EC物流における3PLの役割とは?導入の際に押さえるべきポイント

2022.03.29物流・フルフィルメント
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物流業務の削減や管理の簡略化のために、EC物流代行サービスへ委託する
BtoCのEC事業者やDtoCブランドが増えてきました。

EC物流代行サービスは、業務範囲によって「3PL」「4PL」「フルフィルメント」と区別され、
中でも3PLは必要な分だけ委託できることや、小規模から始めやすいこともあり、多くのEC事業者が導入しています。

自社のEC運営で、「3PLを活用したいけれど、サービスの違いが分かりにくい」「具体的にどのように役立つのか?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、EC物流における3PLの役割や事業形態と、導入する際のポイントについて解説します。

EC物流における3PLの役割とは

EC物流に3PLを導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。
3PLの概要と、その役割を見ていきましょう。

そもそも3PLとは?

3PL(サードパーティ・ロジスティクス)について、国土交通省の公式ページで以下のように記載があります。

3PL(third party logistics)とは荷主企業に代わって、最も効率的な物流戦略の企画立案や物流システムの構築の提案を行い、かつ、それを包括的に受託し、実行することをいいます。

引用元:3PL事業の総合支援 – 国土交通省

つまり、3PLとは荷主の物流業務を包括的に請け負う第三者機関のことです。

世界的に3PLの業態が広まったのは1990年頃で、日本では80年代後半から3PLの前身となるサービスはあったものの、
浸透し始めたのは90年代後半からとなっています。

3PLの役割・メリット

3PLが注目されるようになった背景には、企業が自社で倉庫や配送手段、人的資源やソフトウェアなどをすべてそろえるためには時間やコストがかかりすぎる、といった課題があります。

独力で物流ルートを構築するよりも、物流を専門に扱っている業者に委託した方が良いという風潮が広まり、
3PL事業者が商品などの入出庫、保管、発送、物流コンサルティングなどの役割を果たすようになりました。

3PLを導入するメリットは、物流に掛かるコストや人員を削減し、その分を中核事業にまわせることです。
また、プロの物流ノウハウを取り入れることで、サービスレベルの向上にもつながります。

3PLのメリットやデメリットについての詳細は、下記の記事を参考にしてください。
3PL(サードパーティ・ロジスティクス)のメリットとデメリットとは?

EC物流における3PLとフルフィルメントの違い

EC物流代行サービスは、業務範囲によって次の5つに区分できます。

  • 業務代行型 3PL
  • システム提供型 3PL
  • 運用代行型 3PL
  • 4PL
  • フルフィルメント

業務代行型 3PL

「業務代行型 3PL」は、物流システムは提供せず、物流業務のみを代行するEC物流代行サービスです。
自社でまかないきれない物流業務だけを、比較的安価に外注できるため、すでに自社のオペレーションシステムを確立している企業に向いています

システム提供型 3PL

「システム提供型 3PL」は、システム提供のみを行い、実際の物流業務は荷主が自ら行う形態です。
自社で倉庫や配送手段を用意でき、人的資源も充分あるものの、それらをうまく運用できていない場合や、さらに効率化したい場合に適しています。

運用代行型 3PL

「運用代行型 3PL」は、物流業務代行とシステム提供の両方を行う3PL業者です。EC物流の知識がない場合でも、物流品質を確保した状態でEC運営ができるという特徴があります。

4PL

物流の新しい潮流として注目されているのが、3PLに物流コンサルティングも加えたサービスの「4PL(フォースパーティー・ロジスティクス)」です。
4PL業者が荷主企業と3PL業者との調整役となり、経営方針に基づいた物流の戦略立案まで担うため、より精度の高いEC運営が可能になります。

フルフィルメント

外注する業務が物流に関わるものだけに限定している3PLに対し、物流だけにとどまらず、仕入れやカスタマーサポート業務なども請け負うのが「フルフィルメント」サービスです。

例えば、フルフィルメント業者が請け負うサービスとして、下記があげられます。

  • 仕入れ・製造
  • 受注管理
  • 決済処理・決済確認
  • 在庫管理
  • 発送
  • カスタマーサポート
  • 返品交換対応
  • クレーム対応
  • 顧客データ管理
  • ECサイト構築・保守・運用
  • マーケティング

フルフィルメントについての詳しい内容は、下記の記事で紹介しています。
フルフィルメントサービスとは?メリットと業者選定のポイントについて

3PLの「アセット型」と「ノンアセット型」

3PL業者は、物流機能を自社で所有しているかどうかによって、「アセット型」「ノンアセット型」に区別できます。

「アセット型」は自社で倉庫や物流拠点を所有

3PL業者が自社で倉庫・物流拠点・輸送手段などを所有していることを、「アセット型」といい、これは「Asset(資産)」が語源となっています。
アセット型の特徴は、庫内レイアウトから、輸送サービスや保管業務の業務改善までを行うため、
直接サービスの向上を図りやすい点です。

