ゆうパックで冷凍品は送れる?冷凍品の送り方や運送業者を紹介
2025.02.28物流・フルフィルメントEC事業を展開している方にとって、冷凍食品の配送は大きな課題の一つです。特に「ゆうパックで冷凍品を送りたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。冷凍状態をキープしながら商品を顧客に届けるには、適切な配送方法の選択が不可欠です。
この記事では、日本郵便の冷凍対応サービスの特徴や利用条件、冷凍配送に対応している運送業者について詳しく解説します。効率的な冷凍品の配送方法を知りたいEC事業者の方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
ゆうパックで冷凍品は送れる?
一般のお客様がゆうパックで冷凍品を送ることは、基本的にできません。日本郵便では冷蔵便である「チルドゆうパック」は提供していますが、一般向けの冷凍便サービスは提供していないのが現状です。
「冷凍ゆうパック」というサービスは存在しますが、法人契約している企業のみが利用できる特別なサービスです。冷凍ゆうパックは、ゆうパックを引受けから配達まで-18℃以下の冷凍温度帯で配送するサービスで、デパートやショッピングモールのお中元・お歳暮などで利用されることが多いようです。
一般の方が冷凍品を送りたい場合は、日本郵便ではなく、他社サービスを利用する必要があります。郵便局からは冷蔵品(チルドゆうパック)のみ発送が可能です。
冷凍ゆうパックの料金
冷凍ゆうパックは法人向けのサービスのため、料金は公表されていません。契約企業ごとに個別の料金体系が設定されており、荷物量や配送ルートなどによって料金が異なります。法人との特約料金契約によるため、一般のお客様が参照できる料金表は存在しません。
冷凍ゆうパックのお届け日数
冷凍ゆうパックでは、午前・午後のどちらに差し出した場合も、お届け日は最短で翌日午前です。午前はおおむね12時まで、午後はおおむね17時までの引き受けとなっていますが、利用する郵便局によって時間が前後するケースがあります。
郵便局から冷凍品を配送したい場合は?
日本郵便からでも、一般のお客様が冷凍品を送れる方法があります。それが「クールEMS」です。
冷蔵(0~10℃)と冷凍(-15℃以下)両方の温度帯に対応し、専用保冷ボックスで72~80時間の低温状態を維持します。現在は以下の地域・国への配送が可能で、最短翌々日で届きます。
- 台湾
- ベトナム
- マレーシア
- シンガポール
大・中・小の3サイズから選べ、小口配送に適しています。ただし利用には差出希望日の5日前までの予約が必要です。海外在住の家族への食品送付や越境EC、飲食店への食材配送などさまざまな用途で活用されています。国内向け冷凍配送はできませんが、海外向けビジネスには有効な選択肢です。
冷凍品を配送できる運送業者は?
チルドゆうパックでは、契約していない限り冷凍品を送れないことがわかりましたが、冷凍食品を扱うEC事業者にはどのような選択肢があるのでしょうか。ここでは、冷凍品配送に対応している主要な運送業者を紹介します。
クール便については、以下の記事でも解説していますので、あわせてご覧ください。
ヤマト運輸のクール宅急便
ヤマト運輸のクール宅急便は、以下の2種類があり、冷凍食品の配送に適しています。
- 冷蔵タイプ(0~10℃)
- 冷凍タイプ(-15℃以下)
配達時に不在でも、不在日を含めて3日間は営業所の冷凍庫で保管されるため、受け取り忘れの心配が少ないのが特徴です。
クール宅急便の対応サイズ・重量、関東から関西に送る場合の料金は以下の表のとおりです。
サイズ | 重量 | 料金(関東→関西) |
---|---|---|
60 | 2kgまで | 1,335円(現金)
1,331円(キャッシュレス) |
80 | 5kgまで | 1,680円(現金)
1,672円(キャッシュレス) |
100 | 10kgまで | 2,090円
(現金・キャッシュレス共通) |
120 | 15kgまで | 2,685円(現金)
2,684円(キャッシュレス) |
クール宅急便は、営業所への持ち込みか集荷依頼での発送が可能です。ただし、コンビニエンスストアからの発送はできません。また、発送前には必ず予冷(冷凍タイプは-15℃以下で12時間以上)が必要です。
