Lazada発送代行の選び方|LGS対応・Shopeeの一元管理で失敗しない物流戦略

2025.12.25物流・フルフィルメント
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東南アジア市場への進出を検討、あるいはすでに展開されているEC事業者の皆様にとって、物流の構築は事業の成否を分ける極めて重要な要素です。特にLazadaは、その独自の物流システムであるLGS(Lazada Global Shipping)への深い理解と、厳格な出荷期限の遵守がショップの売上や検索順位を大きく左右します。

本記事では、Lazada運営において発送代行を活用することがなぜ成功への近道となるのか、そしてShopeeとの在庫一元管理を含めた、失敗しない発送代行の選び方について、実務に即した視点で詳しく解説していきます。

弊社では、これから越境ECを始めるという事業者の方に向けた導入ガイドを作成しております。市場規模、進出先国の特徴から、事業化にむけて乗り越えなければならない物流や決済などの壁を解説しております。

越境EC完全攻略ガイド

Lazada運営は発送代行の活用が成功の近道

Lazadaでの販売を軌道に乗せるためには、単に魅力的な商品を並べるだけでは不十分です。東南アジアの消費者は非常に目が肥えており、日本以上に配送の速さや梱包の丁寧さがショップの信頼性に直結する傾向があります。

特にシンガポールやマレーシア、タイといった主要国では、ECの普及に伴い配送品質への期待値も年々高まっています。自社での発送作業に限界を感じている場合、専門の発送代行を活用することは、単なる効率化を超えた強力な競争戦略となります。

アカウント停止リスクの回避と複雑なLGS納品ルールのクリア

LazadaにはLGSという独自の物流網が存在します。日本のセラーが注文を受けた際、基本的には国内の成田や関西にあるLazada指定のソートセンターへ商品を届ける必要がありますが、このLGSには非常に厳格な運用ルールが設けられています。

参照:Lazada物流サービスシステムについて

Lazadaの発送の厳しさについて

例えば出荷期限の厳守は絶対的な条件です。
注文が入ってから一定時間内にステータスをReady to Shipへ更新し、さらに指定された期限内にソートセンターへ納品を完了させなければなりません。

この期限を一日でも過ぎてしまうと、システムによって自動的に注文がキャンセルされるだけでなく、ショップにペナルティポイントが課せられます。ポイントが累積すると、検索結果での露出が制限されたり、最悪の場合はアカウントの利用停止措置が取られることもあります。

また、配送ラベルの仕様にも注意が必要です。
指定されたサイズや解像度で正しく印刷され、バーコードが読み取れる状態で貼付されていなければ、ソートセンターで受領を拒否されてしまいます。さらに国際輸送に耐えうる強度を持たない不適切な梱包であれば、センターに届いた時点で破損扱いとなり、返送されてしまうリスクもあります。

発送代行を利用すれば、こうした複雑な最新ルールを熟知したプロが実務を代行するため、セラーはアカウントの健全性を高く維持したまま運営を続けることが可能になります。

物流品質向上によるショップ評価の改善

物流品質向上によるショップ評価の改善

東南アジアのECモールでは、購入者によるレビューが日本以上に強力な販促効果を発揮します。現地のユーザーは購入前に必ずと言っていいほどレビューを確認し、特に写真付きの投稿を重視します。

届くのが早かった、あるいは梱包が非常に綺麗だったというポジティブな評価が積み重なることで、モール内でのアルゴリズムが優位に働き、検索順位が上がってさらなる売上を生むという好循環が生まれます。

発送代行業者を利用することで、当日発送の体制や丁寧な緩衝材の使用が標準化されます。自社で他の業務と兼任しながら不慣れなスタッフが対応するよりも、圧倒的に安定した物流品質を顧客に提供できるようになります。

特にメガセール期間などの繁忙期においても、プロの現場であれば安定したリードタイムで出荷を継続できるため、配送遅延による評価ダウンを防げる点は大きなメリットです。

一方で、この物流波動に関しては対応ができない発送代行業者もいます。

弊社がEC事業者700名に対して実施したアンケート調査の中で物流代行に委託・乗り換えした際に経験した失敗についてヒアリングを実施したところ、1位が「出荷波動対応」となりました。

