小さな荷物を安く送るには?主要サービス比較と最安発送テクニック
2025.10.29物流・フルフィルメント
ECサイトやフリマアプリで扱うアクセサリーや化粧品、本など、「小さい荷物」の送料が利益を圧迫していませんか? 「どの配送サービスが一番お得なのかわからない」「数百円の差でも、積み重なると大きなコストになる」と感じている事業者の方も多いのではないでしょうか。
荷物のサイズや厚み、重さによって最適な発送方法は変わるため、各社のサービスを正しく理解し、使い分けることがコスト削減の鍵となります。
この記事では、小さい荷物を安く送るための基本的な知識から、郵便局・ヤマト運輸・佐川急便の主要サービスを料金・サイズ・補償の面から徹底比較します。さらに、梱包の工夫といった、すぐに実践できるコスト削減テクニックまで、わかりやすく解説します。
ウルロジでは梱包資材費や作業費も込みで全国一律300円からの発送が可能です。会社全体で2億を超える発送個数や大手配送会社拠点と隣接した倉庫立地による徹底したコスト削減戦略で業界最安値クラスの卸値を実現できています。物流費用の見直しを検討されている方はお気軽にお問い合わせください。
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目次
小さな荷物を安く送るための基本知識
ECサイト運営やフリマアプリでの取引において、「小さな荷物」をいかに安く、効率よく送るかは、利益率に直結する部分です。特に発送コストは、商品の販売価格を決定する上で無視できない要素であり、気をつけなければ利益が目減りしていきます。
この章では、まず「小さな荷物」の定義を明確にし、その上で、発送手段を選ぶ際に最低限押さえておくべき注意点について解説します。
小さい荷物の定義は厚さが3cm以内、重さが1kg以内
配送サービスにおける「小さな荷物」は、主に「メール便」「小型荷物」といったカテゴリで扱われます。これらのサービスが適用される荷物の基準は、各社で若干異なりますが、多くの配送サービスにおいて「厚さ3cm以内」「重さ1kg以内」がその目安となります。
| 項目 | 主な目安 | 適用されやすい商材例 |
| 厚さ | 3cm以内 | アパレル(薄手のTシャツ、ストール)、書籍、CD/DVD、薄型雑貨 |
| 重さ | 1kg以内 | アクセサリー、化粧品サンプル、小物、一部のサプリメント |
この厚さ3cmという制限は、郵便受け(ポスト)への投函を可能とするかどうかの重要なラインとなります。このサイズに収まれば、通常の宅配便よりも格段に安い運賃設定が適用されることが一般的です。
しかし、この「厚さ3cm、重さ1kg」というサイズ制限を少しでも超えると、途端に運賃が高くなる一般的な宅配便の料金体系に移行します。そのため、梱包材の厚さも考慮し、いかに規定サイズ内に収めるかが、コスト削減の第一歩となります。
小さな荷物を送る際の注意点(割れ物・匿名配送など)
低価格な配送手段を利用する際にも、顧客満足度やビジネスのリスク管理の観点から、いくつかの注意点を理解しておく必要があります。
1. 損害賠償・補償の有無
安価な配送サービスは、その料金体系ゆえに、荷物の紛失・破損に対する損害賠償(補償)がない、あるいは上限額が低いケースが多くあります。高額な商品や割れ物、精密機器を送る場合は、多少コストがかさんでも、補償が手厚いサービス(例:ゆうパック、宅急便など)を選ぶか、別途保険を検討するのが賢明です。
2. 匿名配送の可否とビジネスでの利用
フリマアプリなど個人間の取引では「匿名配送」(送り主と受取人の氏名・住所を互いに知られずに送る方法)が一般的ですが、事業者がECサイトなどで利用する場合は、匿名配送に対応していないサービスが多いため注意が必要です。事業者としてお客様に安心感を提供するためには、信頼できる住所・氏名を明記した上で、適切に発送することが基本となります。
3. 追跡サービスの有無
安価な配送手段の中には、荷物の追跡(トラッキング)サービスが付帯しないものもあります。顧客からの「荷物が届かない」という問い合わせに迅速に対応するため、また、配送トラブルによる販売機会の損失を防ぐためにも、追跡サービスが付帯している発送方法を選択することを強く推奨します。
ただ、この後ご紹介するサービスについては問題なく追跡サービスが付帯しているものとなっています。
