韓国輸入ってどうやるの?仕入れから関税、販売までを全解説

2025.10.29物流・フルフィルメント , 店舗運営
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韓国 輸入イメージ

韓国製のファッション、コスメ、雑貨は日本の市場において高い需要があり、新たなビジネスチャンスとして個人や小規模事業者による輸入が注目されています。

しかし、実際に輸入事業を開始するには、煩雑な輸入手続き、関税の正確な計算、そして信頼できる仕入れ先の選定といった、専門的な課題が伴うのも事実です。これらの実務知識が不足している場合、意図せず損失を被るリスクも少なくありません。

本記事では、これから韓国輸入ビジネスを検討されている方に向けて、事業を始める上で押さえるべき基本的な手順、関税の仕組み、そして優良な仕入れ先の選定方法について、専門的な観点から体系的に解説します。

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韓国輸入を始める前に知っておきたい基礎知識

事業として韓国からの輸入を成功させるためには、市場のトレンドを感覚的に掴むだけでなく、ビジネスの根幹となる部分を体系的に理解することが必要です。この章では、これから事業を始めるに必要な基礎知識をご紹介します。

韓国輸入のメリット・デメリット

韓国のファッションやコスメ、デザイン性に優れた雑貨は、日本の市場において大きな魅力を持っており、これらを活用したビジネスは多くの可能性を秘めています。海外からの仕入れと聞くと、少しハードルが高く感じられるかもしれませんが、その特性を正しく理解することで、個人の方でも十分に事業として成立させることが可能です。

ここでは、韓国から商品を輸入する際のメリット(利点)と、事業を開始する前に把握しておくべきデメリット(注意点)を、具体的かつ分かりやすく解説します。

メリット(利点) デメリット(注意点)
日本との距離が近く、輸送コストの抑制と配送スピードが早い 参入しやすいため競合が多い
最新トレンドを反映した商品が豊富
日本未発売の商品などの仕入れも可能
日本の品質基準と異なる場合があり、商品の品質にばらつきがある
小ロット(少量)からの仕入れに対応するECマートなども多く個人事業主が始めやすい 取引上の交渉や問題発生時に、言語や商習慣の違いが課題となる可能性がある

事業を後押しする3つのメリット

韓国から商品を輸入して日本で販売するメリットは

・地理的優位性
・日本にはない商品
・少量からの発注が可能
の3つとなります。

韓国輸入が持つ最大の強みは、地理的優位性にあります。欧米からの輸入と比較して輸送コストを大幅に低減できるだけでなく、発注から納品までのリードタイムも短縮されます。流行のサイクルが早い商品を扱う上で、かなり大きなメリットとなります。

また、常に新しいトレンドが生まれる韓国市場では、日本未上陸のユニークな商品を発掘できる可能性が高いことも大きな魅力です。他社と差別化された商品ラインナップを構築しやすく、小規模でも特色のあるショップ運営を目指せます。

そして、個人で事業を始める方にとって特に心強いのが、「小ロット」での仕入れが可能な点です。多くの在庫を抱えるリスクを冒すことなく、まずは数点から試験的に販売し、顧客の反応を見ながら事業を拡大していく、という堅実なステップを踏むことができます。

事前に知っておくべき3つの注意点

一方で、事業として取り組む上で留意すべき点もございます。

韓国から商品を輸入して日本で販売するデメリットは

・同様の業者との差別化の難しさ
・品質管理
・言語や商習慣の違い
の3つとなります。

まず、参入のしやすさから差別化の難しさという点が挙げられます。そのため、商品セレクトの独自性や丁寧な顧客対応といった、付加価値で差別化を図る戦略が重要となります。

次に、海外取引では品質管理が重要な課題となります。サプライヤーによっては品質基準が日本と異なる場合があるため、「不良品が一定数発生する可能性」を予め想定しておく必要があります。このリスクを低減するため、信頼できる取引先の選定や、検品サービスを提供する代行業者の活用が有効な対策となります。

