EC事業者必見!物流波動の基本と効果的な対応戦略
2024.05.08物流・フルフィルメント
ECを運営するにあたり理解しておきたいのが物流波動と出荷波動です。ECの売上や顧客満足度に大きな影響を与える恐れがあるため、概要を理解して、できる対策を講じておくことが大切です。ここでは、物流波動の概要と要因を解説するとともに、EC業界で働く筆者の経験に基づき、物流波動がECに与える主な影響とその対処法を紹介していきます。ECの運営を安定させたい方などは確認しておきましょう。
目次
EC事業者は知っておきたい!物流波動(出荷波動)とは
さまざまなECを支援してきた筆者の経験では、物流波動、出荷波動で機会損失をしている事業者様は多いといえます。物流波動、出荷波動は、物流量、出荷量の増減を意味します。起こる現象はほとんど同じですが、両者は発生原因が異なります。
出荷波動の主な原因は、原材料不足などによる生産の遅れ、社会情勢による需要の増減です。これらの要因が組み合わさることで、出荷波動が発生することがあります。代表例としてあげられるのが、新型コロナウイルス感染症の流行に伴うマスク需要の拡大と在庫の枯渇です。流行初期は、長期間にわたりマスクが店頭から姿を消しました。小売業や製造業など、影響を受けた事業者様は少なくないはずです。
一方、物流波動はどのような原因で引き起こされるのでしょうか。この点については、次の見出しで詳しく解説いたします。
押さえておこう!物流波動の種類と要因
ECにおける物流波動の主な種類、要因は次のとおりです。
季節性の波動
EC事業者様が想定しやすい物流波動として季節性の波動があります。季節性の波動は、季節の影響で生じる物流量の増減です。身近な例を紹介します。
【季節性の波動の例】
- 夏はTシャツの出荷量が増加する
- 冬はセーターの出荷量が増加する
- 正月は餅の出荷量が増加する
- クリスマスはケーキの出荷量が増加する
季節のイベントに伴う物流量の増減も、季節性の波動に含まれる点がポイントです。また「雨が降ると傘が売れる」など、短期的な物流量の増減も季節性の波動に含まれます。さまざまな要因が考えられるといえるでしょう。季節性の波動の特徴は、過去のデータから予測しやすいことです。意識をしていれば、事前に対策を立てられるケースが少なくありません。
トレンド効果やバズによる波動
近年、特に増えているのが、SNSが引き起こす波動です。具体的には、SNSで特定の商品が拡散して、需要が一時的に急増することが考えられます。ほとんど売れていなかった商品が、爆発的に売れることもあるため注意が必要です。
ただし、自社アカウント以外から情報が拡散した場合は対応が難しいといえるでしょう。前触れもなく、物流量が大きく変化するためです。準備が整わないまま、対応を迫られるケースが多くなります。出荷遅延などを招き顧客の信頼を失ったり、ECの成長につながるチャンスを逃してしまったりする恐れがあります。
自社の施策(イベント・キャンペーン)に伴う波動
自社のイベントやキャンペーンで物流波動が生じることもあります。具体的には、新商品の販促イベント、周年記念の割引キャンペーンなどが考えられるでしょう。物流量に大きな変化をもたらすこともありますが、自社で施策を実施するため予測はたてやすい傾向があります。過去のデータなどを活用して、事前に対策を立てておくことが大切です。
とはいえ、物流量の変化を正確に予測することは困難といえます。たとえば、イベントやキャンペーンがSNSなどで拡散して、想定以上の波動が生じることも考えられます。自社のイベントであっても不確定な要素を含むことを理解して、柔軟に対応できる体制を構築しておくことが重要です。
ウルロジは億越えの設備投資を行っているため、想定を超える大きな波動にも余裕をもって対応できます。過去には、日々の出荷件数1,000件から出荷件数40,000件(40倍)に急増した出荷波動に対応した実績があります。波動に強い発送代行をお探しの方は、以下のページからウルロジのサービス資料をご確認ください。
EC事業はどうなる?物流波動による影響
物流波動が生じると、EC事業者様はどのような影響を受けるのでしょうか。詳細に解説していきます。
顧客満足度の低下
