【保存版】物販の発送方法・料金比較・梱包について発送代行のプロが解説

2025.12.25物流・フルフィルメント
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物販ビジネスにおいて、売上の向上と同じくらい重要なのが発送業務の最適化です。

「送料が高くて利益が残らない」
「梱包作業に時間を取られすぎてリサーチができない」

このようなお悩みをお持ちではないでしょうか?
発送と梱包は、EC事業者にとってお客様と直接接点を持つ唯一の機会です。
ここをおろそかにすると、リピーターの獲得は難しくなります。

この記事では、数多くの物販事業者を支援してきた発送代行のプロである「ウルロジ」が、利益を残すための発送方法の選び方、料金比較、そして顧客満足度を上げる梱包テクニックまでを網羅的に解説します。
これさえ読めば発送業務の全てがわかる「保存版」としてご活用ください。

また、出荷業務自体の委託を考えている方は以下から弊社の資料をご覧いただけます。
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利益最大化のための物販発送の基礎

物販ビジネスを始めたばかりの方が最初にぶつかる壁が送料と手間の問題です。しかし、これらは単なるコストではなく、戦略的に捉えることで利益率を大きく改善できる要素でもあります。まずは発送業務における基礎的な考え方を押さえていきましょう。

発送方法の選択と顧客評価への影響

荷物は届けば何でも良いと考えてしまうのは危険です。お客様の手元に商品が届いた瞬間、ショップへの評価は確定します。

配送スピードは特に重要です。大手ECモールの影響もあり、現在では翌日や翌々日の到着が標準的な基準となりつつあります。追跡番号のない発送方法や、到着まで1週間以上かかるような配送手段は、それだけで配送が遅いという低評価に直結しかねません。

重要なのは、商品の単価、サイズ、そしてターゲット層に合わせた最適なバランスを見つけることです。例えば、高単価なブランド品であれば補償の手厚い宅急便を使うべきですし、低単価なスマホケースのような商品なら、コストを抑えられる追跡付きのメール便が最適解となるでしょう。

主要発送業者の特徴と料金体系

日本国内の配送は、主にヤマト運輸、日本郵便、佐川急便の3社がシェアを占めています。それぞれの特徴を正しく理解し、使い分けることがコスト削減の鍵です。

配送業者 主な強み・特徴 ターゲット・得意分野 備考・利便性
ヤマト運輸 スピードと品質配送速度が速く、丁寧な扱いに定評あり。 EC事業者・個人小型(ネコポス)〜大型まで網羅。特に「宅急便コンパクト」等はEC向き。 拠点が圧倒的営業所のほか、セブン-イレブン、ファミマ等で発送可能。
日本郵便 全国一律料金離島や遠隔地でも追加料金がかからない場合が多い。 軽量・小型・書籍クリックポスト、レターパック等が安価。信書も送付可能。 ポスト投函が可能小型荷物はポストから出せるため、窓口に行く手間が省ける。
佐川急便 法人割引(契約)契約による大幅な送料値引きが期待できる。 法人・個人事業主・大量発送大きな荷物や、個数が多い場合にコストメリット大。 開業届があれば契約可個人事業主でも契約の余地あり。※通常料金は高めの設定。

料金もそれぞれ簡潔にまとめております。

配送業者 サービス名 サイズ・重量 料金目安(税込)
ヤマト運輸 宅急便 60サイズ(2kgまで) 1,060円
宅急便コンパクト 専用BOX(20×25×5cm) 送料 650円 + 箱代 70円
クロネコゆうパケット 角2・厚さ3cm・1kg以内 要契約(目安: 200〜300円台)
日本郵便 ゆうパック 60サイズ(25kgまで) 820円
レターパックプラス A4・厚さ無制限・4kg以内 600円(全国一律)
レターパックライト A4・厚さ3cm・4kg以内 430円(全国一律)
クリックポスト A4・厚さ3cm・1kg以内 185円(全国一律)
佐川急便 飛脚宅配便 60サイズ(2kgまで) 970円
飛脚ラージサイズ宅配便 170〜260サイズ・50kgまで 2,800円〜6,620円
(法人契約運賃) 全サイズ 要見積もり(割引適用)

特に小さな荷物に焦点を当てて料金体系を解説した記事はこちらとなっておりますので、本や衣類などの小さな荷物を発送している方はこちらも合わせてお読みください。

小さな荷物を安く送るには?主要サービス比較と最安発送テクニック

サイズ別の最適な発送方法フローチャート

どの発送方法が最も安いのか迷う時間を減らすために、サイズと厚みを基準にした選び方を解説します。

適切な発送方法の選択フローチャート

手順は以下の3ステップです。

  1. 厚さ3cm以内なら → 「小型ポスト投函」(クリックポスト、ネコポスなど)
  2. 3cm超で、専用BOXに入るなら → 「中型専用BOX」(宅急便コンパクトなど)
  3. それ以外(入りきらない)なら → 「大型宅配便」(宅急便、ゆうパック)