最後に、言語や商習慣の違いも、国際取引における課題の一つです。近年は翻訳ツールや日本語対応サイトも増えていますが、より円滑な取引やトラブル回避のためには、日本語でのサポートが充実した輸入代行業者やECショップを利用することも良い方法となります。

これらをメリット・デメリット(注意点)を理解した上で次の章では、詳しく韓国から日本への商品輸入について見ていきます。

韓国輸入における調達手段は現地とECの2つ

韓国から商品を仕入れる方法は、大きく分けて「現地で直接買い付ける方法」と、「オンラインのECモールを利用する方法」の2つがあります。
それぞれにメリットと注意点があるため、ご自身の事業のステージやスタイルに合わせて、最適な方法を選択することが重要です。

現地からの輸入(直接買い付け)

現地へ直接足を運び、ご自身の目で見て商品を仕入れる、最も伝統的な方法です。
特にファッションや雑貨の分野では、今も多くのバイヤーがこの方法で独自のルートを開拓しています。

主な仕入れ場所(例)

・東大門(トンデムン)市場
アパレルやファッション雑貨の巨大な卸売市場。夜間に営業するビルが多く、世界中からバイヤーが集まります。
・南大門(ナムデムン)市場
アクセサリー、文具、子供服、生活雑貨など、幅広いジャンルを扱う市場です。

この方法の最大のメリットは、商品を直接手に取って品質を確かめられる点です。素材感や色味、縫製の丁寧さなどをその場で確認できるため、品質に関する失敗のリスクを大幅に減らすことができます。
また、店主と直接価格交渉をしたり、まだオンラインには出回っていない最新のトレンドを肌で感じたりできるのも、現地買い付けならではの魅力です。

一方で、当然ながら渡航費や滞在費といったコストと、移動のための時間が必要になります。また、卸売市場では現金決済が主流であることや、ある程度の韓国語でのコミュニケーションが求められる場面もあります。初めて挑戦される場合は、現地の案内や通訳をサポートしてくれるアテンドサービスを利用することも有効な手段です。

ECモールを利用したオンライン輸入

日本にいながら、パソコンやスマートフォンを通じて商品を仕入れる、現在最も主流となっている方法です。時間や場所の制約がなく、効率的に多くの商品を比較検討できます。

主なECモール

・BtoB専門サイト(BUYON)
事業者向けの卸売サイト。卸売価格で仕入れられるため、利益を確保しやすいのが特徴
・大手ECモール(Gmarket Global、Qoo10など)
一般消費者も利用する巨大なオンラインマーケット。膨大な商品数の中から、少量からでも仕入れが可能。

オンライン輸入のメリットは、その効率性にあります。
渡航コストをかけずに、膨大な数の商品の中から仕入れ候補を探し出すことができます。特にBtoB専門サイトを利用すれば、事業者向けの卸売価格で安定的に商品を仕入れることが可能です。

画面上でしか商品を確認できないため、品質や素材感を正確に把握するのが難しいという点が、オンライン輸入の最も注意すべきポイントです。

自身で韓国から買い付けを行う場合、法律・言語・税金など様々な問題を解決する必要があります。
この商品をどうしても売りたいなどのこだわりがない場合は、既に存在している韓国ECで商品を揃えて販売することが現実的には一番良い方法と言えます。

韓国への越境ECにも利用するECモールについて更に知りたい方はこちらもあわせてご覧ください。
【初心者向け】韓国向け越境EC完全マニュアル|物流・言語・モール選びまで徹底解説!