佐川急便のクール飛脚便
佐川急便のクール飛脚便も、以下の2種類があります。
- 冷蔵タイプ(2~10℃)
- 冷凍タイプ(-18℃以下)
ヤマト運輸よりも大型の荷物を送れるのが特徴で、最大で140サイズ・30kgまでの冷凍品を配送できます。また、不在時の保管期間は4日間と長めです。
なお、クール便の料金は、飛脚宅配便運賃にクール料金が加算された金額です。クール料金はサイズごとに、以下のようになっています。
- 60サイズ:275円
- 80サイズ:330円
- 100サイズ:440円
- 140サイズ(〜20kg):880円
- 140サイズ(〜30kg):1,320円
対応可能サイズ・重量、関東から関西に送る場合の料金は、以下の表のとおりです。
サイズ | 重量 | 料金(関東→関西) |
---|---|---|
60 | 2kgまで | 1,315円 |
80 | 3kgまで | 1,670円 |
100 | 10kgまで | 2,070円 |
140 | 20kgまで | 3,190円 |
140 | 30kgまで | 3,890円 |
クール飛脚便も、営業所への持ち込みか集荷依頼での発送が基本です。発送前には予冷(完全凍結する)が必要です。ただし、アイスクリームなど特定の商品は取り扱いできない場合があるので注意しましょう。
冷凍品の送り方
冷凍品を品質劣化なく消費者に届けるためには、適切な手順での発送が不可欠です。ここではEC事業者向けに、冷凍品を安全確実に配送するための基本的な流れを解説します。
発送直前まで品物を冷やしておく
冷凍品を送る際の最も重要なポイントは、発送前に十分に冷やしておくことです。クール便は「すでに冷えた状態の商品の温度を保持する」サービスであり、常温の商品を冷やす機能はありません。
冷凍品の場合、ヤマト運輸なら-15℃以下で12時間以上の予冷、佐川急便なら完全凍結が必要です。品質保持だけでなく、他のお客様の荷物への影響を防ぐためでもあります。予冷が不十分な荷物は、受付を拒否される場合もあります。
特にEC事業者の場合、出荷前の商品を確実に冷凍庫で保管し、梱包作業も素早く行うことが重要です。梱包後すぐに発送できるよう、作業手順を効率化しておくとよいでしょう。
丁寧に梱包する
冷凍品は解凍過程で水分が発生するため、水漏れ防止の梱包が必要です。梱包には、以下のものを用意しましょう。
- 外箱用のダンボール
- ポリ袋
- 緩衝材(新聞紙やエアーキャップ等)
- はさみ
- セロハンテープ
- ガムテープ
以下の手順で丁寧に梱包しましょう。
冷凍商品をビニール袋やポリ袋に入れ、緩衝材で商品を包みます。ダンボールの底面や商品の周りに緩衝材を敷き詰めて、商品が動かないようにしましょう。EC事業者の場合、梱包の品質は顧客満足度に直結します。顧客が開封するまで完全冷凍の状態を保てる梱包方法を確立することが重要です。
なお、肉や魚といった冷凍品の梱包には、外からの冷気を通しやすいダンボールがおすすめです。一方で、アイスクリームを送る際は、発泡スチロールの使用が適しています。アイスクリームが溶けないように、発泡スチロールの中にドライアイスも入れて発送しましょう。
窓口に持込or集荷依頼をする
冷凍品の発送方法は、運送会社の営業所への持ち込みか、集荷依頼が基本です。集荷依頼する場合は、電話やインターネットで依頼しましょう。集荷時間を指定できるので、梱包完了時間に合わせて依頼すると効率的です。冷凍品であることを、必ず伝えましょう
EC事業者で出荷量が多い場合は、運送会社と契約を結んで定期集荷の手配をすると便利です。発送時には、送り状に冷凍品であることを明記しましょう。
冷凍品のEC物流における課題
冷凍品のEC事業を展開する上では、通常の商品と異なる特有の物流課題に直面します。問題点を知り、しっかり対策を立てることが、事業の成功につながります。
冷凍物流について以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
>>冷凍物流とは?フローズンなどの温度帯と具体的な商材を紹介
品質を維持したまま発送しなければならない
冷凍食品は、温度管理が最も重要な商品の一つです。倉庫での保管から出荷、配送、顧客の手元に届くまで一貫した温度管理が必要です。一度でも温度が上昇すると品質劣化や商品価値の喪失につながり、最悪の場合は食品安全上の問題も生じる可能性があります。
