個人でもできる海外向けネットショップ開業方法・おすすめも国別に紹介
2024.10.15物流・フルフィルメント
「海外向けにネットショップを開業してみたいけど、どこから始めたらいいのかわからない…」そんな不安を抱えていませんか?または、「自分の商品を海外に届けたいけど、物流や決済、言語の違いが心配…」と感じているかもしれません。海外向けネットショップの開業は、確かに多くの課題が伴いますが、正しいステップを踏めば、想像以上にスムーズに進むものです。
この記事では、海外向けにネットショップを開業するための具体的な方法やおすすめのプラットフォーム、さらには物流代行サービスの重要性について詳しく解説します。海外展開において成功するためには、各国の文化や消費者ニーズに対応することが鍵となります。適切なプラットフォーム選びや、SEO対策、ローカライズのポイントを押さえて、あなたのビジネスを世界中に広げるためのポイントを解説します。
目次
海外向けにネットショップを開業する方法
市場調査とターゲット国の選定
海外向けネットショップの開業において、最初に行うべきステップは市場調査です。
ターゲット国を選定するためには、その国の購買力、消費者の嗜好、競合環境を深く分析する必要があります。具体的には、GoogleトレンドやStatistaなどのデータ分析ツールを活用し、各国の消費動向や、どのジャンルの商品が売れているかをリサーチします。
例えば、日本の商品に興味を持つ海外の顧客層として、アニメグッズや日本製のコスメ、食品が人気の国があります。特にアジア地域(中国、韓国、台湾など)は、こうした日本製品への関心が非常に高いため、ターゲット市場としては有望です。一方、アメリカなどでは音楽系の商品も根強い人気があります。ターゲット市場の特性に合わせて、商品やマーケティング戦略を調整することが鍵となります。
国ごとの売れている商品については以下になります。
加えて、海外での販売には各国の法規制を確認することも欠かせません。輸出入に関する法律、税制、関税、さらには商品そのものにかかる規制(例:食品、化粧品、医療機器など)に従わなければならない場合があるため、しっかりと理解しておくことが重要です。
海外向けに対応したネットショッププラットフォームの選定
海外向けネットショップを立ち上げるために、適切なプラットフォーム選びは非常に重要です。海外に顧客がいる場合、グローバルに対応したプラットフォームを選ぶ必要があります。
以下は、その例です:
項目 | Shopify | Amazon | eBay |
手数料 | 月額費用 $29〜、販売手数料 2.9% + $0.30 | 月額費用 $39.99(プロプラン)、販売手数料 6%〜20% | 出品手数料 $0.35〜、販売手数料 10% |
対応国 | 175ヵ国以上 | アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど世界中 | 世界190ヵ国以上 |
物流サポート | なし(サードパーティの物流サービスと連携) | Amazon FBA(フルフィルメント・バイ・アマゾン) | 自分で管理 |
SEO対策 | カスタムSEO設定可能 | 制限あり(Amazon内検索で上位表示が中心) | 制限あり(eBay内検索で上位表示が中心) |
決済方法 | クレジットカード、PayPal、Apple Pay、Shop Payなど | クレジットカード、デビットカード、Amazon Pay | クレジットカード、PayPal |
特徴 | カスタマイズ性が高く、デザイン自由度が高い。多言語・多通貨対応。豊富なアプリ連携 | 巨大な顧客基盤、物流代行サービスが充実 | グローバル展開しやすく、競り売り形式が特徴 |
Shopify: 世界的に使われているプラットフォームで、さまざまな言語や通貨に対応しています。また、多くのサードパーティアプリと連携可能で、支払い方法も多岐に渡ります。特に、多言語対応機能が優れているため、複数の国をターゲットにしたネットショップ運営に最適です。
shopifyを使用する際の設定手順について細かく分けてわかりやすく解説している記事があります。設定方法も併せて紹介していますので、これからshopifyを始める方はぜひ読んでみてください。
>>Shopifyで海外発送するには?設定手順から発送方法まで徹底解説
Amazon: アメリカやヨーロッパ、アジアなどの広範囲で利用される巨大なプラットフォームです。特に、Amazon FBA(フルフィルメント・バイ・アマゾン)を活用することで、商品の保管から配送、カスタマーサポートまでをAmazonが代行してくれるため、物流の負担を大幅に軽減できます。
AmazonFBAと出品者出荷の違いやFBA利用までの流れなどをわかりやすく知りたい場合は、ぜひこちらをご覧ください。
>>【FBAと出品者出荷】Amazon物流システムの仕組みとは?
