行業者をさくっと知りたい方は比較表での確認もおすすめです。

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目次

発送代行とは個人から法人までの事業者の物流業務を委託できるサービス

発送を行うまでの業務は商品などの入庫受付や在庫管理、保管、梱包、伝票発行、出荷、配送管理と業務範囲が多岐に渡ります。そういった発送に関わる物流業務全般を委託できるのが発送代行サービスです。
手間もコストもかかる業務を委託することで、売上に直結するコア業務である商品開発やプロモーションに注力する時間を確保できるようになります。

法人の方向けだけでなく、個人の方やスタートアップの方向けに小ロット・スポットでの対応も可能な発送代行業者も存在しています。
ご関心ありましたら個人・スタートアップの方向けの小ロット・スポットの発送代行について解説している記事をご参照ください。

発送代行サービスのメリットを4つ紹介

ここでは、発送代行サービスを利用した際に得られる4つのメリットをご紹介します。

配送コストと人件費の削減

発送業務を委託するとコストが上がってしまうと思われる方も多いかと思います。しかし、実は自社で発送するよりもとても安くなりコスト削減につながることもあります。以下の詳細についてご紹介します。

配送料金(送料)

事業立ち上げ初期の場合、出荷量が少ないためいきなり安い発送枠で配送業者と契約することが難しいでしょう。
しかし発送代行業者は、ヤマト運輸、佐川急便、日本郵政、西濃運輸、福山通運などの大手配送会社と大口の契約をしています。
公式で配送出来る価格帯よりも安く契約しております。結果としてEC事業者が直接契約するよりも安く利用することができます。複数の事業者と契約している発送代行業者ならではの配送料金となる為、コストダウンは出来るでしょう。

出典:ヤマト運輸
出典:佐川急便
出典:日本郵政
出典:西濃運輸
出典:福山通運

ポスト投函便など安い配送方法の利用が可能

自社で複数の配送会社と契約し、配送方法を変えようとしても契約上の問題や伝票処理等のオペレーションが上手く行かないことがあるでしょう。発送代行業者は、伝票発行も含め一連の作業が効率化されている為、配送方法の切り替えは容易です。
例えば、従来宅配便で出荷していた企業が新たにポスト投函が可能なサイズの商品の出荷を希望した場合に、契約していた配送会社でポスト投函便の取り扱いが無かった際には配送手段は宅配便しか選択が出来ません。
しかし、配送会社を変更すれば大幅に配送料金を下げることが叶うのです。

ポスト投函便についての詳細は「ポスト投函が可能なネコポス・ゆうパケットの徹底比較」をあわせてご確認ください。

 (例)
一部の配送会社60サイズ料金(同一県内):800円

ポスト投函費用(全国):350円

このように条件によって最適な配送方法でコストダウンが可能です。

梱包・緩衝材(資材費)が安い

発送代行業者は、大量に梱包資材をストックしているケースが多く、業者価格として仕入れています。
アスクルやたのめーるなどで梱包資材を発注する前に、資材の見積もり比較を行うことで、発送コスト全体を削減することが可能です。
発送代行業者によっては資材費込みでの送料も設定されています。

発送代行サービスのウルロジでは、資材費込みでお客様の事業フェーズに応じた最安値でご提案しております。
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業務負担の軽減

ECサイトを運営する際、多岐にわたる業務を同時にこなす必要がある一方で、売上増加に伴い「物流業務」は量も増え、これが事業者にとって大きな課題となっていきます。
面倒な物流業務を発送代行業者に委託することで、浮いたリソースを「商品開発」や「マーケティング」などのコア業務に集中させることで事業をさらに成長させることができます。

一例として、自社で物流を負担していたお客様の場合、商品を発送するだけで以下の工数が掛かります。

  1. 発送内容確認(受注処理)
  2. 伝票データ抽出(受注処理)
  3. 伝票印字(出荷・発送)
  4. ダンボール組み立て(出荷・発送)
  5. 商品、チラシピッキング(出荷・発送)
  6. 緩衝材同梱(出荷・発送)
  7. 伝票貼付(出荷・発送)
  8. 配送会社へダンボール引き渡し(出荷・発送)