ウルロジ調査「弊社が実際にEC事業者700名に対して行った調査」

波動に対応するためのオペレーションが倉庫内で整備されていなかったり、ロボットへの投資が進んでいなかったり、無理な人員配置を強いていたりするなど、理由は様々です。一般的なコストだけでなく、自社の事業成長に対応可能な拡張性や柔軟性を持っているかという観点も非常に重要です。

EC事業の運営状況に関してより詳しく知りたい方はこちらから弊社独自の調査レポートをダウンロードいただけます。
>>EC事業の運営状況に関する実態調査を見てみる

誤出荷防止と海外配送トラブルの削減

越境ECにおいて最も避けたい事態の一つが、商品の入れ間違いや個数不足といった誤出荷です。海外への送料は国内配送と比較して高額であるため、間違った商品を発送してしまうと、その返送費用や再送費用だけで商品の利益が完全に消失してしまいます。

また、海外への返送手続きは購入者にとっても大きな負担となるため、一度のミスが致命的な悪評に繋がりかねません。

多くの発送代行会社は、バーコード検品システムや重量検品などを導入して、人為的なミスを極限まで減らす体制を構築しています。

また、万が一の配送遅延や、現地の配送キャリアによる紛失といったトラブルが発生した際も、物流のプロが介在していれば、キャリアとの折衝や補償手続きをスムーズに進めることができます。こうした目に見えないリスク管理も、発送代行を導入する大きな意義の一つと言えます。

販促や商品開発などコア業務への集中

多くのEC事業者が成長の過程で直面するのが、注文が増えるほど梱包や発送作業に忙殺され、本来取り組むべきマーケティングや新商品の開発に手が回らなくなる状況です。梱包やラベル貼り、在庫の棚卸しといった作業は、ショップ運営において欠かせない工程ではありますが、それ自体が新しい利益を生み出すクリエイティブな業務ではありません。

これらのノンコア業務を信頼できる外部パートナーへ委託することで、経営者や担当者は、どの国でどの商品がトレンドになっているのかを分析したり、効果的な広告キャンペーンを企画したりといった、売上に直結する戦略的な業務に貴重な時間を割けるようになります。限られたリソースをどこに投下すべきかを考えたとき、物流の自動化は事業規模を拡大させるための不可欠な投資となります。

具体的にどの程度の発送件数からノンコア業務を発送代行サービスに委託するべきなのかなど詳しい内容をご相談したい場合、以下から無料でご相談いただけます。
>>越境ECのプロフェッショナルであるウルロジに発送について相談してみる

Lazadaとは東南アジア最大級のECモール

Lazadaは、世界最大級のEC企業であるアリババグループの傘下にあり、タイ、マレーシア、シンガポール、フィリピン、インドネシア、ベトナムの主要6カ国で展開されている東南アジア最大級のECプラットフォームです。

アリババの持つ高度なテクノロジーと物流ノウハウが惜しみなく投入されており、決済システムのLazWalletや独自の物流網LGSなど、ユーザーとセラーの両方にとって使いやすいインフラが整っているのが特徴です。

拡大する東南アジア市場と日本ブランドの優位性

拡大する東南アジア市場と日本ブランドの優位性

東南アジア諸国は現在、人口ボーナス期の真っ只中にあり、中間層の拡大とともに人々の購買力が急激に高まっています。

特にデジタルネイティブ世代が人口の多くを占めており、スマートフォンの普及率も極めて高いため、EC市場の成長率は世界の中でもトップクラスを誇ります。流通額が日本の大手モールのそれを凌駕するほどの規模に達することもあります。

この巨大な市場において、日本ブランドに対する信頼感は依然として圧倒的な強みを持っています。化粧品やスキンケア製品であれば、日本の製品は高品質で肌に優しいという確固たるイメージが定着しており、成分にこだわる層から絶大な支持を得ています。

東南アジア以外も含めた日本からの越境EC進出国として上がりやすいアメリカ・中国・台湾・イギリス・シンガポール・マレーシア・タイ・インドネシアの8ヵ国の消費者に対して調査を実施しました。

