【物流管理に必要不可欠】PDラベルとSCMラベルとは?ラベルごとの解説と使用方法を紹介

2024.02.26物流・フルフィルメント
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物流を自動化できるウルロジについて詳しく見る

PDラベルは物流センターで段ボール箱やコンテナに貼り付け、自動で仕分けを行ったり、個数をカウントして正しい数量を届ける役割を担っています。一方でSCMラベルとは、荷物データが紐付けされ、各企業のオンライン上で物流管理を行うことができるラベルのことを指します。近年のネット通販や卸業などの物流管理はシステム管理能力が向上し、全てのチェックを目視や手書きで行ってきた時代に比べて誤発注や誤出荷が格段に少なくなっています。これらの箱に貼り付ける管理ラベルのことをPDラベル、またはSCMラベルと呼び、物流業界では欠かせないものとなっています。
今回はこのPDラベルやSCMラベルとはどのようなもので違いはなんなのか、また使用方法などについてご紹介します。

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PDラベルとは?

PDラベルとは荷物を仕分ける際の識別を行うために箱やコンテナに貼り付けるラベル用紙のことで、流通システム開発センターという財団法人で定められたたシール、ラベルです。
PDとはPhysical Distributionの略で、シンプルに荷物に貼付け、この個口の合計箱数、または何番目の箱で何処宛の荷物なのかが記載されたラベルになり、Physical(身体的な)という言葉が表すとおり、荷物を積み降ろす作業やストックする際に目安となり、アナログ的な管理ラベルとなります。
PDラベルには縦5.0横8.5センチセンチの一番小さいAサイズ、縦6.0センチ横9.2センチの中型のBサイズ、縦8.0センチ、横11.5センチの大きなCサイズとPDラベルには3種類の決められたサイズがあります。

これらには箱ごとの商品の行き先が記載されており、箱を空けずとも機械でも目視でもチェックすることが可能で、素早く大量に印刷ができるため個口が多い箱にも対応しやすくなっています。ラベル原紙は一枚一枚あらかじめ決められたサイズにカットされており、高感度感熱紙が使われているため高速プリンタでの大量印字が可能となっています。一般の用紙のようにA4サイズに8枚や10枚で区切られているシート型や、1列に長くPDラベルが並び、速い印刷のサーマルプリンタにも対応できるレジのレシートに似た形のプリンタ用紙など各企業の印字方法に合わせられるよう様々なタイプの原紙があります。

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SCMラベルとは?

SCMラベルとは荷物データが紐付けされ、各企業のオンライン上で物流管理を行うことができるラベルのことを指します。基本的にPDラベルと同じラベル用紙を使用しているのですが、PDラベルは荷物をオンライン上で管理ができない、いわゆるオフラインで荷物を識別するためのアナログな管理ラベルそのものの事を指します。

一方で、SCMラベルはShipping Carton Marking、またはShipping Container Markingの略で、オンライン上での荷物管理が可能なラベルのことで、ラベルに印刷されたバーコードの読み取りなどにより検品から出荷指示までを機械的に行うことができるラベルのことです。PDラベルは倉庫内でどのような荷物なのかを目視で確認するためのラベルそのものであるという事に対し、SCMラベルはPDラベルに情報を読み取ることができるバーコードなどが印刷された「データが紐付けされた」ラベルということになります。

効率化を意識したPDラベルからSCMラベルへの移り変わり

倉庫に大量の商品を出荷する際に、これらの箱はどこの倉庫に向かい、どこの店舗に送られるのかといった情報はかつて箱にマジックで行き先を記載するなどして、さらに手書きの送り状や伝票などを貼って管理していました。

しかし現在は箱やコンテナなどにラベルを貼りバーコード管理され、目視ではなくスキャンされることで行き先が振り分けられるためミスが少なくなりました。
また箱内の内容物も箱に貼られたラベルのバーコードをスキャンするだけでわかる仕組みになり、納品検品作業が昔に比べ格段に早くなったのです。