「まずは厚さ3cm以内で送れるか」を確認するのが、送料を安く抑える鉄則です。
それぞれのサイズの配送について詳しく解説していきます。

【3cm以内/小型】クリックポスト、ネコポスの比較

厚さ3cm以内のアクセサリー、本、薄手の衣類、スマホ小物などを送る場合、ポスト投函型のサービスを利用するのがコストパフォーマンスにおいて圧倒的に優れています。代表的なサービスであるクリックポストとネコポスについて比較してみましょう。

特徴 クリックポスト(日本郵便) ネコポス(ヤマト運輸)
料金 全国一律 185円 契約・サイトにより変動(約200円〜)
サイズ 34×25×3cm以内 / 1kg以内 ほぼ同等
スピード 普通 速い
補償 なし あり(上限あり)
支払い ネット決済(自宅でラベル印刷) プラットフォーム連携で伝票不要
こんな人におすすめ ・少しでも安く送りたい
・自宅にプリンターがある
・効率とスピードを重視
・メルカリ等を利用

クリックポストは日本郵便が提供するサービスで、料金は全国一律185円です。サイズは34cm×25cm×厚さ3cm以内、重さは1kg以内まで対応しています。

特徴として、自宅のプリンターでラベルを作成し、クレジットカード等のネット決済で支払いを完了できる点が挙げられます。追跡サービスはありますが補償はありません。自宅にプリンターがあり、少しでも安く送りたい方や、Amazon等のFBA納品前の自己発送を行う際によく利用されます。

一方、ヤマト運輸の配送網を利用するネコポスは、契約内容や利用するECサイトによって料金が異なりますが、概ね200円前後から利用可能です。

サイズ制限はクリックポストとほぼ同様ですが、配送スピードが速い点が魅力です。メルカリやYahoo!ショッピングなどのプラットフォームを利用している場合、システム連携によって送り状作成の手間が省けるため、効率を重視する方におすすめです。

【専用BOX/中型】宅急便コンパクトとレターパックプラスの使い分け

厚さが3cmを超えるものの、60サイズの段ボールに入れるほどではない化粧品やサプリメント、厚手の服などを送る際には、専用のサービスを使い分けるのが賢い方法です。

3cm以上の発送手段である二種類

ヤマト運輸の宅急便コンパクト

専用BOX(縦20cm×横25cm×厚さ5cm)を使用します。厚さ5cmまで許容されるため、少し嵩張る商品も収納可能です。
さらに時間指定ができ、3万円までの補償もつくため、高価な化粧品などを送る際に安心です。ただし、送料(650円)とは別に専用BOXを70円で購入する必要がある点には注意しましょう。

日本郵便のレターパックプラス

A4ファイルサイズで全国一律600円(※料金改定に注意)で送れるサービスです。最大の武器は厚さ制限がないことです。封筒の封さえできれば良いため、箱を成形して厚さ10cm近いぬいぐるみやボトルなどを詰め込むといった使い方も可能です。速達並みの速さで届き、対面での手渡し受領となるため、確実性を求める場合にも適しています。

【60サイズ以上/大型】地域別料金と割引の活用法

靴、アウター、家電、まとめ買いセットなどは、通常の宅配便(60〜160サイズ)を利用することになります。ここで意識すべきポイントは距離と持ち込み割引です。

60cm以上の商品を発送する時のコツ

発送地からお届け先までの距離によって料金が変動します。北海道や沖縄など遠方への発送は送料が高額になり利益を圧迫するため、商品価格を設定する際に平均送料を考慮するか、あるいは送料を別途設定するかの判断が求められます。

また、各社が用意している割引制度をフル活用しましょう。営業所やコンビニへ荷物を持ち込むだけで適用される持込割は、1個あたり100円から120円ほど安くなります。

さらに、クロネコメンバーズやゆうパックスマホ割などの会員サービスを利用したり、手書き伝票ではなくスマホ等で送り状を作成するデジタル割を併用したりすることで、数十円から数百円単位でのコストダウンが可能です。

低コストで顧客満足度を高める梱包テクニック

梱包には商品を守る機能と、ブランドイメージを伝える機能の2つの役割があります。必ずしも高い資材を使う必要はありませんが、清潔感と丁寧さは不可欠です。

資材選び(100均 vs ネット仕入れ)の基準

梱包資材の購入先を迷う場合は、月間の発送個数を基準に判断すると良いでしょう。

月間発送数に応じた梱包素材選択

物販を始めたばかりで月間の発送個数が10個から20個程度の初心者のうちは、ダイソーやセリアといった100円ショップの活用がおすすめです。少量多品種の資材が手に入り、OPP袋やクッション封筒、デザイン性の高いテープなども揃います。ただし、1枚あたりの単価は割高になる傾向があります。

