越境EC対応の発送代行サービス5選!委託するメリット・デメリットを徹底解説
2024.06.18物流・フルフィルメント通信販売・EC事業の拡大を目指し、海外市場に進出するため 「越境EC」を検討している企業が増えています。ですが海外市場を狙うには、国内市場とは異なる知識やノウハウが必要です。特に発送・物流関連のトラブルが懸念されますが、そういった場合に心強いのが、海外対応可能な発送代行業者です。
本記事では、海外対応可能な発送代行業者の特徴や、代行を利用することなく自社発送する場合はどういったリスクがあるのかなどを解説します。発送代行業者に依頼するメリットや、業者選びのポイントも確認しておきましょう。
越境ECへの参入を検討している方や越境ECに対応可能な発送代行業者をお探しの方はぜひご覧ください。
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目次
越境ECも対応可能な発送代行サービス5選
まず越境ECの全体感を知りたい方は下記記事をご参照ください。
そして、越境ECに対応する発送代行サービスには複数の選択肢があります。
それぞれの特徴を把握して、自社に適したサービスを選択することが大切です。越境ECに対応している発送代行サービス5選を紹介します。
サービス名 | 強み | 進出国数 | 料金(税別) |
---|---|---|---|
ウルロジ(ディーエムソリューションズ株式会社) |
|
220か国以上 | 要問合せ |
オープンロジ(株式会社オープンロジ) |
|
120ヵ国 | 要問合せ |
ロジグロ(株式会社エスグロー) |
|
要問合せ | 要問合せ |
株式会社ロケーションズ |
|
120カ国以上 | 要問合せ |
エスプール(株式会社エスプールロジスティクス) |
|
要問合せ | 要問合せ |
各サービスの特徴を詳しく紹介します。
ウルロジ(ディーエムソリューションズ株式会社)
画像引用元:ウルロジ公式HP
https://ul-logi.jp/
ウルロジは、約15,000社との取引実績を持つ東証上場企業「ディーエムソリューションズ株式会社」が運営する発送代行サービスです。東京都内に4拠点の自社倉庫を保有し、13時までの発注で当日出荷可能。迅速な発送スピードに加えて、拠点間の距離が近いため、突然の物流量増加にも対応できます。
また発送ミスを減らすため、ロボットなど設備投資にも注力しています。他社と比較して、ヒューマンエラーによるミスが少ないことや、繁忙期の物流増加にも強いことが特徴です。
海外への発送の場合は、ドア・ツー・ドア輸送で最短翌営業日にお届け可能。対象国は、世界220以上の国・地域です。迅速な発送と、長年蓄積してきた経験・ノウハウで、確かな国際輸送の発送代行を実現しています。
出典:ウルロジ公式HP
オープンロジ(株式会社オープンロジ)
画像引用元:オープンロジ(株式会社オープンロジ)公式HP
https://service.openlogi.com/
国内と同じオペレーションで始められる越境ECに対応した発送代行サービスです。サイト構築や集客施策は、越境ECに精通したパートナー企業が支援しています。主な特徴は、複数の海外配送キャリアと提携して、世界120カ国の配送ならびに希望に合わせた配送方法を選択できることです。
インボイスや通関書類はオープンロジが作成します。70拠点で構成される独自のネットワークにより倉庫の拡張性を高め、管理画面からリアルタイムで在庫数を確認できます。料金は入庫保管費と配送料で構成されます。
ロジグロ(株式会社エスグロー)
画像引用元:ロジグロ(株式会社エスグロー)公式HP
https://ec-logistics.s-grow.co.jp/
国内発送だけでなく海外発送にもワンストップで対応可能な関西を拠点とする発送代行サービスです。主な特徴は、ベトナムやアメリカなどで自社ECを運営した経験を活かし、使い勝手のよいサービスを提供している点です。具体的には、輸出先の状況に合わせた流通加工や、システムを活用したスピーディーな税関書類の作成などを実現しています。
自社で蓄積した海外向けECモールのノウハウを提供している点もポイントです。料金は、固定のシステム利用料と従量課金(作業料、保管・管理費、入出庫料、流通加工費)で構成されます。詳しい料金は個別の確認が必要です。
ロケーションズ(株式会社ロケーションズ)
画像引用元:ロケーションズ(株式会社ロケーションズ)公式HP
https://www.locations.co.jp/
120カ国以上の海外出荷に対応している発送代行サービスです。プランは、商品入荷後に梱包をそのままにして書類だけを作成して出荷する「転送型」、商品入荷後に出荷指示に基づき検品・仕分け・再梱包をして出荷する「通過型」、商品を在庫として預かり出荷指示に基づき出荷する「保管型」に分かれており、販売方法などにあわせて利用できます。
サービスは商品1点から利用可能で、配送方法はEMS、国際小包(AIR)、小型包装物などに対応しています。公式サイトで、料金は公開されていません。詳しくは、ロケーションズにお問合せください。
エスプール(株式会社エスプールロジスティクス)
画像引用元:エスプール(株式会社エスプールロジスティクス)公式HP
https://www.spool.co.jp/service/logi/
