ECの発送代行業者の相場は高い?コスト・費用感を網羅的に解説

2023.08.04物流・フルフィルメント
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通信販売・ECの発送業務にかかる自社負担を抑えたい、効率化させたいと考えているのであれば、発送代行を活用する方法があります。そこで気になるのが、発送代行のコスト・費用感に関することです。

本記事では、通信販売・ECの発送代行利用について検討している方のため、そもそもどういった業務で活用できるのか、どの程度の費用がかかるのかなどを解説。さらに、発送代行業者へ依頼するメリットについてもまとめました。

通信販売・ECの発送代行で依頼できる業務

発送代行サービスは、ECサイトや通販などの事業主が商品を発送する際に発生する物流業務を、発送のプロへ委託できるサービスです。発送代行についてもっと詳しく知りたい方は「発送代行とは?メリットやデメリット、オススメの業者とその選び方まで徹底解説!」をご参照ください。

コストや費用感が気になるものの、そもそも発送代行業者に対してどのような業務を依頼できるのかイメージできずにいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。発送代行業者の対応業務は、以下のような発送に関わる業務全般です。

入庫・検品

物流倉庫へ商品の入荷と検品に対応しています。商品・製品へのシール貼りなどを依頼できる業者もあります。

受注処理

ECのカートシステムに登録された顧客の配送先住所を基にして、発送する荷物に貼り付ける伝票の作成を依頼できます。最近では荷物の追跡番号が、自社の受注管理システムに自動連携されることも多くなっています。

ピッキング

倉庫での在庫管理・保管を行っており、出荷指示を受けて適切なアイテムを必要な数量分のみピッキングしてくれます。

梱包・出荷

梱包した後、配送業者を手配して出荷の手配を行います。梱包材の用意などもまとめて依頼可能です。

在庫の管理

在庫管理システムなどを用いた管理を行います。発送代行業者と受注管理システム・在庫管理システムを連携させて利用することが多いです。

通信販売・ECの発送代行の依頼に必要なコスト

発送代行を利用する場合、何にいくらの費用がかかるのかについて解説します。発送代行は、固定費である基本料金に、商品数・作業数といったものに応じて料金が変わる変動費を加えた費用がかかる形です。費用を明確に把握し、不安なく活用できるようにしましょう。

基本費用

基本費用は、主に業務管理料やシステム利用料を指しており、アカウント管理料や初期設定料なども基本費用に含まれていることが多いです。

業務管理料とは、預けた商品を管理してもらうためにかかる費用です。基本料金として計算されることが多いものの、業者の中には在庫管理にかかる費用が含まれていることもあるため、業者によって費用の内訳が異なり、料金の幅が広い項目です。

そのため基本費用がかからないケースも稀にありますが、出荷量が多い場合などは割増されることもあり、100,000円以上になることもあります。

費用相場(月額) 0~100,000円

入庫費用

発送代行業者の倉庫に送った商品は検数・検品などが行われ、所定の保管場所へ移動されることになります。これらの作業に対してかかるのが入庫費用です。
一般的には「1品につき○円」「1箱(ケース)につき○円」といった形で料金が設定されています。

費用相場 1品あたり:10~30円
1箱あたり:30~200円

保管費用

在庫の保管と管理を行うための費用です。倉庫のある地域によって費用相場が大きく異なります。また、商品の保管に必要なスペースや、期間も費用を大きく左右するポイントです。

常温倉庫であれば費用を抑えることができますが、冷凍倉庫は費用が高額になりやすいので、事前に確認するようにしてください。

費用は「1坪あたり○円」といった形で設定されていることが多いです。他にも「1棚・1パレットあたり○円」と設定されることもあります。

商品によってはパレットに並べ、高く積み上げる必要があるものもあるでしょう。こういった場合はフォークリフト作業が必要になることから、追加費用が発生します。

一般的には交通網が発達している場所にある倉庫ほど保管費用が高額になる傾向にあります。注意点として、とにかく費用を抑えることだけを考えて保管費用が安い発送代行業者を選ぶのはおすすめできません。倉庫の場所によって配送料や商品を届けるのにかかる日数なども変わってくるためです。これらの点もよく考えて最適な発送代行業者を選びましょう。

費用相場(1坪あたり) 都市部:3,500~10,000円
都市部の郊外:3,000~6,000円
都市の郊外の山間部:3,000~5,000円
都市の中間部:2,000~4,000円

