個人で始めるネットショップ:開業手順完全ガイド

2024.07.18ECサイト
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個人で始めるネットショップ:開業手順完全ガイド
「ネットショップって個人事業主でも儲けられるの?」「ネットショップを始める基本的な手順を教えて欲しい」といった疑問をお持ちではありませんか。興味はあるものの、詳細がわからないため手続きを進められない方もいらっしゃるでしょう。

最初に結論を示すと、個人事業主様でもネットショップで利益を出すことは可能です。EC業界で働く筆者は、個人事業主様が運営するネットショップの成長を支援してきました。

ここでは、筆者が自身の経験に基づき、ネットショップを取り巻く環境について解説するとともにネットショップの基本的な開業手順を紹介しています。開業前に理解を深めたい方は参考にしてください。

また個人でネットショップを運営する場合は、発送代行の活用がおすすめです。発送業務を効率化できるため、コア業務に集中しやすくなります。大手配送業者と大口契約をしているため、利益圧迫の要因である配送価格を抑えられる可能性もあります。サービス詳細は、以下のページからダウンロードできる資料でご確認ください。

>>月1個からの小規模配送にも対応可能なウルロジの発送代行サービス資料をみてみる

個人事業主がネットショップを開業して儲かるのか

個人事業主がネットショップを開業して儲かるのか

画像引用元:経済産業省「令和4年度 電子商取引に関する市場調査」
https://www.meti.go.jp/press/2023/08/20230831002/20230831002-1.pdf

インターネット普及率の増加、スマートフォンの普及などを受けて、ネットショップの市場規模は引き続き拡大しています。経済産業省が発表している「令和4年度電子商取引に関する市場調査報告書」によると、2022年における物販系分野のBtoC-EC(一般消費者(Consumer)を対象としたオンラインショップや通販サイトと呼ばれるもの)の市場規模は13兆9,997億円です。2017年に比べて、5兆3,989億円も増加しています。ネットショップの市場規模は今後も拡大が続くと予想されています。

一般論ですが、ネットショップの平均月商は10~15万円程度と考えられています。ネットショップ経営者の年収は、売上、物流コスト、仕入れコストなどで変動します。この点は実店舗と大きく変わりません。一方で、初期費用や固定費用を抑えやすいため、実店舗より利益を出しやすい傾向があります。24時間いつでも注文を受けられるうえ、エリアを問わず販売できるため、工夫次第で売上を飛躍的に伸ばすことも可能です。大きな可能性を秘めているビジネスといえるでしょう。

ちなみに、ネットショップ開業後の目標を年商100万円に設定した場合、必要になる売上は1カ月あたり8万3,333円、1日あたり2,778円です。数字だけ見ると簡単に到達できそうですが、初年度で3割程度が廃業するといわれる現状を踏まえると、利益を出せる仕組みを作ってから参入する必要があります。

利益を出すポイントとしては、トレンドの商品を販売することや、専門性が高く競合が少ない商品に特化することなどが考えられます。

筆者の経験をもとに述べると、個人事業主様であっても、適切な準備をすれば、ネットショップで利益を出すことは十分に可能です。実際に、弊社の支援を受けて利益を出している個人事業主様は少なくありません。興味がある方は、開業を検討してみてはいかがでしょうか。

出典:経済産業省「令和4年度 電子商取引に関する市場調査」

出典:ECのミカタ「ネットショップの運営実態アンケート集計」

個人事業主がネットショップを開業する手順

個人事業主がネットショップを開業する手順
ネットショップは、どのように開業すればよいのでしょうか。個人事業主様を対象に、ネットショップを開業する基本的な手順を紹介します。

①事業計画を作成する

最初のステップとして、事業計画を作成します。事業計画は、事業の進め方をまとめた計画といえるでしょう。具体的には「ネットショップのコンセプト」「誰に・何を・どのように売るか」「どれくらいの資金が必要でどうやって調達するか」「どれくらいの売上、利益を予測できるか」などをまとめたものです。

事業計画を作成することで、漠然としているアイデアを整理したり、整理したアイデアを客観的な視点から評価したりできます。都合のよい思い込みを取り除く大切な取り組みです。