これらの注意点を踏まえ、商品の特性、販売価格、顧客が求める安心感のバランスを考慮して、最適な発送手段を選択してください。
主要な配送サービスの比較
小さな荷物を送る際に利用される主要な配送サービスは、郵便局のゆうパケット・クリックポスト、ヤマト運輸のネコポス、そして佐川急便の飛脚ゆうパケット便の4つが代表的です。これらのサービスは、いずれも「厚さ3cm以内」を基本としていますが、料金、最大サイズなどに違いがあります。
また、主要な配送サービスの特徴、強み、および注意点についてはこの後の章で解説します。
| サービス名 | 料金(目安) | 最大サイズ(3辺計) | 補償 | 主な利用シーン |
| ゆうパケット | 250円〜350円程度※ | 60cm以内 | なし | EC、フリマ(法人・個人) |
| クリックポスト | 185円(全国一律) | 34cm×25cm | なし | EC、フリマ(法人・個人) |
| ネコポス | 385円程度まで※ | 31.2cm×22.8cm | 3,000円まで | EC(ヤマト運輸との契約が必須) |
| 飛脚ゆうパケット便 | 料金は契約による※ | 60cm以内 | なし | 佐川急便との契約が必須 |
郵便局の発送手段であるゆうパケット・クリックポストの特徴
日本郵便が提供するこれらのサービスは、特にコスト効率を重視するEC事業者にとって必須の選択肢となります。
ゆうパケット

ゆうパケットは、法人契約またはフリマアプリなどの提携サービスを通じて利用されることが一般的です。
最大の特徴は、厚さに応じた柔軟な運賃設定(1cm、2cm、3cm)が可能な点です。このサービスは、法人契約によって厚さ別の単価を交渉できるため、発送量が多い事業者ほどコストメリットを享受しやすくなります。
公式サイトに記載されている料金としては、以下となっています。
厚さ1cm以内 = 250円
厚さ2cm以内 = 310円
厚さ3cm以内 = 360円
日本郵便ホームページで確認する
加えて、郵便受け(ポスト)への投函完了で受け取りが容易なため、受取人側の利便性も高いと言えます。
一方で、利用する上での注意点として、原則として損害賠償(補償)がないことが挙げられます。そのため、商品の単価や破損リスクに応じて利用を慎重に検討し、高額な商品を送る際には避けるべきでしょう。
クリックポスト

クリックポストは、全国一律185円(税込)という圧倒的な低価格が最大の魅力です。
法人・個人問わず利用可能ですが、このサービスを利用するには、Yahoo! JAPAN IDやAmazonアカウントの取得、および対応する決済登録が必須となります。追跡サービスが付帯してこの価格帯は非常に優秀であり、少量の荷物や、低単価商品の発送コストを極限まで抑えたい場合に最適な選択肢です。
また、オンラインで手続きが完結し、ポスト投函できる手軽さも魅力の一つです。しかし、ゆうパケットと同様に補償がないため、万が一の配送トラブルには対応できません。さらに、発送手続きをシステムを通じて個別に行う必要があるため、大規模な発送作業には手間がかかる可能性があります。
ヤマト運輸の発送手段であるネコポスの特徴

ネコポスは、ヤマト運輸と契約した法人、または特定のフリマ・ECプラットフォームと連携している事業者や個人のみが利用できるサービスです。
宅急便と同じネットワークを利用するため、配送スピードが速く(多くの場合翌日配達)、顧客満足度の向上に貢献します。このサービス最大の強みは、上限3,000円までの補償が付帯している点です。
これにより、万が一の紛失や破損リスクに対し、他の安価なメール便サービスよりも手厚く備えることができ、迅速な配送と補償を両立させたい場合に最適な選択肢となります。
利用上の注意点として、誰でも利用できるわけではなく、貴社がヤマト運輸と法人としての契約を結ぶことが利用の前提となります。
直近、ネコポスは11月10日からリニューアルとなり、いくつかの点が変更になります。
ネコポスは従来、厚さが唯一2.5cmとなっていましたが、今回の改訂で3cmに変更になりました。
また、置き配の対応も可能となり配達の幅が広がっています。
ヤマト運輸のホームページで確認する
ネコポスとクリックポストはよく比較検討されるサービスです。それぞれのメリット・デメリットや適切な選び方については、こちらの記事もご参照ください。
どっちを選ぶべき?クリックポストとネコポスの違いやメリット・デメリットを解説!
