【EC物流 】閑散期の2つの対策で繁忙期のミスを防止

2024.01.23物流・フルフィルメント
Pocket

閑散期の2つの対策で繁忙期のミスを防止
繁忙期は通常よりも忙しくなりミスが発生することが多くなります。

以下の3つのミスに心当たりのあるECサイト運営者もいらっしゃるのではないでしょうか。

  • 発送遅延
  • 梱包品質の低下
  • 発送ミス

これらを繁忙期に改善するのは非常に困難です。
また、忙しい中で改良を試みるのは、さらに悪化する可能性すらあります。そこで、ミスを抑えて乗り切るために、閑散期を活用して準備をしましょう。
本記事では、閑散期にすべき2つの準備、おすすめ方法を紹介します。ぜひ参考にしてください。

繁忙期とは

インテリア・雑貨ECの動向

繁忙期とは、多くの注文により忙しい時期のことをさします。逆にいつもより注文が少なく、暇な時期を閑散期と呼びます。

EC物流において繁忙期が発生する要因は、以下の3つです。

1.季節・イベント
商品によって売れる時期は、季節・イベントが大きく影響し、短期間に注文が集中することで繁忙期となります。
例えば、クリスマスであれば恋人・子どもへのプレゼント需要が高まり、アクセサリーやおもちゃに注文が集中するでしょう。
また、夏になればレジャー用品・アウトドア用品、冬になれば寒さ対策グッズの需要が高まるといった具合です。取扱商品に影響を与える季節・イベントは、あらかじめ洗い出すと良いでしょう。

2.ECモールなどのセール
ECモールで開催されるセールは、繁忙期の要因となります。
例えば、楽天スーパーセール・Amazonプライムデーなどの大型セールです。楽天が発表した情報によると、2014年の楽天スーパーセールでは総額644億円が流通しました。
大型セールは、短期間での流通額が大きく繁忙期を引き起こす要因といえます。
参考:「楽天スーパーSALE」の流通総額が過去最高の644億円を記録

セールは、ボーナス月など顧客の購買意欲が高い時期に企画されるため、同時期に複数のモールが開催します。複数のセールが重なることも繁忙期の原因です。
繁忙期を予測するためには、セールがいつ開催されるか把握する必要があります。
そこで、おすすめをしたいサービスは、通販通信社が提供している「2022年ECモールセール予測カレンダー」です。
2022年ECモールセール予測カレンダーは、以下よりダウンロードできます。
2022年ECモールセール予測カレンダー|通販通信

3.外部的要因(イレギュラー)
3つ目は外部的要因で、先に紹介した2つと異なりイレギュラーに発生するのが特徴です。
例えば、テレビでの商品紹介や芸能人・インフルエンサーの投稿したSNSがバズることで、商品の知名度・ニーズが急上昇することで発生します。広告媒体・インフルエンサーのような第三者の活動に起因するため、
いつ発生するか予測できません。
しかし、予測が難しくても外部的要因の対策方法は、あらかじめ検討しておくと良いです。

EC物流で繁忙期に起こる問題

ミスやトラブル

EC物流において「繁忙期」は、いつもより多い注文に対応するため、問題の起こりやすい時期です。
繁忙期に起こりやすい3つの問題を紹介します。

発送遅延

1つ目の繁忙期に起こりやすい問題は、発送遅延です。
発送作業・梱包作業は、注文が増えるほど作業量も増えます。繁忙期となると作業量は、対応可能なキャパシティを超えてしまうこともあるでしょう。

キャパシティを超えてしまうと、平常時どおりの手順・品質では、間に合わなくなり発送遅延が発生します。

梱包品質の低下

そこで、「繁忙期でも発送遅延をなくしたい」と考えるかもしれません。
しかし、発送遅延の対応を優先させてしまうと、スタッフの焦り・疲れで梱包品質の低下を招きます。梱包品質の低下は、梱包の見栄えが悪くなるだけではありません。以下のような、梱包ミスを引き起こします。

  • 梱包手順の間違い、緩衝保護材の不足
    商品に適した梱包材を使用しなかったり、緩衝保護材が不足したりすることで配送時に破損する可能性が高まります。
  • ピッキングミス
    商品点数・品番・カラーの間違いなど、ピッキング時ミスのチェックが雑になると間違ったまま顧客のもとへ発送されます。

ピッキングミスの原因と改善方法は以下の記事を参考にしてください。

よくある誤出荷の原因とその改善方法

発送ミス

繁忙期は、以下の3つの発送ミスが起こることも問題です。

  • 発送先を間違える
    発送先を他の顧客の住所に間違えてしまうことです。
    両方の顧客に対して迷惑がかかるため、信頼失墜の原因にもなります。
  • 配達希望時間・指定宅配業者を間違える
    配達希望日・配達希望時間・宅配業者の選択などの配送オプションを、間違えて発送してしまうことです。
    配送オプションの選択肢が多いことは顧客満足度を高めるのに役立ちますが、ミスの原因にもなります。
  • 支払方法を間違える
    例えば、クレジットカード払いの顧客に対して、代金引換で発送してしまうミスです。このミスは、2重請求となるため顧客の信頼を失います。
    逆に、代金引換の顧客に対して発払いで発送すると、代金回収で困ることになりかねません。

