海外対応可能な発送代行とは?越境ECの知るべきリスクと業者に依頼するメリット

2023.08.08物流・フルフィルメント
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通信販売・EC事業の拡大を目指し、海外市場に進出するため 「越境EC」を検討している企業が増えています。
ですが海外市場を狙うには、国内市場とは異なる知識やノウハウが必要です。特に発送・物流関連のトラブルが懸念されますが、そういった場合に心強いのが、海外対応可能な発送代行業者です。

本記事では、海外対応可能な発送代行業者の特徴や、代行を利用することなく自社発送する場合はどういったリスクがあるのかなどを解説します。発送代行業者に依頼するメリットや、業者選びのポイントも確認しておきましょう。

海外対応可能な発送代行業者とは

まずは海外対応が可能な発送代行会社の特徴をしっかりと確認しておくことをおすすめします。
同じ海外対応可能な発送代行業者でも、対応可能な言語や発送可能なエリアなどにも違いがあります。
さらに対応している発送方法 の種類にも違いがあるので、各社の特徴や強みを理解した上で、自社に適した業者選びが必要になります。

越境ECの発送業務を自社で行う際のリスク

越境ECを始めるタイミングで、まだそれほど事業規模が大きくなかったり、自社で国内向けの発送業務の実績があったりする場合は、海外への自社発送を検討することになるでしょう。
ですが、海外への発送の知識がない中で自社発送を行う場合、以下のようなリスクを伴います。

誤発送の可能性がある

海外への自社発送で特に気をつけなければならないのが、住所の入力ミスによる誤発送です。誤配や遅配につながってしまう可能性が高く、クレームに直結します。
誤発送を行ってクレームが増えれば、会社の評判を落とすことにもなってしまうでしょう。ですが、注意していても日本の住所とは表記が異なるため、海外発送に関する知識がないとトラブルが起こりやすいです。

通関手続きに必要な書類が準備できない

通関手続きは、専門的な知識が必要です。商材や規模によっては、専属の担当者を置くことも検討しなければなりません。
自社で通関手続きを行うとなれば、必要な書類を準備しなければなりませんが、これらの書類が準備できず、出荷が滞ってしまう恐れもあります。

通関手続きは国内への発送であれば不要なことから、これまで豊富な実績を持つ通販事業社だとしても全く知識がないケースもあると思います。通関手続きについて深く考えず、「なんとかなる。」で海外発送も自社で進めてしまうと、思わぬトラブルにつながってしまう可能性があります。

海外対応可能な発送代行業者に依頼するメリット

自社で行う海外発送にはさまざまなリスクがあるため、これらを防ぐためにも海外対応可能な代行業者を活用しましょう。越境EC対応の発送代行を活用することにより、どういったメリットがあるか解説します。

コア業務にリソースを集中できる

慎重な対応が求められるため、時間をかけて行わなければならない発送業務をアウトソーシングすれば、コア業務にリソースを集中できるようになります。
仮に自社発送で何らかのトラブルが起こってしまった場合は、それらの対応にも時間を割くことになってしまうため、コア業務に集中するためにも海外対応可能な発送代行業者を役立てましょう。

人為的なミスを削減できる

自社で発送業務を行った場合に発生するトラブルの多くは、輸出先の法律やハラール認証を始めとした認証ルールなどの専門知識がないために発生する人為的なミスです。海外発送業務を続けていけば少しずつ専門的な知識は蓄積されていきますが、それまでの間にさまざまなミス・トラブルが発生してしまうリスクは防げません。
無理に自社発送で対応するのではなく、越境ECの知識を持った発送代行を選択すれば、ミスの削減につながります。

配送・物流コストを削減できる

配送・物流コストを抑えるために自社発送を検討している企業もありますが、発送代行を活用したほうがコスト削減につながることが多いです。
これは、発送代行業者は大口の海外発送を行っているため、一般的な契約よりも割安な発送料金を提供できる可能性が高いこと。さらに発送業務だけではなく、海外発送に対する専門的な対応や在庫管理なども含めて依頼できる発送代行業者が多いので、結果として費用対効果が高くなり、不要なコストの削減につながるのです。

海外対応可能な発送代行業者を選ぶポイント

越境ECを考える際、国や地域が違えば、送料や販売ルールが違う点に注意が必要です。送料は大陸単位で大きく変わりますし、日本国内で取引するのには何も問題ないような商品でも、海外販売ができないものがあります。
さらに、国単位ではなく宗教の観点からも制限があるため、宗教上の理由によって販売できないもの、販売方法に制限があるものが存在することにも理解が必要です。

自社でこれらについてすべて理解・対応するのは難しいため、越境ECに強い発送代行業者を選ぶことが重要です。ここでは、最適な業者を選ぶためのポイントを紹介します。

自社のサービスにあった越境EC代行の実績があるか

海外発送代行業者を検討する場合、販売 を考えている製品カテゴリーの取り扱い実績が豊富かを確認するようにしてください。
例えば米についてみてみると、タイへは精米・米粉の輸出はできますがが、玄米は検疫条件が未設定であることから輸出できません。加工している玄米粉であれば輸出可能です。

