出荷作業は委託すべき? 委託のメリットと注意点、初めての委託先の選び方を徹底解説

2025.11.26物流・フルフィルメント
Pocket

出荷量に悩んでいる人

「毎日の梱包・発送作業に追われ、売上を伸ばすための施策が後回しになっている」 「在庫スペースがオフィスや倉庫を圧迫し、管理が追いつかない」 「発送ミスや納期遅れで、お客様や取引先からのクレーム対応に疲弊している」

もし一つでも当てはまるなら、その課題は「出荷業務の委託(発送代行サービス)」で解決できるかもしれません。

しかし、初めての委託では「どんなメリットがあるのか?」「逆にデメリットはないのか?」「費用はどれくらいかかるのか?」など、不安や疑問も多いはずです。
この記事では、出荷委託を初めて検討する方に向けて、サービスの全体像を網羅的に解説します。具体的なメリット・デメリットから、気になる費用相場、
そして自社に最適な委託先を選ぶための失敗しないポイントまで、必要な知識を解説していきます。

弊社ウルロジでは、個人、法人を問わずスタートアップから成長期まで柔軟に対応している発送代行サービスです。興味がある方は、以下のページでダウンロードできるサービス資料をご確認ください。

面倒な出荷業務を委託できるウルロジのサービス資料を見てみる

出荷作業委託すべき? 3つの委託検討タイミング

「どのくらいの規模になったら委託すべき?」という問いに、明確な正解はありません。
しかし、事業の健全性が損なわれ始めたら、要注意です。

具体的には、以下の3つの兆候が現れた時が委託の検討タイミングです。

出荷作業に追われ、コア業務ができていない

これは最も深刻な問題です。本来、あなたの会社が集中すべきコア業務とは、売上を生み出すための仕事(商品開発、マーケティング、ウェブサイト改善、お客様対応など)です。

しかし、一日の多くの時間を「段ボールの組み立て」や「送り状を貼る」といった作業に費やしていませんか。「自社でやった方が安上がりだ」と考えがちですが、経営者が単純作業に時間を使い、売上を作るチャンスを逃していることは、事業の成長において問題となるため、重要な委託タイミングとなっています。

弊社でEC事業者700名に実施したアンケートを例にすると、月の出荷件数が100件前後になった時点で出荷業務の委託を検討される方が多いという結果になっております。

物流代行委託のタイミング

弊社独自のEC運用に対してのアンケート調査はこちらからダウンロードいただけます。

>>EC事業の運営状況に関する実態調査を見てみる

出荷ミスや梱包不良で、クレーム対応が増えている

注文が急増したりすると、どうしてもヒューマンエラーが発生します。

・商品の入れ間違い
・送り状の貼り間違い
・梱包が雑で商品が破損していた

ECにおいて、発送ミスや悪いレビューは致命傷になりかねません。
弊社が実施した「EC利用に関する口コミ・レビュー実態調査」では、ポジティブな口コミ・レビューをした理由として、32.0%の方が「配送が迅速だったから」、26.1%の方が「梱包が丁寧だったから」と回答しています。

ポジティブな口コミ・レビューをした理由

同調査によると、口コミ・レビューは、ECで買い物をするときに、半数以上の方が重視しているポイントです。

したがって、発送代行を利用するとポジティブな口コミ・レビューを集めて、ECの信頼性を高め、売上を拡大できる可能性があります。発送代行は、EC事業者が積極的に利用したいサービスといえるでしょう。

・ポジティブな口コミ・レビューをした理由
・ネガティブな口コミ・レビューをした理由

などについても調査したECを実施する上で興味深い内容となっています。
以下から無料でダウンロードが可能です。

口コミ・レビューに関する調査内容を詳しく見てみる

在庫がスペースを圧迫し、効率が悪い

自宅や小規模な事務所で運営している場合、在庫の山で足の踏み場もなくなっていないでしょうか? 生活スペースが圧迫されるストレスは計り知れませんし、どこに何があるか分からず探す時間が無駄になります。

物理的なスペースの限界は、売上の限界に直結します。「これ以上商品を仕入れられない」という状況は、事業の成長を止めてしまいます。
発送代行サービスでは、様々な場所に倉庫を所有しており、保管から発送まで一気通貫で依頼することも可能になっています。

出荷の委託は発送代行会社に依頼する

では、実際に委託する場合、どのような業者に頼めばよいのでしょうか?
ここで利用するのが発送代行会社です。ヤマト運輸や佐川急便などの配送業者とは異なり、倉庫業務全般を請け負うパートナーです。

