ヤマトのフルフィルメントサービスとは?サービス内容を物流のプロが解説
2024.05.29物流・フルフィルメントヤマトフルフィルメントサービスは、Yahoo!ショッピングなどのECモールへの出店者を対象にヤマト運輸が提供しているフルフィルメントサービスです。物流業務を効率化するため、利用を検討している方は多いでしょう。優れたサービスですが、対応していない業務や商品もあるため、自社との相性を確認することが重要です。
ここでは、ヤマトフルフィルメントサービスの概要や料金を紹介するとともに、想定されるメリットと注意したいポイントを、多くのEC事業者様を支援してきた物流のプロが解説しています。ECモールの出店者様やECモールへ出店を検討している事業者様などは参考にしてください。
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ヤマトフルフィルメントサービスよりコストを抑えられることもあるので、当記事とあわせてウルロジのサービス資料もご確認ください。
目次
ヤマトフルフィルメントサービスとは?
フルフィルメントとは、ECサイトを運用する上で発生する受注業務から商品の発送業務までの一連の業務です。基本的には以下の業務を指します。
- 在庫管理
- 受注
- 梱包
- 発送
- 代金回収
- 顧客情報の管理
- 返品対応
- 交換対応
- お問い合わせ対応
ヤマトフルフィルメントサービスは、ヤマト運輸がフルフィルメントを代行するサービスです。具体的には、ヤマト運輸の各営業所で商品を保管し、入庫以降の物流業務を代行してくれます。委託できる業務は以下のとおりです。
画像引用元:ヤマト運輸「Yahoo!ストア向け フルフィルメントサービス」
https://business.kuronekoyamato.co.jp/promotion/fulfillment/
ヤマトフルフィルメントサービスはYahoo!ショッピング出品者を対象としていますが、楽天やAmazonなどのECモールにも対応しています。(※1)
ヤマトフルフィルメントサービスの利用料金
ヤマトフルフィルメントサービスの料金は以下の3つで構成されます。
【料金内訳】
- 配送代行手数料
- 在庫保管手数料
- オプション利用料
月額料金はかかりません。小規模EC事業者様でも利用しやすい設定と言えます。各料金の詳細は以下のとおりです。
配送代行手数料
全国一律の配送代行手数料を設定しています。具体的な料金は、利用するECモールの種類とヤマト運輸が規定する商品サイズで異なります。商品サイズは商品梱包後のサイズで算出する点がポイントで、2024年5月時点の配送代行手数料は次のとおりです。
画像引用元:ヤマト運輸「Yahoo!ストア向け フルフィルメントサービス」
https://business.kuronekoyamato.co.jp/promotion/fulfillment/
上記の金額は、作業費と資材費を含みます。追加ピッキング費用は、同梱する2つ目以降の商品にかかるピッキング費用です。たとえば、60サイズで2つの商品を配送する場合、2つ目の商品に対して追加ピッキング費用50円(税込)がかかります。
在庫保管手数料
各商品に1日あたりの保管料がかかります。これを在庫保管手数料といいます。在庫保管手数料は、商品サイズによって異なり、梱包後のサイズではなく入荷時のサイズで商品サイズが算出されます。したがって、同じ商品でも配送代行手数料と在庫保管手数料で商品サイズが異なることがあります。在庫保管手数料の詳細は以下のとおりです。
画像引用元:ヤマト運輸「Yahoo!ストア向け フルフィルメントサービス」
https://business.kuronekoyamato.co.jp/promotion/fulfillment/
たとえば、60サイズの商品を、10日間保管すると、17円(1.65円(税込)×10日間。〆時点の小数点以下は切り上げ)かかります。
オプションサービス料
さまざまなEC事業者様のニーズに応えるオプションサービスを用意しています。2024年5月時点のオプションサービスは以下の通りです。
オプションサービス | 料金 |
---|---|
有効期限付き入庫登録サービス | 28円(税込)/1明細 |
バーコード貼付サービス | 22円(税込)/1ピース |
廃棄取次サービス | 55円(税込)/1ピース |
透明袋入れサービス | 22円(税込)/1ピース ※投函サイズ~80サイズまで |
緩衝材梱包サービス | 88円(税込)/1ピース ※投函サイズ~80サイズ |
ギフトラッピングサービス | 209円(税込)/1ピース |
出典:ヤマト運輸「Yahoo!ストア向け フルフィルメントサービス」
以上の合計で、ヤマトフルフィルメントサービスの料金は決まります。
ヤマトフルフィルメントサービスを利用するメリット
ヤマトフルフィルメントサービスには、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、利用によって期待できるメリットを紹介します。