特に重要なポイントとして「ネットショップのコンセプト」と「誰に・何を・どのように売るか」があげられます。前者は「ネットショップの名称、ロゴマーク、デザイン、取扱商品」などあらゆる事柄に関わる要素、後者は「さまざまな商品を安価で販売する」「厳選した商品をこだわりの価格で販売する」など店舗の根幹にかかわる要素です。具体的な行動を開始する前に、ネットショップの方向性を考えておくことが大切です。

②販売する商品を決定する

次に、ネットショップで販売する商品を決定します。ネットショップで販売する商品は、大きく以下の2つにわかれます。

【ネットショップで販売する商品】

  • 他社から仕入れた商品
  • オリジナルで製作した商品

他社から仕入れる場合は、仕入れルートを開拓する必要があります。品質、価格、ロット、納期に加え、契約条件を確認しておくことが大切です。

オリジナルで製作する場合は、材料の調達方法や製作スケジュールを整理しておく必要があります。材料を確保できず製作が滞ると、ネットショップの評判が悪くなってしまうかもしれません。

いずれを選ぶ場合も、トレンドを忘れずにチェックしておきましょう。取扱商品がトレンドから大きく外れると売上を伸ばしにくくなります。

③必要な届け出を確認する

③必要な届け出を確認する
一部の商品は、営業許可や届出を必要とします。営業許可などが必要になる主な商品は次のとおりです。

商品 営業許可など
食品 食品衛生法に基づく営業許可
(食品衛生責任者も配置)
中古品 古物商許可
酒類 通信販売酒類小売業免許
高度管理医療機器(コンタクトレンズなど) 高度医療管理機器販売許可

必要な届出を行わずこれらの商品を販売すると、罰則を受ける恐れがあります。たとえば、通信販売酒類小売業免許を受けずにネットショップで酒類の販売を行うと、酒税法に基づき、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処されます。開業前に、取扱商品に関するルールを確認しておきましょう。

出典:e-GOV法令検索

④自社サイト構築・モール出店のどちらにするか選択する

ネットショップの主な開設方法は以下の2つです。

【開設方法】

  • 自社サイトを構築する
  • ECモールに出店する

自社サイトのメリットは、デザインの自由度が高いことです。したがって、ブランディングに力を注ぎたい場合に向いています。ただし、集客は自分で行う必要があります。

ECモールのメリットは、集客力が高いことです。オープン直後から、一定の集客を期待できます。ただし、デザインの自由度は高くありません。また、販売手数料やランニングコストもかかるため、利益が圧迫されます。

それぞれにメリット、デメリットがあるため、一概にどちらがよいとはいえません。筆者の経験を踏まえると、個人事業主様には初期費用を抑えやすいECモールがおすすめです。万が一、事業が軌道に乗らなかった場合も損失を抑えられます。

自社サイトとECモールの違いは以下の記事で詳しく解説しています。開設方法でお悩みの方はこちらも参考にしてください。

>>自社ECとモール型ECの特徴を比較して違いやメリット・デメリットを解説

⑤ネットショップを作成する

続いて、ネットショップを作成します。ECモールの場合は原則として、テンプレートを用意しています。ネットショップを初めて開設する個人事業主様でも簡単に作成できるでしょう。この点も、自社サイトよりECモールをおすすめしたい理由です。自社サイトは、原則として制作会社へ依頼しなければなりません。初期費用が割高になりやすい点に注意が必要です。

いずれを選ぶ場合も、誤った情報を掲載しないことが大切です。誤った情報を掲載すると、ユーザーの信頼を失ったり、クレームに発展したりすることが考えられます。たとえば、返品対応を求められて、悪い口コミを投稿されるかもしれません。ネットショップをオープンする前に、記載している情報を確認しておくことが大切です。