上記の作業に加えて、普段の在庫管理や返品対応とのアフターサービスも含めると1日4時間という時間が掛かり、大きな業務負担でした。
発送は緊急性が要求される業務であるため、優先的に対応する必要があり、これがさらに業務負担の増加につながることがあります。
このお客様はウルロジに委託後、物流業務が出荷指示の30分のみとなり、大幅なリソース削減につながりました。
コア業務の時間が取れなくなる前に、業務負荷軽減をする対策として発送代行サービスを利用することは有効な手段です。

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物流品質が向上し顧客満足度向上につながる

発送代行業者は物流業務のプロであるため、その物流品質は非常に高く、顧客満足度の向上に寄与します
逆に、発送業務の品質の低下は顧客からのクレーム等につながります。
実際にウルロジで行った、ECヘビーユーザー500名を対象にした口コミ・レビューに関する調査では、商品の破損・欠損といった物流品質の低下によって低評価の口コミを記載した人が約4割いることがわかっています。ネガティブな口コミ・レビューをした理由

商品に関する口コミ・レビューは地道な改善を繰り返す必要があります。一方で物流業務においてはプロに委託することで低評価の口コミ・レビューを避けることに繋がります。
ウルロジが行った口コミ・レビューに関する消費者意識調査を詳しく見てみる

梱包品質

商品の破損や汚れは、梱包の品質を高めることで防ぐことができます。ダンボールがつぶれないようにするためには、緩衝材の使用が必須です。輸送途中でもつぶれない強度のダンボールと緩衝材を使い商品を守ります。
また、商品をOPP袋(透明の袋)などに事前に入れておけば、万が一輸送途中で雨に濡れても商品の水濡れを防ぎます。

配送までのスピード

商品の注文から配送完了までのスピードは、購入者からの満足度に影響します。昨今のEC利用者の大幅な増加により、早く到着することが当たり前という時代になっています。注文の翌日に到着させる事業者も多くなっています。発送代行業者では、仕組み化された業務フローと繁忙期でも耐えうる人員の調整で、当日出荷の締め切り時間をギリギリまでに設けるために、配送完了までのスピードが早くなります。

実際、弊社で行っている自社EC事業においても、ウルロジの高い梱包品質から多くの高評価レビューをいただいております。

事業成長に対応できる物流現場の拡張性

プロモーションの成功により、注文が爆発的に増えることは珍しくありません。特にSNSで大きく拡散された際の破壊力は、出荷予測しづらいことが多々あります。自社で出荷業務を行っている場合に上記のような波動に対応することは容易ではなく、出荷遅延につながってしまう可能性もあるでしょう。
その点、発送代行業者であれば十分な保管スペースの確保と人員配置が叶うため、急な物流波動にも対応ができます。事業成長には心強いパートナーとして発送代行業者の利用をおすすめいたします。

一方で、この物流波動に関しては対応ができない発送代行業者もいます。
波動に対するオペレーションが倉庫内で構築されていなかったり、ロボットによる投資が進んでおらず無理な人員稼働を行っている等理由は様々です。
一般的なコストだけでなく、自社の事業成長に対して対応が可能な拡張性・柔軟性を兼ね備えているのかという観点も非常に重要です。

発送代行サービスのデメリットを4つ紹介

ここまでで発送代行サービスを利用するメリットを4つご紹介してきました。
ここからはそのデメリットも4つご紹介いたします。

個人情報の取り扱いに注意する必要がある

発送代行サービスを利用する際には、伝票発行のために発送先の情報を連携しなければなりません。
企業側の個人情報の取り扱いについては、プライバシーマークなど個人情報に関する資格を持っているかのチェックや個人情報漏洩を防ぐために機密保持の契約書を締結するなどリスクヘッジは必ず必要です。

