エンタメ業界におけるEC戦略:具体的な課題とその対策方法

2024.07.29物流・フルフィルメント
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エンタメ業界におけるEC戦略:具体的な課題とその対策方法
「エンタメ業界のECが人気って本当?」
「エンタメ業界のECはどんな点に注意して運営すればよいの?」

などの疑問を抱いていませんか。詳細がわからず困っている方も多いでしょう。結論を最初に示すと、分野によって違いはありますが、エンタメ業界のECは成長を続けています。ただし、参入にあたって注意すべき点もあります。

ここでは、EC業界で働く筆者が自身の経験を踏まえて、分野別にみるエンタメ業界の特徴、エンタメ業界のECが抱える課題とその解決法などを解説しています。以下の情報を参考にすれば、エンタメ業界の魅力や参入時の注意点などがわかるはずです。理解を深めたい方は参考にしてください。

また、エンタメ業界のECには、発送業務をまとめて委託できる発送代行の利用をおすすめします。業界特有の課題を解決できる可能性があります。

弊社が運営する発送代行「ウルロジ」のサービス資料は以下のページからダウンロードできます。興味がある方は、こちらもご確認ください。

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分野別でみるエンタメ業界の特徴

分野別でみるエンタメ業界の特徴
エンタメ業界は、主に以下の分野にわかれます。

【分野】

  • ゲーム
  • アニメ
  • アイドル
  • キャラクター
  • Vtuber・YouTuber

それぞれの特徴は次のとおりです。

ゲーム

エンタメ業界の中でも、大きな注目を集めている分野がゲームです。ゲームの主な特徴は、最新技術の導入で業界が大きく変化していることといえるでしょう。現在では、家庭用ゲーム機やアーケードゲーム機だけでなく、スマートフォン、タブレット端末、パソコンでもゲームを楽しむことができます。

また、サブスクリプションサービス、e-Sports(コンピューターゲームによる対戦競技)、ゲーム実況など、楽しみ方も多様化しています。AR技術、VR技術が一般家庭で利用できるようになっている点も見逃せません。今後は、さらなる市場拡大が予想されています。

ECデータラボ Prezented by Nint

画像引用元:ECデータラボ Prezented by Nint
https://www.nint.jp/blog/tvgame/

ECモールの分析を手掛けるNintによると、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングにおける2022年9~11月のテレビゲーム市場規模は、前年同期比で約131%に増加しました。EC市場のさらなる規模拡大が期待できます。

アニメ

一般社団法人日本動画協会

画像引用元:一般社団法人日本動画協会
https://aja.gr.jp/jigyou/chousa/sangyo_toukei

一般社団法人日本動画協会が発表している資料によると、2022年におけるアニメ産業の市場規模は2兆9,277億円で過去最高だった2021年の市場規模を上回っています(106.8%)。市場規模が急速に拡大していることがうかがえます。主な背景としてあげられるのが海外市場の急速な成長です

2013年の市場規模は2,823億円でしたが、2022年には国内市場とほぼ同規模の1兆4,592億円まで成長しました。このことは、バッジやキーホルダーなどのアニメグッズが、越境ECで高い人気を集めていることからもわかります。ちなみに、商品化の市場規模は6,693億円(2022年)です。

アニメの市場規模は、映画(785億円)やライブ(972億円)といった分野でも高い伸び率を示しています。大きな可能性を秘めた分野です。

出典:一般社団法人日本動画協会

アイドル

いわゆる「推し活」の対象として、想像しやすい分野と考えられます。矢野経済研究所が発表している資料によると、2022年における国内オタク市場「アイドル」の市場規模(ユーザー消費金額ベース)は1,650億円です。筆者の経験によると、好きなアイドルとの時間を演出するグッズや推しをアピールするグッズが、EC市場で特に人気があります。

具体例として、アクリルスタンドやチェキホルダーがあげられます。K-POPアイドルのグッズが、EC市場で人気を集めている点も近年の特徴です。

また、最近ではメタバースアイドル、Vtuberアイドルといったデジタルで活動するアイドルも、一定の人気を獲得しつつあります。これらの市場は、技術の進歩でさらに拡大する可能性があります。

出典:矢野経済研究所

キャラクター

矢野経済研究所が発表している資料によると、2023年度におけるキャラクタービジネス市場の規模は2兆6,969億円です。キャラクタービジネスは、版権キャラクタービジネスと商品化権キャラクタービジネスにわかれます(市場規模は商品化権市場規模と版権市場規模の合計値)。

版権とは著作権のことで、版権キャラクタービジネスは著作物を他者に利用させる際に著作権料を請求するビジネスです。

商品化権は次のように説明できます。

漫画やアニメーション・映画などの作品、作品に登場するキャラクター、実在する人物などを、商品・広告などに利用するための経済的権利
引用:一般社団法人日本商品化権協会

つまり、商品化権キャラクタービジネスは、キャラクターをグッズなどに利用させる際に使用料を求めるビジネスといえるでしょう。これらのビジネスの市場規模は、拡大傾向にあると考えられます。

近年の人気キャラクターとして「ちいかわ」「おぱんちゅうさぎ」などがあげられます。越境ECでも日本のキャラクターは人気です。シンプルでキャッチーなキャラクターは、国を問わず老若男女に受け入れられる傾向にあります。