特にアイスクリームなどは、一度でも溶けてしまうと商品としての形が失われるため、常に適切な温度で管理しなければなりません。倉庫内の温度管理システムの導入や、配送中の温度変化を監視するモニタリング体制の構築が求められます。
また、顧客からのクレームを防ぐためにも、配送業者の選定は慎重に行うことが重要です。温度管理が徹底された信頼性の高い業者を選ぶことで、顧客満足度の向上と自社ブランドの信頼維持につながります。品質管理のためのコストは高くなりがちですが、顧客の信頼を買う投資と考えるべきでしょう。
冷凍発送について以下の記事でも解説していますので、あわせて参考にしてください。
冷凍発送とは?国内大手の冷凍発送が可能なサービスも併せて紹介
通常の物流よりもリソースがかかる
冷凍品のEC物流は、通常の常温商品と比べて多くのリソースを必要とします。基本的な「入庫→保管→出庫→配送」の工程は同じでも、各段階で追加の作業や設備が必要になるためです。
倉庫では専用の冷凍設備を維持し、温度管理を常時行わなければなりません。商品のピッキングも冷凍庫内での作業となるため、作業効率が下がりやすく、スタッフには特殊な装備も必要です。梱包作業も常温の倉庫ではできないため、作業スペースが限られ、作業時間も短くなるでしょう。
また、出荷時には温度帯に合った専用車両での配送が必要で、配車管理も複雑になります。荷物の積み下ろし作業も迅速に行わなければならず、外気にさらされる時間を最小限に抑える工夫が必要です。
このような理由から、冷凍品の物流業務には通常より多くの人員や設備投資が求められます。EC事業者にとっては、自社で全てを管理するか、専門の物流業者に委託するかの選択が重要な経営判断となります。
ウルロジは、関東に-40〜-18℃の温度帯に対応できる冷凍倉庫を確保し、冷凍品のEC物流業務全般をサポートしています。物流業務を丸ごとお任せいただくことで、自社の工数が削減され、顧客満足度向上にもつながるでしょう。冷凍物流でお悩みのことがあれば、なんでもお気軽にご相談ください。
また、冷凍倉庫については以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
冷凍冷蔵倉庫とは?冷蔵・冷凍・チルドの3温度帯についても解説
通常の配送よりも料金が高い
冷凍品の配送料金は、通常の常温配送と比較して割高になります。冷凍状態を維持するための特殊な設備や人件費が必要なためです。
また、冷凍品の保管にも通常より高いコストがかかります。冷凍倉庫の維持費、電気代、特殊な梱包材、保冷剤などの消耗品費用も発生します。さらに、温度管理のためのモニタリングシステムの導入や専門スタッフの人件費も必要です。
このようなコストは、最終的に商品価格や送料に反映せざるを得ませんが、単純に顧客に転嫁すると購入ハードルが上がってしまでしょう。EC事業者としては、配送料金の一部を負担したり、一定金額以上の購入で送料無料にするなど、顧客にとって魅力的な価格設定と収益のバランスを取ることが重要です。
冷凍品のEC物流の課題を解決するならウルロジ
冷凍品のEC物流には、以下のように多くの課題があることがわかりました。
- 品質維持
- 高いリソース負担
- 高額な配送料金 など
課題を自社だけで解決するのは容易ではありません。特に事業拡大期には、物流体制の整備に多くの時間とコストがかかり、本業に集中できなくなる恐れもあります。
そこで検討したいのが、冷凍・冷蔵に対応した物流代行サービス「ウルロジ」の活用です。ヤマト運輸や佐川急便などの主要配送業者と連携し、冷凍品の配送も安心してお任せいただけます。
-40〜-18℃対応の冷凍倉庫を確保し、商品保管から出荷までの物流業務を一括代行しています。ウルロジは従量課金制を採用しており、事業規模に合わせて柔軟に利用できるため、小規模事業者にも最適です。冷凍品のEC事業では、商品開発・マーケティングに集中し、物流は専門家に任せるという選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。


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