【用途別のオススメも紹介】DHLやFedExなどの国際宅配便・国際郵便(EMS)6社の特徴や料金を比較!

2024.02.28物流・フルフィルメント
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『海外に送るときは、どのサービスを利用すればいいの?』
『海外向けの発送でもの発送代行は利用できるの?』

越境ECで海外あてに商品を送るときに使うサービスが国際宅配便・国際郵便です。複数の業者が独自のサービスを展開しており、送れるものや配達までの日数、料金にそれぞれ違いがあります。

この記事では、代表的な国際宅配便・国際郵便業者のサービス比較をご紹介します。更に、海外発送を委託できる物流アウトソーシングサービスを解説していきます。送りたいものや目的、運営体制に合わせて、最適なサービスを選択する材料としてお役立てください。
越境ECの発送代行サービスを見てみる

■国際宅配便・国際郵便についてより詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください
国際宅配便と国際郵便の違い
国際郵便の主な種類と料金・特徴について

用途別のオススメ国際宅配便・国際郵便(EMS)サービス

国際宅配便・国際郵便を取り扱っている企業はそれぞれサービスに特徴があり、どこを使っていいか迷うかもしれません。よくある用途別にオススメの企業をまとめました。

最短で宅配したい場合

DHL、FedEx、UPSなど自社交通網を整備している海外サービスがオススメです。送りたいものや国によっても料金が違うので、比較の上選びましょう。

最安値で宅配したい場合

日本郵便の各サービスがオススメです。料金とスピードのバランスの良いEMSもありますが、費用を念頭におくのであれば「エコノミー航空便(SAL)」や「船便」を使うと安く送ることができます。

時間指定で宅配したい場合

DHL、FedEx、UPSの早朝配達など、時間指定ができるプランを利用しましょう。

着払いで発送したい場合

国内のサービスは基本的に発払いです。DHL、FedEx、UPSのサービスを使いましょう。ただ、着払いには一定のリスクがあるので、利用についてはよく検討してください。
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国際宅配便・国際郵便(EMS)が可能な企業6社を紹介

ここからは、用途別で紹介した企業6社や主なサービスや料金例をご紹介します。

DHL


引用元:DHL

集荷から宅配まで一貫輸送という強みで、海外あてでも、最短翌日に届くというスピード配送が特徴です。2~5日で配送可能で、エリアによっては翌日朝に到着を指定できます。配達状況もリアルタイムで確認可能です。
基本サービスは「DHL Express Worldwide 」です。配達可能な営業日中の配達を行うサービスです。220以上の国・地域220以上の国・地域に対応。1梱包あたりの最大寸法は120 x 80 x 80cmで、70kgまで対応しています。

時間指定の有無

時間指定が可能なサービスもあります。「DHL Express 12:00」では正午12時までに、「DHL Express 9:00」では朝9時まで(アメリカは10:30まで)に配達されます。保証時間を過ぎた場合、一定条件下で返金されます。対応エリアには制限があります。

料金例

アメリカまで10kgの荷物を送る場合、かかる料金は41,840円です。

送れるもの、送れないもの

動物、剥製など、遺体・遺灰、金銀塊、現金、銃弾や爆発物、非合法物品の取扱いは不可です。また、国ごとに輸入制限が異なるので、事前に確認しましょう。

FedEx


引用元:FedEx

集荷から宅配まで一貫輸送で、スピード配達が強みの国際宅配便です。
主なサービスは「フェデックス・インターナショナル・エコノミー」で、220以上の国と地域に対応しています。アジア向け2~4営業日、アメリカ向け3営業日、ヨーロッパ向け3~4営業日で配送可能です。基本的には月曜~金曜の配達ですが、土曜日も配達できる地域もあります。荷物の最大寸法は幅274cm、長さ+胴回り330cm。重量は68kgまで可能です。その他にも最短翌日配達も可能なプライオリティサービスが多数準備されています。

時間指定の有無

「フェデックス・インターナショナル・ファースト」を利用すると、地域にもよりますが、貨物を前夜に発送し、翌朝には配達を完了できます。また、時間指定ができない場合も、営業所受け取りの指定ができるので、不在がちの場合は利用すると便利かもしれません。

料金例

アメリカまで10kgの荷物を送る場合、かかる料金は32,350円です。

送れるもの、送れないもの

輸送禁止されているのは、軍施設あての荷物、代金引換払いの荷物、遺体・遺灰、爆発物、銃器、生鮮食品、動物(剥製等も含む)、植物、有害廃棄物、違法なもの、濡れているもの、信書などです。ただ、個別に許可を得れば可能な場合もあるので、カスタマーセンターに問い合わせましょう。

