発送代行サービスの需要が急増中!その背景と利用率を解説

2024.04.22物流・フルフィルメント
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発送代行サービスの需要が急増中!その背景と利用率を解説

発送代行サービスの需要は拡大を続けています。

ここでは、発送代行サービスの需要が拡大している理由、利用率、そしてその利用によってEC事業者が得られるメリットなどを解説しています。現在の市場環境を正確に把握したい方は参考にしてください。

EC事業者のニーズに応える発送代行サービスを見てみる

発送代行サービスの需要が増加している背景

発送代行サービスの需要が増加している背景

発送代行サービスの需要は拡大傾向です。同サービスを運営する弊社へのお問合せも増えています。多くのEC事業者から注目を集めているといえるでしょう。ここでは、需要拡大の背景を解説します。

発送代行サービスとは、受注処理、梱包作業、配送手配、在庫管理など、発送に関わる一連の業務を物流の専門家が代行するサービスです。詳細を理解したい方は、以下の記事を参考にしてください。

>>発送代行とは?委託できる業務や費用対効果、業者の見極め方等徹底解説!

EC事業者のニーズに応える発送代行サービスを見てみる

EC市場規模が拡大傾向にあるため

需要高まりの要因としてあげられるのがEC市場規模の拡大です。経済産業省が発表している「令和4年度電子商取引に関する市場調査」によると、2022年における物販系分野のBtoC-ECの市場規模は13兆9,997億円で、2021年から5.37%増加しています。市場規模の推移は次のとおりです。

経済産業省 商務情報政策局 情報経済課「令和4年度 電子商取引に関する市場調査報告書」

出典:経済産業省 商務情報政策局 情報経済課「令和4年度 電子商取引に関する市場調査報告書」

新型コロナウイルス感染症の流行にともなう巣ごもり需要で、ECの市場規模は2020年に大きく伸びました。実際にECを利用する機会が増えた方は多いのではないでしょうか。その後も、市場規模の拡大は続いています。クラウドファンディングやD2C(製造者が消費者と直接取引)の浸透で、ECの参入障壁が低くなっている点も見逃せません。今後もECの市場規模は拡大すると予想されています。

EC運営の課題は、売上の増加とともに発送業務の負担が重くなることです。自社だけで対応しようとすると、サービス品質の低下を招くことや事業を拡大させるためのコア業務に時間を割けなくなることが考えられます。これらの対策として、物流業務の工数と費用の削減が叶う発送代行サービスを利用しています。

消費者の求めるサービスに対応するため

消費者のニーズに対応するため、発送代行サービスが注目を集めている面もあります。「オンラインショッピングに関する調査」によると、消費者がオンラインショッピングで重視しているポイントは次のとおりです。

PRTIMES「【オンラインショッピングに関する調査】」

出典:PRTIMES「【オンラインショッピングに関する調査】」

商品に関連する要素以外では、配送料と配送速度が最も重視されています。競合他社に顧客を奪われないため、EC事業者の多くは配送サービスの品質向上に努めています。ただし、自社だけで配送コストを抑えたり、配送期間を短縮したりできる事業者は多くありません。解決策として利用されているのが、物流のプロに発送業務を委託できる発送代行サービスです。

物流業界に変化の時期が訪れているため

物流業界に押し寄せている変化の波も、需要拡大の要因としてあげられます。宅配便・メール便取扱個数が増加している一方で、2024年4月からドライバーの時間外労働時間に上限が設けられました。

この影響で、ドライバー不足、輸送能力不足が懸念されています(=物流2024年問題)。EC事業者は、システム導入による効率化や物流そのものの見直しなどを求められています。発送代行サービスは、これらの対策としても利用されています。

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発送代行サービスの利用率

発送代行サービスの利用率

発送代行サービスは、以上の理由などでEC事業者から注目を集めています。実際の利用率はどれくらいなのでしょうか。利用率を示す資料として、ECサイト運営者329人を対象に行われた「『EC事業者の受注・出荷業務』に関する実態調査」を見てみましょう。同調査の結果は次のとおりです。

PRTIMES「『EC事業者の受注・出荷業務』に関する実態調査」

出典:PRTIMES「『EC事業者の受注・出荷業務』に関する実態調査」

全体の約4割が発送代行サービスを利用しています。「検討のみしたことがある」を加えると6割を超えます。EC事業者にとって、発送代行サービスは一般的なサービスになりつつあるといえるでしょう。EC市場の拡大、ECへ参入する事業者の増加に伴い、利用率はさらに高まると考えられます。