韓国輸入で人気の商材カテゴリー

どのような商品を扱うかは、ビジネスの方向性を決める上で非常に重要です。ここでは、韓国からの輸入で特にビジネスチャンスが見込まれる人気の商材カテゴリーをご紹介します。

商材カテゴリー 人気の理由・特徴 ビジネス上のポイント・注意点
アパレル 世界のトレンドを素早く反映した、SNS映えするデザイン性の高さ。 小ロット仕入れで在庫リスクを抑えやすい。生地やパーツを仕入れてオリジナル商品を企画することも可能。
化粧品 高品質・高機能でありながら手頃な価格。先進的な成分や魅力的なパッケージ。 日本未上陸ブランドの発掘にチャンスあり。販売には薬機法の遵守が絶対条件となる。
生活雑貨 SNSで人気の「韓国っぽ」な世界観。シンプルかつ温かみのある独自のデザイン。 コンセプトを絞ったセレクトでファンを獲得しやすい。ライフスタイル提案型の販売が有効。
食品・飲料 日本の食生活に定着した定番の味に加え、SNSで話題になる見た目のインパクト。 定番商品から最新トレンドまで幅広く展開可能。輸入・販売には食品衛生法の遵守が必須。

韓国輸入にかかる費用の内訳

現地からの直接輸入となると以下のような様々な費用がかかります。これらの費用をすべて合計したものが、あなたのビジネスにおける「輸入原価」となります。

費用項目 内容
商品原価 仕入れ先に支払う、商品の本体価格
国際送料 韓国から日本へ商品を輸送するための費用
関税 海外から商品を輸入する際に、国に納める税金
消費税 輸入品にも、日本の消費税が課税される
その他諸経費 上記以外に発生する費用
・通関手数料(通関業者への代行費用)
・代行手数料(輸入代行業者を利用する場合)など

ECでの購入の場合、関税が別途請求されることがあります。

ただ、渡航費用などがかからない点や、規模の経済により大量に輸出入を行っていることで、配送費などの費用は最低限に抑えることができ、結果として個人で輸入を実施するよりは低く推移することが多いです。

韓国からの輸入方法と手続きの流れ

韓国からの輸入を事業として行う場合、そのプロセスは体系的な理解と正確な実務知識を要します。ここでは、商流の構築から法的手続き、そして具体的な仕入れ方法に至るまで、事業者が遵守すべき一連の流れをフェーズごとに解説します。

商用輸入のステップをわかりやすく解説

事業目的の輸入は、商品の選定から国内での販売に至るまで、大きく分けて5つのステップで構成されます。

STEP1:市場調査と事業計画

ビジネスを成功させるための、最も重要な第一歩がこの計画段階です。まず、日本国内でどのような商品に需要があるのか、ライバルとなるショップはどのような価格で販売しているのかといった市場調査を行います。Instagramや雑誌などを参考に、あなたのショップのコンセプトに合った商材候補を具体的に絞り込んでいきましょう。

次に、これが最も重要ですが、扱いたい商品が日本の法律に適合しているかを確認します。特に化粧品、食品、電気製品などは、販売するために専門的な許可や法で定められた基準をクリアする必要があります。この法規制の確認を怠ると、せっかく仕入れた商品が販売できないという事態にもなりかねません。

最後に、商品代金や送料、関税といった全ての費用を算出し、販売価格をいくらに設定すれば利益が出るのかという収支計画を立てます。このしっかりとした事業計画が、今後の全ての活動の土台となります。

STEP1は直接の買い付け・ECでの購入どちらにおいても重要なパートとなっています。
STEP2-4に関しては、主に直接買い付けの場合に必要となる工程となっているため、ECでの購入の場合はこの工程はなく、STEP1→ECサイトでの購入→STEP5の工程となります。

STEP2:サプライヤー(仕入れ先)の選定と交渉

事業計画が固まったら、次は商品の仕入れ先となるパートナーを探します。BtoB向けの卸売サイトをリサーチしたり、可能であれば現地の展示会に足を運んだりして、信頼できるサプライヤーの候補をリストアップします。

候補が見つかったら、具体的な取引条件の交渉に入ります。交渉すべき主な項目は、一度に発注しなければならない最小の数である「最小発注数量(MOQ)」や卸売価格、支払い条件、そして納期です。

特に個人で始める場合は、なるべく少ない数から取引を始められるサプライヤーを見つけることが、リスクを抑える上で重要になります。後のトラブルを防ぐためにも、合意した内容は可能な限り書面で残しておくのが賢明です。

