検品とは?検品の重要性と外注するメリットについて

2023.12.06物流・フルフィルメント
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モノを運ぶ物流では、商品が上流から消費者の手に届くまで、様々な場所や事業者を渡って流れていきます。

その中で重要視されるのが「検品」という作業です。今回は物流業務の中の一つ、「検品」についてご紹介していきます。

検品とは

倉庫検品

そもそも検品とはどのような業務なのでしょうか?

「検品」とは、品物を検査することを言います。様々な業界で用いられている言葉であり、その業務内容は業界によって様々です。

例えば、工場加工における「検品」とは、工場でつくられた製品に欠陥が無いか調べることをいいます。

ベルトコンベアに流れてくる製品を目視と手作業で仕訳けていく方法や、機械を使って調べていく方法などがあります。

物流における「検品」とは、商品の受け取り手側が商品の品質や数量、種類が正しく届いたかを調べることをいいます。また、商品を出荷する際に同様の検査をすることもあります。

検品の重要性

発送業務をする作業員

なんとなく重要そうな検品という業務ですが、具体的にはどのような役割や重要性があるのでしょうか。

検品をなぜしないといけないのか

まずなぜ検品を行わなければいけないのでしょうか?

入庫の際に検品を行わないと、入庫した商品が予定通りの個数が入ってきているか分かりません。実際の数が予定個数より多い場合はまだ良いのですが、少ない場合は出庫の際にはじめて個数が足りないことに気づきます。その場合、在庫切れなどでお客様に迷惑をかけてしまう可能性があるのです。

また入庫の際に商品の種類が違ったり、破損があった場合にも、入庫時検品を行わないと不良品を出庫してしまうことに繋がってしまいます。

このように物流においては、検品を行わないと後工程の方に迷惑をかけてしまう可能性があります。そのため、物流の合間できちんと適正なモノが届いているかを確認する必要があるのです。

検品を行うとどのようなメリットがあるのか

では検品を行うと、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?

誤出荷防止

いくら適切に保管や出荷作業を行ったとしても、入庫されてきた商品がそもそも間違っていれば、誤出荷が発生してしまいます。

入庫時に検品をすることで、そういった誤出荷を防ぐことが出来、物流品質向上に繋がります。

納品ミスの把握

誤出荷や在庫切れ・紛失などが発生した際に、そもそも問題がどこで起こったかを調べる必要があります。保管していた商品が1つ足りない。などの問題が起こった場合、

そもそも入庫の段階で1つ足りていなかったかもしれません。

入庫時に予定通りの商品内容・数量かどうかを調べることで、問題があった際に迅速に仕入れ先などに知らせることが出来、責任を明確化することに繋がります。

検品で起きる主な課題

自社EC・モール型ECに共通する注意点

ここまで「検品」作業の重要性をご説明してきましたが、検品は単純な業務ですが簡単な業務ではありません。検品業務はどのようなところが難しいのでしょうか。その課題をいくつかご紹介します。

人件費がかかる

まず検品を行うと、検品担当者が作業する必要があり、時間も人件費も発生します。検品の正確性を上げていくとすると、二重に検品をする必要などが出てきてキリがありません。

このように人手・人件費が必要になるというのが一つ目の課題です。

手作業によるミスが起こる

また、手作業・目視で検品を行う場合、必ずヒューマンエラーが発生します。ミスを0にすることは不可能に等しいです。

管理台帳への記載時にもミスが起こることもあります。

自動化にはお金がかかる

上記のような、人を使うことで起こる課題を解決する方法として、バーコードとバーコードスキャナー等を使った機械での作業・管理方法があります。

スキャナーを用いての検品を行うことで、人が見逃してしまうミスを減らすことが出来たり、そもそもの検品スピードを上げることが可能です。

しかし、これを実現するためには設備投資が必要になったりします。また、製品によってはバーコードの大きさや位置、種類を変える必要が出てきたり、それによる読み取り装置の種類が増える可能性もあります。

このように自動化することによる、人件費の削減などのメリットがありつつも、初期投資がかかるという課題も発生します。

検品作業を含む物流加工を外注するメリット

EC通販の出荷作業を自動化するメリット

上記のような課題を解決する一つの方法として「検品作業の外注」があります。また、物流加工の工程ごと外注することで、検品作業も外注することが出来ます。

検品作業を含む物流加工を外注することで以下のメリットがあります。

検品ミスの削減

検品作業も行っている物流加工業者は、その道のプロです。自社で検品ミスを減らす場合には、マニュアルを作成し、担当者の教育から行う必要がありますが、外注すればその必要はありません。

さらに、どの場面でミスが発生するかなども把握しているため、検品ミスを削減することが可能です。

固定費の削減

自社で検品を行う場合は、物量が多い時期に合わせて人員を確保する必要があります。繁忙期は良いのですが、閑散期になると人員が余ってしまい、余計な人件費がかかってしまう課題があります。

外注化を行うことで、物量が多いときはその分人員を割き、物量が少ない時には人員を減らすことが出来るため、余計なコストがかかる心配がありません。

設備投資の必要が無い

バーコードとスキャナーなどを用いた検品を行う場合には、設備・機械の購入が必要になります。

しかし、外注に出すことにより、外注業者が持っている機械などを使用することが出来るため、初期投資を抑えることが出来ます。

このように外注化することにより、主にコスト削減のメリットを得ることが可能です。

検品を行っている企業の主なサービス

では、実際に検品を行っている企業はどのようなサービスを提供しているのでしょうか。
主なサービス内容についてご紹介します。

汚れ・キズの確認

商品に汚れやキズが無いか、外観目視や触手することにより確認をしてくれます。

異物混入の確認

商品の中に違う商品やごみなどが入っていないかを確認してくれます。

機能の検査

例えば衣類のファスナーがしっかり動くかなどの機能の確認をしてくれます。

採寸

納品された商品が、希望通りの大きさになっているかの採寸などの確認をしてくれます。

このように、ただ数や種類を確認してくれるだけでなく、様々な内容の確認・検査をしてくれるサービスがあります。

おわりに

検品は物流品質を保つために、非常に重要な業務の一つです。

適切なコストで検品を行うために、外注などの方法も視野に入れながら最適化を行うとよいでしょう。

タグ : 用語 EC運用 在庫管理 業務効率化 EC物流用語
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角田和樹
上場企業であるディーエムソリューションズ株式会社の物流関連サービスで15年間、営業やマーケティング、物流企画など様々なポジションを経験。 現在は物流・発送代行サービス「ウルロジ 」のマーケティング全体設計を担う。通販エキスパート検定1級・2級を保有し、実際に食品消費財のEC事業も運用。ECノウハウに対しても深い知見を持ち、物流事業者としてだけでなく、EC事業者の両面からnoteウェビナー等での情報発信を行う。