出典元:日本貿易振興機構(ジェトロ)「コメの輸入規制、輸入手続き」https://www.jetro.go.jp/world/asia/th/foods/exportguide/rice.html

化粧品の場合も例えば中国では、美白関連、日焼け止め、染髪用商品など、一部化粧品は特殊化粧品の扱いになり、特殊化粧品登録証の取得を行わなければなりません。それ以外の化粧品についても一般化粧品届出手続が必要となります。

出典元:日本貿易振興機構(ジェトロ)「化粧品の現地輸入規則および留意点:中国向け輸出」https://www.jetro.go.jp/world/qa/P-220301.html

このように、どの国に何を輸出するのかで必要な知識が変わります。そのため自社で販売する予定の製品を取り扱った経験がある発送代行業者を選ぶことで、円滑に越境ECを進められるのです。

カスタマーサービスへの連絡手段と営業時間

カスタマーサービスは、特にミスやトラブルが起こった際に強い味方になってくれます。しかし、なかにはカスタマーサービスへの連絡方法がメールだけに限られているなど、必要なタイミングで連絡が取れないケースがあります。

越境ECの場合は必然的に海外からの問い合わせが多くなるので、事前にカスタマーサービスへの連絡方法は、電話・チャット・メールなど緊急度や重要度に合わせて選択が可能か、輸出対象国の言語に対応しているか、また窓口の対応時間は自社の稼働時間と合っているかをしっかりと確認しておくとよいでしょう。

サービス内容が充実しているか

提供しているサービスの内容は、選択する発送代行業者によって大きく異なります。そのため、自社で求めているサービスが提供されているか確認しましょう。
例えば、商品の保管や検品、在庫管理、仕訳、インボイスの作成、梱包、発送、通関サポートなどは、基本的にどの発送代行業者でも対応しています。ただ、商品以外の同梱やまとめ発送、現地語でのカスタマーサービスの提供などには対応していない業者もあります。

越境ECの場合は特に、物流業務を総合的に相談できる発送代行業者を選択しておくと、自社で不足している知識・経験不足をサポートしてもらえるでしょう。。
輸入禁止物品に関する相談や、販売許可申請のサポートなどが依頼できる発送代行業者だと安心につながります。

自社に適した発送方法があるか

越境ECでは、自社サービスの対象エリアに発送するのに必要な知識を持っている発行代行業者であることが重要です。

また、どのような発送方法が選べるのかも確認しておきましょう。BtoC向けの越境ECで利用されることが多いのは、EMS(国際スピード郵便)ですが、民間配送会社が行う「クーリエ」とよばれるサービスを利用することもあります。

クーリエ業者にはDHL・FedEx・UPSなどいくつか種類があり、それぞれ配送料金や配達にかかる日数に違いがあります。EMSと比較するとクーリエ業者のほうが料金は高いですが、配達スピードはクーリエ業者のほうが速い傾向にあります。また、クーリエ業者のほうが、配達可能な国・地域が多かったり(EMSが約120カ所に対して、クーリエ業者は220カ所以上)、取り扱い可能な品目や重量も幅広く対応しています。

BtoC向けの越境ECでは配送スピードを重視されることもあるので、発送方法としてクーリエ業者が選択できるのかについても確認しておきましょう。商品が手元に届くまでのスピードが速いことに加え、対応国も多いので、幅広い国で越境ECを検討できます。

まずは、自社の商品を発送するのにはどの方法が向いているのかよく検討してみると良いでしょう。その上で、希望する発送方法に対応している発送代行業者を選ぶのがポイントです。

なお、選択する発送方法によって到着までにかかる時間が大きく異なります。ECサイトに到着日数の目安を記載する場合は、選択する発送方法でどの程度の日数がかかるのか確認した上での記載が必要です。

自社のサービスに適した発送代行業者を選ぶことが重要

越境ECに取り組むにあたり、発送代行を利用することによって期待できるメリットや、業者選びのポイントを紹介しました。国内に発送するのとは異なり、海外発送に関する専門的な知識が必要なので、自社内で対応しようと考えるとミスやトラブルにつながってしまう可能性があります。
販売先の国やエリアの市場やルールに精通した発送代行業者を選択することで、安心してコア業務に集中できるようになるでしょう。

当社ウルロジでも越境EC支援を行っています。商品の入荷や梱包、運送業者への引き渡しはもちろんのこと、発送から段ボールなどの資材の調達まで総合的におまかせいただけます。
提携しているのは、豊富な実績のある海外発送専門業者です。複数の発送種別にも対応しているので、自社に合った形で利用できる発送代行業者を探したいと考えている方は、ぜひご相談ください。

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タグ : ECモール ECお役立ち情報 EC運用 発送・梱包 業務効率化 越境EC
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角田和樹
上場企業であるディーエムソリューションズ株式会社の物流関連サービスで15年間、営業やマーケティング、物流企画など様々なポジションを経験。 現在は物流・発送代行サービス「ウルロジ 」のマーケティング全体設計を担う。通販エキスパート検定1級・2級を保有し、実際に食品消費財のEC事業も運用。ECノウハウに対しても深い知見を持ち、物流事業者としてだけでなく、EC事業者の両面からnoteウェビナー等での情報発信を行う。