自社に物流ノウハウが溜まりづらい

発送業務を委託してしまうと、実際の物流に携わらなくなります。その為、物流に関する梱包テクニックや在庫管理方法等の物流ノウハウが蓄積されません。

自社で行っているほどノウハウは蓄積しづらいですが、業者との定例会を開いたり、物流倉庫へ定期的に訪問して視察をするなどで現在の物流の状況の大枠を把握することは可能です。
丸投げして放置するのではなく、あくまで『パートナー』として活用することで、さらなる物流サービスの改善につながっていく可能性が高いです。

物流ノウハウを自社に蓄積していく上では、発送代行業者と密にコミュニケーションが取れることが望ましいです。
ウルロジでは担当と現場との専用のチャットグループを作成しており、クイックなコミュニケーションを可能にしています。

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梱包のカスタマイズ性が悪くなる場合がある

発送代行業者は、複数の企業の発送作業を並行して進行させています。1社1社のカスタマイズ性が高すぎると慣れた作業員しか対応することができず、発送代行業者ではコストを上げざるを得ません。
そのコストが利益を減少させてしまう可能性が高く結果として依頼を諦めることになるでしょう。
カスタマイズ性が高い発送業務とは以下のような業務です。

  • 複雑な条件で梱包資材を細かく変える
  • 手書きのメッセージを入れる
  • 名入れしたチラシを入れる

細かくなればなるほどコストが高くなります。そもそも発送代行業者で対応することが出来ない可能性もある為、コストを抑えたい場合はシンプルな発送業務に整理することがポイントとなります。

コストの観点では不利になる場合がある

依頼する出荷量や在庫量によっては、自社で発送業務を行う場合よりもコストがかかることがある点にも注意が必要です。自社ECで販売する商品との兼ね合いによっては、発送代行のコストが利益を上回ってしまいます

一般的に、配送代行のコストは出荷量や在庫量が少ないと割高になる傾向があります。これらの規模が小さい場合は、依頼前に条件の確認が必要です。

発送代行業者に委託できる物流業務

スマート倉庫管理システム

メリットとデメリットが分かったところで、次に発送代行業者に委託できる業務についてご紹介します。委託できる業務としては主に4つあります。

商品の入荷・入庫作業

商品が倉庫に到着し、検品作業を行います。この作業を入荷と言います。入荷作業の次は、在庫管理表に計上しながら所定の場所に保管をする入庫作業を行います。
この在庫管理はシステム化して管理している発送代行業者も多くいます。

商品の在庫管理

入庫時だけでなく、日々の出荷による増減による変動にも対応した在庫管理が可能です。また毎月の棚卸を欠かさない、管理体制を整えている発送代行業者も多いです。

在庫管理についての詳細は「在庫管理の重要性と適切に管理する方法とは?」をあわせてご確認ください。

さらに、在庫管理のシステムを利用することで日々の出荷に伴う在庫数の増減にもシームレスに反映が可能となります。発送代行業者で導入されていることの多いWMS(倉庫管理システム)では、EC事業者もウェブで保管状況をタイムレスに確認ができるため、業務の効率が図れます。

WMS(倉庫管理システム)について詳しく知りたい方は「WMS(倉庫管理システム)の機能とメリット・デメリットについて」もご確認ください。

発送するための梱包作業

まず、商品を保管している場所からピックアップし、段ボールなどの梱包材を組み立てます。そこに、緩衝材、納品書とともに梱包します。自社での梱包をご検討されている方は、「緩衝材とは?種類と選び方のポイントについて」で詳しく記載しておりますのでご確認いただけますと幸いです。

また、指定のシール貼付や複数の商品を透明な袋へ同封してセット商品にしたり、リボンやメッセージを同梱してギフトラッピングしたりすることを流通加工と呼びます。

流通加工は発送代行業者によって対応可能範囲が異なってきます。細かな同梱の指示やセット組の対応は受け付けていない業者も多いです。希望する細かな作業が委託できるのか事前にすり合わせて進めることをオススメします。