優良配送マークが表示される
ヤマトフルフィルメントサービスを利用すると、Yahoo!ショッピングで「優良配送マーク」の付与対象になります。このマークは、Yahoo!ショッピングが定める一定の基準をクリアした場合に表示される「安心かつスピーディーな配送」の証です。商品ページの画像下、配送情報箇所に表示されます。
「優良配送マーク」のメリットは、Yahoo!ショッピング内における検索順位の決定で優遇されることです。また、高品質な配送をアピールできるため、ユーザーから選ばれやすくなることも考えられます。
ランニングコストを削減できる
ランニングコストを抑えられる可能性がある点も魅力です。自社で倉庫を借りて物流業務を行うと、在庫量や出荷量にかかわらず、倉庫の賃料や人件費が原則として固定で発生します。
ヤマトフルフィルメントサービスを利用すれば、実際に利用した分の料金(配送代行手数料、在庫保管手数料、オプションサービス)しかかかりません。無駄なコストを削減し、ランニングコストを抑えられる可能性があります。物流コストが気になるEC事業者様にとって魅力的なサービスと考えられます。
商品を素早く配送できる
ヤマトフルフィルメントサービスは、24時間365日出荷体制を整えています。したがって、商品のお届けにかかる時間を短縮できます。配送スピードは、ユーザーが購入するストアを決定する要因のひとつです。
弊社が実施した調査では、約3割のユーザーが買い物をする際に「配送の速さ」を重視すると回答しています。多くのEC事業者様を支援してきた弊社の経験でも、配送スピードは顧客満足度に密接にかかわるポイントといえます。迅速な配送を実現できる点も、ヤマトフルフィルメントサービスのメリットと考えられるでしょう。
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ヤマトフルフィルメントサービスを利用する際の注意点
続いて、ヤマトフルフィルメントサービスを利用するときに、気をつけたいポイントを解説します。
ヤマトの倉庫へ商品を納品する必要がある
ヤマトフルフィルメントサービスを利用するためには、ヤマト運輸の倉庫へ商品を発送、納品する必要があります。この際、輸送中の損傷を避けるために、適切な梱包が求められる点がポイントです。したがって、同サービスの利用料金以外に、納品に関わる輸送費や人件費がかかる可能性があります。詳細を確かめてから利用することが大切です。
対応していないサービスがある
対応していないサービスがある点にも注意が必要です。たとえば、海外へ出荷することはできません。越境ECを検討している方には向いていないサービスといえるでしょう。
また、返品商品の受け入れも行っていません。住所不明や受取辞退などで返品された商品は、EC事業者の住所に返送されます。さらに、対応していない商品がある点も気をつけたいポイントです。200サイズを超える商品や常温で保管できない商品などは、同サービスで配送できません。
発送代行サービスは対応範囲の充実度で選ぶのがおすすめ
ヤマトフルフィルメントサービスは、発送代行サービス(ECの物流業務をまとめて委託できるサービス)のひとつです。注意点で説明した通り、一部の業務や商品には対応していません。
EC業界での発送代行サービスとしては、対応範囲がやや狭いと言えるでしょう。対応していないサービスを自社で行うと余計な手間とコストがかかるため、メリットを実感できないことがあるため注意が必要です。
これから発送代行サービスの利用を検討している方、現行の発送代行サービスからの切り替えを検討している方は、対応範囲の充実度で依頼先を選定するようにしましょう。
ヤマトフルフィルメントサービスは強みと弱みを理解した上で選択
ヤマトフルフィルメントサービスは、ヤマト運輸が提供している発送代行サービスです。主なメリットは、Yahoo!ショッピングで「優良配送マーク」を取得できることや、商品を迅速に配送できることです。ただし、返品商品を受け入れていない、一部の商品に対応していないなど、発送代行サービスとしての柔軟性はそれほど高くないと言えます。
最後に、発送代行サービスをご検討中なら、個人・法人、会社の規模を問わず柔軟に対応可能なウルロジをお勧めします。ウルロジは、丁寧な梱包と迅速な発送でEC事業者様に貢献する発送代行サービスです。
チラシの同梱、オリジナルダンボールの作成、越境ECなど、さまざまなご要望にお応えできます。また梱包配送費は1個あたり300円~、ピッキング費は1個あたり20円~対応可能で、ヤマトフルフィルメントサービスよりコストを抑えられることもあります。物流業務を効率化したい方や、物流コストを抑えたい方は、お気軽にご相談ください。
※1 楽天やAmazonなどYahoo!ショッピング以外を利用する際にも、Yahoo!ショッピングのストア登録が必要です。また指定の受注管理システムと連携することにより出荷指示や出荷実績が自動で連携されます。
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