UPS


引用元:UPS

時間指定や日時指定も可能なサービスです。

小口貨物輸送サービスとして、以下のサービスが準備されています。

UPSワールドワイド・エクスプレス・プラス

最速で午前8時(最短1~3営業日)。対応はアメリカ、ヨーロッパ、アジアの主要都市

UPSワールドワイド・エクスプレス

通常午前10:30または12:00までの字k難指定配達(最短1~3営業日)。対応はアメリカ、ヨーロッパ、アジアの殆どの地域、中南米の一部地域、カナダの主要都市。

UPSワールドワイド・エクスプレス・フレート・ミッドデイ

12:00または14:00までの時間指定配達(最短1~3営業日)。対応は世界30カ国以上。

UPSワールドワイド・エクスプレス・フレート

終業時間までに配達(最短1~3営業日)。対応は世界60カ国以上。

UPSワールドワイド・エクスプレス・セイバー

終業時間までに配達(最短1~3営業日)。対応は世界220カ国以上。

UPSワールドワイド・エクスプレス・エクスペダイテッド

終業時間までに配達(最短3~5営業日)。対応はアジア各国、ヨーロッパや南北アメリカの主要ビジネス街。

その他に、頻度の低い出荷向けの「「UPSインターネット・シッピング」、大量出荷の法人向けとして「UPS CAMPUSSHIP®」「WORLDSHIP®」「UPSマーケットプレースシッピング」等が準備されています。

配達可能日時

プラスのオプションで、土曜日の配達も可能です。時間指定の異なるサービスが複数展開されているので、相手先に時間指定で届けたい場合に便利です。

取扱いサイズ

1梱包の最大重量は70kgまで。1梱包の最長辺は274cmまで。 1梱包の最長辺と胴回り(縦x 2 + 高さx 2) の合計400cmまでの荷物に対応しています。

料金例

通常配送の条件と近い「UPSワールドワイド・エクスプレス・セイバー」を利用してアメリカまで10kgの荷物を送る場合、かかる料金は46,900 円です。

送れるもの、送れないもの

弾薬、銀行手形や貨幣、遺体・遺灰(人間・動物問わず)、有害廃棄物、大麻、偽造品、違法野生生物製品、違法麻薬、爆発物、違法タバコ、前駆体化学物質などが禁止されています。また、国ごとに禁制品もあるので、詳しくは確認しましょう。

ヤマト


引用元:ヤマト運輸

ヤマト運輸が提供している国際宅配便です。
メインのサービスは「国際宅急便」で、世界200を超える地域に届けられます。宅急便を展開しているエリアであればヤマトグループの会社が、それ以外の国は協力会社が届けます。アジア宅急便展開地域なら、最短翌日から配達できます。その他のサービスとして、「国際クール宅急便」「UPSワールドワイド・エクスプレス・セイバー」「国際貨物輸送サービス」「留学宅急便」の取り扱いがあります。

取扱いサイズ

サイズの上限は、縦・横・高さの合計が160cm以内で、重さが25kgまで。国内の宅急便と同様の60~160サイズまでの料金体系でわかりやすいです。書類を送る際には、お得な「書類パック」が利用できます。

料金例

アメリカまで10kgの荷物を送る場合、かかる料金は 8,850円です。所要時間は4~6営業日です。

送れるもの、送れないもの

食品関連では酒、腐りやすいもの、肉製品、生鮮食品、健康食品、生米、乳製品などが送れません。レトルトのものや味噌などは送れる場合がありますが、国ごとに規制があります。
また、切り花、種や土、動物、毛皮、ワシントン条約に抵触するもの(アロエはNGなので化粧品類には注意)。危険品、リチウム電池、乾電池が使われているもの、刃物、劇物、医薬品、現金、貴金属、美術品、たばこ、信書、ポルノ製品、などが禁止されています。上記以外にも、国別に禁制品があるので確認しましょう。

日本郵便


引用元:日本郵便

日本郵便が提供するのは「国際郵便」なので、その他のサービスとは異なります。特に違うのが通関の手続きで、商品の金額が小さければ、インボイス等の準備が不要です。ほかのサービスと比べてややスピードに劣りますが、料金はお手頃です。
主なサービスは「国際スピード郵便(EMS)」。121の国と地域に配送できます。上記に加え、鮮度を守る「クールEMS」、EMS規定サイズ外も送れる「UGX」などが展開されています。国際小包の配送方法としては、「航空便」「エコノミー航空便(SAL)」「船便」があります。航空便を使えば180以上の国と地域に送ることができます。

取扱いサイズ

EMSの場合、国によって、送ることができる荷物の大きさや重量に制限があります。具体的な例を下記表でご紹介します。

国荷物の大きさ重量

中国 最大1.8m、長さ+横周3m以内 重さ30kg以内
台湾 最大1.5m、長さ+横周3m以内 重さ30kg以内
アメリカ 最大1.5m、長さ+横周2.75m以内 重さ30kg以内
ウクライナ 最大1.5m、長さ+横周3m以内 重さ20kg以内

料金例

アメリカまで10kgの荷物を送る場合、かかる料金は 14,500円です。所要時間は3営業日です。

送れるもの、送れないもの

爆発物・危険物、麻薬類、生きた動物、わいせつな物品は送付できません。国ごとに禁制品があるので、詳しくは確認しましょう。

佐川急便


引用元:佐川急便

主なサービスは「飛脚国際宅配便」。220以上の国や地域に届けられます。ただ、どちらかというと法人向けのサービスで、個人で利用できる地域は限られています。運賃が細かく別れていて、実重量0.5kg刻みで計算されています。飛脚国際宅配分は、小さいものや書類を送るのに便利な「スモールパーセル(ビジネス小荷物)」「ドキュメントクーリエ(ビジネス書類)」の2つのサービスがあります。

