誤出荷は防げる?よくある原因と3つの対策方法

2023.12.07物流・フルフィルメント
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ネット通販などで商品を購入した際、間違った商品が届いた、または数量や商品の色やサイズが間違っていた、などいわゆる誤出荷に遭遇してしまった経験はあるでしょうか?

大手通販企業のAmazonを始め、楽天などでは通販倉庫内のチェックや出荷時の検品は自動化されているのですが目視確認をして商品を梱包ラインに送る作業はどうしてもマンパワーが必要になります。

人員を使う作業ではどんなに慣れたベテランスタッフでも多少は人為的ミスが発生してしまうものです。

ネット通販業の成長によりミスが少なくなる出荷用のハンディー機材などが次々に開発され、昔よりも誤出荷は軽減されましたが未だにミスは起こり続けています。

今回はそのネット通販倉庫の誤出荷にはどのようなものがあるのか、それを改善するためにはどのようにしたら良いかを解説します。

よくある誤出荷の原因

ネットショップの誤出荷でよくあるミスには大きく分けて下記の4点が存在します。

  1. 商品点数の相違
  2. 商品タイプの相違
  3. 品番の相違
  4. 付属品などの同梱忘れ

商品点数の相違

同じ商品を2点購入したときに1点しか梱包しなかった、または違う商品を複数購入したが1点のみしか出荷されなかった、という商品点数の相違ミスは通販倉庫ではよく発生します。

特に1点買いの購入者がほとんどの店舗で稀に同じ商品を複数欲しいというオーダーが入ると、慣れたスタッフなどは頭の中で「ほとんどの顧客が1点買いである」という認識が植え付けられてしまい、複数商品の購入者に1点しか出荷しなかったというミスをしてしまうことがよくあります。

誤出荷はまだ慣れていない新人のスタッフがミスをしてしまうという印象がありますが、業務に慣れて流れ作業になっている中堅、ベテランスタッフにでも誤出荷のミスはありえるのです。

商品タイプの相違

商品の品番は合っていても、サイズや色など商品のタイプが違うものが誤出荷されてしまったというケースもよく発生します。

こちらはまだ色番号やサイズ表記、バーコード番号など、商品の品番以外の識別コードを見慣れていない新人スタッフなどが起こしがちなミスになります。

また、出荷時のチェック漏れだけでなく、商品を入荷させてストックする際に間違った管理バーコードなどをつけてしまうと出荷時の品番チェックは合っていると機械や目視では判断されてしまうため、誤出荷する可能性が高くなります。

品番の相違

商品が全く違うというミスも時々発生し、全く違う商品を誤出荷してしまうということも起こりえます。

全く違う商品であってもスキャナなどで読み取らず目視でチェックする通販倉庫などでは品番が似ているが全く違う商品を誤出荷させてしまうことがあります。

また、出荷作業場にたくさんの梱包、発送商品が乱雑に置かれていると、出荷する商品が違う梱包に入ってしまい、別の顧客に商品を誤出荷してしまうというミスも発生します。

よくある誤出荷の改善方法

発送業務をする作業員
通販倉庫の出荷業務にはマンパワーが必要不可欠なのでどうしても前述のような人為的ミスは発生してしまいます。

まず大切な事は誤出荷が発生した時、出荷時のどの段階でミスが起こったのかを突き止めることです。

商品が入荷した時に違う管理バーコードをつけてしまった、商品を棚からピッキングする際に間違った商品を出荷担当に渡してしまった、またはピッキングは正しかったのに出荷担当が別のお客様の商品を梱包してしまった、など商品の入荷からピッキング、出荷梱包時までどこが原因だったのかを把握する必要があります。

どの工程で誤出荷となるミスが発生したのかを把握することができれば具体的な改善を行うことができます。

商品点数の相違の改善方法

商品点数が違っていた、2点同じ商品を注文していたのに1点しか出荷されなかった、などの誤出荷があった場合は出荷梱包直前のチェック体制を改善します。

商品をピッキングした人が少ない数量の商品を持ってきてしまった、というミスも考えられますが実際にその間違いが原因であったとしても梱包前の最終チェックで間違いを見抜くことができます。

そのため最後梱包直前に注文商品が全て揃っているかどうかをチェックするスタッフを二人体制にしてクロスチェック(二度同じ付け合せを別のスタッフで行う)、または商品の品番と点数が合っているかをスキャンでチェックできるような機器を導入するなどして改善します。

商品タイプの相違の改善方法

サイズやカラーなど商品タイプが違うものが誤出荷されてしまった場合、商品に貼られていた管理タグはお客様が注文したものと同じだったのに商品が違っていた、または管理タグと商品は合っているが違うタイプの商品が届いた場合が考えられます。

前者の管理タグが間違って貼られていた場合、出荷梱包時に目視ではなくバーコードスキャナなどでチェックを行っている倉庫であればこの商品は合っているという判断をされ出荷されてしまいます。

そのため商品入荷時の管理タグを貼る業務を改善する必要があり、管理タグを貼ったあと、また別のスタッフが貼られたタグと商品が合っているかのクロスチェック、または入荷した全ての商品をスキャンして、入荷伝票の数量と全て合っているかの確認をすることでこのミスを軽減することができるでしょう。

また商品タグは合っていたが違う商品が出荷されてしまった場合は出荷梱包直前の商品の付け合せを改善する必要がありますので、スキャンして機械にチェックさせる方法か複数スタッフでのクロスチェックをさせるなどの対応が必要になります。

品番の相違の改善方法


まったく違う商品の誤出荷を起こしてしまった場合も出荷作業のどの段階でのミスなのかを判別する必要があります。

一般的には出荷時の最終チェックミスであると思われがちなのですが、商品違いは多くの作業で起こり得るのです。

出荷時の品番と商品、伝票との付け合せのミスももちろんあるのですが、商品違いの誤出荷の時のように入荷時に商品に違う管理タグを付けてしまった場合もあり、または出荷時のピッキングスタッフの間違いも可能性があります

さらに、梱包時の送り状チェックの見落としにより、他のお客様の送り状を貼って出荷してしまったというケースもありえるのです。

出荷商品が他のお客様分と入れ替わってしまったのであればおそらくもう一人のお客様からも商品が違っていたというクレームが発生してしまっているでしょう。

入荷時の管理タグや出荷時の付け合せのミスの改善方法は前述の「商品タイプの相違の改善方法」と同じですが、商品が入れ替わってしまったミスに対しては出荷梱包スペースの大幅な改善が必要になります。

複数の商品と注文書が重ねて置かれないようにするスペースの改善や、チェックと梱包を同時に行えるシステムやルール作りを行う必要があります。

おわりに

誤出荷が発生した時、ミスが起こった部署は「以後注意します」という精神論ではミスを軽減させることはできません。

人為的ミスはどうしても起こってしまうので、その確率を限りなくゼロに近づける為に、誤出荷の原因となった工程を突き止め、細かく改善を行っていくことが大切なのです。

タグ : ECお役立ち情報 EC運用 発送・梱包 業務効率化
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角田和樹
上場企業であるディーエムソリューションズ株式会社の物流関連サービスで15年間、営業やマーケティング、物流企画など様々なポジションを経験。 現在は物流・発送代行サービス「ウルロジ 」のマーケティング全体設計を担う。通販エキスパート検定1級・2級を保有し、実際に食品消費財のEC事業も運用。ECノウハウに対しても深い知見を持ち、物流事業者としてだけでなく、EC事業者の両面からnoteウェビナー等での情報発信を行う。