自社ECとモール型ECの特徴を比較して違いやメリット・デメリットを解説
2023.11.06ECサイト
「自社ECとモール型ECのどちらが良いだろう?」
このような疑問をお持ちではありませんか?
どちらが自社にとって適しているか判断するには、自社ECとモール型ECの違いを把握した上で、それぞれのメリット・デメリットを比較することがおすすめです。
この記事では、自社ECとモール型ECの役割とメリット・デメリットに加え、自社ECを構築する上でのおすすめカートシステムを紹介していきます。
目次
自社EC・モール型ECとは
まずは、自社ECとモール型ECの意味についてご説明します。
自社ECとは
自社ECとは独自のドメインを取得し、自社でサイト制作及び運営を行うECサイトのことです。実店舗でたとえるなら、路面店などで自社の製品をメインに取り扱う独自店舗のイメージです。
自社ECは、サイトの構築方法で「ASPカートシステム型」「オープンソース型」「フルスクラッチ型」と大別されます。この記事では主に手軽さと低コストが特徴である「ASPカートシステム」をメインにお伝えさせていただきます。
モール型ECとは
モール型ECとは、複数の店舗によって形成されたインターネット上のショッピングモールのことです。
モール型ECには大きく分けて「テナント型」と「マーケットプライス型」の2種類のタイプがあります。
テナント型はECモールに企業が「出店」する形態を指し、代表例は楽天市場やYahoo!ショッピングです。
いっぽう、マーケットプライス型は企業が商品及び製品のみを「出品」する形態を指し、代表例はAmazonがあります。
ECモール | テナント型 | 楽天市場、Yahoo!ショッピング |
---|---|---|
マーケットプライス型 | Amazon | |
ASPカートシステム | – | BASE、Shopify、STORES |
オープンソース | – | EC-CUBE、Wordpress |
フルスクラッチ | – | ZOZOTOWN、UNIQLO |
自社ECとモール型ECの違い
自社ECとモール型ECの意味と大枠での違いについて基本的な解説をしましたが、ここからは自社ECとモール型ECの違いについて、さらに詳しく紹介していきます。
ECサイトの構築方法
まずはECサイトの構築方法についての違いからです。
モール型ECでは出店のためのテンプレートがあらかじめ用意されています。そのため特にデザインをする必要もなく、必要な項目を入力していくだけで出店できる手軽さがあります。その反面、デザインやレイアウトのカスタマイズには制限があります。
自社ECは自社がイチから開発するECサイトであるため、手軽さには欠けます。デザインやレイアウトもすべて決めなければなりませんし、立ち上げるまでに時間がかかるでしょう。しかし自社に適したデザイン・レイアウトを採用できることから、ブランディングがしやすいタイプのECサイトとも言えます。
費用感や料金体系
続いては費用と料金体系の違いについて紹介します。モール型ECは出店先によって料金が異なるため、日本国内で主流となっているモールを例にあげて、自社ECと比較してみましょう。
初期費用 | 月額費用 | 手数料 | |
---|---|---|---|
自社EC (ASPカートシステム型) |
無料~10万円程度 | 無料~5万円程度 | 決済手数料:3~5%程度 |
Amazon (マーケットプレイス型) |
無料 | ・小口出品サービス:100円/商品 ・大口出品サービス:4,900円/月[1] |
・販売手数料:8~15% ・配送料:208~5,625円[1] ・オプション:長期保管料金・広告費用・プレミアムアカウントサービス費用[1] |
楽天市場 (テナント型) |
・スタンダードプラン:55,000円/半年(税込) ・メガショッププラン:110,000円/半年(税込) ・がんばれ!プラン:21,450円/年(税込)[2] |
システム利用料:課金対象額×2.0~7.0%[2] | ・楽天ポイント原資:通常1.0% ・システム利用料:0.1%(税別) ・楽天スーパーアフィリエイト成果報酬合計×適用料率、 R-Messe利用料:3,000円、5,000円 ・楽天ペイ利用料:月間決済高×2.5[2] ・オプション:アドバンスオプション利用料金、R-SNS利用料金、R-Mail利用料金[2] |
Yahoo!ショッピング (テナント型) |
無料[3] | 無料[3] | ・ストアポイント原資:1~15% ・キャンペーン原資:1.5% ・アフィリエイトパートナー報酬:1~50% ・アフィリエイト手数料:アフィリエイトパートナー報酬×30% ・ストア決済サービス手数料:決済金額の3.0~4.48%(税別)もしくは165~330円(税込)/件[3] |