eBay: eBayはオークション形式での販売が中心ですが、固定価格での商品販売も可能です。特に、限定商品やコレクター向けの商品を扱う場合、オークション形式を活用することで、商品の価値を高めることができます。
eBayを利用しているEC事業者が海外へ発送する方法や手段、越境ECの物流における注意点を詳しく知りたい方はこちらも一緒にお読みください。
>>eBay発送ガイド:越境EC向け物流におけるポイントと注意点
これらのプラットフォームでは、顧客管理やマーケティングツールも充実しており、ユーザーの行動分析や、リターゲティング広告、メールマーケティングを通じて顧客を育成することが可能です。
ローカライズとSEO対策
次に、海外向けネットショップのローカライズについて解説します。これは、単なる翻訳に留まらず、ターゲット国の文化や慣習に合った商品説明やデザインの調整を含みます。例えば、欧米の消費者は直感的なナビゲーションや、視覚的に訴求するデザインを好む傾向があります。一方、アジア市場では、詳細な商品説明やレビューが重視されます。
ローカライズの一環として、各国の言語に対応したSEOも必須です。例えば、ターゲット国で頻繁に使われる検索キーワードを調査し、商品説明やページメタデータに適切に盛り込みましょう。また、ターゲット国の検索エンジン(例:Google、Baidu)に対応した最適化も必要です。ローカルな検索エンジンでの露出を増やすために、バックリンク戦略や現地向けのブログ投稿を活用することも効果的です。
加えて、モバイルフレンドリーなデザインも重要です。特に、アジアや中東地域ではスマートフォンからのアクセスが圧倒的に多いため、モバイル最適化されたサイトであることが必要です。
オススメのネットショップ(国別)
1. アメリカ
アメリカ市場は世界で最も大きなeコマース市場の一つです。アメリカの消費者は、品質やブランドを重視し、商品レビューや評判に敏感です。特に、Amazon Primeの会員は、無料配送やスピード配送を期待する傾向があります。アメリカでは、家電やガジェット、スポーツ用品、フィットネス製品が特に人気です。
また、アメリカ市場ではD2C(Direct to Consumer)モデルが急成長しており、自社ブランドを展開するチャンスも大きいです。自社製品を直接消費者に届けることで、ブランドの認知度を高め、収益性を高めることが可能です。
- オススメプラットフォーム: Amazon、Shopify、eBay
2. ヨーロッパ
ヨーロッパは国ごとに規制や消費者傾向が異なるため、ローカルに特化した戦略が求められます。イギリス、ドイツ、フランスなどの市場はeコマースの成熟度が高く、特にファッションや家庭用品が人気です。また、環境意識が高まっていることから、サステナブルな商品やエコフレンドリーな製品が好まれる傾向にあります。
EU全体では、GDPR(一般データ保護規則)に準拠したプライバシーポリシーやクッキー使用の同意が求められるため、これに対応したサイト設計が必要です。
- オススメプラットフォーム: Amazon、Zalando、eBay
3. アジア
アジア市場は多様性に富んでおり、大きく分けるとタイやインドネシアなどの東南アジアと日本や韓国、中国の東アジアに分かれます。
東南アジアは、インターネットやモバイルデバイスの普及が急速に進んでいる成長市場です。特に、スマートフォンを利用したオンラインショッピングが主流であり、モバイルフレンドリーなネットショップが好まれます。また、東南アジア全体で越境EC(国境を越えたオンライン取引)が急成長しており、日本製の商品も非常に人気があります。
日本や韓国、中国は巨大な消費者市場を抱えています。特に中国市場は、TmallやJD.comなどの大手eコマースサイトが強力なプレゼンスを持っています。アジアでは、日本製品への信頼が高く、アニメグッズ、ファッションなどが高い需要を誇ります。