また、物流業務を一手に担うため、荷主企業と3PL業者の意思疎通がしやすいというメリットがあります。

「ノンアセット型」は倉庫業者や輸送業者と提携

対して、自社の倉庫・物流拠点・輸送手段などを所有せず、倉庫業者や輸送業者と提携している3PL業者は「ノンアセット型」です。
「Knowledge(知識)」やノウハウを提供することから、ノリッジベース型とも呼ばれます。

ノンアセット型は、取り扱う荷物の種類や荷主の求めるサービスレベルに応じて、倉庫や配送トラックなどを臨機応変に選定できることが特徴です。

また、自社資源に左右されないため、季節変動や需要の変化にも柔軟に対応できます。

EC物流へ3PLを導入する際に押さえるべき3つのポイント


3PL業者を導入して成果につなげるためには、サービス導入前にいくつかのポイントを確認しておくとよいでしょう。
ここでは、EC物流へ3PLを導入する際に押さえるべき3つのポイントをご紹介します。

1.3PLを導入する目的を明確にしておく

3PL業者によって、サービス内容や強みは異なります。
自社にとって最適な業者を選ぶためには、3PLを導入する目的を明確にしておくことが重要です。

例えば、導入する目的が「商品の配送スピードを早くして、顧客の満足度を向上する」であれば、
翌日配送が可能な業者や、全国に配送センターを構える業者を選ぶとよいでしょう。

また、取扱商品が増えたことで「在庫管理を徹底したい」「管理業務を簡略化したい」という目的がある場合は、
WMS(倉庫管理システム)を導入している業者を選ぶべきです。

WMS(倉庫管理システム)や一元管理システムについては、下記の記事で詳しく紹介しています。
WMSを導入しているEC物流代行業者へ委託するメリットとデメリット

2. 委託する業務範囲を決めておく

委託する業務範囲を決めておくことで、多数のEC物流代行サービスの中から、1社を選定しやすくなります。
先述の通り、EC物流代行サービスの事業形態は「3PL」「4PL」「フルフィルメント」と、委託する業務範囲によって異なります。
人手や施設が不足していて、必要な分だけ業務を代行してほしい場合や、物流システムだけを提供してほしい場合は3PL業者を選択することになるでしょう。
さらに、物流に関するコンサルティングもすべて委託したい場合は4PL業者を、
物流だけでなくEC運営全般に関わってほしい場合はフルフィルメントサービスを取り入れる必要があります。

どこまでを自社で行い、どの業務を委託するのかを確認しておくようにしましょう。

3. 情報共有の範囲を決めておく

荷主企業と3PL業者でうまく連携して業務を遂行していくためには、情報共有の範囲を決めておくことも大切です。
例えば、入出庫情報・在庫情報・返品情報・受注情報などの必要事項だけでなく、
商品の取り扱い方法や出荷の注意点、クレーム事例なども共有するとよいでしょう。

情報共有の範囲を詳細に決めておくことで、保管方法や出荷の際の注意などが現場に行き届かないというトラブルの発生を防止できます。

また、リアルタイムで在庫や受注情報を共有することで、余剰在庫の持ちすぎや在庫不足で販売機会を逃すといった在庫リスクを軽減し、
顧客満足度の向上にもつながるはずです。

EC物流代行サービスの細かい選定基準を確認したい方は、下記の記事を参考にしてください。
物流代行のアウトソーシング先を選定する際に気を付けるポイント7選

おわりに

ここまで、EC物流における3PLの役割や事業形態と、導入する際のポイントをご紹介してきました。
3PLを導入すると、物流コストや人員を削減し、その分をコアビジネスに注力できるようになります。
3PL業者を導入して成果につなげるためには、導入する目的や委託する業務範囲を明確にすることや、情報共有の範囲を決めておくことが重要です。

導入する目的を明確にしておくことで、「3PL」「4PL」「フルフィルメント」など、自社にとって最適なEC物流代行サービスを選定しやすくなるでしょう。
弊社が運営している物流アウトソーシングの「ウルロジ」では、入荷・保管・出荷・配送までをワンストップで承っております。
WMS(倉庫管理システム)を導入しているため、出荷指示や在庫確認などもオンラインで完結できるのが特徴です。

物流業務の効率化やサービス向上を目指しているEC事業者の方は、お気軽にご相談ください。
ウルロジへのお問い合わせはこちらから

タグ : EC運用 在庫管理 発送・梱包 業務効率化 EC物流用語
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角田和樹
上場企業であるディーエムソリューションズ株式会社の物流関連サービスで15年間、営業やマーケティング、物流企画など様々なポジションを経験。 現在は物流・発送代行サービス「ウルロジ 」のマーケティング全体設計を担う。通販エキスパート検定1級・2級を保有し、実際に食品消費財のEC事業も運用。ECノウハウに対しても深い知見を持ち、物流事業者としてだけでなく、EC事業者の両面からnoteウェビナー等での情報発信を行う。