佐川急便の発送手段である飛脚ゆうパケット便の特徴
飛脚ゆうパケット便は、佐川急便が荷物を引き受け、その後、日本郵便の「ゆうパケット」の仕組みを利用して配達する、佐川急便の法人顧客向けサービスとなっており法人契約が前提となっています。
※個人でも佐川急便のお客様コード(顧客コード)を取得済みの方は利用可能となっています。
発送方法としては、日本郵便の「ゆうパケット」となるため、個人利用の場合は他の選択肢から発送方法を選択することになります。
発送コストを抑えるためのポイント
前述の通り、最適な配送サービスを選ぶことはコスト削減の基本ですが、日々の発送業務における工夫によって、さらにコストを最適化することが可能です。
ここでは、EC事業の利益率向上に直結する、実務的な発送コスト削減ポイントを3つご紹介します。
梱包を工夫する
小さな荷物を送る際に、運賃が大きく変動する最大の要因は「厚さ」です。多くの安価な配送サービスは厚さ3cm以内を厳格に定めており、わずかでもこの制限を超えると、高額な宅配便料金が適用されてしまいます。コストを抑えるためには、荷物自体の保護機能を損なわない範囲で、梱包材を薄く・小さくする工夫が不可欠です。
・梱包資材の選定
厚手の段ボール箱や気泡緩衝材(プチプチ)の使用を最小限に留め、薄手のクッション封筒や、厚みが抑えられるOPP袋と台紙の組み合わせなどに切り替えます。
・圧縮と分散
衣類などの柔軟性のある商品は、配送時の厚みを抑えるために真空パックやジップ付きの袋で空気を抜いて圧縮することを検討してください。
3cm以内に抑えることにより、一つあたりの発送コストを大幅に削減し、利益率を改善することができます。
複数の荷物をまとめて送る
発送業務の効率化は、コスト削減と密接に関わっています。
個人でフリマアプリなどで発送する場合は利用できませんが、小規模なEC事業者であれば、複数の荷物を一度に発送する「大口契約」を検討すべきです。
多くの配送事業者は、年間契約や月間の出荷件数を条件に、通常料金よりも割安な特別運賃を提供しています。この特別運賃の適用を受けることで、単価ベースの発送コストを大きく引き下げることができます。
複数の配送サービスを併用する場合であっても、各社のサービスをまとめて利用できる「出荷管理システム(送り状発行システム)」を導入することで、ラベル作成の手間を削減し、人件費のコストも同時に抑制することが可能です。
割引を活用する
主要な配送事業者が提供している各種割引制度や、提携サービスの特典を漏れなく活用することも、コスト削減に直結します。
特にECプラットフォームやフリマアプリと連携した発送サービスは、事業者と配送会社の間で特別な契約が結ばれているため、個人・小口の利用であっても、低価格な運賃が自動的に適用されます。
自社での契約が困難な場合でも、これらの提携サービスを積極的に利用することで、コストメリットを享受できます。
発送コストと手間をまとめて削減する「発送代行」
これまでに、安価な配送手段の比較や、コスト削減のための実務的な工夫について解説してきました。しかし、発送件数が拡大するにつれて、商品の梱包、ラベル貼り、発送手続きといった物流業務にかかる時間が、新たなボトルネックとなるケースが少なくありません。
そこで、発送コストと手間をまとめて削減するソリューションとして注目されているのが「発送代行(アウトソーシング)」です。
発送代行とは?個人・小規模事業でも利用できる仕組み
発送代行とは、商品の保管、注文に応じたピッキング、梱包、送り状の作成、そして最終的な発送作業までを、専門の外部業者(物流代行会社)に一括して委託するサービスです。
従来、物流代行は大規模なEC事業者向けのサービスというイメージがありましたが、現在では、小ロット(少ない件数)から利用できる柔軟な料金体系を持つ代行会社が増えています。これは、スタートアップやフリマアプリで大きな売上を上げている個人事業主、専門的なニッチ商品を扱う小規模ECサイトなど、人手に頼らずに成長を目指す事業者にとって、大きなメリットとなります。
代行会社は、複数のクライアントの荷物をまとめて扱うことで、スケールメリット(規模の経済)を生み出し、個人や単独の事業者が得るよりも安価な運賃で配送会社と契約しています。この安価な運賃と、自社の業務工数削減効果を組み合わせることで、トータルコストの最適化を図ることができます。