ネットショップの制作手順は、以下の記事で詳しく解説しています。制作の流れを理解したい方は、こちらも参考にしてください。

>>初めてのECサイト構築ガイド!失敗しない基本手順から費用相場まで徹底解説

⑥開業届を提出し運営を始める

新たに事業を開始した方は、事業を開始した日から1カ月以内に、納税地を管轄する税務署長へ開業届を提出します。提出を怠っても罰則はありませんが、個人事業主として事業を営んでいることを証明したり、屋号名で銀行口座を開設したり、確定申告で青色申告を選択したりするために必要です。提出を怠ると、不利益が生じやすくなります。罰則の有無にかかわらず、所定の期間内に開業届を提出しましょう。

個人事業主のネットショップ運営には発送代行の活用がおすすめ

個人事業主のネットショップ運営には発送代行の活用がおすすめ
少人数で運営するネットショップでは、さまざまなトラブルに遭遇することがあります。専門的なシステムを活用できず、手作業が多くなるためです。代表的なトラブルとして誤出荷があげられます。出荷個数が増えると、誤出荷のリスクは高まります。

発送業務で起こりやすいトラブルについて詳しくは以下のページをご覧ください。

>>通信販売・ECの誤出荷や異物混入などの発送配送トラブルの原因と対策

手軽に取り組める対策としておすすめなのが発送代行です。発送代行とは、商品発送に関わる業務をまとめて委託できるサービスです。具体的には、在庫管理、検品、流通加工、ピッキング、梱包、出荷、配送などを委託できます。

発送代行の主な魅力は、物流の専門家が物流を対応してくれるため、誤出荷をはじめとするミスを防ぎやすくなることです。発送業務の負担が軽減するため、商品企画やマーケティングなどのコア業務に集中しやすくなる点も見逃せません。また、発送代行業者が配送業者と大口契約を締結しているため、送料も抑えられる傾向があります。

筆者の経験では1カ月あたりの出荷個数が50個を超えると、誤出荷などのミスが起こりやすくなります。発送業務に時間をとられて、コア業務にも集中しにくくなるでしょう。個人事業主様は、出荷個数50個を目安に、発送代行の利用を検討するとよいかもしれません。

個人事業主様向けの発送代行について理解を深めたい方は以下のページをご覧ください。小規模発送代行サービスに関して詳しく解説しています。

>>【個人・スタートアップの方向け】小ロット・スポットでも利用できる小規模発送代行サービスを解説

個人でもネットショップを開設して利益を出すことは可能

個人でもネットショップを開設して利益を出すことは可能
ネットショップの市場規模は、年々拡大しています。個人事業主様でも、利益を出すことは可能です。24時間いつでも注文を受けられる、エリアを問わず販売できるなどの強みがあるため、売上を大幅に伸ばすことも可能です。

ネットショップの開設方法は、自社サイトとECモールにわかれます。個人事業主様には、初期費用を抑えやすいECモールをおすすめします。ECモールには、集客に強い、テンプレートを活用できるなどのメリットもあります。

ネットショップが軌道に乗ると、発送業務に手間をとられがちです。筆者の経験では、コア業務に集中できなくなり、売上が停滞する個人事業主様が少なくありません。発送代行を活用すると、業務負担を減らせるため、コア業務に集中しやすくなります。

小ロットからの依頼も可能な発送代行サービス、ウルロジはいかがでしょうか。ウルロジは丁寧な梱包と柔軟な対応で、EC事業者様の成長を支える発送代行サービスを提供しています。

流通加工や返品対応など、さまざまな業務に対応しており、配送費は梱包資材費込みで全国一律で300円からとなっています。さらに、最新システムと設備を導入し、自動化を進めることで発送ミスを最小限に抑えることができます。

少人数でネットショップを運営する個人事業主様にも、こちらのサービスのご利用はおすすめです。ぜひお気軽にご相談ください。

ウルロジに相談してみる

タグ : ECお役立ち情報 EC運用 ネットショップ 個人
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角田和樹
上場企業であるディーエムソリューションズ株式会社の物流関連サービスで15年間、営業やマーケティング、物流企画など様々なポジションを経験。 現在は物流・発送代行サービス「ウルロジ 」のマーケティング全体設計を担う。通販エキスパート検定1級・2級を保有し、実際に食品消費財のEC事業も運用。ECノウハウに対しても深い知見を持ち、物流事業者としてだけでなく、EC事業者の両面からSNSウェビナー等での情報発信を行う。