流通加工について詳しく知りたい方は「流通加工とは?流通加工の重要性と外注するメリットについて」の記事をご覧ください。

出荷・配送

発送代行業者は、自社で配送は行わずヤマト運輸や佐川急便・日本郵政などの大手配送業者と提携し、専用の発送枠を保有しているケースが多いです。発送代行業者へ委託する場合はその専用の発送枠を使用して商品の出荷を行います。

出典:ヤマト運輸
出典:佐川急便
出典:日本郵政

発送代行サービスの費用相場

ここまでのご紹介で発送代行業者へ委託した際にどのくらい掛かってくるかが気になるかと思います。
EC事業者向けの発送代行業者の費用感をウルロジを元にしたシミュレーションでご紹介します。

平均的な費用感や相場を把握しておきたい方は「ECの発送代行の相場は高い?気になるコスト・費用感を徹底解説」の記事を参照ください。

費用シミュレーション

どれくらいの費用感になるのかをシミュレーションする際、事業フェーズや出荷件数、保管個数、SKUと様々な要因があるため、具体的なケースで異なってきますが、簡単なシミュレーションを示すと次のとおりです。

【A社のEC事業】

  • 商品:生活雑貨
  • 出荷件数:10,000件/月
  • SKU:300
  • 商品サイズ:60サイズが中心
  • 自社ECにて販売

物流費用の実際の削減例

上記の例では、発送代行に依頼することで約350万円の削減につながっており、規模感にもよりますが自社で行うよりも費用対効果は高いといえます。
メリットでも前述したように、発送代行業者は配送料金・梱包費用を安く抑えることができます。その分、保管費用等の費用が発生してきます。

一般的な発送業務以外のオプションとして、下記のようなものがあります。

以上です。

発送品質を高めることは顧客満足度の向上に寄与します。物流業務をコストとして捉えずに、顧客のロイヤリティ化を目的としてその特性に合わせた最適な発送方法を選択することでさらに費用対効果が高くなります。

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発送代行サービスを検討するタイミング

それでは、どんなタイミングで発送代行を利用するべきなのか。一言で表すと何かしらの”課題”を感じられた際です。年間1,000件以上相談を受けている中で、良く相談受ける4つのタイミングをご紹介いたします。

EC事業を立ち上げたばかりで物流業務に割く時間が無い

EC事業の立ち上げのタイミングでは限られた人員の中で事業を開始される方も多く、物流までの仕組みを整えるリソースが無く、最初から委託いただくケースも多くございます。

売上が軌道に乗るまでは、商品開発・プロモーションにリソースを集中させるべく、事業開始の段階から発送代行業者への相談されることをオススメします。

販売個数(出荷個数)が増えた

販売個数が定期的に増え続けてしまうと、比例して時間も取られてしまい回らなくなった際にご相談をいただくことがあります。商品の在庫管理から、梱包資材の調達など、頻繁にチェックが欠かせません。

このタイミングで商品の取り違えや遅延につながりやすくなります。1カ月でおよそ50個程度越えてくると様々な問題が生じやすく、仕組みを整えたいという要望が出てくるでしょう。月間の発送50個を目安に検討されると考えております。

まとまった発送を予定している

予め大量に注文が入ることがわかっている場合、スポットで依頼することも検討しても良いでしょう。通常よりも業務に対応する時間が増えることが予測され、発送ミスのリスクも高まります。

直前の発送予定でも発送代行業者へ相談すれば見積や擦り合わせの時間を持つことができる為、自社で行った場合と比較したうえで依頼するかを判断することが可能です。

物流コストの見直し

自社や他社に委託していた場合でも、宅配会社の料金が年々上昇しており、これが利益を圧迫する要因です。配送料金が上がることが予想される場合には、新規で発送代行業者へ相談をしましょう。

また発送業務に関わる人件費を算出した場合、発送代行に掛かる作業費用と比較すれば現状のコストよりも安く出来ることもあります。原価を見直し、その中でもウェイトを占める配送コストを見なすタイミングは、発送代行へ依頼するタイミングの一つです。

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発送代行業者の見極め方

発送代行業者の選び方やチェックポイントをご紹介します。

下記資料では、今回ご紹介するポイント以外にも、発送代行選定時に役立つ計35のポイントをチェックリスト形式で紹介しています。よろしければご参照ください。
物流会社選定のチェックリスト