検品費用

商品を一つずつ検品するのにかかる費用です。数の確認など簡単な作業で済む場合は入庫料に含まれることが多いのですが、専門的な検品が必要となる場合は別で検品費用がかかります。<br/ >例えば、商品が問題なく動くか電気を入れて動作確認する、服のほつれがないかチェックするといった場合は検品費用がかかるケースが多いです。

費用相場(1点あたり) 10~100円

ピッキング・梱包費用

注文内容を確認しながら該当する商品を在庫棚などからピックアップする作業がピッキングです。多くの商品を預けている場合など、ピッキングに時間がかかるような場合は追加料金が発生することもあります。

ピッキングした商品を梱包するのにも費用がかかります。梱包に関わる作業や、梱包に必要な資材の費用、ラッピング加工などが含まれている項目です。

費用相場(1点あたり) ピッキング費用:10~30円
梱包費用:100~400円

発送費用

発送費用とは、発送代行業者を通して配送業者に支払う費用です。発送代行業者は配送業者と割引契約をしていますので、自社から直接配送業者に依頼するより費用を抑えることができます。

ただ、選択する発送代行業者が宅配業者とどの程度の割引契約を結べているかは、発送代行業者によって異なります。発送代行業者によっては大手運送会社ではなく、地方の運送業者と提携して費用を抑えていることも珍しくありません。<br/ >発送代行業者の工夫や努力によって費用が大きく変わりやすい部分でもあります。

費用相場(60 サイズの1出荷あたり) 500~600円

通信販売・ECの発送代行を依頼するメリット

発送代行を利用するには、さまざまな費用がかかります。ですが、自社発送と比較すると費用面でのメリットもあります。ここでは、どういったメリットがあるのかについて解説します。

固定費の負担を削減できる

自社に発送部門を持つ場合は、配達員の人件費が発生することになります。固定費であることから、仮に受注件数が少なく荷物がそれほどなかったとしても人件費は発生してしまいます。<br/ >一方、発送代行業者を利用すれば、需要に合わせて発送スタッフの人数を変動させられるので、無駄な人件費がかかりません。

集中してコア業務に取り組める

通信販売・ECの場合、事業拡大に伴い物流量も増加することになります。物流量が増えて発送業務の負担が増えてしまうと、結果的にコア業務がおろそかになってしまうことがあります。<br/ >そこで、発送業務をアウトソーシングすることによってコア業務に集中することができ、長期的に大きなメリットです。

低コストで導入できる

選択する発送代行業者によっては、初期固定費が不要な料金体系を取っているところもあります。原則は使った分のみの請求になるため、低コストでの導入も可能です。<br/ >発送代行を利用するにあたり、できるだけ無駄なコストを省きたい場合は初期固定費にも注目してみましょう。

以上です。発送代行業者によって特徴が異なるので、実際に発送代行業者を利用する際は自社に合ったサービスを選ぶことが重要です。以下のページでは小ロット・スポット利用に向いている発送代行業者を紹介しているので、ぜひご覧ください。

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当社ウルロジでは、発送代行にとどまらず、物流に関わる各種サービスを提供しています。通信販売・ECのバックヤード業務はもちろんのこと、スポットの物流まで対応可能です。<br/ >物流業務すべてのまるごと委託が可能であるため、工数を大幅削減できるようになります。コア業務に集中するためにご活用ください。

また、出荷作業から在庫確認まで全てオンラインで完結するため、アナログ対応と比較して効率的です。コスメや健康食品のほか、スポーツ用品、その他さまざまな商品に対応しています。商談についても対面のほか、オンライン商談でご相談いただくこともできます。

発送代行は費用対効果が高い

発送代行サービスを利用するのにかかるコストや、費用感について紹介しました。確かに発送代行は運用面でもコスト面でも大きな決断になります。

ただ、発送業務が負担になっている企業の場合、アウトソーシング化することによって本業に専念できるようになり、事業拡大につなげることも可能です。事業拡大とともに発送作業の負担も重くなってしまうため、今後の事業拡大を見据え発送代行の必要性について検討してみてはいかがでしょうか。

タグ : ECモール EC物流初心者向け EC運用 在庫管理 発送・梱包 業務効率化
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角田和樹
上場企業であるディーエムソリューションズ株式会社の物流関連サービスで15年間、営業やマーケティング、物流企画など様々なポジションを経験。 現在は物流・発送代行サービス「ウルロジ 」のマーケティング全体設計を担う。通販エキスパート検定1級・2級を保有し、実際に食品消費財のEC事業も運用。ECノウハウに対しても深い知見を持ち、物流事業者としてだけでなく、EC事業者の両面からnoteウェビナー等での情報発信を行う。