Amazon対応の発送代行の特徴とFBAとの違い、利用するメリット・デメリットを解説

2024.03.11物流・フルフィルメント
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Amazonに対応しているEC発送代行

FBA納品だけでなく在庫管理から配送、梱包までボタン1つで済む発送代行サービスを見てみる

商品の出品先として大手ECモールのAmazonを利用する中で、売上拡大などで発送業務が煩雑になり、発送代行の利用を検討している方も多いのではないでしょうか。

Amazonへの出品で発送代行を利用する方法は、Amazonが提供しているフルフィルメントサービス「FBA」を利用する以外に、FBAに商品を納品する「FBA納品代行専門業者」、または「大手宅配業者と契約している発送代行業者」を利用する方法があります。

この記事では、FBAを含めたAmazonに対応している発送代行の特徴と、Amazon出品時に発送代行を利用するメリットとデメリットについて解説します。

Amazonに対応している主な発送代行の種類

Amazonに対応している3種類の発送代行業者

Amazonに対応している主な発送代行は、主に次の3種類です。

  • フルフィルメント by Amazon(FBA)
  • FBA納品代行専門業者
  • 大手宅配業者と契約している発送代行業者

実はFBAは発送代行の一部分に過ぎません。ECを運営されている方の中には、Amazon以外のモールにも出品されている方も多いのではないでしょうか?ご自身のEC事業のスケールや状況に合わせた発送代行業者の種類を選択することでより低コストで業務を効率出来る可能性があります。

ここでは、それぞれの特徴・依頼できる業務・おすすめしたい人・注意点などについて解説します。

フルフィルメント by Amazon(FBA)

「フルフィルメント by Amazon」は、Amazonが提供するフルフィルメントサービスです。「Fulfillment by Amazon」の頭文字をとって「FBA」と呼ばれています。FBAの手数料が度々値上げしていることで、利益が少なくなったという声も少なくありません。
FBAの特徴・依頼できる業務・おすすめしたい人・注意点を確認していきましょう。

特徴

  • 出荷作業・カスタマーサービス・返品対応までAmazonが代行
  • FBAを利用することで商品にプライムマークが付く
  • 国内に20拠点以上の物流拠点がある
  • 24時間365日稼働

注文の受注・梱包・発送などの出荷作業に加え、カスタマーサービスや返品対応など物流業務全般を代行してくれます。
FBAを利用すると、Amazonプライム配送特典の対象商品であることを示す「primeマーク」が付与されるため、消費者に高い配送品質をアピールできというメリットがあります。

主な委託できる業務

  • 保管管理
  • 検品
  • ラベル貼付
  • ピッキング
  • 梱包・出荷作業
  • 返送管理
  • カスタマーサービス
  • 返品対応 など

Amazonマーケットプレイスにて店舗登録を行うことで、これらの業務をFBAに委託できるようになります。

おすすめの方

  • 発送業務のリソースの削減したい方
  • プライムマークを獲得したい方
  • カスタマーサービスや返品業務の手間を軽減したい方

発送業務全般とカスタマーサービスまで、すべてAmazonに一任したい方には適しています。
プライムマークが付与されることで競合との差異化を図り、購買に繋げやすくなるため、競争力・集客力アップしたい方にもおすすめです。

その他

EC物流業務全般を委託できるFBAですが、利用の際には次のような注意点もあります。

  • 詳細な納品ルールがある
  • 手数料がかかる
  • FBA利用不可の商品がある

FBAには納品ルールが細かく決められており、それに従い納品する必要があります。
また、各種サービスの利用には手数料も発生するため、コスト面も考慮しなければなりません。

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FBA納品代行専門業者

FBA納品代行専門業者とは、FBAの細かな納品ルールに従って、Amazon倉庫への納品代行をしてくれる専門代行業者です。

特徴

  • FBAの納品ルールに精通している
  • Amazon倉庫への納品を効率化できる
  • 納品代行業者によっては発送加工なども依頼できる

FBAでは、箱のサイズや重量、緩衝材などに関する詳細な納品ルールがあるため、自社で完璧に納品準備を行うのは骨の折れる作業です。
その点、FBAの納品ルールに精通している納品代行専門業者を利用することで、スムーズなAmazon倉庫への納品が可能になります。

主な委託できる業務

  • ラベル貼付
  • 検品
  • ピッキング
  • 説明書・納品書印刷・同梱
  • 梱包・出荷作業

FBAに納品するまでの業務全般を委託できるため、社内リソースを大きく軽減できます。

おすすめの方

Amazon出品の際に、FBA納品代行専門業者に委託するのがおすすめなのは、次のような方です。

  • Amazon倉庫への納品にかかるリソースを軽減したい方
  • 商品仕入れから倉庫へ納品するまでのリードタイムを短縮したい方
  • 注文の急激な増加に対応したい方

商品が手元にたくさんあっても、Amazon倉庫へ納品しないと販売開始できません。倉庫納品までのリードタイムを短縮することで、売上アップにも繋がります。
また、注文数が増えると作業量が増えるが、納品代行を使うことで急激な負担増を回避できます。

その他

FBA納品代行専門業者に委託する際には、次の注意点があります。

  • FBA以外の発送に対応していない場合がある
  • 倉庫の対応の拡張性が低い場合がある
  • 費用負担が増える
  • イレギュラー時の対応が遅れる可能性がある

FBAを利用しない発送に対応していない業者もあるため、事前に確認しておきましょう。
また、急激な受注量増加時の倉庫の拡張性の高さも重要です。

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大手宅配業者と契約している発送代行業者

AmazonのFBAやFBA納品代行を使用せず、物流アウトソーシングと呼ばれる、大手宅配業者と契約している発送代行業者に委託してAmazon出品を行うのも一つの方法です。