出荷の業務範囲

ECの出荷業務は、単に荷物を送るだけではありません。

EC物流の基本の流れ

1.入荷・検品:届いた商品をチェックし、棚に入れる。
2.受注処理:注文データを確認し、出荷指示を出す。
3.ピッキング:倉庫の棚から商品を集める。
4.梱包・流通加工:緩衝材を入れて梱包したり、チラシを同梱したりする。
5.送り状発行・貼付:配送業者の伝票を作成して貼る。
6.引き渡し:配送業者に荷物を渡す。

発送代行会社は、これら一連の流れをすべて代行してくれます。

発送代行サービスとは、物流業務を部分的・包括的に委託できるサービス

発送代行サービスは、いわば「あなたの会社の物流部」を外部に持つイメージです。 全て丸投げはもちろん、「繁忙期だけ」「ギフト対応商品だけ」といった部分的な利用ができる会社もあります。
自社で倉庫を借り、設備投資を行い、スタッフを雇用するという固定費のリスクを負うことなく、大手企業並みの物流機能を利用できるのが最大の特徴です。

発送代行についての詳しい内容や、失敗しない業者の選び方まで解説している以下の記事も合わせてお読みください。

ECの発送業務はもう限界!と感じたら。発送代行のメリット・費用・選び方をプロが徹底解説

発送代行に委託できる物流業務

基本的な出荷作業以外にも、業者によっては以下のような付加価値業務も依頼可能です。

同梱施策(CRM):購入回数に応じてお礼状やチラシを出し分ける。
セット組み(バンドル):複数のSKUを組み合わせて福袋やセット商品を作る。
流通加工:アパレルの針検品、輸入商品の日本語ラベル貼り替え(薬機法対応など)。
返品・交換対応:返品された商品の良品/不良品判定と在庫戻し。

どこまで対応できるかは会社の実力差が出やすい部分です。
弊社ウルロジで実施している一例として以下のような梱包が可能になっております。

梱包物イメージ

フルフィルメントと3PLの違い

業者選定の際によく出る用語についても、理解しておくとスムーズです。

フルフィルメント:受注から決済、在庫管理、物流、カスタマーサポートまで、ECのバックヤード業務全体を指す言葉です。(例:Amazon FBAなど)
3PL(サード・パーティ・ロジスティクス):物流部門を第三者企業へ包括的に委託する経営戦略(業態)のことです。

小規模事業者にとっては、「発送代行 ≒ フルフィルメント機能を持つ3PLパートナー」と捉えて差し支えありません。

フルフィルメントと3PLの違いとは?物流戦略の選び方を徹底解説

出荷を委託する3つのメリット

コストを払ってまで委託する価値はあるのか疑問に思う方もいらっしゃると思います。
単なる楽になる以上の、具体的な経営メリットが3つあります。

売上を伸ばすコア業務に集中できる

自社と発送代行での物流工数比較

最大のメリットはリソースの最適化です。 これまで出荷に使っていた毎日2〜3時間を、SNS運用、広告分析、新商品企画に充てたら、どれだけの売上が作れるでしょうか? 

物流をプロに任せ、経営者はマーケティングに集中する体制を作ることが、事業成長の要となります。

プロ品質の出荷で顧客満足度」が上がる

ECにおいて、お客様が唯一物理的にブランドと接するのが商品が届いた瞬間です。 プロによる丁寧で均一な梱包、迅速な発送(土日祝対応や即日発送)は、顧客体験(CX)を向上させます。 「すぐに届いた」「梱包が綺麗で感動した」というレビューは、新規顧客の購入率を高める強力な資産となります。

現代では、非常に大きなグッズ販売の切り口となっている「推し活」について弊社が調べた調査では、届いたグッズを開封する時が最も楽しい時間だと47.3%の人が回答しておりました。

購入する際の楽しい瞬間

また、SNSの発展により自身の体験のシェアなどが気軽にできるようになっていることもあり、推し活グッズに限らず様々な分野において届いた商品がSNS上にシェアされる時代となっています。

SNS投稿の多いカテゴリー

これらを踏まえると顧客満足度だけでなく、将来顧客になり得る層にとっても出荷業務は重要になってくると言えるでしょう。

上記の推し活に関する情報については以下から無料でダウンロードすることが可能となっております。
エンタメ領域だけでなく、様々な分野について応用の効く調査となっております。

EC購買時の「推し活」に関する実態調査

人件費や倉庫代など物流コストを削減

委託=コスト増と考えがちですが、構造を変えることでコストダウンも可能です。
自社倉庫の家賃や人件費は、売上がゼロでも発生する固定費です。代行なら出荷した分だけ支払う変動費になり、損益分岐点を下げられます。

