再配達問題のカギとなる宅配・駅ナカロッカーとコンビニ受け取りとは?
2021.11.29物流・フルフィルメント通販サービスやオンライン決済サービスの発展で、ネットショッピングの利便性が日々上がっています。
また配送サービスも向上し、今日頼んでその日に届くのは当たり前で、都心では即日お届けも珍しくなくなりました。
そんな中、物流業界で問題になっているのが荷物の「再配達問題」です。
目次
再配達問題について
「再配達」とは、配送された荷物を一度で受け取れず、ドライバーが持ち戻って、再度荷物を届けることです。
再配達には、大きく分けて2つの問題点があります。
一つは、宅配ドライバーの宅配効率・労働生産性が下がること。
そしてもう一つは、再配達を行うことで、トラックなどの二酸化炭素の排出量が上がってしまうことです。
国土交通省の調査によると、宅配便の個数は毎年うなぎ上りになっており、2016年度には年間40億個を突破しました。
引用元:国土交通省
一方で2017年10月より調査を開始したサンプル調査によると、宅配便の個数のうち全国平均で約15%が再配達となっています。
平成30年4月期
(調査期間:平成30年4月1日~4月30日)平成29年10月期
(調査期間:平成29年10月1日~10月31日)
総数 | 再配達数 | 再配達率 | 総 数 | 再配達数 | 再配達率 | |
都市部 | 812,984 | 132,979 | 16.40% | 883,584 | 151,386 | 17.10% |
都市部近郊 | 1,346,059 | 192,796 | 14.30% | 1,354,016 | 198,572 | 14.70% |
地方 | 116,576 | 14,721 | 12.60% | 118,947 | 16,009 | 13.50% |
総計 | 2,275,619 | 340,496 | 15.00% | 2,356,547 | 365,967 | 15.50% |
引用元:国土交通省
年々増え続ける宅配便取り扱い個数と、それを運ぶ宅配ドライバー不足が叫ばれている今、再配達率の削減は国を挙げて取り組むべき課題になっているのです。
国土交通省は以下の3点の協力を呼び掛けています。
<再配達削減のために活用をお願いしたい3つのこと>
- 時間帯指定の活用
- 各事業者の提供しているコミュニケーション・ツール等(メール・アプリ等)の活用
- コンビニ受取や駅の宅配ロッカーなど、自宅以外での受取方法の活用
※時間帯指定がされて不在となった荷物も存在しており、時間帯指定を活用された際には、できるだけその時間に受取って頂ければと思います。
引用元:国土交通省
この中で、利便性が高く注目されているのが、駅の宅配ロッカーやコンビニ受け取りの活用です。
宅配・駅ナカなどのロッカーやコンビニ受け取りのメリット
宅配ロッカーが設置されているマンションが増えてきましたが、常に一杯になってしまっていたり、宅配ロッカーの無い物件の方も不在時に荷物を受け取れるサービスが増えてきていいます。
それが、宅配便のコンビニ受け取りや、駅ナカに設置されている宅配ロッカーです。
これらのサービスは、受け取る側のユーザーにとっても、宅配事業者にとってもメリットの多い仕組みなのです。
ユーザー及び宅配事業者のメリットは以下の通りです。
ユーザーのメリット
- 配達時間帯を気にせずに、荷物を受け取ることが出来る
- 配達住所に宅配ロッカーなどを指定できるため、自宅住所を知られずに荷物を受け取ることが出来る
企業側のメリット
- 一度で荷物を配達することが出来る
- 一か所に複数人の荷物を配達できるので、配達効率が上がる
クール便の荷物は預けられない。荷物サイズによっては預けられない。などのデメリットはありますが、それを差し引いても便利なため、是非使っていきたいサービスです。
それでは、コンビニ受け取りやロッカー受け取りの各サービスについて紹介していきます。
コンビニ受け取りについて
コンビニ受け取りは、ネットショッピングの際に受取場所をコンビニに指定することで、コンビニの店頭で荷物を受け取れるサービスです。
荷物を受け取れるコンビニの種類や店舗などはショップ、配送会社などによって異なりますが、ローソン、ファミリーマート、セブン・イレブンなど多くのコンビニで受け取ることが出来ます。
代表例として、ローソン、ファミリーマート、セブン・イレブンの店頭受け取りについて紹介します。
ローソン
引用元:ローソン
楽天やAmazonなどの通販サイトで購入した商品を受け取ることが出来ます。
受け取りには、受け取り用のバーコードを発行する方法と、Loppiを使った受け取り方があります。
ファミリーマート
引用元:ファミリーマート
Amazonなどの通販サイトで購入した商品や、ヤマト運輸の荷物を受け取ることが出来ます。
受取るには、店頭にある「Famiポート」で申込券を発行することで受け取ることが出来ます。
セブン・イレブン
引用元:セブン・イレブン
セブンイレブンでは、店頭などにあるPUDOステーションの宅配ロッカーで荷物を受け取ることが出来ます。また、一部通販サイトでは引取り票を発行することで、店頭でも受け取ることが出来ます。
ロッカー受け取りについて
ロッカー受け取りは、宅配事業者が運営しているものから、通販サイトが運営しているものなど様々なサービスがあります。
ここでは、代表的な3つのサービスについて紹介します。
楽天市場の楽天BOX
引用元:楽天市場
サービスの特徴・メリット
「楽天BOX」の特徴は、名前の通り楽天市場で購入した商品の受け取りに使える点です。
楽天市場の購入画面で配送方法に「楽天BOX」を選ぶことで、楽天BOXで受け取ることが出来ます。
また、BOXは人が集まる商業施設や駅ナカなどにあり、便利な場所に設置されていることも大きなメリットです。
BOX数の設置箇所は22箇所になります。(2018年7月時点)
PUDOステーション
引用元:PUDOステーション
サービスの特徴・メリット
PUDOステーションはPackcity Japan(パックシティ ジャパン)が契約している宅配会社が利用できる、オープン型の宅配便ロッカーです。
ヤマト運輸、佐川急便、DHLジャパン、順豊エクスプレスの宅配会社の荷物を受け取ることが出来ます。
通販サイトに限らずに受け取ることが出来るのがメリットで、再配達の場所としてPUDOステーションを設定することも出来ます。
BOX数の設置箇所は1,016箇所になります。(2017年10月時点)
郵便局に設置されている「はこぽす」
引用元:日本郵政
サービスの特徴・メリット
「はこぽす」は郵便局が運営している宅配ロッカーです。ゆうパックや一部郵便物などを郵便局などに設置されている宅配ロッカーで受取ることが出来ます。
また、メルカリやヤフオクなどの通販サイト以外の、フリマアプリやオークションサイトの荷物も受け取ることが出来ます。
BOX数の設置箇所は約300箇所になります。(2018年7月時点)
おわりに
日付や時間を気にせずに通販の商品を受け取れる、自宅の住所を知られずに荷物を受け取れるなどのメリットの多い宅配ロッカーやコンビニ受け取り。
通販サイトで設定するだけで、簡単に便利に受け取れるため、是非積極的に活用してみましょう。
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