特徴

  • 物流業務全般を物流のプロに任せられる
  • 梱包資材の自由度が高い
  • 発送スケジュールを立てやすい

FBAの利用と異なり、梱包資材の自由度が高いことが大きな特徴です。
またFBAの場合、Amazon大型セールなどと重なると、他のモールや自社ECサイト経由の注文の発送の遅延が起こる可能性も考えられます。
大手宅配業者と契約している発送代行業者は、セール時の遅延などの制限がないため、発送スケジュールを立てやすいことも利点です。

主な業務

  • 在庫保管・管理
  • 商品入庫
  • 受注処理
  • ピッキング
  • 梱包作業
  • 伝票発行
  • 各種書類印刷・同梱
  • 配送手配
  • 棚卸
  • 未着返品

発送代行業者にもよりますが、基本的に物流業務全般をまるごと依頼できる会社が多いです。

おすすめの方

Amazon出品で大手宅配業者と契約している発送代行業者へ委託するのがおすすめなのは、次のような方です。

  • 物流業務全般の負担を削減したい方
  • 梱包や出荷の品質を維持・向上したい方

FBA納品業者よりも広い範囲の業務を委託できるため、負担軽減できます。
また、梱包方法などに関しても柔軟でスピーディーな対応がしやすいため、物流品質の維持・向上に繋がります。

その他

Amazon出品で大手宅配業者と契約している発送代行業者へ委託する際の注意点は、次のとおりです。

  • Amazon以外のECモールや自社ECサイトも併用できるか確認する必要がある

複数のECモールや自社ECサイトで出品している場合は、それらに対応できるか確認しておくようにしましょう。

こんな方におすすめ

発送代行サービスのウルロジは、次のような方におすすめです。

  • 個人やスタートアップなど小規模からECサイトを運営していきたい方
  • 常温の商品を中心に取り扱っている方
  • ブランド独自の梱包など要望を相談したい方
  • 事業の成長規模に合わせて委託範囲を拡張していきたい方

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Amazon出品時に発送代行を利用するメリットとデメリット

Amazon

つづいて、Amazon出品時に発送代行を利用するメリットとデメリットを紹介します。

メリット

Amazon出品時に発送代行を利用するメリットは、次の3点です。

業務負担が軽減しコア業務に集中できる

AmazonなどECモールや自社ECサイトでの出品では、物流に関する業務が多岐にわたります。
Amazon出品の際に発送代行業者へ委託することで、業務負担が軽減し、浮いたリソースを商品開発やマーケティングなどコア業務に集中させることが可能です。

人件費と配送費のコスト削減ができる

Amazon出品時に発送代行を利用することで、Amazon倉庫への納品作業に要していた人件費を削減できます。
さらに、発送代行業者はヤマト運輸・佐川急便・日本郵政などをはじめとする大手配送会社と大口の契約をしているため、通常の配送料金よりも安く抑えられるケースもあります。

事業成長に合わせて拡張できる物流現場を保有することができる

事業規模が拡大すると、物流現場の拡張が求められるケースも多いです。
自社で拡張性のある物流現場を保有するのがむずかしい場合は、十分な保管スペースを確保している発送代行の専門業者を利用することで、自社で保有する必要がなくなります。

デメリット

Amazon出品時に発送代行を利用することはメリットも多い一方で、デメリットとなることもあるので念頭に置いておきましょう。

手数料が割高になるケースがある

配送地域や追加作業の有無などの条件によっては、手数料が割高になるケースがあります。
梱包資材費用や電気代などのコストをもとに、費用対効果が十分期待できそうか検討してから導入の判断をすると良いでしょう。

高度なカスタマイズが必要な梱包ができない場合がある

利用する発送代行によっては、高度なカスタマイズが必要な梱包に対応していない場合があります。
自社で求めるレベルの梱包や同梱物などに対応可能かどうか、事前に確認しておきましょう。

自社に物流ノウハウが蓄積できなくなる

Amazon出品で発送代行を利用すると、自社に物流ノウハウを蓄積しにくいおそれもあります。
発送代行業者との定期的な情報共有や、現場の様子を見に行くなど、ノウハウ蓄積につながる行動を意識して実践すると良いでしょう。

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おわりに

Amazonへの出品で発送代行を利用する方法は、「FBA」を利用するか、「FBA納品代行専門業者」または「大手宅配業者と契約している発送代行業者」を利用する方法があります。
FBAやFBA納品代行専門業者の場合、Amazonへの出品に限定される可能性がある以外にも、納品ルールが厳しく、Amazonセールと重なると発送対応が遅れるなどのリスクも考慮しなければなりません。
大手宅配業者と契約している発送代行業者であれば、セールなど急激な物流量の変動などにも対応しやすく、また梱包の自由度があるなど、比較的柔軟な対応が可能になります。

弊社サービスのウルロジは、Amazonなど複数のモールや自社ECサイトでの販売にも適しています。小ロットからのご依頼はもちろん、受注量の急激な増加など変動にも対応できるため、ぜひご活用ください。

タグ : ECモール ECお役立ち情報 EC運用 ECカート 発送・梱包 業務効率化
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角田和樹
上場企業であるディーエムソリューションズ株式会社の物流関連サービスで15年間、営業やマーケティング、物流企画など様々なポジションを経験。 現在は物流・発送代行サービス「ウルロジ 」のマーケティング全体設計を担う。通販エキスパート検定1級・2級を保有し、実際に食品消費財のEC事業も運用。ECノウハウに対しても深い知見を持ち、物流事業者としてだけでなく、EC事業者の両面からnoteウェビナー等での情報発信を行う。