事業が軌道に乗り、月間50個以上を発送するようになったら、ダンボールワンなどのネット資材専門店での仕入れに切り替えましょう。100枚単位などでまとめ買いをすることで、単価を劇的に下げることができます。例えばA4クッション封筒の場合、100均なら1枚55円かかるところ、専門店であれば1枚20円から30円程度まで抑えられます。この差額がそのまま利益となるため、早めの切り替えが重要です。

月の出荷数が50-100個程度であれば、事業主自身や、1人2人に手伝ってもらい発送業務を実施することは可能です。ただ、それ以上の数となると発送業務に割く時間が多くなりある程度仕組み化しない限り事業者の時間の切り売りになってしまい効率的ではないことが多いです。

実際、弊社でEC事業者700名に実施したアンケートでも、月の出荷件数が100件前後になった時点で出荷業務の委託を検討される方が多いという結果になっております。
このように、発送件数に応じて、適切なフェーズが異なってきます。

物流代行委託のタイミング

弊社独自のEC運用に対してのアンケート調査はこちらからダウンロードいただけます。
>>EC事業の運営状況に関する実態調査を見てみる

水濡れ・破損防止のための緩衝材とビニールの使い方

配送トラブルの中で最も多いのが水濡れと破損です。これらを防ぐためには基本的な鉄則を守る必要があります。

水漏れと破損を防ぐ梱包方法

まず、商品は必ず最初にOPP袋などの透明ビニールに入れましょう。これは雨対策であると同時に、お客様に新品で清潔な印象を与えるためでもあります。段ボールや紙封筒に商品をそのまま入れてしまうのは避けるべきです。

次に緩衝材の使い方ですが、気泡緩衝材(プチプチ)は一般的に粒がある面を商品側、つまり内側にして巻きます。これは商品に粒の跡がつくのを防ぐためです。

また、箱物は角から潰れやすいため、角を重点的に保護するように巻くか、隙間に更紙などの緩衝材をしっかりと詰めることが大切です。梱包後に軽く振ってみて、中でガサゴソと音がしない状態になれば理想的です。

開封体験を良くする工夫(テープ、サンクスカード)

Amazonのような機械的な梱包と差別化し、リピーターを作るためには、ちょっとしたひと手間が効果的です。

効果的な開封体験について

ガムテープやOPPテープを貼る際、テープの端を少し折り返してつまみを作っておきましょう。
これだけでお客様はカッターを使わずに手でスムーズに開封できるようになります。開封時のストレスを減らす気遣いができる出品者として、強く印象に残るはずです。

また、サンクスカードの同梱も有効です。手書き、あるいは手書き風のフォントで、ご購入ありがとうございますと一言添えるだけで親近感が湧きます。万が一商品に不備があった際も、このカード一枚があることで心象が良くなり、クレームにならずに済むケースも多々あります。

弊社でEC・通販で月に1回以上買い物をする方500名を対象に実施した調査で「「次も買いたい」というポジティブな気持ちになる同梱物を教えてください。」とアンケート調査を実施しました。

1位と3位が顧客にとって直接的なメリットがある機能的価値の高い同梱物であることに対して、2位がお礼の手紙となっています。
情緒的価値の高い同梱物であり、実施するためのハードルが低いため、効果的な方法の一つだといえます。

同梱物に対する消費者の評価

上記以外でも顧客離反につながる同梱物も紹介している弊社独自の調査は以下から無料でダウンロードいただけます。
ECの同梱物に関する消費者実態調査

初めてでも安心できるコンビニ発送や郵便局持ち込みの手順と注意点

梱包が終わっていざ発送という時に慌てないよう、具体的な手順についても確認しておきましょう。

主要コンビニでの端末操作と発送フロー

現在は、スマホでQRコードを表示させ、コンビニの端末にかざすだけで送り状が発行されるシステムが主流となっています。

コンビニ・郵便局での発送方法

ファミリーマートやローソンでは、店内に設置されているFamiポートやLoppiといった端末を操作します。配送サービスのメニューを選択し、スマホのQRコードをかざしてレシートを発券し、それをレジへ持っていきます。セブンイレブンの場合は直接レジに行き、配送をお願いしますと伝えてスマホのバーコードを見せるだけで手続きが可能です。