STEP3:輸送と保険の手配

無事に仕入れ先が決まったら、商品を韓国から日本へ輸送する手配を行います。商品の量や重さ、そしてどれくらい早く届けたいかに応じて、スピーディーな航空便や、コストを抑えられる船便といった輸送手段を選択します。

この複雑な国際輸送をサポートしてくれるのが、「フォワーダー」と呼ばれる国際輸送の専門業者です。複数のフォワーダーから見積もりを取り、料金とサービス内容を比較検討しましょう。依頼すれば、韓国の倉庫から日本のあなたの手元まで、一貫して輸送を手配してくれます。また、輸送中の紛失や破損といった万が一の事態に備えて、貨物保険に加入しておくことも忘れてはいけません。

STEP4:輸入通関と納税

商品が日本の港や空港に到着すると、「通関」という公的な手続きが必要になります。これは、輸入される商品がどのようなものかを税関に申告し、必要な検査を受け、関税や消費税といった税金を納めるための一連のプロセスです。

この通関手続きは非常に専門的ですが、通常はSTEP3で依頼したフォワーダーや、提携する通関業者が代行してくれます。あなたは、仕入れ先が発行する「インボイス(仕入書)」や「パッキングリスト(梱包明細書)」といった、商品の内容と価格を証明する書類を彼らに提出します。その後、税関が税額を決定し、その関税と消費税を納付すると、晴れて「輸入許可」が下り、商品を国内で引き取ることができるようになります。

韓国から日本だけでなく、日本から海外に発送する際も考慮しなければいけない関税について更に詳しく知りたい方はこちらの記事も合わせてご覧ください。

【2025年最新情報】越境ECの関税対策で押さえるべきポイントと注意点

STEP5:国内での販売開始

商品が手元に届いたら、いよいよ販売開始です。しかしその前に、必ず検品を行い、注文通りの商品が、破損なく良好な状態で届いているかを確認しましょう。

そして、化粧品や食品など、法律で表示が義務付けられている商品については、日本のルールに従った日本語の法定表示ラベルを貼り付ける必要があります。この最終準備が整ったら、あなたが計画したECサイトや実店舗などで、商品の販売を開始します。ここからが、あなたのショップの本格的なスタートです。

個人事業主として始める場合は、shopifyや日本のECモールに登録して集客を開始することになります。
その際に重要になるのが、いかに手間を減らしつつ利益を最大化するという点です。
ウルロジを始めとする発送代行サービスでは会社単位で大型契約を実施することで、発送金額を抑えることが可能になります。それに加えて、商品を置くための倉庫やShopifyとの自動連携も可能です。
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韓国輸入で必要な書類・手続き一覧

輸入通関をスムーズに進めるためには、正確な書類の準備が不可欠です。不備があると通関が遅延し、余分な保管料が発生する原因となります。

【必須となる主要書類】

書類名 発行者 概要
インボイス 輸出者 商品の品名、数量、単価、合計金額などが記載された商業送り状。価格を証明する最も重要な書類。
パッキングリスト 輸出者 各梱包の重量、容積、中身の明細が記載された梱包明細書。税関検査の際に貨物の内容を確認するために使用される。
航空貨物運送状 輸送業者 貨物の運送契約を証明し、貨物の受領証となる書類。

【条件に応じて必要となる書類】

書類名 概要
保険証券 保険会社が発行する、貨物保険に加入していることを証明する書類。
原産地証明書 商品が韓国産であることを証明する書類。日韓EPA(経済連携協定)などの特恵関税の適用を受け、関税を減免・撤廃するために必要となります。
各種許認可・証明書 食品衛生法に基づく「食品等輸入届出書」、薬機法に基づく「化粧品製造販売業許可証」など、商材に応じて日本の法律が要求する書類。

オンラインでの仕入れ方法

先ほどの現地での仕入れ方法を解説しました。調べることも多く、様々なことに気を使いつつ仕入れを行う必要があります。
一方でオンラインの仕入れであれば、上記の部分は輸出入業者が実施してくれるため、比較的簡単に始めることが可能です。
もちろん、商品の独自性のような部分では劣ってしまうため、取り扱い商品によって適した仕入れ方法を選択することが重要です。

