ECにおける返品対応をスムーズに実現!効果的な流れと重要なポイントを解説

2024.10.18物流・フルフィルメント
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ECにおける返品対応をスムーズに実現!効果的な流れと重要なポイントを解説
自社ECの返品対応に悩む方は少なくありません。基本的な流れを理解したい、気をつけるべきポイントを教えてほしいなどと考えている方は多いでしょう。返品対応は、自社ECの評価に大きな影響を与える取り組みです。返品の理由に関係なく、適切に対応すればリピーターを増やせる可能性があります。

ここでは、EC事業者の返品業務を多くサポートしてきた筆者の経験をもとに、返品対応が必要となる主な理由、返品対応の基本的な流れ、返品対応で重要になるポイントなどを解説しています。以下の情報を参考にすれば、適切な対応を行えるようになるはずです。サービスの品質を向上させたい方は、ぜひ参考にしてください。

返品対応は専門業者へ委託することもできます。例えば、弊社サービスのウルロジは、商品の保管、ピッキング、梱包、発送などに加え、返品にも対応しています。ご興味をお持ちいただいた方は、以下のページでダウンロードできるサービス資料をご確認ください。

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返品対応が必要となる主な原因

返品対応が必要となる主な原因
返品対応が必要になる理由はさまざまです。ここでは、主な理由を紹介します。

注文した商品とは異なるものが届いた

受注した商品と異なる商品を届けると、多くのケースで返品対応を求められます。例えば、類似したパッケージの商品を誤って出荷したケースが該当します。主な原因として、商品コードの入力ミスやピッキングミスが原因として考えられます。

いずれにしても、販売者都合の返品理由となるため、迅速な対応が必要です。基本的な対応は、正しい商品の再発送です。ただし、お客様によっては、返金を希望される方もいます。混乱を避けるため、対応方法や判断基準を予め決めておくことが大切です。

商品の誤出荷は、ダブルチェックの導入や在庫管理システムの利用などで防げます。まずは、出荷前の確認を徹底するとよいでしょう。

商品に破損や初期不良があった

お届けした商品に破損や初期不良があった場合も、多くのケースで返品対応を求められます。例えば、お届けした商品が正常に動作しなかったケースが該当します。破損の主な原因は輸送中のトラブルであり、初期不良の主な原因は生産過程でのトラブルです

原則として、販売者都合の返品理由と考えられます。破損の基本的な対応は、新しい商品の再発送です。お客様の要望に応じて返金対応を行うこともあります。同様の問題を繰り返さないため、梱包の見直しを進めるとともに、運送会社へ改善を依頼することが重要です。初期不良は、メーカーに報告してから返品対応を行います。メーカーによっては、初期不良の確認を行ったり、修理対応を行ったりすることがあります。

商品のイメージが異なっていた

お届けした商品がイメージと異なるため、返品対応を求められることもあります。例えば、カラーやデザインがお客様の好みと異なっていたケースが該当します。考えられる原因はさまざまです。モニターの設定や部屋の照明などが原因になりえます。販売者側では管理できないため、お客様都合の返品理由と考えられます。したがって、返品の求めに必ず応じなければならないわけではありません

ただし、申し込み画面に返品不可(返品特約)などの表示を行っていない場合は「特定商取引に関する法律」に基づき、商品到着から8日以内であればお客様都合で返品できると考えられます。この点を踏まえて対応することが大切です。予めルールを定めておくと、お客様からのクレームを防ぎやすくなります。

出典:国民生活センター(消費者トラブル解説集) 「インターネットショッピングで購入した商品はクーリング・オフできるの?」

ECの返品理由をさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

>>EC物流における返品フローを整えることでコスト削減と業務効率化を実現

返品対応の流れ

返品対応の流れ
ECの返品対応はどのように行えばよいのでしょうか。基本的な流れを紹介します。

返品内容を確認する

返品対応は、返品申請の受け付けからスタートします。ただし、申請を受け付けたからといって、返品対応を必ず行わなければならないわけではありません。返品不可などの返品特約をわかりやすく表示している場合は表示に従い対応できます。返品期限や返品条件をわかりやすく表示している場合も同様です。

例えば、お客様都合での返品不可と明記している場合、「イメージと異なる」などの理由による返品をお断りできます。したがって、返品申請を受け付けてから、商品の状態や返品の理由などを確認することが大切です。お客様の主張とは別に、商品の状態を確認しなければならないこともあります。詳細を確かめてから、自社ECのルールに基づき返品対応の可否を判断します

ユーザーへのお詫びをする

販売者側の都合で返品に至った場合は、迅速かつ丁寧な対応を求められます。謝罪の言葉を述べてから、返品対応を行うこと、再発防止に努めることを伝えましょう。お客様都合で返品に至った場合も、ご満足いただけなかったことに対して謝罪をします。良好な関係を築くことで、継続的な購入を期待できます。

以上に加え、返品方法を説明しておくことも大切です。具体的には、以下のポイントを伝えます。

【返品対応で伝える情報】

  • 返送方法
  • 返送先
  • 返送料の負担(販売者負担またはお客様負担)
  • 同梱物(商品タグ・付属品など)
  • 梱包時の注意点

返送方法を細かく説明することで、お客様は安心して返品できます。自社ECの信頼性を高める取り組みです。

商品を返送してもらう

指定した方法で、お客様に商品を返送してもらいます。出荷手続きを行うのは、原則としてお客様です。サービスの一環として、集荷手配を行っているEC事業者様もあります。返送時に問題になりやすいのが送料の負担です。基本的な考え方を紹介します。

