EC通販の出荷・物流を自動化する前に知っておきたい基礎知識
2023.09.19物流・フルフィルメント
EC通販の出荷・物流を自動化できれば、通販に係る作業がもっと効率的になるのにと思われるはずです。
確かに自動化することで業務の品質確保と効率改善、コストカットなどさまざまなメリットが感じられるでしょう。しかし導入に際して、注意点があることも事実です。
そこで今回は、EC通販の出荷・物流を自動化させるシステム・物流代行業者のメリットと注意点とともに、選び方のポイントについてまとめて解説します。
目次
EC通販の出荷作業の自動化とは?
EC通販における出荷作業の自動化とは、注文管理システムである「OMS」の導入と、倉庫・物流のシステムである「WMS」を保有する代行業者へ、物流関連の業務を委託することで実現できます。
OMS(注文管理システム)とは?
OMSとは「注文管理システム」のことであり、EC通販業務のうち受注から発送の指示までを自動化します。利用者からの注文を受けつけて在庫を確認し、配送の指示を行い出荷する一連の業務をシステムにより自動化する仕組みです。
OMS(注文管理システム)についての詳細は次の記事で解説していますので、こちらを参考にしてください。
>> 【EC運営】OMS(注文管理システム)とは?機能とメリット・デメリットについて
WMS(倉庫管理システム)とは?
WMSは「倉庫管理システム」と呼ばれており、商品の入荷・在庫管理・出荷などの商品の出し入れに関する業務を担うものです。OMSでは手続きや受注・出荷に関する確認事項などを自動化します。
しかしWMSでは実際に商品を動かすための倉庫の在庫管理や入出荷業務を、バーコードによって行うことが可能です。商品がいつ取り出されたか、入出荷されたかをシステムによって記録でき、物流管理を簡易化させます。
詳しくはこちらの記事で解説していますので、WMSの機能について知りたい方はぜひ参考にしてください。
>> WMS(倉庫管理システム)の機能とメリット・デメリットについて
それではEC通販における出荷作業とはどのような業務があるのか見ていきましょう。
自社と物流会社で対応する業務範囲
EC通販での出荷作業には次のようなものがあり、自動化させるには自社で行う部分と物流会社に委託する部分を切り分けることが大切です。
自社(事業者側)で対応する業務範囲
まずは自社で対応しなければならない業務範囲についてご紹介します。
受注データ取り込み
まずは受注データの取り込みです。商品の注文を受けたら、OMSを活用してEC通販ごとの受注データを取り込みます。
在庫確認と出荷指示
受注データの取り込みが完了したら、在庫確認と出荷の指示を行います。OMSを利用すればシステム上にて管理できますが、あくまでも理論在庫であり実在庫ではないことに注意してください。
物流代行会社(委託先)で対応する業務範囲
それでは次に、物流代行会社への委託によって実現される業務範囲についてです。
在庫の引き当て
まずは在庫の引き当てです。EC通販において在庫の管理に欠かせない作業であり、理論在庫ではなく実在庫の管理を行なえます。
ピッキング
ピッキング作業も委託先に任せられる業務のひとつとなります。WMSシステムを保有する企業であれば、ピッキングをすると実在庫状況に反映されるため、リアルタイムでの商品管理が実現するでしょう。
検品
続いては検品作業です。商品を出荷しても良い状態であるか、リアルタイム検品を行ったり、検品リストを作成できるシステムもあります。
梱包
検品を終えた商品は梱包されて、傷・破損がないように出荷されます。
発送
梱包された商品は、最後に物流委託企業により発送されます。
EC通販の出荷作業を自動化するメリット
それではEC通販の出荷作業を自動化することにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
導入を検討する前にどのように役立つのか見てみましょう。
ミスや誤発注を防いで高いクオリティを担保できる
まずはミスやご発注を防げ、高いクオリティのEC通販を実現できるメリットがあります。受注、入金確認、出荷指示などをすべて人の手で行おうとすると、どうしても人為的ミスが発生しがちです。
しかしOMSにより受注から出荷指示までを自動化できれば、人が関わる工程が少なくなるため人為的ミスの確率を減らせます。システム自動化を導入すると、EC通販の出荷までの業務品質を確保しやすくなるはずです。
手作業が減るため業務を効率化できる
システムを導入することにより、業務が効率化されることも大きなメリットです。ピッキングや検品、梱包などの作業はEC通販における基本的な作業ながら、かなりの工数を要します。
しかし物流企業への委託により自社内にて手作業で行う工程が少なくなれば、より人手が必要な業務に人材を回せるようになります。業務量が少なくなることでEC通販関連作業だけではなく、企業全体の業務が効率化につながるでしょう。