問題の業務への影響

繁忙期の問題は、以下の2つの理由で業務に悪影響がでます。

  • クレーム
  • 顧客満足度の低下

これらが業務にどのような悪影響を及ぼすかについて以下より紹介します。

クレーム

発送遅延などの問題は、顧客のクレームに繋がります。
すると、クレーム対応に人手がとられ、さらに人手が足りず発送遅延を引き起こす悪循環となります。

クレームが業務に与える影響はそれだけではありません。場合によってはキャンセル・返品となります。

例えば、クリスマスのイベントグッズなのにクリスマスに間に合わなかった場合を考えてみます。
イベント日を過ぎてしまえば、ほとんどの顧客にとってそのような商品は不要でしょう。

顧客満足度が落ち込み低評価に繋がる

問題によって顧客満足度が低下すると、レビューの低評価に繋がります。
すると、「リピーターの獲得」「新規顧客の獲得」に大きな悪影響を与えるでしょう。
これらは、ECサイトの運営に支障をきたすこともあります。

以下より、レビューの低評価が既存顧客・新規顧客に与える影響を詳しく紹介します。

リピート購入に繋がりにくくなる

顧客満足度が低いと、リピート購入に繋がりにくくなります。

なぜなら、顧客からすれば、あえて問題のあったショップから何度も購入する必要がないためです。
「さらに利用しやすいように改善して欲しい」と期待を込めて書く方もいるでしょうが、多くの方は、次回から別の店舗での購入を検討するでしょう。

リピーターの獲得失敗は、後々の販売機会を失うためECサイト運営にとって大きな損失です。

新規顧客の獲得も難しくなる

低評価を付けられた場合、レビューを記入した顧客の失客だけでは済みません。低評価があると新規顧客の獲得も難しくなります。

なぜなら、新規顧客は、レビューの評価を購入するかどうかの判断材料にするためです。

低評価の影響を挽回する方法は、より多くの高評価を付けてもらうことです。しかし、レビュー数が少ないと1件の低評価でも新規顧客の獲得が難しくなるため、好評価を集めるには相当な苦労が必要でしょう。

閑散期にすべき2つの準備

「閑散期にどのような準備ができるの」と疑問に思う方もいるでしょう。

そこで、閑散期にすべき2つの準備「物流オペレーションの見直し」「システム導入の検討」について紹介します。

物流オペレーションの見直し

物流フローの見直し
閑散期にできる準備は、物流オペレーションを見直すことです。
物流オペレーションを見直すことで、効率的な発送作業に改善できれば、繁忙期でも対応できるキャパシティを増やせるためです。まずは、以下の項目についてチェックしてみましょう。

  • オプションを付けすぎていないか
    配達日時・配達希望時間・宅配業者の選択など配達オプションを付けすぎている場合は、繁忙期に伝票の出し分けに時間がとられる原因です。キャパシティに見合った配送オプションに見直します。
  • 商品サイズの展開が多すぎないか
    商品サイズの展開が多すぎる場合は、ピッキングミスが増える原因となります。売れ筋商品と近い商品サイズ展開に絞ることで、ピッキングしやすくなります。

発送代行の検討のすすめ

物流オペレーションの見直しをしても、思っていたほどの効果が得られないこともあるでしょう。
大きく改善するには、知識や経験だけではなく、専用の機材・資材が必要なためです。

そこで、おすすめの方法は発送代行サービスです。

発送業務をプロである発送代行に委託することで、閑散期・繁忙期のどちらであっても高い品質を維持できます。また、発送業務を委託することで、集客・拡販といった本業に人員を注力できるのもおすすめする理由です。

発送代行サービスのメリット・デメリット、選び方については以下の記事を参考にしてください。

発送代行サービスとは?メリット・デメリットや選び方を解説!

システム導入の検討

システム導入で、物流オペレーションを大幅に効率アップできることがあります。閑散期に、以下の2つのシステム導入を検討してみましょう。

  • 注文管理システム
    注文管理システムを導入するメリットは、複数モールへそれぞれログインして、注文データをダウンロードする手間が省けることです。注文データを一括で確認できるため、処理がしやすく効率アップします。
  • 倉庫管理システム
    倉庫管理システムを導入すると、受注後の作業指示がわかりやすくなります。また、伝票番号をサイトへ一括登録できる機能も効率アップに役立ちます。

おわりに

繁忙期は発送ミスや梱包品質の低下が起こりやすく、問題によって顧客の信頼を失いかねません。問題が発生しないように、閑散期に必要な準備をしましょう。

閑散期にすべき2つの準備は、以下のとおりです。

  • 物流オペレーションの見直し
  • システム導入の検討

しかし、これらの準備には経験や知識が欠かせません。効果的に準備するのは、難しいと感じる方もいるかもしれません。

そのような方におすすめは「ウルロジ」の物流代行サービスです。発送業務をプロが代行しますので、閑散期・繁忙期に関わらず高い品質を顧客に提供できます。
発送業務は「ウルロジ」に任せて、本業の集客や拡販に注力し利益の最大化を目指してください。

ウルロジへのお問い合わせはこちらから

タグ : コスト削減 ECお役立ち情報 EC運用 業務効率化
Pocket

The following two tabs change content below.
角田和樹
上場企業であるディーエムソリューションズ株式会社の物流関連サービスで15年間、営業やマーケティング、物流企画など様々なポジションを経験。 現在は物流・発送代行サービス「ウルロジ 」のマーケティング全体設計を担う。通販エキスパート検定1級・2級を保有し、実際に食品消費財のEC事業も運用。ECノウハウに対しても深い知見を持ち、物流事業者としてだけでなく、EC事業者の両面からnoteウェビナー等での情報発信を行う。