取扱いサイズ

スモールパーセルは、1梱包3辺合計260cm以内・重量50kg以内の荷物を送ることができます。

料金例

アメリカまで10kgの荷物を送る場合、かかる料金は 21,200円です。所要時間は3営業日+国内集荷にプラス1営業日です。

送れるもの、送れないもの

化粧品、ポルノ雑誌やDVD、動植物、食品(生鮮食品、加工食品、健康食品、アルコール飲料、未加工豆類)、貴重品、化学品(医薬品、大麻、有害物質)、知的財産権の侵害に当たるもの、ワシントン条約で規制されているもの、通信機器、楽器、たばこ、などが禁止されています。また、国別にも禁制品があるので、確認しましょう。
越境ECの発送代行サービスを見てみる

国際宅配便・国際郵便を利用する際の注意点

まずは、海外あてに荷物を送る際に共通する注意点をご紹介します。

国ごとに送付できるものに違いがある

国ごとに送付できないものが定められている場合があります。食品や化粧品など、届け先の国の規制に応じて禁制品があるので、事前に確認しましょう。

インボイスが必要な場合もある

国を超えた荷物のやりとりをする場合、税関で通関手続きを行うことが必要です。国際宅配便を利用する場合は、書類以外の荷物を送付する際に「インボイス」という荷物の内容証明となる書類を準備しなくてはなりません。国際郵便の場合は、基本的に(商品が20万円より少ない金額の場合)個人での手続きは不要です。

関税諸費用が必要な場合もある

届け先の国で、輸入するときに関税諸費用が発生する場合があります。通常は届け先に請求されますが、トラブルがないように確認しておくようにしましょう。
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【越境EC】海外発送業務を委託できる物流・発送代行サービス

物流・発送代行とは主に、EC事業の中で物流業務全般を外部委託することです。

  • 入庫/検品
  • 保管/在庫管理
  • 受注処理
  • 梱包作業
  • 流通加工
  • 出荷
  • 配送管理/返品処理

といった物流に関わる業務を専門に代行するサービスです。
更に、海外に発送する際は前段で解説した通り、インボイスの準備など各種手続きが必要ですが、
そういった複雑な手続き業務まで委託できるのも魅力となります。

物流・発送代行で解決できる越境EC物流の課題

  • 複雑な業務を丸投げしたい
  • 配送コストを削減したい
  • 出荷品質を改善、維持したい

国内発送よりも複雑な業務が多い越境ECは、代行業者の利用がおすすめです。

越境EC物流代行の概要

海外のECサイトでご購入されたお客様あてに発送する商品の入荷・梱包・運送業者への引き渡しなど越境EC物流業務に関わることをすべてお任せいただけます。

ウルロジ越境EC発送のイメージ

ウルロジの越境EC物流代行サービスの特徴

豊富な実績のある海外発送専門業者との提携し、事業者毎に越境EC物流のスキームを構築

海外発送専門のペガサスグローバルエクスプレス社と業務提携しております。
通関書類の作成など海外発送に伴う付帯業務を代行するため、安心して海外発送の手配をお任せいただけます。

EC事業者さまのご要望に合わせた発送プランをご提案

EMSやDHLなど3つの発送手配が可能で、EC事業者さまに合わせてご提案いたします。

物流業務を楽にする多機能な倉庫管理システム(WMS)

各種カートやモールと連携することでオンラインでの出荷指示・在庫確認ができる倉庫管理システム(WMS)を導入しているため、物流業務の手間が大幅に削減できます。

EC事業者さま向けの価格

配送料は配送対象国、サイズによって変動してきます。
詳細をお伺いのうえ、お見積りを作成させていただきますのでお気軽にご相談ください。以下の記事でウルロジの越境EC物流アウトソーシングサービスについてご案内していますのでご興味のある方はご覧ください。
ウルロジの越境EC物流アウトソーシングサービスのご紹介

おわりに

本記事では国際宅配便やEMSについて解説してきました。

  • 海外への配送サービスは複数あり、料金や到着までの日数は様々
  • 配送手続きには複雑な業務も多い
  • 海外発送に対応している物流代行サービスもある

越境ECの運営を始める際には配送業者だけでなく、物流アウトソーシングサービスの利用も合わせて検討されることをおすすめいたします。
この記事を参考に、目的に合わせて最適なサービスを選択してください。

タグ : ECお役立ち情報 発送・梱包 越境EC 発送代行 EC物流
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角田和樹
上場企業の物流関連サービスで15年間、営業やマーケティング、物流企画など様々なポジションを経験。通販エキスパート検定1級・2級を保有。 現在は物流代行サービス「ウルロジ」のマーケティング全体設計を担う。自社でEC事業やクラウドファンディングも実施しており、ECノウハウに対しても深い知見を持ち、物流だけでなくEC事業者の両面から情報発信を行う。