越境EC開始前の国選びや販売サイト選びも支援している発送代行サービスです。貿易のプロとして、法的チェックやコストの精査を行い、自社に合わせた提案を行ってくれる点が特徴です。売り場までの動線を作る、多彩なマーケティングメニューを用意しています。幅広い支援を行っている発送代行サービスといえるでしょう。
成約から販売開始にかかる期間は最短で2週間、利用料金は月額75,000円~です(ともに簡易進出プラン)。具体的な料金は、お問合せによる確認が必要です。
出典:エスプール(株式会社エスプールロジスティクス)公式HP
越境ECを発送代行に依頼するメリット
自社で行う海外発送にはさまざまなリスクがあるため、これらを防ぐためにも海外対応可能な代行業者を活用しましょう。越境EC対応の発送代行を活用することにより、どういったメリットがあるか解説します。
コア業務にリソースを集中できる
慎重な対応が求められるため、時間をかけて行わなければならない発送業務をアウトソーシングすれば、コア業務にリソースを集中できるようになります。
仮に自社発送で何らかのトラブルが起こってしまった場合は、それらの対応にも時間を割くことになってしまうため、コア業務に集中するためにも海外対応可能な発送代行業者を役立てましょう。
人為的なミスを削減できる
自社で発送業務を行った場合に発生するトラブルの多くは、輸出先の法律やハラール認証を始めとした認証ルールなどの専門知識がないために発生する人為的なミスです。海外発送業務を続けていけば少しずつ専門的な知識は蓄積されていきますが、それまでの間にさまざまなミス・トラブルが発生してしまうリスクは防げません。
無理に自社発送で対応するのではなく、越境ECの知識を持った発送代行を選択すれば、ミスの削減につながります。
配送・物流コストを削減できる
配送・物流コストを抑えるために自社発送を検討している企業もありますが、発送代行を活用したほうがコスト削減につながることが多いです。これは、発送代行業者は大口の海外発送を行っているため、一般的な契約よりも割安な発送料金を提供できる可能性が高いこと。
さらに発送業務だけではなく、海外発送に対する専門的な対応や在庫管理なども含めて依頼できる発送代行業者が多いので、結果として費用対効果が高くなり、不要なコストの削減につながるのです。
越境ECを発送代行に依頼するデメリット
越境ECを始めるタイミングで、まだそれほど事業規模が大きくなかったり、自社で国内向けの発送業務の実績があったりする場合は、海外への自社発送を検討することになるでしょう。
ですが、海外への発送の知識がない中で自社発送を行う場合、以下のようなリスクを伴います。
誤発送の可能性がある
海外への自社発送で特に気をつけなければならないのが、住所の入力ミスによる誤発送です。誤配や遅配につながってしまう可能性が高く、クレームに直結します。
誤発送を行ってクレームが増えれば、会社の評判を落とすことにもなってしまうでしょう。ですが、注意していても日本の住所とは表記が異なるため、海外発送に関する知識がないとトラブルが起こりやすいです。
通関手続きに必要な書類が準備できない
通関手続きは、専門的な知識が必要です。商材や規模によっては、専属の担当者を置くことも検討しなければなりません。自社で通関手続きを行うとなれば、必要な書類を準備しなければなりませんが、これらの書類が準備できず、出荷が滞ってしまう恐れもあります。
通関手続きは国内への発送であれば不要なことから、これまで豊富な実績を持つ通販事業社だとしても全く知識がないケースもあると思います。通関手続きについて深く考えず、「なんとかなる。」で海外発送も自社で進めてしまうと、思わぬトラブルにつながってしまう可能性があります。
越境ECの発送代行業者を選ぶポイント
越境ECを考える際、国や地域が違えば、送料や販売ルールが違う点に注意が必要です。送料は大陸単位で大きく変わりますし、日本国内で取引するのには何も問題ないような商品でも、海外販売ができないものがあります。
さらに、国単位ではなく宗教の観点からも制限があるため、宗教上の理由によって販売できないもの、販売方法に制限があるものが存在することにも理解が必要です。
自社でこれらについてすべて理解・対応するのは難しいため、越境ECに強い発送代行業者を選ぶことが重要です。ここでは、最適な業者を選ぶためのポイントを紹介します。
自社のサービスにあった越境EC代行の実績があるか
海外発送代行業者を検討する場合、販売 を考えている製品カテゴリーの取り扱い実績が豊富かを確認するようにしてください。
例えば米についてみてみると、タイへは精米・米粉の輸出はできますがが、玄米は検疫条件が未設定であることから輸出できません。加工している玄米粉であれば輸出可能です。
出典元:日本貿易振興機構(ジェトロ)「コメの輸入規制、輸入手続き」https://www.jetro.go.jp/world/asia/th/foods/exportguide/rice.html
化粧品の場合も例えば中国では、美白関連、日焼け止め、染髪用商品など、一部化粧品は特殊化粧品の扱いになり、特殊化粧品登録証の取得を行わなければなりません。それ以外の化粧品についても一般化粧品届出手続が必要となります。