返品理由 送料の負担
販売者側都合 EC事業者様
お客様都合 お客様

EC事業者様が送料を負担する場合は、着払いで返送してもらうとよいでしょう。返送先に商品が届いたら、状態をチェックして不具合を把握できるようにしてから倉庫へ送ります。状態がよい場合は再販売、状態が悪い場合は廃棄します。お客様に商品の到着を知らせることも大切です。こまめな連絡で安心感を与えられます。

商品交換や返金対応を行う

返品ポリシーに基づき、お客様に対応方法を提示します。誤った商品を発送した場合は、注文を受けた商品に交換することが一般的です。特に定めがない場合は「商品交換」と「返金」を提示してお客様に選んでもらうとよいでしょう。

ポイントは、返品ポリシーを誰でも確認できる状態にしておくことです。ルールを共有することで、クレームを防ぎやすくなります。返品対応後の謝罪も忘れないようにしましょう。丁寧に対応することで、自社ECの信頼性を高められます。

返品対応で重要となるポイント

返品対応で重要となるポイント
続いて、返品対応で気をつけたいポイントを紹介します。

迅速で丁寧な対応を行う

返品を希望するお客様は、何らかの不満を抱えています。したがって、返品理由を問わず、迅速かつ丁寧に対応することが大切です。対応が遅れたり、雑になったりすると、お客様に不安や不信感を与えてしまいます。「嫌な思いをするのであれば利用しなければよかった」と思わせてしまうことも考えられます。

一方、迅速かつ丁寧な対応を行うことで、自社ECに対する信頼感が高まります。「トラブルが起きても安心」と思ってもらえれば、継続的な購入を期待できるでしょう。商品の不備だけでECの評価が決まるわけではありません。適切に対応することで、ECの評価を高められることもあります。

規定したルールに沿って対応する

返品対応は、自社ECのルールに沿って行います。事前にルールを定めて、お客様も確認できる状態にしておきましょう。誰でも確認できる状態にしておくことで、判断の根拠を示すことができ、過度な要求に対処しやすくなります。

一貫した対応を行える点もポイントです。担当者の経験やスキルを問わず対応できるため、トラブルの拡大を防ぎやすくなります。お客様の中には、悪意をもって返品を申請する方もいます。このようなケースも、自社ECのルールに従い毅然と対応することが大切です。

返品対応への評価を依頼・分析する

返品対応は、自社ECの評価に直結する重要な取り組みです。対応次第で、良い評価につながることもあれば悪い評価につながることもあります。口コミなどを通じてお客様に返品対応の評価を依頼し、課題を分析し、改善に取り組むことが重要です

もちろん、すべての意見を取り入れる必要はありませんが、改善を重ねることでお客様が納得できる返品対応を行えるようになります。結果的に、自社ECの信頼性を高められます。

返品対応は外部へ委託するのもおすすめ

返品対応は外部へ委託するのもおすすめ
返品対応でお悩みの方は、外部の専門業者へ業務を委託してみてはいかがでしょうか。一例として、ECの物流業務をまとめて委託できる発送代行があげられます

発送代行のメリットは、経験豊富な専門家が返品対応を含めた物流業務を代行してくれることです。迅速かつ丁寧な対応を期待できるため、リピーターを獲得できる可能性があると筆者は考えています。また、返品対応に充てていたリソースをコア業務に割り振れるため、自社ECが成長するきっかけにもなります。多くのEC事業者にとって、非常にメリットの大きいサービスです。筆者の経験からも導入をおすすめします。

丁寧な返品対応で自社ECに対する評価を上げよう

丁寧な返品対応で自社ECに対する評価を上げよう
返品の原因は、販売者都合とお客様都合に分かれます。販売者都合の例として「誤った商品をお届けした」、お客様都合の例として「イメージと違った」ことが挙げられます。返品対応は、自社ECのルールに従い迅速かつ丁寧に行うことが大切です。適切に対応すれば、リピーターを獲得できる可能性もあります。ただし、返品対応には一定の労力がかかるため、自社だけでの対応が難しい場合もあるでしょう

返品対応の負担を軽減するには、発送代行サービスの活用を検討してみてはいかがでしょうか。発送代行サービスとは、返品対応を含めた物流業務をまとめて委託できるサービスです。お客様の声を参考に課題を分析して改善に取り組み、高品質な返品対応を行うため、顧客満足度の向上につながるでしょう。

弊社サービスのウルロジは、返品対応の実績が豊富な発送代行です。「返品対応に割いているリソースが多く、本業に集中できずに困っている」「返品対応を含めた物流業務を一括で委託したい」という事業者様は、以下のページからお気軽にご相談ください。

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タグ : EC物流初心者向け 発送・梱包 発送代行 EC物流 返品対応
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角田和樹
上場企業であるディーエムソリューションズ株式会社の物流関連サービスで15年間、営業やマーケティング、物流企画など様々なポジションを経験。 現在は物流・発送代行サービス「ウルロジ 」のマーケティング全体設計を担う。通販エキスパート検定1級・2級を保有し、実際に食品消費財のEC事業も運用。ECノウハウに対しても深い知見を持ち、物流事業者としてだけでなく、EC事業者の両面からSNSウェビナー等での情報発信を行う。