ECで同梱物を活用するポイント!消費者調査でわかった次も買いたくなる同梱物ランキングも紹介

2024.04.22物流・フルフィルメント
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独自調査をもとにECで同梱物が重視される理由とおすすめの同梱物を紹介

EC事業者の多くは、さまざまな目的で同梱物を活用しています。中でも重要な目的といえるのが顧客との関係強化です。ただし、活用方法を誤ると逆効果になってしまいます。ポイントを押さえたうえで施策を実施することが重要です。

ここでは、ウルロジが実施した消費者実態調査などをもとに、同梱物を利用するメリット、おすすめの同梱物、同梱物を利用するときに注意したい点などを解説しています。活用を検討している方は、参考にしてください。

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ECにおける同梱物の役割

ECにおける同梱物の役割

ECの同梱物には、さまざまな役割があります。主な役割は次のとおりです。

LTV向上

同梱物の活用によりLTVの向上を期待できます。LTVは「Life Time Value」の頭文字をとった略語です。日本語で、顧客生涯価値と訳されます。つまり、1人の顧客が自社と取引を開始してから終了するまでの間にもたらす価値を表します。新規顧客の開拓が難しいECは、既存顧客のLTVを高めてリピート購入につなげることが大切です。

同梱物は、開封時に目に触れる可能性が高いため消費者へアプローチしやすい手法といえます。同梱物でコミュニケーションを図り、顧客を自社のファンへ育てることがポイントです。また、同梱物で顧客の購買意欲を刺激することもできます。たとえば、チラシで定期購入に誘導してLTVを高めるなどが考えられます。

顧客からの情報収集

同梱物は、顧客からの情報収集にも活用できます。たとえば、店舗や商品に関するアンケート用紙を同梱するなどの方法が考えられるでしょう。この目的で同梱物を活用すれば、ECを運営しているだけではわからない貴重な情報を集められます。

具体例として、店舗の満足度、商品・サービスの改善点などがあげられます。顧客のニーズを正確に把握できれば、よりよい店舗運営、よりよい商品開発を行えます。結果的に、顧客満足度の向上につながるでしょう。

ただし、アンケートなどの回収率には注意が必要です。顧客にメリットがないと、回収率は低くなる傾向があります。反応が悪い場合は、回答者に割引クーポンをプレゼントするなどの対策が必要です。

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ECにおける同梱物のメリット

ECにおける同梱物のメリット

ウルロジは、EC・通販で月に1回以上買い物をする20~60代の男女500名を対象に「同梱物に対する消費者実態調査」を実施しました。

同梱物に対する消費者実態調査

同調査で明らかになったメリットとしてあげられるのが企業・商品に対するイメージの変化です。今までで同梱物を受け取ったことがあるユーザーに対して、「同梱物を通じて企業や商品へのイメージが変わった経験はありますか?」に対して、62.6%がポジティブな気持ちに変わった(ポジティブなイメージに変わった:25.3%、どちらかというとポジティブなイメージに変わった:37.3%)と回答しています。

お届けした商品とのシナジー効果で、企業イメージやブランドイメージの向上を狙えることがわかります。あるいは、商品に対する理解を深めて、低評価やクレームを防ぐこともできるでしょう。

EC事業者目線で考えると、コストがかかりにくい点も同梱物のメリットとしてあげられます。商品と同梱するため、別々に発送するよりコストを抑えられます。顧客の目に触れやすい点もポイントです。消費者は、ECの同梱物に対してどのような意見をもっているのでしょうか。同調査の結果をさらに詳しく見ていきましょう。

同梱物に関する消費者意識調査を詳しく見てみる

調査でわかった、次も買いたくなる同梱物ランキング

調査でわかった、次も買いたくなる同梱物ランキング

「同梱物に対する消費者実態調査」では、「『次も買いたい』というポジティブな気持ちになる同梱物を教えてください。」という質問も行いました。主な結果は以下のとおりです。

  • 1位:割引クーポン(56.8%)
  • 2位:挨拶状・お礼の手紙(43.6%)
  • 3位:新商品・関連商品のサンプル(36.6%)
  • 4位:商品・サービスの使い方に関する解説書(25.4%)
  • 5位:チラシ・パンフレット(15.2%)