出典元:日本貿易振興機構(ジェトロ)「化粧品の現地輸入規則および留意点:中国向け輸出」https://www.jetro.go.jp/world/qa/P-220301.html
このように、どの国に何を輸出するのかで必要な知識が変わります。そのため自社で販売する予定の製品を取り扱った経験がある発送代行業者を選ぶことで、円滑に越境ECを進められるのです。
カスタマーサービスへの連絡手段と営業時間
カスタマーサービスは、特にミスやトラブルが起こった際に強い味方になってくれます。しかし、なかにはカスタマーサービスへの連絡方法がメールだけに限られているなど、必要なタイミングで連絡が取れないケースがあります。
越境ECの場合は必然的に海外からの問い合わせが多くなるので、事前にカスタマーサービスへの連絡方法は、電話・チャット・メールなど緊急度や重要度に合わせて選択が可能か、輸出対象国の言語に対応しているか、また窓口の対応時間は自社の稼働時間と合っているかをしっかりと確認しておくとよいでしょう。
サービス内容が充実しているか
提供しているサービスの内容は、選択する発送代行業者によって大きく異なります。そのため、自社で求めているサービスが提供されているか確認しましょう。
例えば、商品の保管や検品、在庫管理、仕訳、インボイスの作成、梱包、発送、通関サポートなどは、基本的にどの発送代行業者でも対応しています。ただ、商品以外の同梱やまとめ発送、現地語でのカスタマーサービスの提供などには対応していない業者もあります。
越境ECの場合は特に、物流業務を総合的に相談できる発送代行業者を選択しておくと、自社で不足している知識・経験不足をサポートしてもらえるでしょう。輸入禁止物品に関する相談や、販売許可申請のサポートなどが依頼できる発送代行業者だと安心につながります。
自社に適した発送方法があるか
越境ECでは、自社サービスの対象エリアに発送するのに必要な知識を持っている発行代行業者であることが重要です。また、どのような発送方法が選べるのかも確認しておきましょう。BtoC向けの越境ECで利用されることが多いのは、EMS(国際スピード郵便)ですが、民間配送会社が行う「クーリエ」とよばれるサービスを利用することもあります。
クーリエ業者にはDHL・FedEx・UPSなどいくつか種類があり、それぞれ配送料金や配達にかかる日数に違いがあります。EMSと比較するとクーリエ業者のほうが料金は高いですが、配達スピードはクーリエ業者のほうが速い傾向にあります。また、クーリエ業者のほうが、配達可能な国・地域が多かったり(EMSが約120カ所に対して、クーリエ業者は220カ所以上)、取り扱い可能な品目や重量も幅広く対応しています。
BtoC向けの越境ECでは配送スピードを重視されることもあるので、発送方法としてクーリエ業者が選択できるのかについても確認しておきましょう。商品が手元に届くまでのスピードが速いことに加え、対応国も多いので、幅広い国で越境ECを検討できます。
まずは、自社の商品を発送するのにはどの方法が向いているのかよく検討してみると良いでしょう。その上で、希望する発送方法に対応している発送代行業者を選ぶのがポイントです。
なお、選択する発送方法によって到着までにかかる時間が大きく異なります。ECサイトに到着日数の目安を記載する場合は、選択する発送方法でどの程度の日数がかかるのか確認した上での記載が必要です。
越境ECでは発送代行業者に依頼するのがおすすめ
さまざまなEC事業者様を支援してきた筆者は、越境ECの成功に発送代行サービスが不可欠であると考えています。その主な理由は、国内ECと越境ECの物流業務の違いにあります。越境ECでは、国内ECの物流業務に加えて、次の業務が発生します。
【追加の物流業務】
- 輸送可否確認
- 法令確認
- 出荷データの反映(海外配送会社ごと)
- 輸出書類作成
- 輸送国の最新状況確認
- 貨物に関する税関対応
出荷件数が増加するとコア業務に取り組む時間を確保しにくくなります。たとえば、新商品の選定に時間をかけられなくなることや、マーケティングに取り組めなくなることが起こりうるでしょう。また、作業の抜け漏れも発生するリスクが伴います。
筆者は自身の経験から、出荷件数が100件を超えると発送代行サービスの利用がマストと考えています。自社の許容範囲を超えないように対応することが大切です。
越境ECの業務負担は発送代行で軽減できる
越境ECに取り組むにあたり、発送代行を利用することによって期待できるメリットや、業者選びのポイントを紹介しました。国内に発送するのとは異なり、海外発送に関する専門的な知識が必要なので、自社内で対応しようと考えるとミスやトラブルにつながってしまう可能性があります。販売先の国やエリアの市場やルールに精通した発送代行業者を選択することで、安心してコア業務に集中できるようになるでしょう。
当社ウルロジでも越境EC支援を行っています。商品の入荷や梱包、運送業者への引き渡しはもちろんのこと、発送から段ボールなどの資材の調達まで総合的におまかせいただけます。
提携しているのは、豊富な実績のある海外発送専門業者です。複数の発送種別にも対応しているので、自社に合った形で利用できる発送代行業者を探したいと考えている方は、ぜひご相談ください。
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