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発送代行を利用するメリット

発送代行を利用するメリット

発送代行サービスが支持されている理由は、EC事業者が抱えているさまざまな課題を解決できるためです。主なメリットとして以下の点があるでしょう。

【メリット】

  • 発送に関わる全ての業務を委託できるためコア業務に集中できる
  • アウトソーシングにより人件費を削減できる
  • 発送代行業者が運送代行業者と契約するため配送コストを抑えやすい
  • 業務フローの改善などによりお届けまでの期間を短縮できる
  • 誤配送、商品破損、配送遅延などのトラブルを減らせる

直接的なメリットは、コア業務に集中しやすくなることと発送に関わる人件費を削減できることです。生産性の向上や利益の拡大を期待できるでしょう。サービス品質を高められる点も見逃せません。

迅速なお届け、丁寧な梱包は、顧客がポジティブな口コミを書き込む理由になりえます。口コミ・レビューは、約半数の顧客がECで買い物をするときに重視しているポイントです。間接的に、売上増加に貢献する可能性があります。発送代行サービスの利用は、EC事業者にとってメリットの多い取り組みといえるでしょう。

口コミ・レビューの重要性は、以下の記事で詳しく解説しています。こちらも参考にしてください。

>>EC利用者の口コミ・レビューによる購買動向の変化の調査結果をご紹介

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需要増加に伴うEC物流の新トレンド

需要増加に伴うEC物流の新トレンド

EC物流の新トレンドも、発送代行サービスの需要拡大に影響しています。ここからは、EC物流の最新トレンドを紹介します。

越境EC

越境ECは、国境を超えて行う電子商取引です。具体的には、ECで海外向けに商品を販売するなどが該当します。日本の製品は、一般的に高品質と評価されているため、海外でも人気です。多少の手間がかかっても取り寄せたいと考える海外在住の消費者は少なくありません。近年は、アニメ・漫画関連グッズの需要が増加しています。

ちなみに「令和4年度電子商取引に関する市場調査報告書」によると、日本の越境BtoC-ECの市場規模は、対アメリカが1兆3,056億円、対中国が2兆2,569億円です。市場規模が非常に大きいため、参入するEC事業者は今後も増え続けるでしょう。国内向けより手間がかかるため、発送代行サービスの需要は拡大すると予想されます。

出典:経済産業省 商務情報政策局 情報経済課「令和4年度 電子商取引に関する市場調査報告書」

オムニチャネルへの対応

オムニチャネルは、顧客が実店舗、EC、カタログ、アプリ、SNS、メール、DMなどの違いを意識せず、商品を購入したりサービスを利用したりできる状態です。あらゆるチャンネル(顧客との接点)で一貫した顧客体験を提供する販売戦略といえるでしょう。ショールーミング(実店舗で商品を確かめてECで購入)、ウェブルーミング(オンライン上で商品を比較検討して実店舗で購入)対策などとして導入が進んでいます。

また、複数のプラットフォームでECを展開する事業者も少なくありません。オムニチャネルでは、異なるチャンネルの注文を管理して発送する能力が求められます。浸透により発送代行サービスを利用する事業者が多くなるでしょう。

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EC事業者の需要を受けて発送代行サービスの需要は今後も拡大する

EC事業者の需要を受けて発送代行サービスの需要は今後も拡大する

EC市場の規模拡大や物流の2024年問題などを受けて、発送代行サービスの需要が高まっています。発送代行サービスの主なメリットは、EC事業者がコア業務に集中しやすくなることとサービス品質を高められることです。いずれも、自社ECの売上アップにつながる可能性があります。必要性が高いうえ、EC事業者にとってのメリットも大きいため、発送代行サービスの需要は拡大を続けるでしょう。

発送代行サービスに興味がある方は、スタートアップから拡張期まで柔軟に対応できるウルロジへご相談ください。以下のページから、ウルロジのサービス概要を3分で理解できる資料をダウンロードしていただけます。

タグ : 発送代行 ニーズ 発送代行 需要
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角田和樹
上場企業であるディーエムソリューションズ株式会社の物流関連サービスで15年間、営業やマーケティング、物流企画など様々なポジションを経験。 現在は物流・発送代行サービス「ウルロジ 」のマーケティング全体設計を担う。通販エキスパート検定1級・2級を保有し、実際に食品消費財のEC事業も運用。ECノウハウに対しても深い知見を持ち、物流事業者としてだけでなく、EC事業者の両面からSNSウェビナー等での情報発信を行う。