日本の商品やブランドについて、欲しいと思ったことはありますか?」と質問したところ、「良く思う」が39.9%、「思ったことがある」が47.5%と約9割の海外消費者が日本の商品やブランドが欲しいと回答し、高い需要があることが判明しています。

約9割もの海外消費者が「日本の商品やブランドを欲しい」と回答した調査結果

日本製品は現地のローカル製品と比較して高価格帯であっても、指名買いされるポテンシャルを十分に秘めています。

日本のカルチャーで関心のあるものや認知のきっかけなど様々な角度から日本製品の需要を調査した資料はこちらから無料でダウンロードできます。

日本製品の海外需要に関する実態調査

参入障壁となる物流対応の難易度

東南アジア市場の魅力は非常に大きい一方で、多くの日本企業が足止めを食らうのが物流という高い壁です。日本の国内ECであれば、配送伝票を発行して集荷を待つだけで済みますが、越境ECではそう簡単にはいきません。

言語・法令・物流・税金・決済の5つの壁

国ごとに異なる関税ルールの把握や、禁輸品・制限品の確認、さらには現地の配送業者のクオリティが不安定な地域におけるラストワンマイルの追跡など、多岐にわたる課題に直面します。

また、東南アジア特有の商習慣として、商品の受け取り時に代金を支払うCOD(代金引換)の比率が依然として高い地域もあり、これに伴う未受領リスクや返送対応も考慮に入れなければなりません。

サイズが合わないといった理由での返品を、日本まで戻さずにどのように現地で再販、あるいは廃棄処理するかというスキーム構築も必要です。これらの難易度の高さは、裏を返せば参入障壁でもあります。物流をプロに任せて早期に仕組み化できた企業だけが、先行者利益を享受し、競合が追いつけない市場地位を確立できるのです。

失敗しないLazada対応の発送代行の選び方

Lazadaの発送代行パートナーを選ぶ際、単純に月額費用や一件あたりの作業手数料の安さだけで判断するのは非常に危険です。

越境ECにおける物流は、単なる荷運びではなく、販売プラットフォームのシステムや現地の法規制と密接に連動しているからです。長期的に安定して利益を出していくために、確認すべき重要なポイントを深掘りしていきましょう。

発送代行の選定基準として、
1.LGS最新ルールへの対応力
2.API連携による受注から出荷の自動化
3.Shopeeなど他モールとの在庫一元管理
4.事業のスケールへの対応力
5.真のコストパフォーマンス
となっています。

基礎の知識として、発送代行のメリットや費用などを詳しくまとめた記事が以下となっておりますので、こちらも併せてご覧ください。
発送代行のメリット・費用・選び方をプロが徹底解説

頻繁に変わるLGS最新ルールへの対応力

Lazadaの物流ルールであるLGSは、プラットフォーム側の戦略変更や現地の規制緩和・強化に伴い、頻繁にアップデートが行われます。

例えば、配送ラベルに印字すべき情報の変更や、特定の国に向けた液体物の配送制限の緩和、あるいはソートセンターでの受け入れ時間の変更など、その内容は多岐にわたります。

こうした情報をセラー自身が常にウォッチし続けるのは困難ですが、優れた発送代行業者はLazadaの公式担当者と密に連携を取っていたり、最新の公式ドキュメントを即座に現場のオペレーションへ反映させる体制を整えています。

以前の古いルールに基づいた運用を続けてしまい、ある日突然すべての出荷がセンターで拒否されるといった事態を防げるかどうかは、業者選定の極めて重要な基準となります。
過去にどのようなトラブルに対応してきたか、情報のキャッチアップ体制はどうなっているかを確認することをお勧めします。

API連携による受注から出荷の自動化

小規模なうちは、手動で受注データをダウンロードし、CSVファイルで発送代行会社へ指示を出し、発行された追跡番号を再びLazadaの管理画面に手入力するという流れでも対応できるかもしれません。
しかし、注文明細が増え、さらに複数の国へ展開するようになると、この手作業はミスの温床となります。

そこで重要になるのが、Lazadaのアカウントと発送代行会社の倉庫管理システムとAPIで直接連携できるかどうかです。API連携が実現していれば、注文が入るとリアルタイムで倉庫側に発送指示が飛び、梱包・発送が完了した瞬間に追跡番号がLazada側に自動反映されます。

