物流代行(アウトソーシング)を選ぶ際に確認すべきポイント7選
2023.11.20物流・フルフィルメントインターネットの発達により、個人や中小のメーカーなど店舗を持たない事業者でも、ネットでモノを売るということが一般的になりました。
Amazonや楽天市場など大型のサイトから、メルカリのような個人向けのネットショップ、EC-CUBEといったオリジナルのプラットフォームなど、様々なECの形態が広まりつつあります。
これに伴い、商品を消費者の元へ届けるEC物流代行業も需要が高まっています。
販売者はネット上で消費者と商取引を行い、物流は代行業者へ依頼するケースがほとんどと言っても過言ではありません。
しかし、実際に代行業者を選ぶ際にどんなポイントに気をつければよいのか、わからない方も多いことでしょう。
今回はEC物流代行について、概要から代行業者を選ぶ比較ポイントについて解説していきます。
目次
EC物流とは?
EC物流とは、インターネット上で行われる商取引における商品の生産、保管、配送業務全般のことです。
例えばAmazonで電化製品を購入した場合、商品の選定から購入決済まではサイト上で行われ、商品がメーカーから購入者の手元に届くまでの過程がEC物流となります。
広義の物流は実際の店舗間の取引やメーカーから卸売店への大量配送も含まれますが、EC物流は主にインターネットを介した、個人の消費者向けに個別で配送する場合を指すことが多いです。
そのため商品を送り届けるだけでなく、個別包装やスムーズな発送など、個人の消費者の直接的な購入体験を意識した業務が求められます。
EC物流代行とは?
EC物流代行とは、EC物流を業務委託として引き受ける事業です。
主な業務内容として商品の受注管理や在庫管理、商品発送、返品処理などを行いますが、中には在庫管理と商品発送のみ担当するなど、引き受ける業務は代行業者ごとに様々です。
またEC物流代行には、定額物流とカスタム物流の大きく2つの形態があります。
定額物流は配送の種類や料金体系など、サービス内容があらかじめ決められているタイプの物流です。
一方でカスタム物流はサービスの内容を個別にカスタマイズできるタイプの物流です。
詳しくは以下の記事を参考にしてください。
EC物流代行に委託するメリットとデメリット
EC物流代行に委託するメリット
EC物流代行に委託するメリットとして以下が挙げられます。
自社サービスに集中できる
EC物流は受注管理から配送までスムーズな業務が求められるため、整備された物流システムや在庫管理機能などが必要です。
こうしたシステムの構築・管理には多大な時間や労力が必要ですが、EC物流代行に委託することで、これらのリソースを自社サービスや商品の向上に向けられます。
EC事業者は商品を作り売ることに集中し、作った商品の管理はどうすればよいかということを考えずに済むのがEC物流代行に委託する魅力と言えるでしょう。
コスト削減が可能
物流領域を自社で担う場合、在庫を抱えるための倉庫の家賃や配送手段であるトラックの費用、さらに人件費など維持コストが必要です。
これらコストは常に固定費として必要であり、閑散期で売上が落ち込んだ場合でも支払わなければいけません。
しかしEC物流代行に委託することで、繁盛期や閑散期に合わせてこれらのコストを変動させ、最小限に抑えることができます。
物流領域の機能向上ができる
EC物流には生産から入庫、検品、管理、包装、発送、返品処理、そしてこれらに係るシステムの構築などさまざまな業務が必要になります。
非常に広い範囲の業務が必要なため、自社に物流の経験やノウハウがなければ、トラブルが発生することもあるでしょう。
EC物流のプロである代行業者に委託することで、物流領域の機能を向上させ、トラブルを最小限に防ぎ、スムーズなEC物流が可能になります。
管理が楽である
EC物流のプロである代行業者は、顧客の注文状況や売上などをわかりやすく数値化してくれます。
そのため、自社の経営に関する数字管理も効率化できるでしょう。
また、どの商品がどこにあるのかひと目で分かるように在庫管理も徹底しているため、期限のある食品なども管理しやすくなります。
EC物流代行に委託するデメリット
メリットがある反面、EC物流代行に委託するデメリットとして以下が挙げられます。
自社に物流ノウハウが蓄積されづらい
あらゆる物流業務を代行業者に委託するため、現場での管理方法や発送までの一連の流れを自社ノウハウとして蓄積することができません。
新たに自社で物流を行うとなった場合、イチから覚えなければいけないため、言い換えれば半永久的に物流代行に依存することとなります。