発送代行業者を用途に合わせて使い分ける

発送代行業者は大きく3種類あります。

①納品代行型発送代行業者 モール型フルフィルメントセンターへの納品を主なサービスにしている
②モール型フルフィルメントセンター 特定のモールの送料が比較的安い
③独立型発送代行業者 複数のモール・カートに対応し、toC、toBへ配送業者を通じて出荷が可能

①納品型発送代行業者

楽天スーパーロジスティクス(RSL)、フルフィルメント by Amazon(FBA)への納品代行を主なサービスとしている業者です。RSLやFBAは特定の納品ルールがあるため、送料が安いものの作業が複雑です。その納品作業をメインに提供しているのが、納品型発送代行業者です。

②モール型フルフィルメントセンター

楽天やAmazonといった大手モール運営企業が運営しているフルフィルメントセンターがあります。
それぞれの倉庫の名称はこちらです。

楽天 楽天スーパーロジスティクス(RSL)
Amazon フルフィルメント by Amazon(FBA)

出荷量が少なくても特定のモール経由の受注は送料が比較的安いなどのメリットがあるものの、融通が利かない、保管料が高くなる、他のモール・カート経由の受注の発送は割高になるなどデメリットもあります。

③独立型発送代行業者

モールから派生していない発送代行業者です。基本的にはモール・カート問わず一律料金で対応可能なため楽天・Amazon以外のECショップを運営しているEC事業者様にオススメです。

また、RSL/FBAの納品にも対応している業者がいるため、RSL/FBAを併用するEC事業者もいらっしゃいます。

出典:楽天
出典:楽天スーパーロジスティクス
出典:Amazon
出典:フルフィルメント by Amazon

詳細まで含めたコストの確認

コスト比較は最も重要な要素の一つです。 以下の見積り時に見るべき項目を羅列しました。ここでは純粋に他社と見積り合わせをする際に、正しく総額の比較をする為に洗い出すことを推奨しています。

【見積り項目でチェックするべき内容】

  • 地域別配送料金の事前提示
  • 追加作業など見積項目網羅
  • システム利用料や初期費用の明示
  • 電気代など稼働前に利用料金が見えづらい項目
  • 梱包資材費用の事前提示
  • その他明確にわかりづらい項目の有無/li>

発送代行業者に委託する業務内容はEC事業者様毎に様々です。自社の業務内容に合った見積もり提示を求めることが重要です。

一見、サービスサイトに載っている価格が安く見えても出荷量が増えると思いのほか総額が高騰していくケースは少なくありません。

見積を依頼する際には、事前に状況を見ながら上記項目の提示を打診しましょう。それでも分かりづらい項目があれば確認し、発送代行業者の言われるがままにならないように疑問を解消することが重要です。

実績

実績も、依頼前にチェックしたいポイントとしてあげられます。実績が豊富な配送代行業者は、多くのクライアントから信頼されている、つまり信頼性や安全性が高いと考えられるためです。配送代行業者の得意分野を把握できる点も見逃せません。各事業者の実績は、公式サイトのほか口コミサイトやSNSなどで確認できます。

スケジュール

コスト面とあわせて重要なこととして挙げられるのが発送までのスケジュール感です。
下記のタスク内容と日数がどのくらいかかるかをチェックします。

  • 契約締結までのフロー
  • ECサイトの設定と事業者側のタスク
  • 作業の打合せ
  • 当日発送の締め切り時間と発送個数上限

また発送日と配送完了日を明確にすることが重要です。

【紛らわしい日付に関する違い】

日付の違い

  • 出荷日:発送代行業者から配送会社へ引き渡した日
  • 発送日:配送会社が発送開始する日
  • 配送完了日:発送した商品が到着した日

よくある誤解は、発送日を配送完了日と混同してしまうことです。配送完了日が●●日だから逆算すると●●日に出荷(≒発送)」していれば大丈夫と事前すり合わせしておけば安心。