オンラインでの仕入れでは、渡航コストがかからず、時間や場所を選ばずに仕入れが可能です。この後紹介するBtoBプラットフォームであるシンサンマーケットやBUYONなどを利用することで、簡単に韓国商品を輸入することができます。

ただ、画面上でしか商品を確認できないため、品質や素材感の確認が難しい点が挙げられます。初回はサンプルを取り寄せるなどの対策が有効です。

おすすめの韓国輸入サイト

韓国からの仕入れにおいて、どのプラットフォームを選択するかは事業の成否を分ける重要な意思決定です。ここでは、事業者が利用するにあたって、サプライヤーの信頼性、取引の安全性、そしてトラブル発生時のリスク管理という観点から、自社の事業モデルに適したサイトを選定するための方法をお伝えします。

安全な業者の見分け方と偽物トラブル防止策

まず具体的なサイトの紹介の前に注意喚起をさせていただきます。
オンラインでの国際取引には、不良品、偽造品(模倣品)、詐欺といったリスクが常に伴います。これらのリスクを最小限に抑え、安定した仕入れを実現するためには、取引相手を慎重に見極めることが必要です。

【取引前に確認すべきチェックリスト】

1.事業者の実在性を確認する

特定商取引法に基づく表記の確認

日本国内の事業者であれば、この表記が必須です。海外サイトの場合でも、それに準ずる事業者情報(会社名、住所、電話番号、代表者名)が明確に記載されているかを確認します。住所がデタラメであったり、連絡先がフリーメールアドレスのみの場合は注意が必要です。

運営歴と実績

事業者のウェブサイトやプラットフォーム上の店舗情報で、運営歴が長いか、豊富な取引実績があるかを確認します。設立間もない事業者との取引は、より慎重な判断が求められます。

2.出品者・商品の信頼性を評価する

レビューと評価の精査

購入者からのレビューを必ず確認します。「悪い」評価の内容を具体的に読み込み、品質、納期、カスタマーサポートの対応に問題がないかを判断します。不自然に高評価ばかりが並ぶ場合も注意が必要です。

正規品との比較

ブランド品を扱う場合、公式サイトの商品画像、ロゴのフォント、縫製、金具の仕上げといった細部を比較検討します。市場価格から著しく乖離した価格設定のものは、偽造品のリスクが極めて高いと判断すべきです。

知的財産権の理解

偽造品の輸入は、商標法および関税法に抵触する違法行為です。税関で没収されるだけでなく、企業の信用失墜に繋がります。「知らなかった」では済まされないため、疑わしい商品の取り扱いは厳禁です。

3.取引条件とサポート体制を確認する

明確な返品・交換ポリシー

不良品が届いた際の返品・交換条件が明記されているかを確認します。

支払い方法の安全性

クレジットカード決済や、プラットフォームが仲介するエスクローサービス(取引の安全性を保証する決済システム)が利用できるかを確認します。銀行振込(前払い)のみを要求する業者には注意が必要です。

サンプル購入の活用

本格的な発注の前に、品質や仕様を確認するためのサンプル購入が可能か交渉することも有効なリスク管理策です。

主要サイト比較(Gmarket・Qoo10など)

事業者にとっての仕入れサイト選定は、単なる商品の品揃えだけでなく、取引の安全性、言語対応、国際配送の利便性などを総合的に評価する必要があります。ここでは、代表的なプラットフォームをBtoB利用の観点から比較します。