上位3位の同梱物について解説します。

1位:割引クーポン

同質問で最も多くの支持を集めたのが「割引クーポン」です。半数以上の方が支持しています。消費者に直接的なメリットがあるため、納得の結果だといえます。ただし、漫然と配付すると、使われないまま終わるケースが少なくありません。消費期限の設定などにより、短期間でのリピート購入を促すことが重要です。

また、EC事業者の視点で考えると、コストがかかります。この点は、2位の挨拶状・お礼の手紙と大きく異なる点です。

2位:挨拶状・お礼の手紙

挨拶状・お礼の手紙は、多くの消費者から支持を集めている同梱物です。今回の調査では43.6%がポジティブな気持ちになり、次も買いたくなると回答しています。一般的には、新規顧客との信頼関係構築のための初回購入時に同梱されます。手書きの挨拶状などを添えると、親しみやすさを演出できるためです。事業者目線で考えると、コストをかけず行える点が魅力といえるでしょう。

ただし、手軽なため、内容に差が出やすい傾向があります。「手抜き感」が伝わると、逆効果になるため注意が必要です。挨拶状・お礼の手紙のポイントは、同梱することそのものではなく、「何を伝えるか」にあります。感謝の気持ちなどを伝えられれば、自社ECの存在を消費者の心に残せます。

3位:新商品・関連商品のサンプル

新商品・関連商品のサンプルも、同梱物を体験したことがある方から支持されています。今回の調査では、36.6%の方が支持しています。思いがけない「プレゼント」で、顧客満足度を高められる点が魅力です。

ただし、どの同梱物でも良いわけではありません。購入者にとって不要なものは、受け入れてもらえないことがあります。顧客情報などをもとに、興味をかき立てられるものを選定することがポイントです。

また、割引クーポンと同じく、一定のコストがかかる点にも気をつける必要があります。とはいえ、既存顧客のロイヤリティ化には有効な施策です。あえて、ハイグレードな商品のサンプルを同梱して購入を促す戦略も考えられます。

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調査でわかった、顧客離反につながる同梱物ランキング

調査でわかった、顧客離反につながる同梱物ランキング

同梱物により消費者がネガティブな気持ちになることもあります。「同梱物に対する消費者実態調査」で「『買いたくなくなった』というネガティブな気持ちになる同梱物を教えてください。」と質問したところ、以下の同梱物が上位にランクインしました。

  • 1位:アンケート(25.2%)
  • 2位:チラシ・パンフレット(18.8%)
  • 3位:お客様の声や口コミのピックアップ(17.8%)
  • 4位:ブランドブック(10.2%)
  • 5位:割引クーポン(9.2%)

上位3つの同梱物とその活用にあたり注意したい点を解説します。

1位:アンケート

同質問で1位にランクインしたのがアンケートです。全体の25.2%がネガティブな気持ちになると回答しています。「商品の評価を知りたい」「顧客の想いを汲み取りたい」など、探求心の強いEC事業者が実施している傾向があります。

一見するとポジティブな取り組みに思えますが、単にアンケートへの解答をお願いするだけだと消費者にメリットはありません。経験をもとに考えると、この視点を欠いているEC事業者が多いように感じます。アンケートを実施する場合は、回答者にクーポンをプレゼントするなど、顧客にとってのメリットが必要です。

2位:チラシ・パンフレット

アンケートに次いで2位にランクインしたのがチラシ・パンフレットです。今回の調査では、全体の18.8%がネガティブな気持ちになると回答しています。「お得な情報を伝えているのにどうして?」などと感じているEC事業者は多いでしょう。

想定される原因は、顧客が求めている情報を届けられていないことです。必要のないパンフレットなどを送り付けられると、顧客は押し売りのように感じてしまいます。

また、意図せずともEC事業者にだけメリットのある行為になってしまうでしょう。これまでの経験をもとに考えると、すべての顧客に同じチラシなどを同梱しているEC事業者は少なくありません。顧客満足度を高めるため、購入商品と関連性の高いチラシを選ぶなどの対策が必要です。

3位:お客様の声や口コミのピックアップ

お客様の声や口コミのピックアップも、多くの消費者がネガティブな気持ちになる同梱物と回答しています。同梱物を体験したことがある方に占める割合は17.8%です。注目したいポイントとして、サクラレビューを促す同梱物に対し嫌悪感を示す意見が散見されたことがあげられます。

顧客離反や自社ECの悪評につながる恐れがあるため、サクラレビューを促す同梱物は勧められません。顧客の属性を踏まえて、共感できる声をお届けするなどの対策が必要です。