中長期的にEC事業を行う場合は、早い段階で事業計画を立て物流領域を自社で運営していくのか、代行するのが良いのか検討しておくと良いでしょう。
情報漏洩リスクがある
自社商品の製品情報や売上、顧客の個人情報などを代行業者と共有することになります。
代行業者はほかのメーカーとも業務委託しているため、仮に情報漏洩した場合、競合へ自社の情報が知れ渡ることになります。
委託する際にNDAを締結するなど情報漏洩リスクには配慮することが欠かせないでしょう。
代行業者選定のポイント
以下では、EC物流の代行業者を選定するポイントを解説していきます。
数ある代行業者の中からどこに注意して選べばよいかわからないという方は、ぜひ参考にしてみてください。
【ポイント1】価格
導入費用、保管費用、作業費用、配送費用といった項目が他社と比較した場合に安いか、また自社商品との相性は良いかという点を確認しましょう。
中でも変動費である保管費用、作業費用、配送費用は確認が必要です。
在庫を入荷する際に、サイズや量でどのように変動するか、また在庫保管スペースや保管期間毎の費用はどのような形態か確認します。
配送費用に関しては、配送地域ごとに費用が変動するか、沖縄などの離島の費用などを確認します。
繁盛期と閑散期で柔軟にプランを変更できるかという点も押さえておくと良いでしょう。
【ポイント2】コミュニケーションサポート
担当者の回答スピードや現場の担当とのやり取りの可否、受注エラーや未着などの伝達方法について確認します。
EC物流は個人の消費者へ直接届けることが多いため、トラブルが発生し顧客の購買行動へ影響が出てしまうと、メーカーのブランド毀損にも繋がりかねません。
そのため代行業者を選定する上で、迅速なコミュニケーションが可能かどうかは必ず押さえておきたいポイントと言えるでしょう。
【ポイント3】倉庫対応
セールや連休による物流増加時の流動的な対応が可能かどうか、倉庫内の温度管理やコンテナ入庫の可否など倉庫の仕様、海外発送や卸売店への大量発送などイレギュラーな配送の可否などを確認します。
状況に応じて流動的な対応ができないと、自社で受注を受けた場合でも商品を届けられない恐れがあります。
また、状況に応じて費用が変動すると利益が残らない場合もあるでしょう。
実際に倉庫へ足を運び、上記の観点から見学しておくと良いでしょう。
【ポイント4】配送方法
化粧品、生鮮食品、家電、アパレル、など商品それぞれに適した管理・配送方法が異なります。
そのため、自社で対応してもらいたい配送方法を取り扱っているか、商品や購入者に合わせた配送方法が可能かどうかを確認が必要です。
また、商品や購入者によってはポスト便の配送も検討できると、コストを抑えられるため大きな強みになります。
【ポイント5】決済方法
ECではクレジットカードが主な決済方法ではありますが、中には後払いや代引を希望する購入者もいることでしょう。
購入者の希望する決済方法に対応できないと、機会損失に繋がる恐れもあります。
そのため、さまざまな決済方法に対応しているかどうかは代行業者を選定する際に確認しておきたい点と言えます。
【ポイント6】システム関連
自社ECシステムと代行業者のシステムの連携がうまく行かなければ、商品購入から配送までがスムーズに進められません。
そのため、代行業者の利用しているWMS(倉庫管理システム)と自社のシステムの連携が可能かどうか、連携することで余計なオペレーションが発生しないか、確認が必要です。
また、バーコードによるピッキング作業が行われるか、受注処理の可否や在庫数のリアルタイムでの反映が可能かという点も見ておきたいでしょう。
【ポイント7】過去実績
自社商品と似た商品、顧客層への管理、配送の実績があるかどうかを確認すると良いでしょう。
また、類似実績のない代行業者の場合、依頼時に物流のイメージができるかどうかが判断するポイントになります。
依頼時は上記のポイントを押さえて代行業者と打ち合わせを行うことをおすすめします。
おわりに
EC物流はネットショッピングが一般的になった今の時代では欠かせないものとなっています。
誰でもネットでモノを売ることができる一方で、EC物流が正常に機能しなければ、事業を成功させることは出来ないでしょう。
そのため、ECにおいてEC物流代行業者の選定が重要なポイントと言えます。
下記バナーよりEC代行業者選定におけるチェックリストがダウンロードできますので、ぜひこちらも活用してください。
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