自社ECを構築するには初期費用がかかりますが、モール型ECに比べて月額費用や手数料が抑えられる傾向にあります。
モール型ECはシステムによりかかる費用が変わり、楽天市場はプランやオプションが豊富であるため、選択肢によって費用が大きく変わるでしょう。その点Amazonは料金形態がシンプルで、初めての方でも利用しやすいモール型ECと言えるかもしれません。
集客方法
自社ECとモール型ECの違いについて、集客方法についても確認しておきましょう。両者の集客方法には次のような違いがあります。
- 自社EC:自社のブランド力や知名度、各施策での集客力でユーザーを集める
- モール型EC:モール運営会社の集客力により左右されるが、知名度の低いショップでもユーザーを集めやすい
自社ECでは、「該当企業の商品を購入したい」と思うユーザーを集めやすいのに対して、モール型ECでは「求める商品を購入したい」と考える、自社を知らないユーザーにもリーチしやすい違いがあります。
自社ECのメリット・デメリット
それでは自社ECのメリット・デメリットについて紹介していきます。自社ECを構築するか、モール型ECに出店・出品するか迷っている方は、メリットとデメリットを比較して、どちらを選ぶべきか現状と比較してみてください。
メリット1:利益率が高い
まず自社ECのメリットとして、利益率が高いことが挙げられるでしょう。モール型ECに出店するよりも費用が抑えられるため、トータルの利益率が高くなる傾向があります。自社ECの運営ではサイト運営にしか費用がかからないため、モール型ECで請求されるようなポイント原資やシステム利用料などがかかりません。
メリット2:自由にブランディング可能
ブランディングが自由であることも魅力のひとつです。デザインがテンプレート化されているモール型ECへの出店と違い、自社ECでは豊富なレイアウトがあり、デザイン面での編集可能は範囲も多くあります。
そのためデザインによりブランディング力を高めたいと考えている企業におすすめです。
メリット3:顧客情報を得られる
顧客情報を自社で所有できることは自社ECの大きな魅力のひとつです。CRM(顧客関係管理)を活用することで、新作やキャンペーンのご案内など顧客ごとに適したカスタマーサービスを提供することができます。
デメリット1:自社で集客に取り組む必要がある
自社ECには「自社で集客に取り組まなければならない」デメリットがあります。モール型ECであれば、何らかの商品を求めているユーザーに、偶然自社の商品を見つけてもらえることもあるでしょう。
しかし自社ECの場合、偶然商品を見つけて購入するユーザーはごくわずかであると考えられます。モール型ECの集客力に依存できないため、自社で集客を行わなければならず、SNS運用や広告・PRのノウハウと費用が必要です。
デメリット2:売り上げにつながるまでに時間がかかる
売上につながるまでに時間がかかることもデメリットのひとつ。認知度が足りなければ、立ち上げたばかりの自社ECに訪れるユーザーは限られてしまうでしょう。
設定した売上目標を達成させるためには、自社ECを認知してもらい集客につながるまでに、それなりの時間がかかると考えておくようにしてください。
モール型ECのメリット・デメリット
続いてモール型ECのメリット・デメリットについて見ていきましょう。
メリット1:集客力が高い
モール型ECの最大のメリットは、集客力が高いことです。たとえば楽天やYahoo!、Amazonには、自社のことを知らないユーザーが多数訪れます。
ただしユーザーは「希望する商品群」を求めている場合がほとんどで、指摘の店舗やアイテム名に縛られず、ニーズにさえ沿っていれば自社のことを知らないユーザーにも購入してもらえる機会を得られます。
メリット2:ECを手軽に始められる
ECサイトを手軽に始められることもメリットのひとつです。モール型ECは、自社ECを構築するのに比べて簡単に開設できます。既存のテンプレートやシステムを利用して出店できるため、初めてECサイトを運営する方にとっても安心感があるでしょう。
デメリット1:出店料・手数料がかかる
モール型ECのデメリットは、自社ECに比べて出店料・手数料などの費用が高くなることです。自社ECを構築・運営する場合に比べてコストが高くなり、利益率が低くなる危険性があることに注意してください。
デメリット2:差別化が難しい
自社ECではデザインやレイアウトにある程度の自由度がありますが、モール型ECでは編集・変更可能な範囲は限定的です。デザインやレイアウトがほぼ決まっているため、競合との差別化が難しくなります。