出典:矢野経済研究所

Vtuber・YouTuber

近年の新たなエンタメ業界として、Vtuber・YouTuberもあげられます。2022年度におけるVtuberの国内市場規模は520億円です。前年度比167.7%の急激な伸びを示しています。国内市場規模のうち、50%以上が記念品や楽曲ダウンロード販売などのグッズによる収益です。

矢野経済研究所

画像引用元:矢野経済研究所
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3304

出典:矢野経済研究所

YouTuberの国内市場も拡大が続いていると考えられています。動画広告市場の拡大が続いているためです。

Cyber Agent

画像引用元:Cyber Agent
https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=29827

VtuberやYouTuberは、企業とのタイアップ広告などでも活躍しています。これは、彼らがインフルエンサーとしての特性も併せ持っているからです。ECサイトでは、VtuberやYouTuber関連のさまざまなグッズが販売されています。特にアクリルスタンド、マグカップ、Tシャツなどの商品が高い人気を誇っています。

Vtuber、YouTuberのオリジナルグッズ販売について理解を深めたい方は、以下の記事も参考にしてください。

>>Vtuber・YouTuber必見!オリジナルグッズの販売方法と注意点やポイント

エンタメ業界のECにおける課題と対策方法

エンタメ業界のECにおける課題と対策方法
ここまで見てきたように、エンタメ業界とECには密接な関係があります。グッズなどをECで販売したい場合は次の点に注意が必要です。

入荷から出荷までのミスのない対応が求められる

エンタメ業界が扱うグッズの特徴として、予約販売の商品が多いという点があげられます。発売日は予約受付時に決まっていることが多いので、ある程度の需要は事前に見込めます。

しかし、予約商品は特定の期間内に一斉に出荷することが多いため、大量出荷ができる体制が整っていなければ出荷遅延を招きます。

具体的な対策として、ピッキングの効率化や人員体制の見直しがあげられます。たとえば、商品入庫にあわせて棚割りを変える、対応する人員を増やす、スタッフのシフトを調整するなどが考えられるでしょう。

時期による物流波動が大きい

物流波動の大きさも、エンタメ業界が扱うグッズの特徴のひとつです。物流波動とは、季節のイベントやトレンドの変化などによって生じる物流量(出荷量)の増減です。人気コンテンツの商品は需要が高く、SNSなどで拡散されることで爆発的な売り上げを出すこともあります。

大量注文に対応できず出荷遅延を招くと、顧客満足度の低下につながってしまいます。物流波動への対応としては、次に訪れる波動を事前に分析し、保管スペースとスタッフ数を柔軟に調整できる物流倉庫の利用や発送代行サービスの活用が有効です。

物流波動は、自社のECサイトの評価を下げる原因となりうるため、注意が必要です。物流波動とその対処法について理解を深めたい方は以下の記事も参考にしてください。

>>EC事業者必見!物流波動の基本と効果的な対応戦略

エンタメ業界のECには発送代行の活用がおすすめ

エンタメ業界のECには発送代行の活用がおすすめ

エンタメ業界のECは、以上の課題を抱えています。EC業界で働く筆者は、解決策として発送代行の利用をおすすめします。発送代行は、ECの発送業務をまとめて委託できるサービスです。

具体的には、商品管理業務に加え、受注処理、梱包作業、伝票発行、発送手配などを委託できます。発送代行の利用により、入荷から出荷までのリードタイムを短縮でき、需要に応じた人員調整や保管場所の確保も可能です

このようなメリットから、エンタメ業界のECが抱える課題に効果的に対応できる可能性があります。また、発送代行業者は配送業者と大口契約を締結しているため、便利なサービスを利用しながら配送コストを抑えられるケースも少なくありません。筆者は自身の経験に基づき、このサービスがエンタメ業界のECにとって欠かせないものであると考えています。

配送リードタイムや物流波動でお困りの方は、発送代行の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

エンタメ業界のECは課題に対処しておくことが大切

エンタメ業界のECは課題に対処しておくことが大切
エンタメ業界は、ゲーム、アニメ、アイドル、キャラクター、Vtuber・YouTuberなどの分野にわかれます。各分野とも市場規模は拡大傾向です。一方で、エンタメ業界のECには課題もあります。主な課題は、配送リードタイムの短縮を求められることと物流波動が大きいことです。これらの課題は、発送代行の利用で解決できる可能性があります。

エンタメ業界に強い発送代行をお探しの方へ、小ロットからの依頼も可能な発送代行サービス「ウルロジ」はいかがでしょうか。ウルロジでは、丁寧な梱包と柔軟な対応により、EC事業者様の成長を支える発送代行サービスを提供しています。

流通加工や返品対応など、さまざまな業務に対応しており、配送費は梱包資材費込みで全国一律で300円からとなっています。さらに、最新システムと設備を導入し、自動化を進めることで発送ミスを最小限に抑えることができます。

エンタメ業界での実績も豊富です。事業規模に関わらず、こちらのサービスの利用をおすすめします。

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タグ : ECお役立ち情報 アニメ キャラクター EC エンタメ
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角田和樹
上場企業であるディーエムソリューションズ株式会社の物流関連サービスで15年間、営業やマーケティング、物流企画など様々なポジションを経験。 現在は物流・発送代行サービス「ウルロジ 」のマーケティング全体設計を担う。通販エキスパート検定1級・2級を保有し、実際に食品消費財のEC事業も運用。ECノウハウに対しても深い知見を持ち、物流事業者としてだけでなく、EC事業者の両面からSNSウェビナー等での情報発信を行う。