ここで注意したいのは、コンビニの店員さんは荷物のサイズ計測を行わないという点です。正確なサイズ計測は集荷に来たドライバーが行います。

そのため、自分で計測してギリギリのサイズだった場合、後でサイズオーバーと判定され、想定より高い送料が引かれたり、荷物が返送されたりするリスクがあります。
コンビニ発送の際は、余裕を持ったサイズでの梱包を心がけましょう。

郵便局・営業所持ち込みと集荷依頼の使い分け

発送方法には、自分で持ち込む方法と、自宅まで取りに来てもらう集荷の2パターンがあります。

持ち込みのメリットは、持込割が適用されて送料が安くなることや、その場で係員がサイズ計測をしてくれるため料金が確定して安心できる点です。また、ゆうゆう窓口などの24時間対応の営業所であれば、夜間でも発送作業が可能です。

一方、集荷依頼は重い荷物を運ぶ必要がなく、雨の日などは非常に楽ですが、集荷を待つ時間の拘束が発生することや、持込割が適用されないといったデメリットもあります。物販で利益を最大化するならば、基本的には複数をまとめて持ち込むスタイルが、コストと時間効率の両面で優れていると言えます。

誤配送を防ぐ商品管理と貼り間違い対策

1日に複数の商品を送る場合、最も恐ろしいミスが伝票の貼り間違い、いわゆるテレコ出荷です。Aさんに送るべき商品をBさんに送ってしまうといったミスを防ぐための対策を徹底しましょう。

伝票の貼り間違いを防ぐ方法

梱包して中身が見えなくなったら、すぐに付箋やマスキングテープで商品名や配送先名の一部をメモして外箱に貼る癖をつけてください。そして、コンビニや営業所での発送時には、複数の荷物を一気にレジに出さないことが重要です。1個レジに出して伝票を貼り終えてから次の荷物を出す、という手順を徹底することで、貼り間違いのリスクを最小限に抑えることができます。

事業拡大のための発送業務「外注化」の判断基準

物販ビジネスが軌道に乗ってくると、発送作業に追われて寝る時間がない、家が段ボールだらけで足の踏み場がないという問題に直面します。ここではプロの視点から、発送代行サービスへの外注化を検討すべきタイミングについてお伝えします。

自社発送の限界と機会損失のリスク

一般的に、副業や個人事業主の方であれば、月間の発送件数が50件から100件を超えたあたりが、自社発送の限界ラインと言われています。

毎日1時間から2時間を梱包発送作業に使っていると、月間では30時間から60時間が消えていく計算になります。もしこの時間を、売れる商品のリサーチや魅力的な商品ページ作りに使っていれば、もっと売上を伸ばせたかもしれません。これを機会損失と呼びます。また、在庫と梱包資材で生活スペースが圧迫されると、在庫管理が煩雑になり、誤発送のリスクも高まってしまいます。

発送代行活用によるコスト削減と品質向上

外注するとコストが高くなると考える方も多いですが、実際にはコスト削減に繋がるケースも少なくありません。

発送代行会社は運送会社と大口契約を結んでいるため、個人では実現できない安価な配送料金を利用できます。そのため、代行手数料を含めたとしても、トータルコストが下がる場合があるのです。

さらに、資材選びから梱包までをプロが行うため、破損トラブルが減り顧客満足度が向上します。何より、発送業務を委託することで、あなたは売上を上げるためのコア業務に100%集中できるようになります。これが事業拡大への最短ルートと言えるでしょう。

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最適な発送と梱包で利益と信頼を積み上げる

物販における発送業務は単なる作業ではなく、お客様に価値を届ける最終バトンであり、利益を左右する重要な経営戦略の一部です。

少量や小型の商品ならクリックポストやネコポスを駆使してコストカットを図り、梱包では清潔感と開封体験を意識してリピーターを獲得しましょう。そして規模が大きくなってきたら、発送代行を利用して時間と配送コストを最適化していくのが正攻法です。

現在のビジネスフェーズに合わせて、最適な方法を選んでください。もし発送作業が負担になってきた、あるいはもっと売上を伸ばすための時間が欲しいと感じているなら、物流のプロである私たちウルロジにご相談ください。あなたのビジネスパートナーとして、物流の側面から利益最大化を強力にサポートいたします。

 

タグ : EC運用 発送・梱包 業務効率化
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藤田直樹
国立大学大学院にて、工学修士課程を修了。大手企業のマーケティング支援を経て、ディーエムソリューションズが運営するEC物流代行サービス「ウルロジ」に参画。 現在はウルロジのマーケティング責任者として戦略から実行までを統括する傍ら、物流倉庫の作業標準化や品質改善プロジェクトも主導。工学的な知見、マーケターとしての顧客視点、物流現場の視点を掛け合わせ、EC事業の成長を加速させる実践的ノウハウを提供する。