物流倉庫会社の選び方と抑えておきたいポイント

2021.11.29物流・フルフィルメント
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物流倉庫を選ぶときにどのような基準があるのでしょうか。端的にそれを表現するのであれば、低コストで好条件…ということになります。物流倉庫を選ぶ際の好条件とはどのようなものなのでしょうか。

物流倉庫会社を選ぶポイントとは

物流倉庫を選ぶとき、どのようなことに気を付けて会社選べばいいのでしょうか。物流倉庫会社がたくさんあり、そして、様々なサービスがあるからこそニーズに合った会社を選ぶことが重要です。

商品などを管理する倉庫をミスセレクトすると、大きなクレームや、損害賠償を発生させることになってしまう事もあります。

ここでは、物流倉庫を選ぶときのポイントとその理由についてご紹介します。

まずは、基本の3つのポイント

物流倉庫を選ぶ時に最も重要なポイントは大きく3点に分けられます。

ここで紹介する3つのポイントは多くの場合、譲れない条件となるケースがほとんどです。基本の3点をしっかりと抑えておきましょう。

立地

倉庫がある場所や、物流ルートとの位置関係…いわゆる立地は非常に重要な要素です。

この条件が満たされていなければ、実際に使用した際に、損失が出たり従業員の作業効率が低下したりとビジネスにとって良い結果を生みません。

サービス内容(作業品質)

当然ですが、物流倉庫会社のサービス内容も重要な要素となります。温度管理や防虫対策など、保管するものによって必要なサービスはマチマチです。

倉庫を借りるコストをかけて保管するものですから、保管時にダメージを受けるようでは意味がありません。どんなサービスを提供している物流倉庫会社なのか…そして、実績なども考慮に入れるとよいでしょう。

コスト

どのようなサービスを受けるにしても、コストは重要な要素です。特に、長期間の契約が見込まれる物流倉庫会社にかかるコストは非常に重要な要素といえます。何年もそのコストを定期的に支払っていくという視点を持ってしっかりと費用面の条件を見極めるようにしましょう。

場所とサービス、そしてコストという3つの基本的なポイントに関して、できるだけ妥協せずに契約できる物流倉庫会社がベストといえます。

保管する製品の特長

サービスの項目で少しふれましたが、どのようなものを保管するのかは非常に重要な要素です。物流倉庫会社に保管される、代表的なものをあげて詳しく説明していきます。

家電製品や機械類

電化製品や機械類を保管する場合、スペースと湿気、倉庫からのものの出し入れのしやすさがポイントとなります。

大型の電化製品を保管する場合は、十分なスペースと広い入口が必要になります。また、倉庫内の湿気で電子部品にダメージが出ないように注意する必要があります。倉庫が建てられている場所によっては、一年を通して湿度がある…というケースも考えられます。

アパレル

洋服やバッグ、アクセサリーを補完する場合には、湿度と防虫対策が必要です。しっかりと防虫対策ができる倉庫か否かは非常に重要です。

防虫対策ができていなければ、保管していたもののほとんどが売り物にならなくなってしまうことも考えられます。莫大な損害を被ることのないよう、防虫対策ができる倉庫か否かを確認する必要があります。

また、洋服はもちろんアクセサリー類にとって湿気は大敵です。アクセサリーの金属部分がさびてしまったり、バッグが湿気で型崩れしたりする可能性があります。湿気のない良好な環境の倉庫であるかも製品を安全に保管・管理する上で重要です。

食品

ひとことに食品と言っても種類はさまざまです。加工済みの冷凍食品やチルド製品を保管する場合は、冷凍や冷蔵の倉庫があるかは当然重要です。

そして、もうひとつのポイントは倉庫内の位置によって温度に差が出ていないかという点です。

倉庫の出入り口付近と奥側で大きな温度の差がある倉庫は食品の保管には向いていません。一定の温度を保つための工夫…カーテンや倉庫内の配置などに気配りがある物流倉庫会社かどうかも確認しましょう。

また、鮮魚や野菜などの生ものを補完する場合は、水やほこりで倉庫内が汚れる可能性があります。そのような使用をしても問題がない倉庫であるかも確認する必要があります。使用を開始してからトラブルになるという最悪の事態を避けるためにも、物流倉庫会社としっかり打ち合わせをするようにしましょう。

面積と今後の展望

物流倉庫会社を選ぶとき、今保管したいものが収納できるか…は当然考慮します。ですが、重要なのは、今のことだけでなく今後の展望を見据えたうえで広さを確保できるかという点です。

十分な面積を確保できるか

保管するものの量が多い場合や大型のものを補完する場合は、広い倉庫スペースが必要になります。十分な面積を確保できるか…そして、ゆとりをもって収納できるかという点も重要な要素と言えます。

倉庫の容量だけを見て、理論上収納可能でも、実際にものを入れてみたら予定通りにいかなかった…ということにならないようにしっかりとサイズや量の確認をする必要があります。

今後、スペースの拡大や縮小ができるか

倉庫の面積に関して非常に重要なのが、今後の展望です。今、保管したいものをしっかりと保管できるかはもちろん大切です。そしてそれだけではなく、今後、スペースを拡大するのか縮小するのか…その場合、対応可能かなど今後の展望をしっかりと見据えて物流倉庫会社を選ぶ必要があります。

今のことだけを考えて物流倉庫会社を選んでしまうと、事業拡大や販路の拡大、売り上げの増加などに倉庫が対応できないというトラブルが起こることが予測されます。

預けるものの量

物流倉庫会社に保管するものによっては、安定した量が確保できるものと保管する量が時期によって変化する場合があります。

物流倉庫会社のなかにはたとえひとつでも保管できるという会社もあります。保管するものの特性を考えて、季節による保管量の変動や、生産の条件による保管量の変動にも対応できるかを考慮する必要があります。

実績

複数の物流倉庫会社が候補になった場合、保管に関する過去の実績を決め手にするという方法があります。

特に、専門性が高いもの(精密機械など)を補完する場合は、過去に同様のものの保管を請け負った経験があるかという実績を考慮するのは非常に有意義です。

おわりに

物流倉庫会社を選ぶポイントは、まず「場所」「サービス」「コスト」が基本といえます。その上で、保管するものの特性によって様々な条件が追加されていきます。

そして、今のことだけではなく今後の展望も見据えたうえで柔軟に対応できる物流倉庫会社を選ぶようにしましょう。

タグ : コスト削減 EC物流初心者向け EC運用 発送・梱包 業務効率化
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角田和樹
上場企業であるディーエムソリューションズ株式会社の物流関連サービスで15年間、営業やマーケティング、物流企画など様々なポジションを経験。 現在は物流・発送代行サービス「ウルロジ 」のマーケティング全体設計を担う。通販エキスパート検定1級・2級を保有し、実際に食品消費財のEC事業も運用。ECノウハウに対しても深い知見を持ち、物流事業者としてだけでなく、EC事業者の両面からnoteウェビナー等での情報発信を行う。