韓国や中国では、インフルエンサーマーケティングが有効であり、人気のインフルエンサーと提携することで、短期間で認知度を高めることが可能です。
- オススメプラットフォーム:
- 東南アジア:Lazada、Shopee、Tokopedia
- 東アジア:Tmall、G-Market、JD.com
4. 中東
中東市場も成長が著しく、特にUAEやサウジアラビアでは高額商品がよく売れます。消費者は高級ブランド品やオーガニック製品に対する関心が高く、ファッションや化粧品、サプリメントなどが人気です。中東の消費者は、クオリティやブランドネームに敏感であり、信頼できる製品であることが求められます。
- オススメプラットフォーム: Amazon、Noon
海外向けネットショップでは物流は代行がおすすめ
1. 物流代行サービスのメリット
海外向けネットショップを運営する際、物流の効率化が非常に重要です。特に、海外向けは国内よりも業務が煩雑になる場合が多いです。
- 通関書類の作成が必要である
- 日本と海外の物流品質に差がある
- 発送できないものがある
- 認証や申請、登録が必要な場合がある
- 物流コストが高い
- リードタイムが変動する
- 返品対応
などがあげられます。
越境ECにおいて物流が重要な理由や物流モデル、代表的な発送手段までわかりやすく解説した記事がこちらになっています。
問題や利点を明確にしておきたいEC事業者の方はぜひこちらもご覧ください。
>>越境ECにおける物流の重要性と課題、3つの物流モデルを解説
特に、小規模ビジネスや個人事業主にとって、物流代行サービスを利用することで、在庫管理や発送の手間を大幅に削減できます。物流代行業者は、商品保管、梱包、発送、さらには返品対応までを一括して行ってくれます。
物流代行を利用する最大のメリットは、コストの削減と時間の節約です。商品が海外に到着するまでのプロセスがスムーズになり、ショップオーナーは販売やマーケティングに集中できるようになります。また、物流のプロが対応するため、ミスや遅延が少なくなり、顧客満足度を高めることができます。
2. 物流代行業者の選び方
物流代行業者を選ぶ際は、以下のポイントを考慮しましょう:
- 対応エリア: 対象国や地域にしっかり対応している業者を選ぶことが重要です。例えば、アジア圏に強い業者や、ヨーロッパ圏に特化した業者など、それぞれの市場に最適な業者を選びます。
- コスト: 代行サービスの料金体系を比較し、自社のビジネスに最も適したものを選びましょう。低価格の業者を選ぶだけでなく、サービス内容や品質も確認することが重要です。
- サービス内容: 商品の梱包、発送、追跡サービス、返品対応までをトータルでサポートしてくれる業者を選ぶことで、スムーズな運営が可能となります。
まとめ
海外向けネットショップの開業は、多くのステップと注意点がありますが、適切な準備をすれば確実に成功へと近づきます。市場調査やターゲット国の選定、プラットフォームの選択、ローカライズ、SEO対策など、各ステップを丁寧に進めることが重要です。特に物流面では、信頼できる代行サービスを利用することで、商品の配送や在庫管理の負担を軽減し、ビジネスをより効率的に運営できます。弊社サービス「ウルロジ」をご利用いただければ、送料を抑えながら、海外発送に伴う業務の負担を軽減できる可能性があります。
倉庫に最新設備を導入し、人為的ミスを防いでいる点もポイントです。発送業務の負担が大きいと感じている方は、以下のページよりお気軽に弊社までご相談ください
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