出荷量が大幅に増加すると、既存の物流スタッフだけでは処理しきれない恐れがあります。出荷が遅れると顧客満足度の低下を招くでしょう。注文のキャンセル、クレームの増加、ネガティブな口コミの投稿も考えられます。これらを避けるため、出荷遅延は防がなくてはなりません。
この場合、多くの事業者様が行う対策として、別部署からの応援があります。人員増加の観点では一見すると効果的ですが、コア業務に集中できなくなるため、筆者の経験としてはおすすめできません。長期的にみると、ECの成長を鈍化させてしまう恐れがあります。
チャンスロスト
想定以上の物流波動により、大規模なチャンスロスが生じることもあります。典型例としてあげられるのがECのサーバーダウンです。サーバーがダウンするとアクセスできなくなるため、復旧するまで売上を立てられません。サーバーダウンは、SNSで特定の商品が拡散したときなどに発生しやすくなります。つまり、大きなチャンスが訪れたときに起こる傾向があるのです。また、ECへアクセスできないと、興味をもって訪れたユーザーの期待も裏切ってしまいます。EC事業に与える影響は非常に大きいといえるでしょう。
一時的なアクセス集中によるサーバーダウンは、原則としてアクセス数が減少すると復旧します。とはいえ、この間に大規模なチャンスロスが生じるため、サーバーのスペックを上げるなどの対策を講じておくことが大切です。
物流波動への対策とは?業界別で解説!
物流波動は、どのように対処すればよいのでしょうか。ここでは特に物流波動の影響が大きい業界をピックアップし、それぞれ検討したい対策を紹介します。
アパレル業界の対策
アパレル業界の特徴は、季節やトレンドによる波動(需要の変動)が大きいことです。たとえば、2022年秋冬にトレンドカラーだったメタリックは2023年秋冬のトレンドカラーから外れました。トレンドの移り変わりで、昨シーズンによく売れたアイテムが売れなくなることも考えられます。需要の変動が大きいため、同じ規模の保管スペースを常に確保する必要性は低いでしょう。
おすすめの対策としてあげられるのが、商品入庫、在庫保管・管理、受注処理、梱包作業、発送手配などをまとめて委託できる発送代行です。物流波動へ柔軟に対応できる体制を構築できます。実際に、物流代行を活用してこれらの課題に対処しているECは少なくありません。弊社でも、多くのEC事業者様を支援しています。
食品業界の対策
食品業界の特徴は、需要がなくならないことと商品の入れ替わりが早いことです。また、興味をもっている方が多いため、テレビやSNSで芸能人が紹介したことをきっかけに、爆発的に売れることもあります。たとえば、2023年に橋本環奈さんが「雲丹めかぶ」をテレビで紹介して、多くの店舗で在庫切れが発生したといわれています。予想外のタイミングで、大きな物流波動が生じやすい点には注意が必要です。
急激な物流量の増加に対応するため活用したいのが発送代行です。ただし、食品を扱う場合は、原則として温度管理や賞味期限管理も必要になります。温度管理に対応している事業者は機械化があまり進んでいません。したがって、一定の人員を要しますが、労働力不足の影響で簡単には確保できないケースが多いといえます。この課題に対処するため、少ない人員で物流波動に対応できる体制を構築している発送代行を選ぶことが大切です。筆者の経験からも、合理的な選択と考えられます。
ウルロジには、コスメ・健康食品・飲料・家電など、さまざまな業界の事業者様を支援してきた実績があります。蓄積したノウハウを生かして、幅広い業界の物流業務を支援できます。業界の特徴を踏まえた物流波動への対策を知りたい方は、以下のページからウルロジまでお問い合わせください。
物流波動の対策は発送代行が有効
物流波動の影響で機会損失をしている事業者様は少なくありません。有効な対策としてあげられるのが、商品発送に関わる一連の業務を物流のプロに任せられる発送代行です。状況にあわせて必要なリソースを確保できるため、物流量の増減に柔軟に対処できるようになります。
発送代行に興味がある方は、ウルロジにご相談ください。ウルロジには、自社だけで物流波動に対応できなかった事業者様を支援した実績が豊富にあります。ウルロジのサービスは、以下の資料からご確認いただけます。
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