細かい言い回しですが、この認識がずれるとクレームにつながることもあるので注意してください。

おおよそのスケジュールについては、事前に発送代行業者から提示してもらい、問題無いスケジュールなのかをチェックしましょう。

倉庫スペック

倉庫が備えている機能についても確認が必要です。倉庫スペックで確認すべきポイントが以下の5点です。

倉庫の拠点

まず倉庫に荷物を送る必要があります。現在の倉庫や商品が生産される地域が契約を検討している倉庫と近ければ近いほど移動コストを抑えられます。場所が近いかは全体コストを抑える為の重要な要素になってきます。

倉庫の設備や資格

商材によって温度管理機能や資格が必要です。
事前に必要条件を洗い出し確認しましょう。

提携している配送業者と対応可能な配送手段

配送業者によって配送規定や金額が異なるため希望する配送業者と提携しているかは確認しておきましょう。

また、宅配便だけでなくポスト投函(メール)便にも対応していれば、余計なコストがかかる心配がありません。

発送代行業者の倉庫が提携倉庫ではなく自社倉庫か

発送代行業者自身が保有している倉庫ではなく、提携先に委託している場合があります。
その場合に以下のようなデメリットが出てきます。

【提携倉庫の場合のデメリット】

  • 作業指示が最初と異なると受付出来ないことがある
  • コストが高くなっている可能性がある
  • 倉庫会社に無理な金額で委託している可能性がある

発送代行業者のマネジメントがしっかりされていれば問題はありませんが、マネジメントがされていない場合は、思わぬ発送ミスが発生する可能性がある為、注視するべきでしょう。

デジタル化への対応

発送代行業者によっては、デジタルツールの操作に慣れていないケースがあります。
倉庫側で倉庫管理システム(WMS)を導入していると、オンライン上で在庫確認ができ、出荷作業の自動化も可能です。

チャットツールの導入

チャットツールなどが導入されていれば、より迅速なレスポンスを求めることが容易になります。レスポンスの早さやデジタルツールに慣れているかなどチェックすれば、スムーズなコミュニケーションが可能です。

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オススメの発送代行業者5選

今回はどのEC事業者さま向けにも当てはまりやすい独立型の発送代行サービスを提供している企業をご紹介します。他にも網羅的に発送代行業者を知りたい方は「発送代行業者10選!おすすめの発送代行業者を目的別に紹介」をご参照ください。

オープンロジ

オープンロジ
株式会社オープンロジは自社では倉庫を保有しておらず、全国の倉庫を束ねるプラットフォームを通じてニーズに合う倉庫を提案してくれます。ウェブ登録ですぐに利用を開始できるのが特徴の一つです。

出典:株式会社オープンロジ

エスプールロジスティクス

エスプールロジスティクス
株式会社エスプールロジスティクスは「ささげ」をはじめ各種オプションサービスの提供が可能で、幅広い顧客ニーズに合わせたサービスを展開しています。

出典:エスプールロジスティクス

関通

関通
株式会社関通は4温度帯に対応する冷凍冷蔵物流の対応も可能で、高い倉庫スペックを保有しています。独自のYoutubeチャンネルでも広く情報発信しています。

出典:株式会社関通

イー・ロジット

イーロジット
株式会社イー・ロジットは365日稼働しており土日の注文にも即日出荷の対応が可能です。関東・関西に物流センターを構えており、BCP対策を検討する企業にも向いています。

出典:イー・ロジット

スクロール360

スクロール360
株式会社スクロール360は通販業務をトータルでサポートできる機能を兼ね備えており、課題に対する最適なソリューションを法人企業に対し、提供しています。発送件数や発送拠点により土日祝日の対応も可能です。

出典:スクロール360

ウルロジ

ウルロジ
ディーエムソリューションズ株式会社が提供するウルロジは出荷件数1件から対応可能な発送代行業者です。全国一律の配送料金で分かりやすい料金体系で展開しています。

低コストでありながらも高い柔軟性を持ち、EC事業者のニーズに応えています。最新システム・機械の導入で業務の効率化を図り高い品質を担保しており、実際エンドユーザー様からのレビューに梱包に関して高評価をいただいています。

