【具体的な計算例付き】在庫回転期間と在庫回転率をわかりやすく解説!
2024.02.28物流・フルフィルメント皆さんは「在庫回転期間」と「在庫回転率」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
EC運営で注文が入った際に「在庫切れ」が起きていると販売機会の損失に繋がり、かといって過剰在庫だと損失リスクが高まります。
そこで今回は、適正な在庫を確保する際に有効な指標となる「在庫回転期間」と「在庫回転率」の違いや計算方法について簡単な計算例を使ってわかりやすくご紹介していきます。
今後のEC運営のお役に立てば幸いです。
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目次
在庫回転期間と在庫回転率とは
まず、「在庫回転期間」と「在庫回転率」とはどういう数値なのでしょうか。それぞれご説明していきたいと思います。
在庫回転期間とは?
「在庫回転期間」とは、商品が入ってきてから出ていくまでにかかる期間のことを指します。
在庫回転期間が長い = 商品が入ってきてから出ていくまでのスピードが遅い
また会計的には、在庫になっている商品を金額に直して「棚卸資産」と呼びます。そして、売上高に対する棚卸資産の割合を、「棚卸資産回転期間」と呼ぶこともあります。
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在庫回転率とは?
「在庫回転率」とは、一定期間内に在庫がはける回数を表し、在庫が何回入れ替わっているかをチェックするための指標です。
在庫回転率が低い = 在庫として倉庫に長く滞留している
また会計的には、原価に対する前述した「棚卸資産」の割合を「棚卸資産回転率」と呼ぶこともあります。
在庫回転期間の計算方法
さて、では在庫回転期間はどのように計算するのでしょう。
在庫回転期間は以下の式で求めることが出来ます。
「売上原価」とは、仕入値のことです。
例えば、100円のペンをメーカーから買って、消費者に200円で売ったとします。
このとき、下記のようになります。
200円 = 売上高
そして「棚卸資産」とは、在庫になっている商品の価値を金額に変えたものです。
「在庫回転期間」はこれらの項目を使って計算していきます。これだけでは、分かりづらいと思うので、具体例を見ていきましょう。
現在文房具屋で持っている在庫は100円で仕入れたペン1本だけだったとします。そして、1年で売れたペンの売上原価は1,200円だったとします。
すると、在庫回転期間は、下記になります。
つまり、1つの商品が売れるのに0.08年 = 約1か月かかると分かるのです。
計算する際の注意点
これらを計算する際は、「売上高」ではなく「売上原価」を使った方がより正確な数字を求めることが出来ます。これは、棚卸資産が原価のため、分母や分子に来る項目も原価で合わせた方がより正確になるためです。
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在庫回転率の計算方法
次は在庫回転率です。
在庫回転率は、以下の式で求めることが出来ます。
各項目を順にみていきましょう。
ある文房具屋で、100円でペンを仕入れて、200円で売ったとしましょう。ペンは仕入て1か月後に1本売れていきました。売れた直後に1本追加で仕入れたら、また1か月で売れました。これと同じペースで1年販売したとします。
すると、1年の売上は下記になります。
売上原価で見ると下記になります。
そして、1年を平均して在庫になっているペンは1本です。つまり、棚卸資産は100円です。
すると、在庫回転率はいかになります。
この数字を見れば、1年間でペンは12回転したんだな。とすぐに判断することが出来るのです。
また、本来であれば金額で求める「在庫回転期間」や「在庫回転率」ですが、例えば物流現場などではピンとこなかったり、算出が難しいかもしれません。
そういうときは、在庫数を用いて計算することも出来ます。
例えば、年間を通じて平均200個/月、商品が出庫していくとします。そして、定期的に商品を仕入れていますが毎月月末に在庫数を調べると、約100個残っているとします。
すると、在庫回転率は2と算出することが出来ます。
このように、使用する場面に応じて計算方法を変えることも重要です。
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在庫回転率と在庫回転期間を把握するメリット
「在庫回転期間」と「在庫回転率」について分かったところで、これらを把握しておくとどのようなメリットがあるのでしょうか?
前述の通り「在庫回転率」は一定期間で何回在庫が入れ替わったのか把握することが出来ます。在庫がはける回数が多いほど、商品が売上に変わりやすいということになります。逆に在庫回転率が低ければ、なかなか仕入れた商品が売り上げに変わらず、キャッシュフローが厳しくなります。
このように「在庫回転率」は、経営の観点でキャッシュフローを良くするための指標としてもよく用いられます。
また、「在庫回転率」は、生産部門でも活用することが出来ます。在庫回転率が高ければ高いほど、商品が倉庫に滞留する時間が短くなります。
例えば、在庫回転率 = 1,200円(年間売上原価) ÷ 100円(月平均棚卸資産) = 12
の場合、一年を単位として計算すると、1年で12回商品が入れ替わることになります。
つまり、1カ月で商品がはけていきます。そうしたときに、商品を在庫としてもっておかずとも、受注後に生産しても間に合うことになります。
次に、「在庫回転期間」を見ることで、何日分・何か月分の在庫を抱えているかを把握することが出来ます。
これは在庫をすべて消費するまでにかかる期間でもあります。
つまり、在庫回転期間が3カ月であれば、新たに仕入れなくても3か月は販売を続けることが出来るということです。しかし、言い換えると3か月経たないとすべてが売り上げに変わらないということになります。
例えば商品A・Bを同じ個数在庫として保有した場合に
商品Aの在庫回転期間が1か月、
商品Bの在庫回転期間が3か月だとすると、
商品Aは商品Bの3倍売れているということになります。
このように、在庫回転期間を商品別にみることで、売れ筋の商品や死に筋(売れない)の商品を見極めることが可能になるのです。
ここまで、在庫回転率と在庫回転期間について解説してきました。
いかに、保有在庫を適正化させることがEC運営で重要かご理解いただけたかと思います。
適正な在庫管理をしていくためには、入荷時の検品管理、毎月の棚卸作業、返品交換管理といった、販売商品の実数値を正しく管理する業務が重要になってきます。
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在庫管理の負担を減らす『物流代行サービス』をご紹介
物流代行とは、EC運営における物流業務全般を委託できるサービスで商品保管・在庫管理業務も代行できます。
在庫確認がオンラインで完結する倉庫管理システムWMSとは
物流代行サービスでは倉庫管理システムWMSを導入している企業もあります。
WMSではカートやモールとシステムで連携することで日々の出荷の自動化や在庫管理をオンラインで行うことができます。いちいち倉庫側に確認を取る手間も省けるため、どれだけ商品を保有していくかの戦略も、売り上げ状況に応じて臨機応変に検討しやすくなります。
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おわりに
「在庫回転率」と「在庫回転期間」は企業のキャッシュフローや生産を管理するうえで、非常に重要な数字です。
これらをしっかりと把握することで、無駄な在庫をかかえないなどの改善をすることが可能になります。
計算式を理解して、EC運営の経営や現場の改善に活用していきましょう。
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