SCMラベルは物流倉庫だけでなく相手先の在庫管理、発注から配達までのすべての過程で活用されています。例えばスーパーやコンビニなどチェーンの量販店では在庫管理から不足商品の発注までほぼ全てをシステム上でオンライン管理しており、自動発注を行っています。

つまり、SCMラベルは、検品業務の効率化を図ってPDラベルの発展型として開発されたラベルともいえます。物流業界では物流EDI(Electronic Data Interchange)の台頭とともに、入荷予定データとSCMラベルのバーコードを照合して検品業務を完結するようになりました。SCMラベルはPDラベルの仕分け機能も併せ持ったバーコード情報も持つため、物流センターの役割が大きく変わり荷受けする店舗では煩雑な検品作業も大きく軽減されました。

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SCMラベルで紐づけできるデータ

小売業からのデータを物流倉庫と共有し、自動で発注から出荷までを行うことをEDI(Electronic Data Interchange)と呼び、さらにそのEDIデータを小売業と物流業、また製造業とも共有し製造から販売まで管理できるシステムのことを流通BMS(Business Message Standards)と呼びます。これらのデータを各商材に紐付けさせるためにSCMラベルは商品の内容物や数量、出荷先など目視で確認できる文字情報だけでなく、読み取ると発注データや宛先、数量や出荷予定などがわかる管理バーコードやQRコードなどが印刷されています。物流倉庫で梱包されSCMラベルが貼られた箱は、小売店に到着し店舗スタッフがバーコードを読み取り、すぐに在庫反映させることが可能となるのです。

また大手ネット通販のamazonでは、1人のお客様で複数商品を購入する注文が入った際、お客様ごとにピッキングするのではなく保管されている商品の近くにいるスタッフにピッキング指示が飛ぶようになっています。その商品をピッキングするとSCMラベルが貼られたコンテナに集められ、倉庫内のラインを流れる際にラベルが読み取られ注文ごとにまとめられます。
それをスタッフが検品し、最終的に梱包された商品にさらに出荷用のSCMラベルが貼り付けられます。その出荷用のSCMラベルが出荷最終ラインを通ることでamazon側でも出荷されたと共有され、顧客に出荷完了の連絡をすることができる仕組みになっています。

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SCMラベルの使用方法

基本SCMラベルはほとんどの工程が自動化されており、商品の基本の流れは下記の通りになります。

  1. 小売業者がEDI発注により物流倉庫の在庫をオンライン上で確認
  2. 在庫があれば物流業者でピッキング指示を出し商品を確保する。
  3. ピッキング済みの商品ケースにSCMラベルを貼り箱ごとのオンライン管理ができるようにする。
  4. SCMラベルを読み取り発送先ごとに集められた商品の内容物を検品する。
  5. 検品後、単品のものは今までのSCMラベルで、また混載で出荷される場合は梱包ごとの出荷用SCMラベルを新たに貼り出荷される。
  6. 出荷されSCMラベルのバーコードがスキャンされた時点で発送先の顧客や小売店に発送されたという連絡、また荷物番号などが共有される。
  7. 受け取り先が小売店の場合は受け取り後SCMラベルを読み取ることで納品したという情報を相手先に共有することができ、オンライン上で納品検品も行うことができる。

おわりに

PDラベルは荷物を判別するために貼られるラベルそのものを指し、SCMラベルは内容物や発送先などオンラインで企業間取引をするための情報を読み取ることができるPDラベルの事を指します。
大企業だけでなく中小の物流企業でも検品や発送のペーパーレス化が進んでいる昨今、PDラベルやSCMラベルを使用して人件費の削減や業務負担の軽減、また検品精度の向上に取り組んでいます。

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タグ : EC物流初心者向け 在庫管理 発送・梱包 業務効率化 EC物流用語
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角田和樹
上場企業の物流関連サービスで15年間、営業やマーケティング、物流企画など様々なポジションを経験。通販エキスパート検定1級・2級を保有。 現在は物流代行サービス「ウルロジ」のマーケティング全体設計を担う。自社でEC事業やクラウドファンディングも実施しており、ECノウハウに対しても深い知見を持ち、物流だけでなくEC事業者の両面から情報発信を行う。