倉庫業者が行ってくれるサービス内容とは?

2023.11.20物流・フルフィルメント
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物流の中で重要な役割を担うのが、モノを保管する倉庫業者です。
モノを預かってくれるイメージはありますが、実際にはどのようなサービスを行ってくれるのでしょうか。
倉庫業者を探している方のために、倉庫業者が提供してくれるサービスについてご紹介していきます。

倉庫業者の主なサービス

倉庫業者が行ってくれるサービスには、大きく分けて以下の6つのサービスがあります。
時間軸に沿ってご紹介していきます。

  1. 検品
    貨物が適正なものか、個数に間違いがないかなどをチェックします。
  2. 入庫
    貨物の特性に合わせ、適正な保管場所へ入庫します。
  3. 保管
    温度帯に合わせる等、貨物の特性に合わせた保管を行います。
  4. 管理
    貨物の状態を損なわないよう、適正に管理します。賞味期限や在庫管理などを行います。
  5. ピッキング・流通加工
    入庫保管している貨物を一か所に集めたり、値札をつける等の加工を行います。
  6. 出庫
    指定した順序や時間に合わせて倉庫から出します。

倉庫業者は上記の流れで、業務を行ってくれます。
次は、それぞれのサービスの詳細をご紹介していきます。

検品について

発送業務をする作業員

検品とは、貨物の納品の際にその貨物が予定通りのものか、予定通りの個数・量かをチェックする作業です。

「検品」の業務の一例を流れでご紹介します。

  1. 入庫・納品予定の貨物のデータを取引先から受取ります
  2. 取引先から受け取ったデータを、システムに登録するなど、チェックできる形に直します
  3. 貨物に掲載されている管理コードやバーコードなどで適正な商品かチェックします
  4. バーコードスキャナーなどで納品個数を確認したり、重さをはかるなどして量を確認します
  5. 過剰入荷、数量不足など、問題があった場合には取引先に報告をします
  6. あらかじめ決めておいた入庫ロケーションに、貨物を移動させます

保管業務に関しては、適正な質・量のものを出荷する事の方が重要視されるのですが、そもそも適正な質・量のものが入庫されないと、後々になって個数が足りない等の問題になりかねません。つまり、問題をいち早く発見し、トラブルを事前に防ぐために必要な業務なのです。

入庫について

自社と物流会社で対応する業務範囲

入庫は、検品して問題がないか確認した貨物を、倉庫の指定の位置や棚に入れる業務です。入庫した貨物の種類が複数だった場合には、指定されたカテゴリや種類別に分類します。また、入庫する順序などの指定も可能で、入庫作業の中で順序を適正にします。

入庫で一番重要なのが、ロケーションです。
「ロケーション」とは、倉庫内において商品の保管場所を示す住所のことです。倉庫内のどこにどの貨物があるかを示し、在庫管理とともに管理します。ロケーションには「固定ロケーション」と「フリーロケーション」の2種類があります。

「固定ロケーション」は、アイテムごとに保管場所を決める運用方法です。どこに何があるかを把握しやすいことが特徴です。場所が空いても他の商品は置きません。逆に置き切れない場合には、他の場所を探しておくことになり、在庫がどこにあるか把握しにくくなる場合もあります。情報システム化されていない倉庫などで多く採用されている方法です。

「フリーロケーション」は、空いている場所に保管していく運用です。入庫時にデータ入力等が必要になり、システムによりロケーション管理をする必要があります。しかし、1つのロケーションに置き切れないことや、アイテムの入れ替えによる保管場所の変更をする必要がありません。また、空いているのに貨物を置けない等のことが発生しないため保管効率が上がるため、同じ面積のスペースでより多くの在庫を置くことが可能になります。

固定ロケーションは、下記で多く採用されています。

  • 在庫の増減が少ないもの
  • アイテムの入れ替えも頻繁に発生しないもの

一方フリーロケーションは、下記などに多く採用されています。

  • 雑貨、アパレルなど時期によるアイテムの入れ替えが激しいもの
  • 食品や薬品など、日付管理やロット管理が必要なもの

保管する貨物の種類によって、入庫の方式を考える必要があります。適切な入庫を行うことで、出庫までのトラブル軽減や、スピーディーに出荷されることが出来る重要な業務の一つです。