また、代行会社は年間数万〜数百万個の荷物を扱うため、配送キャリアと特約運賃契約を結んでいます。個人で契約するより、配送料が大幅に安くなるケースがほとんどです。

出荷委託で注意すべき3つのポイント

もちろん、メリットばかりではありません。委託に伴うリスクやデメリットも理解しておく必要があります。

急な同梱など、イレギュラー対応の可否

「あのお客様、住所入力を間違えたそうなので直して!」「手書きのメッセージカードを1枚だけ入れたい」 自社発送なら30秒で済む修正も、外部委託かつシステム化された現場では対応が難しい(または有料オプションになる)場合があります。
「どこまで柔軟に対応してくれるか」は契約前の確認必須項目です。
弊社ウルロジの高い出荷品質から多くの高評価レビューをいただいております。

>>どのような対応まで可能なのかについてをウルロジに相談してみる

自社に出荷ノウハウが残らない

丸投げしてしまうと、商品がどのような状態で管理され、どのような荷姿でお客様に届いているかが見えなくなります。 「気づかないうちに外箱が汚れていた」「緩衝材がスカスカだった」という事態を防ぐため、定期的に梱包写真を送ってもらう、倉庫見学に行くなど、品質を監視する仕組みが必要です。

在庫連携がリアルタイムにできるか

ネットショップ上の在庫数と、倉庫の実在庫数(WMS)の連携は生命線です。ここがズレると、「売れたのに在庫がない(売り越し)」という致命的なトラブルになります。 特に、CSVでの手動連携はタイムラグとミスに繋がる部分になります。

API連携などで在庫の自動同期ができるシステムを持っているかが重要です。

出荷委託先選びの3つの基準

数ある発送代行会社の中から、自社に合ったパートナーを選ぶための基準を3つ紹介します。

小ロットからの出荷委託が可能かどうか

発送代行を利用後の発送量の推移

大手物流会社の多くは、「月間出荷件数1,000件以上」などの条件を設けています。 スタートアップや個人事業主の場合、「初期費用0円」「月間1件からでも契約可能」といった、小規模事業者の成長支援に特化したサービスを選ぶことが必須です。

料金形態が自社の出荷量とあっているのか

個人事業主様やスモールスタートのECサイトには、無駄なコストが発生しない「従量課金型」が圧倒的におすすめです。 事業の成長に合わせてコストを最適化できます。一般的に以下の費用項目を組み合わせて月額費用が計算されます。

費用項目 内容 料金の目安
初期費用 システム連携やアカウント設定にかかる初回のみの費用 0円~50,000円
月額基本料 システム利用料など、毎月固定でかかる費用 0円~30,000円
入庫料 商品を倉庫に預ける際の検品や棚入れ作業の費用 10円~/1点
保管料 商品を倉庫で保管しておくためのスペース代 100円~/1箱(月)
出荷作業料 受注処理、ピッキング、梱包にかかる費用 150円~/1件
配送料 荷物を発送するための送料(業者ごとの特別料金) 300円~/1件

出荷品質とシステム連携は信頼できるか

品質においては、誤出荷率はどの程度か(一般的に0.01%以下が目安)。

システムでは、あなたが利用しているカート(Shopify、 BASE、 楽天、 Amazonなど)や受注管理システム(ネクストエンジン等)と、スムーズに連携できるかなどを確認しておくことも重要です。

「自社に合うサービスを今すぐ知りたい!」という方は、下記のおすすめ業者比較表のダウンロードがおすすめです。

発送代行の比較表について

出荷業務の委託は、事業成長を加速させる戦略

まだ自分一人でなんとかなる」 そう思っている今こそが、実は委託のベストタイミングです。本当の限界が来てからでは、移行作業やマニュアル作成をする余裕すらなくなってしまいます。

発送代行は、単なるコストではありません。あなたの時間を創出し、顧客満足度を高め、売上を引き上げるための投資です。

もし、日々の出荷作業に追われて「本当にやりたいこと」ができていないなら、一度プロに相談してみてはいかがでしょうか? 小ロットから伴走してくれるパートナーを見つけ、あなたのビジネスをさらに加速させましょう。

タグ : コスト削減 EC物流初心者向け ECお役立ち情報 EC物流
Pocket

The following two tabs change content below.
藤田直樹
国立大学大学院にて、工学修士課程を修了。大手企業のマーケティング支援を経て、ディーエムソリューションズが運営するEC物流代行サービス「ウルロジ」に参画。 現在はウルロジのマーケティング責任者として戦略から実行までを統括する傍ら、物流倉庫の作業標準化や品質改善プロジェクトも主導。工学的な知見、マーケターとしての顧客視点、物流現場の視点を掛け合わせ、EC事業の成長を加速させる実践的ノウハウを提供する。