【主要4サイトまとめ】

サイト名 Gmarket Qoo10 Coupang BUYON
ジャンル ファッション・コスメ・雑貨・食品など コスメ・ファッション・アイドルグッズ・雑貨 家電・ファッション・食品など アパレル(東大門市場・卸売)
日本語対応 アプリ版に日本語あり 日本語サイト 日本語非対応 日本語サイト
日本発送 EMS等で日本へ配送可能 日本国内発送 一定額以上で送料無料 韓国直送(代行手配)
最小ロット 1点~ 1点~ 1点~ 1点~
価格
決済
日本円決済・日本発行カード利用可 大規模セール・クーポンあり 価格は手頃
韓国国内向け決済(銀行口座・電話番号)必須
月額3,278円(初期11,000円~)
注意点 送料・関税が別途かかる返品は難しい。 海外発送アイテムは送料・税に注意。
中古・偽物にも気をつける。
海外発送時の送料が高くなる 会員制
関税・輸送は自己手配。

Gmarket (ジーマーケット)

Gmarket (ジーマーケット)

韓国で最も大きなオンラインモールで、ファッション、コスメ、食品、雑貨まで、ないものはないと言われるほどの品揃えが魅力です。

スマートフォンの「Gmarket Global」アプリを使えば日本語で表示でき、日本のクレジットカードで決済も可能です。韓国から直接商品を送ってもらえるため、最新の商品をいち早く手に入れられますが、送料や関税が別途かかることを忘れないようにしましょう。色々な商品を少量ずつ試してみたい、中級者の方におすすめです。

参照ウェブサイト:https://mg.gmarket.co.kr/

Qoo10 (キューテン)

Q10 ホームページ

もともと日本市場向けに作られたサイトなので、完全に日本語に対応しており、初心者の方が最も安心して利用できます。

定期的に開催される「メガ割」という大規模セールを狙えば、非常にお得に商品を仕入れることが可能です。商品の多くは日本の倉庫から発送されるため、関税の心配がほとんどないのが最大のメリットです。まずは気軽に韓国輸入を体験してみたい、という方にぴったりのサイトです。

参照ウェブサイト:https://www.qoo10.jp/

Coupang (クーパン)

「韓国版Amazon」とも呼ばれる、韓国国内で絶大な人気を誇るサイトです。

日用品から最新のガジェットまで品揃えが豊富で、価格も手頃です。ただし、サイトは韓国語のみで、決済も韓国在住者向けのため、日本から直接購入するのは非常に困難です。

そのため、Coupangを利用する場合は、購入や発送を代行してくれる「輸入代行業者」と連携することが前提となります。少し手間はかかりますが、韓国のローカルなトレンドをいち早く掴みたい上級者向けの選択肢と言えるでしょう。

参照ウェブサイト:https://www.coupang.com/

BUYON

BUYONの利点については、日本にいながらにして、東大門市場の現地の卸売業者と直接取引できる点にあります。これにより、中間マージンを削減し、競争力のある価格での仕入れが実現します。

また、個人での輸入ではハードルとなる複雑な通関や輸送の手続きも、BUYONがまとめて代行してくれます。事業者は面倒な手続きに煩わされることなく、商品選定と販売という最も重要な業務に集中することが可能です。さらに、多くの卸問屋が要求する最低ロット(最低発注数)がなく、1点からでも注文できるため、小規模な事業者様でも在庫リスクを最小限に抑えながら、多種多様な商品をテスト的に仕入れることができます。

ただし、これらの充実したサービスは有料の会員制となっています。(2025年10月現在、初期費用11,000円・月額3,850円〜のプランが提供されています)。そのため、趣味や副業で少しだけ試してみたいという方よりは、腰を据えて韓国アパレルビジネスに取り組みたいと考えている事業者様向けと言えます。

参照ウェブサイト:https://buyon.jp/

韓国商品を輸入した後の国内発送方法

韓国から商品を仕入れた後に、考えるべきこととして、国内での発送方法となります。発送業務の運営体制をどう構築するかは、事業の成長段階において考えるべき部分となってきます。

自分で発送する方法

事業の初期段階や、小規模な運営に適した方法です。自社で在庫保管、梱包、発送作業をすべて行います。

通販事業のスタート地点として、多くの事業者が選択する運営方式です。そのメリットは「発送コストを最小限に抑えることができる」点にあります。
作業者の時間の切り売りではありますが、作業にかかる人件費と梱包などの材料費のみで発送業務を完結することができ、小規模であれば大きな問題なくEC運用が可能です。