出典:ウルロジ

発送代行サービスの利用者が増えている理由

ここまでご紹介してきた発送代行ですが、そもそもニーズが増えているのはなぜでしょうか。その理由として、まずEC市場の拡大があるでしょう。
経済産業省の調査によると、令和4年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、22.7兆円(前年20.7兆円、前々年19.3兆円、前年比9.91%増)に拡大しています。また、令和4年の日本国内のBtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は420.2兆円(前年372.7兆円、前々年334.9兆円、前年比12.8%増)に増加しました。今後もEC市場は規模が拡大していくと予測されます。

出典:経済産業省「電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」

また、消費者は買い物をするECサイトを選択する際に商品だけでなく、サイトの利便性も重視する傾向にあり、物流サービスもその要素の一つとなっています。「送料無料」や「当日出荷」といった安さ早さを求める消費者は増えています。

特に、Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなどの大手モールは、送料無料当日出荷が基本のサービスとして打ち出しています。

しかし、自社物流の場合には、消費者の求めるサービスの質を保ち提供することが難しいといった声は少なくありません。

自社物流の障壁例

  • 送料の限界
    物量が少なく配送料の値下げを期待することが難しい
  • スピードに対応できない
    プロモーションのおかげで物量が増えても、その波動に出荷対応が追いつかない

そういった障壁を解消できるのが発送代行サービスです。
前述したように、発送代行を利用することで、コストダウンやスピード出荷が可能です。
こうした背景から、発送代行サービスの需要は今後とも増えていくと予想されます。

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まとめ

発送代行サービス利用に際してのメリットや実際にサービスを提供している企業をご紹介いたしました。

発送代行サービスとは

ECサイトや通販などの事業主が商品を発送する際に発生する物流業務を、発送のプロへアウトソーシング出来るサービスのこと

発送代行サービスのメリットについて
  • コストダウンが期待できる
  • 業務負荷が軽減する
  • 物流品質が改善し顧客満足度向上につながる
発送代行サービスのデメリットについて
  • 個人情報の取り扱いに注意する
  • 自社に物流ノウハウが溜まりづらいが定例会の開催で物流サービス向上が期待できる
  • 梱包のカスタマイズ性は顧客満足度とコストのバランスで検討し直す

発送代行で委託できる主な業務

  • 商品の入荷・入庫作業
  • 商品の在庫管理
  • 発送代行業者によって対応範囲が大きく変わる流通加工
  • 発送するための梱包作業
  • 出荷・配送
以下のタイミングで発送代行を検討する
  • 物量が月間50個ほどに増えてきた
  • 大量で注文が入りまとまった発送を予定している
  • 配送コストの見直しをしたい
配送業者の選び方
  • 相見積もりで比較する際は、必要項目を洗い出す
  • タスク毎にスケジュールを確認する
  • 倉庫スペックの確認をする

発送代行業者へ相談する際には、下記一般例を参考に打診してみると良いでしょう。
問い合わせ時に伝えておくとスムーズに商談が進みます。

  • 発送代行を検討している背景
  • 発送に関わるアイテム数やアイテムサイズ
  • ECサイト(カートやモール)
  • 付帯作業の有無
  • 在庫保管スペースがどのくらいあるか

今回解説した選び方やチェックポイントを参考に、信頼できる発送代行業者を探していただけますと幸いです。

 

タグ : EC物流初心者向け ECお役立ち情報 EC運用 発送・梱包 EC物流用語
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角田和樹
上場企業であるディーエムソリューションズ株式会社の物流関連サービスで15年間、営業やマーケティング、物流企画など様々なポジションを経験。 現在は物流・発送代行サービス「ウルロジ 」のマーケティング全体設計を担う。通販エキスパート検定1級・2級を保有し、実際に食品消費財のEC事業も運用。ECノウハウに対しても深い知見を持ち、物流事業者としてだけでなく、EC事業者の両面からnoteウェビナー等での情報発信を行う。