同梱物において注意すべき点

同梱物の強みは、開封率が非常に高いことです。それだけに、施策を誤ると悪影響が強く現れてしまいます。この点を踏まえて、同梱物を慎重に選定する必要があります。基本のポイントは、誰にとってメリットがあるかを考えることです。

たとえば、割引クーポンやサンプルは顧客、アンケートやチラシはEC事業者のメリットが大きいといえるでしょう。EC事業者の都合を優先すると逆効果になる恐れがあります。顧客の興味・関心に配慮することも大切です。興味のない商品のサンプルは、顧客のメリットになりえません。また、同梱物の量も注意したいポイントです。魅力的な同梱物であっても、量が多すぎると処分に手間がかかるため、顧客をうんざりさせてしまいます。

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調査でわかった、事業者人気の高い同梱物とは?

調査でわかった、事業者人気の高い同梱物とは?

「同梱物に対する消費者実態調査」で、事業者に人気が高い同梱物も明らかになっています。設問「同梱物を経験したことのある方へ質問です。これまでに体験したことのある同梱物を教えてください。」の結果は次のとおりです。

  • 1位:挨拶状・お礼の手紙(77.5%)
  • 2位:チラシ・パンフレット(62.2%)
  • 3位:商品・サービスの使い方に関する解説書(49.8%)
  • 4位:新商品・関連商品のサンプル(47.8%)
  • 5位:割引クーポン(46.8%)

7割以上の方が、挨拶状・お礼の手紙と回答しています。コストをかけず取り組める点が、事業者から支持されている理由といえるでしょう。挨拶状・お礼の手紙は「『次も買いたい』というポジティブな気持ちになる同梱物」で割引クーポンに次ぐ2位にランクインしています。挨拶状・お礼の手紙は、コストをかけずに顧客満足度を高められる同梱物と考えられます。

ただし、適切に活用できないEC事業者が少なくありません。コストをかけず手軽に行えるため、内容をよく考えずに同梱しているEC事業者が多いのです。前述の通り、同梱物は開封率が非常に高いため、ポジティブな影響だけでなくネガティブな影響も強く現れます。挨拶状・お礼の手紙を同梱する場合は、記載する内容までよく考える必要があります。顧客目線、顧客のメリットを意識して「どうすれば自社ECをもう一度利用したくなるか」を考えることが大切です。

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ウルロジでは同梱物のカスタマイズが可能

ウルロジでは同梱物のカスタマイズが可能

同梱物は、ECにとって効果的なマーケティング手法です。誰にとってメリットがあるか、顧客にどのような影響を与えるかを考えて実施することが大切です。ただし、導入すると発送業務の負担は大きくなります。自社だけで対応できない場合は、発送代行を活用するとよいでしょう。発送代行は、商品の発送業務を丸ごと委託できるサービスです。作業の効率化に加え、コストの削減も狙えます。

発送代行をお探しの方は、ウルロジへご相談ください。ウルロジは、丁寧な梱包でEC事業者に貢献するCS(カスタマーサクセス)物流です。同梱物のカスタマイズにも柔軟に対応しています。

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同梱物にこだわってECと顧客の関係を強化しましょう

同梱物にこだわってECと顧客の関係を強化しましょう

競争が激しいEC業界で生き残るため、既存顧客が抱く自社ECに対する愛着を強め、LTV(顧客生涯価値)を高めることが大切です。LTVはECの同梱物で高められる可能性があります。ECヘビーユーザーを対象にした同梱物に対する消費者実態調査で、6割以上がポジティブな気持ちになったと回答しているためです。ただし、同梱物の選択には注意する必要があります。同梱物の目的と顧客にとってのメリットをよく考えることが大切です。

ECの同梱物でお困りの場合は、丁寧な梱包でEC事業者を支援しているウルロジにご相談ください。本記事で紹介した同梱物に対する消費者実態調査は、以下のページでダウンロードできます。

タグ : 同梱物 同梱物 EC
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角田和樹
上場企業であるディーエムソリューションズ株式会社の物流関連サービスで15年間、営業やマーケティング、物流企画など様々なポジションを経験。 現在は物流・発送代行サービス「ウルロジ 」のマーケティング全体設計を担う。通販エキスパート検定1級・2級を保有し、実際に食品消費財のEC事業も運用。ECノウハウに対しても深い知見を持ち、物流事業者としてだけでなく、EC事業者の両面からSNSウェビナー等での情報発信を行う。