コスト面でいうと、発送件数が月間100件以下の段階では自社発送が経済的でメリットが大きいです。一方で、弊社独自で実施した全国の20-70代の男女でEC事業を運営している担当者や責任者の方700名を対象にを実施した調査によって、月間100件前後の発送件数は、発送代行を検討するタイミングになっているというデータもでています。発送代行サービス利用のタイミング

なぜなら、コスト削減よりも「機会損失」が大きくなってしまう可能性が高いからです。
発送業務に時間をとられてしまうことで、商品選定やマーケティング業務などの注力すべき業務への時間が削減されてしまいます。
月間100件を超えると、発送業務だけで週20時間以上を超えることも想定され、事業成長の阻害の原因になることはデメリットとなり得るため注意が必要です。

これからEC事業を立ち上げる方や利益を伸ばしていきたい事業者の方に必要なマーケティング費用・発送費用の相場観を知ることもできる資料は以下からダウンロードできます。

EC事業の運営状況に関する実態調査を見てみる

発送代行サービスを利用する方法

発送代行サービスは、発送業務に時間を取られている方にとっての課題の解決策の一つです。発送品質の向上と事業効率化を同時に実現する効果的な方法です。

発送代行とは、ECの物流業務をまとめて委託できるサービスです。具体的には、商品管理や受注・発注業務を委託できます。「個人事業主向けの発送代行」は、発送代行の中で小規模で運営されている方にも対応しているサービスです。主な特徴として、小ロットに対応していること、初期費用や固定費を抑えやすいことなどが挙げられます。

ちなみに、ほとんどの発送代行業者は、ヤマト運輸・日本郵便・佐川急便などと大口契約を締結しています。そのため、個人で商品を発送する場合よりも、送料を抑えられる可能性があります。出荷量が少ないため、大手配送業者と大口契約を締結できない場合は、発送代行を利用するとよいかもしれません。

弊社ウルロジの実績として、小ロットからの発送代行を開始し、発送業務を委託したことでリソースを圧迫することなくマーケティングなどの業務に専念したことで月辺りの配送量が増えた実績もございます。

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韓国輸入ビジネスを成功させるためには仕入れ方法と発送方法が重要

韓国輸入ビジネスの成功は、その地理的優位性(低コスト・短納期)とトレンド性の高い商材を活かしつつ、国際取引特有のリスクを管理できるかにかかっています。

まず、事業の土台として、市場調査と法規制の確認(食品衛生法、薬機法、PSEマークなど)を徹底し、販売可能な商品かを判断しましょう。

仕入れ方法は、現地直接買い付け(品質確認・交渉のメリット)とオンラインECモール(効率性・少量仕入れのメリット)のいずれか、または両方を事業規模に応じて選択します。特にオンラインでは、BUYONのようなBtoB専門サイトを活用し、卸売価格での安定仕入れルートを確立することが重要です。

国際取引のリスク対策として、サプライヤーの運営歴やレビューを精査し、偽造品・不良品のリスクを最小限に抑えましょう。また、通関に必要なインボイスや各種許認可書類の準備は不可欠です。

事業が成長し、月間100件程度の発送量を超える段階では、発送代行サービスの利用を検討することで、物流コストの抑制マーケティング・商品選定へのリソース集中を実現し、さらなる事業拡大を目指すことができます。

 

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藤田直樹
国立大学大学院にて、工学修士課程を修了。大手企業のマーケティング支援を経て、ディーエムソリューションズが運営するEC物流代行サービス「ウルロジ」に参画。 現在はウルロジのマーケティング責任者として戦略から実行までを統括する傍ら、物流倉庫の作業標準化や品質改善プロジェクトも主導。工学的な知見、マーケターとしての顧客視点、物流現場の視点を掛け合わせ、EC事業の成長を加速させる実践的ノウハウを提供する。