人件費の削減によりコストカットが実現できる
手作業の工程が減ることで、人件費削減によるコストカットも実現できます。受注から出荷作業、在庫管理のために必要であったスタッフの人件費を削減できるようになり、長期的な視点では大きなコストカットにつながるはずです。
EC通販の出荷作業を自動化するための課題と注意点
EC通販の出荷作業を自動化することには、メリットだけでなく注意点もあります。あらかじめどのような点に注意するべきなのか、把握してから導入するべきか判断してください。
キャンセルや注文内容変更の処理が煩雑になる
ひとつめの注意点は、キャンセルや注文内容変更の処理が煩雑になることです。受注から発注指示までをシステムで行うとしても、キャンセル・変更などのイレギュラーはシステムでは対応しきれません。
やはり人の手が必要となる部分が多いのが現実です。さらにシステムが介入したことが災いして、受注内容の確認が十分にならず、今まで以上の工数が発生する可能性もあります。
システム間の連携を行う際にエラーが出やすい
もうひとつの注意点は、システム間の連携をともなう際にエラーが出やすいことです。システム同士には相性や互換性があります。
もし相性が良くなければエラーが発生して、物流業務が滞りかねません。既存のシステムが構築されている企業においては、OMSシステムとの相性を考慮する必要があります。
自社に合った受注管理システムと物流代行業者の選び方
EC通販の出荷・物流自動化のメリットと注意点を踏まえた上で、どのようにシステムや業者を選ぶべきかポイントをご紹介します。
受注管理システム(OMS)選びのポイント
まずはOMSの選び方のポイントから見ていきましょう。
企業の課題と規模に合ったシステムであること
OMSを選ぶ際には、企業の課題と規模にあったシステムであるかどうかを判断してから選んでください。一旦自社の課題を洗い出し、該当のシステムにより課題が解決されるかシミュレーションすることがポイントとなります。
ただしシステムによっては料金が高く、受注数との兼ね合いにより費用対効果が低くなる可能性もあるため、企業の規模に応じたものを選ぶことも大切です。
既存システムとの連携が可能であること
注意点でも解説したように、OMSによっては既存システムと相性が良くないことがあります。もし連携できなければ、2つのシステムを人が連携させるための工数が必要となるでしょう。
既存のシステムとの連携が可能であるか、事前によく確認した上で導入を決断してください。
物流代行業者選びのポイント
次に物流代行業者選びのポイントについてご紹介します。
効率的な物流ルートが実現されること
EC通販における物流作業を自動化するために欠かせないポイントが、効率的な物流ルートになることです。
物流ルートの倉庫との位置関係によっては、ロスが生じることもあるでしょう。自社の物流ルートにとって、使いやすい立地であるか確認してください。
多くの商品カテゴリーに対応する倉庫であること
販売する商品カテゴリーが多い企業であれば、すべての商品を収められる倉庫が備えられているかどうかもチェックポイントとなります。
商品によって適切な保管方法は異なるため、一部の商品にしか対応していない物流代行業者も少なくありません。自社で販売する商品を問題なく預けられるか、あらかじめ確認しましょう。
ただし物流代行業者選びのポイントはさらに多岐にわたります。もっと詳しく知りたい方は、次の記事にて詳しくご説明していますので参考にしてください。
出荷業務を自動化することが事業拡大の近道
受注から出荷指示までをOMSで管理し、実際の出荷や在庫管理をWMSを有する物流代行業者に委託する…。このようなシステムを形成できれば、EC通販に係る負担は軽減されて企業全体の業務効率が向上され、さらに業務のクオリティアップや事業拡大も狙えます。
EC通販の出荷・物流自動化には処理が煩雑になり、既存システムとの連携が問題になることがあります。しかしウルロジがご提供する物流代行システムでは、API連携による自動出荷や在庫・出荷状況をすべてオンラインで確認できるなど、一つのシステムでOMSの機能とWMSの機能の使用が可能。よりスマートにEC通販業務を行っていただけるサービスを提供できます。
また製造業許可(包装・表示・保管)を取得しているため、化粧品や医薬部外品の保管と適正出荷にも対応します。コストを抑えながら多数のWMSの機能を利用できますので、EC通販での出荷・物流自動化において高い費用対効果を感じていただけるはずです。
>>ウルロジのEC通販出荷・物流自動化サービスについて詳しく見る
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