保管について

保管とは、倉庫の中に一定時間貨物を置いてくれる業務です。保管には、長時間貨物を置いておく場合と、入庫から出庫までの時間が短い一時保管があります。これにより、保管の方法を適正に決めておくことで、保管品質や業務効率化に繋がります。

また保管大きく分けて、以下のような保管器材があります。

  • パレット
  • 棚(ラック)

「パレット」は貨物を載せるための荷役台で、倉庫内でフォークリフトなどを用いて移動しやすくするために用います。日本での標準サイズは1100mm×1100mmで「イチイチ」などと呼ばれています。パレットに商品を置いて平積みすることで、入出庫は楽になりますが、上スペースを有効に使えないなどのデメリットがあります。

「棚」は言葉のとおり、倉庫の内部に置く金属製等の棚です。縦のスペースを有効活用できるため、保管効率が良くなるメリットがあります。しかし、ピッキングしづらいなどのデメリットもあります。

こちらも保管する貨物の種類や入出庫頻度によって、適正な保管方法を考える必要があります。

管理について

管理は、保管している貨物の状態を保ったり、保管している数を正確に把握する業務です。

在庫管理では、保管の順番や日付の管理、その数の管理を行います。

また商品の状態を保つために、適正な温度帯で保管する必要があります。冷凍・冷蔵・常温の三温度帯の管理などがあります。

ピッキング・流通加工について

ピッキングとは、保管場所にある貨物を指定された場所に集める作業です。出荷指示書(ピッキングリスト)を元に正しい商品と数量を確認したうえで、仕分け・梱包・納品先別仕分けなどを行っていきます。

ピッキングには、大きく分けて「シングルピッキング」と「トータルピッキング」の2種類があります。

「シングルピッキング」は、発送先ごとに商品を集めて梱包・出荷していく方式です。下記を出荷する場合に多く採用されている方式で、主に通販などのピッキングに多い方式です。

  • 発送先が多い
  • 出荷数自体は少ない
  • 複数種類ある商品

「トータルピッキング」は商品をまとめてピッキングしておき、荷捌き所で発送先別に仕分ける方式です。
下記の場合に採用される方式です。移動距離と移動時間を短縮できるため、入庫商品を支店別に仕分けるなどの場合に採用される方式です。

  • 発送先が少ない
  • 品数が少ない
  • 一つの発送先に大量に出荷する

倉庫業者の人員や荷さばき所の広さなどにより、行える方式に制限が出る場合があるため、選定が重要です。

出庫について

出庫は、依頼通りの貨物の種類と量を指定の場所に向けて出荷する作業です。出庫も入庫と同様、出庫する貨物の種類や量を管理・共有することが重要な業務です。

出庫情報を正確にタイムラグなく共有してくれる業者か、出庫日時を正確に行える業者かにより出庫した荷物の次の納品に関わる重要な業務です。

おわりに

倉庫業者が行ってくれる、入庫~出庫の流れと内容をご紹介しました。
貨物を保管して、出す。という単純な業務に見えますが、保管品質や出荷までの管理など様々な業務管理が必要になってきます。

保管したい貨物の種類や量により、重要なポイントが変わってきますので、是非本記事を倉庫業者の選定の参考にして頂ければと思います。

 

タグ : EC物流初心者向け 在庫管理 発送・梱包 業務効率化
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角田和樹
上場企業であるディーエムソリューションズ株式会社の物流関連サービスで15年間、営業やマーケティング、物流企画など様々なポジションを経験。 現在は物流・発送代行サービス「ウルロジ 」のマーケティング全体設計を担う。通販エキスパート検定1級・2級を保有し、実際に食品消費財のEC事業も運用。ECノウハウに対しても深い知見を持ち、物流事業者としてだけでなく、EC事業者の両面からnoteウェビナー等での情報発信を行う。