デメリット3:価格競争に巻き込まれる
モール型ECでは、自社を知らないユーザーに、「価格の安さ」を求められてしまうことがあります。
モール型ECに訪れるユーザーは「求める商品」を探し、「少しでも価格が安いショップ」を検索するため、価格競争に巻き込まれやすいことがデメリットだと言えるでしょう。
自社ECの立ち上げの際におすすめのカートシステム
モール型ECの活用にはメリットもありますが、デメリットが多いのも事実です。そこで自社ECを立ち上げたいと考えている方に向けて、おすすめカートシステムを紹介します。
Shopify
まずは自由度が高く、ECサイト運営に必要な機能が揃っている「Shopify」です。Shopifyでは100以上のテンプレートが用意されており、ブランディングも行いたいと考えているストアのイメージづくりに役立ちます。またアプリによって機能の追加も可能で、自社に適した自社ECを構築できるでしょう。
BASE
続いては個人事業主の方でも利用しやすい「BASE」です。BASEは初期費用・月額費用が無料となっています。さらに登録当日に販売を開始できる手軽さも魅力と言えるでしょう。WordPressとの連携も可能であり、ブログから販売ページへと誘導することもできます。
STORES
最後に紹介する「STORES」は、BASEと同じく初期費用・月額費用無料で利用できるおすすめカートです。基本機能だけでは使いにくいと思われている方に向けて、「アドオン」と呼ばれる機能拡張サービスが用意されています。Instagramとの連携も可能であり、SNSを通じた集客も可能です。
それぞれのより詳細な特徴や機能の比較は下記の記事を参考にしてください。
>>Shopify(ショッピファイ)とBASE・STORESの機能や手数料を徹底比較について詳しく見る
自社EC・モール型ECに共通する注意点
自社EC・モール型ECのどちらを運営するにしても、共通した注意点があります。いずれの運営を考えているにしても、ぜひ知っておいていただきたい注意点について解説します。
EC運用のノウハウを身に付ける必要がある
まずはECサイトを運用するためのノウハウを身に付けなければならないということです。自社EC・モール型ECの選択によって、運用方法は変わります。しかしいずれにしても「ECサイトを運用する」ことについての知識がなければ売上は上がりません。
モール型ECは初めての方でも利用しやすい仕組みとなっていますが、やはりECサイト運用のノウハウを学ぶ必要があります。
物流・発送業務には専門的な知識が必要
ECサイトの運用ができたとしても、物流・発送業務をスムーズに行うには専門的な知識が必要です。物流・発送業務はユーザーに完全な商品を届けるために、最も重要な作業です。滞りなく、高品質な作業が行える体制を整えましょう。
物流・発送業務は代行がおすすめ
ユーザーに商品を届けるためには、高い専門性が求められます。また発送作業のためのリソース確保も課題となるでしょう。
そこでおすすめなのが出荷・物流代行サービスの利用です。外部に委託すればリソースを割くこともなく、高品質な物流・発送が可能です。
わたくしどもウルロジでも、EC通販出荷・物流のプロとして代行サービスを提供しております。ウルロジのサービスの詳しいサービスについては、次のページをご覧ください。
>>ウルロジのEC通販出荷・物流自動化サービスについて詳しく見る
自社ECとモール型ECの選択に迷ったら違いを把握して
自社ECとモール型ECの違いや役割はさまざまで、自社EC・モール型ECともにメリット・デメリットの両方があります。どちらで出店するか迷っているなら、自社EC・モール型ECと両者のメリット・デメリットを踏まえた上で、自社にとって適しているほうを選ばなければなりません。
ウルロジを提供しているディーエムソリューションズでは、自社ECとしておすすめカートである「Shopify」の構築をサポートしております。自社EC構築・運用の手間を省いて、よりスムーズに販売を始めたいと考えられているなら、ぜひディーエムソリューションズのサービスをご検討ください。
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出典:Amazon_出品にかかる費用
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出典:楽天市場_月間費用シミュレーション
https://www.rakuten.co.jp/ec/plan/cost_simulation/
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