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梱包・ラベル貼り・発送までを一括で任せられるメリット
個人・小規模事業で発送代行を利用する主なメリットは以下のとおりです。
作業時間を削減できる
発送代行を利用すると、物流業務にかかる時間を大幅に削減できます。個人で運営しているECは、マンパワーが不足しがちです。注文数が増えると対応しきれなくなります。発送以外の業務に支障をきたすケースも少なくありません。
発送代行を利用すると、物流業務にかかる時間を削減できるため、コア業務(商品企画やマーケティングなど)に集中しやすくなります。筆者の経験をもとに述べると、発送代行は個人で運営する小規模事業の成長に欠かせないサービスです。適切なタイミングで利用することをおすすめします。
出荷ミスを削減できる

一般的に、個人で運営するECは出荷ミスが起こりやすいと考えられています。ミスが起こらない仕組みを構築しにくいためです。たとえば、ダブルチェックを導入できないなどが考えられます。
誤配送や配送遅延は、顧客満足度を大きく低下させます。顧客満足度の低下は、ネガティブな口コミ・レビューにつながるため注意が必要です。弊社が実施した「EC利用に関する口コミ・レビュー実態調査」で、ECで買い物する際に50.8%の方が口コミ・レビューを参考にしていることが明らかになりました。出荷ミスは、ECの売上減少の原因となる可能性があります。
>>ウルロジの「EC利用に関する口コミ・レビュー実態調査」をみてみる
在庫の保管スペースが不要になる
個人運営のECが直面しやすい課題として、保管スペースの確保が挙げられます。倉庫代を節約するために、自宅で在庫を保管している方が多いでしょう。
発送代行は、在庫保管・在庫管理にも対応しています。したがって、利用を始めると、保管スペースの確保に悩む必要がなくなります。倉庫を借りている場合は、倉庫代を削減できる点もポイントです。
ビジネス規模・商材別の発送手段の選択方法
発送代行を利用する個人事業主様の場合、「最低出荷数〇〇件以上」といった縛りがあると、条件を満たせず利用できないことがあります。「月1個からでもOK」など、小ロットに対応しているか必ず確認しましょう。また、隠れた費用がないか、料金体系が明確であることも重要です。
弊社が独自で実施した全国の20-70代の男女でEC事業者700名を対象に実施した調査では、月間100件前後の発送件数は、発送代行を検討するタイミングがボリュームゾーンとして上がっています。

事業商材や昨対比での売上状況の変化、中長期のEC事業の運営において注力したい業務(販促や商品開発など)について調査した内容をまとめています。
また、小規模事業者や変動の大きいEC事業にとって重要なのは、「従量課金制」の発送代行サービスを選ぶことです。固定費をかけずに、発送した分だけ費用が発生するこの仕組みにより、在庫や注文数が少ない時期でも無駄なコストを支払う必要がなくなります。
従量課金制を軸に代行サービスを選定することで、固定費リスクを負うことなく、最適な物流インフラを確保できるのです。
その上でどのような発送代行会社を選べばわからないという方はこちらの比較表を参考にしつつ選んでいっていただくことをおすすめします。
自分に合った発送方法を見つけて、コストと手間を賢く削減
本記事では、小さな荷物を送る際に利用できる主要な配送サービスの比較から、発送コストと手間を戦略的に削減するための具体的なポイントまでを解説しました。
まず、発送件数が月に70件以内と少ない場合は、厚さ3cmに収まるような商品を選定しつつ、利益率を確保することを優先しましょう。
そして、事業規模が拡大し、発送業務がコア業務を圧迫し始めた際は、「発送代行」という選択肢を検討してください。従量課金制の代行サービスを利用すれば、固定費リスクを負うことなく、スケールメリットによる低価格な運賃と、プロフェッショナルな物流品質を手に入れることができます。
発送の戦略を見直すことは、自身のリソースをより効率的に使える方法となっています。
この記事で得た知識を活用し、自社の商材特性、発送量、そして将来の成長戦略に合った発送方法を見つけて、コストと手間を賢く削減し、ビジネスの成長を加速させてください。
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