この自動化の仕組みが整っていることで、深夜や休日の注文であってもタイムラグなく処理が進み、Lazada側からも迅速な対応をしているセラーとして高い評価を得られるようになります。

Shopeeなど他モールとの在庫一元管理

東南アジア市場での売上を最大化させるためには、Lazadaだけでなく、もう一つの巨大モールであるShopeeにも同時出店し、露出を増やすのが定石です。その際に最大の課題となるのが、複数のモール間での在庫の共有と管理です。

越境ECにおいてShopee関連の発送に関する課題を具体的に掘り下げ、その解決策として「発送代行サービス」の活用がいかに有効であるかについての記事はこちらとなっておりますので合わせてご覧ください。
Shopeeセラー必見!発送代行で売上アップと業務効率化を実現する方法

例えば、在庫が残り1点の商品がLazadaで売れた直後に、Shopeeでも注文が入ってしまった場合、手動での在庫更新が間に合わなければ欠品によるキャンセルが発生してしまいます。

そのため、複数のモールの受注を一箇所に集約し、倉庫内の実在庫と常に連動させて自動更新できるシステムに対応した発送代行会社を選ぶことは、幅広い展開を目指す上で必須の条件と言えます。在庫の同期頻度や、連携可能なモールの種類を事前に細かくチェックしておくことが大切です。

事業のスケールへの対応力

越境ECビジネスは、一度波に乗ると爆発的な成長を見せることがあります。特に11月や12月のメガセール、あるいは現地のインフルエンサーによる紹介などをきっかけに、一日の注文件数が普段の10倍以上に跳ね上がることも珍しくありません。

その際、発送代行側に急激な物量の増大に対応できるだけの十分な庫内スペースや、短期的に人員を増強できる柔軟なオペレーション体制があるかどうかを確認しておく必要があります。

また、事業規模が拡大した段階で、送料のボリュームディスカウントを相談できる余地があるかなど、数年先の事業成長を見据えたパートナーシップを築けるかどうかが鍵となります。

真のコストパフォーマンス

代行手数料の安さだけに目を奪われず、トータルコストとそれに見合う価値があるかで判断することが大切です。

保管料の設定が商品の回転率に見合っているか、国際配送に適した頑丈な資材を安価に提供しているか、そして何より、代行会社が配送キャリアと大口契約を結んでいることで、個人で発送するよりも大幅に送料を抑えられるかといった点を総合的に比較してください。

たとえ一件あたりの作業手数料が他社より数十円高くても、誤出荷率が極めて低く、API連携によって事務作業の人件費が削減でき、さらに格安の配送レートを適用できるのであれば、最終的な利益率は確実に向上します。

コストは支出としてだけでなく、投資対効果(ROI)の視点で評価することが、持続可能なEC運営への第一歩です。
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発送代行でLazada売上最大化を目指す

Lazadaでの成功を支える基盤は、いかに早く、確実に、そして丁寧に顧客の手元へ商品を届けるかという物流のクオリティに他なりません。どれほど素晴らしい商品を扱い、魅力的な広告を運用したとしても、手元に届くまでの体験が悪ければ、リピーターを獲得することは困難です。

発送代行を活用することは、単なる日々の作業の外注化ではありません。それは東南アジアという変化の激しい市場で優位になれるような物流インフラを作るための戦略的な投資です。

物流の不安をプロの手に委ねてゼロにすることで、皆様は本来取り組むべきブランド価値の向上や、現地ユーザーとのコミュニケーションに全力を注ぐことができます。適切なパートナー選びこそが、日本を飛び出し、世界を舞台にしたビジネスを成功させるための最大の鍵となるでしょう。

タグ : EC運用 越境EC
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藤田直樹
国立大学大学院にて、工学修士課程を修了。大手企業のマーケティング支援を経て、ディーエムソリューションズが運営するEC物流代行サービス「ウルロジ」に参画。 現在はウルロジのマーケティング責任者として戦略から実行までを統括する傍ら、物流倉庫の作業標準化や品質改善プロジェクトも主導。工学的な知見、マーケターとしての顧客視点、物流現場の視点を掛け合わせ、EC事業の成長を加速させる実践的ノウハウを提供する。