ネコポス廃止でクロネコゆうパケットへ!料金やサイズとネコポスとの違い

2024.03.27物流・フルフィルメント
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【メルカリ】ネコポス廃止!新サービス「クロネコゆうパケット」

ネコポスは、小さな荷物を翌日配達でポストに投函するヤマト運輸のサービスです。同社と契約している個人間取引サービス(フリマアプリ・オークションアプリ)などで利用できます。しかし、2024年度内に廃止されることが発表されました。

ここでは、ネコポスが廃止になった背景、ネコポスの代替サービスであるクロネコゆうパケットについて、その概要とネコポスとの違いを詳しく解説します。以下の情報を参考にすれば、両サービスの特徴と物流の動向などを理解できるはずです。

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ネコポスが廃止になった背景

ネコポスが廃止になった背景

冒頭で説明した通り、ヤマト運輸はネコポスの廃止を発表しています。主な理由と考えられるのが2024年問題への対応です。

2024年問題は、2024年4月からトラックドライバーの時間外労働時間が年960時間に制限されることを受けて、輸送量力が不足してモノを運べなくなると懸念されている問題です。近年になって、宅配便取扱個数が増加している点も見逃せません。国土交通省が発表している資料によると宅配便取扱個数の推移は次のとおりです。

国土交通省「令和3年度 宅配便等取扱個数の調査及び集計方法」

画像引用元:(pdf)国土交通省「令和3年度 宅配便等取扱個数の調査及び集計方法」
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001494501.pdf

平成23年度(2011年度) 平成28年度(2016年度) 令和3年度(2021年度)
宅配便取扱個数(百万個) 3,401百万個 4,019百万個 4,953百万個

出典:(pdf)国土交通省「令和3年度 宅配便等取扱個数の調査及び集計方法」

上記のギャップを埋めるため、物流の効率化が図られています。対策のひとつとして取り組まれたのがネコポスの廃止です。ヤマト運輸は日本郵便と協業して、新たなサービス「クロネコゆうパケット」を2023年10月1日から開始しています。

出典:ヤマトホールディングス「日本郵便とヤマト運輸によるクロネコゆうパケットの取扱開始ー 物流2024年問題および環境問題の解決に貢献 ー」

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ネコポス廃止の実情

ネコポス廃止の実情

ネコポスは2023年10月から順次終了、2024年度末までに廃止予定です。利用者が多いメルカリのネコポス(らくらくメルカリ便)も、2024年度末までに順次終了し、クロネコゆうパケットに切り替わります。

出典:日本経済新聞「ヤマト、メール便配達を日本郵便に移管 ネコポスも」

クロネコゆうパケットでは、ヤマト運輸が集荷業務を行い、日本郵便が仕分け業務と配達業務を行う予定です。つまり、今後はヤマト運輸が預かった荷物を日本郵便の引受側地域分局へ差し出し、日本郵便が自社の配送網を活用してポストなどへ投函する流れになります。

この取り組みの目的のひとつは、2024年問題で引き起こされるドライバー不足への対応です。日本郵政の配送網を活用して、物流の効率化を図ろうとしています。

出典:ヤマトホールディングス「日本郵便とヤマト運輸によるクロネコゆうパケットの取扱開始ー 物流2024年問題および環境問題の解決に貢献 ー」

ちなみに、ヤマト運輸は、小型荷物の配達を委託していた個人事業主との契約を終了しました。この取り組みにより、一部の個人事業主は仕事を失いましたが、契約を継続する個人事業主は単価が高い一般の宅配に集中できるため、効率よく稼げるようになるのではと考えられています。

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ネコポスの代替サービス「クロネコゆうパケット」とは

ネコポスの代替サービス「クロネコゆうパケット」とは

クロネコゆうパケットは、日本郵便の配送網を活用してお届け先のポストなどに荷物を投函するサービスです。ネコポスの代替サービスとして2023年10月1日から取り扱いを開始しています。ここからは、ネコポスとクロネコゆうパケットの違いなどを詳しく解説します。

ネコポスとクロネコゆうパケットの違い

どちらのサービスも、配送先のポストに預かった荷物を投函するサービスです。ポストに入らない場合は、原則として荷物を持ち帰ります。ただし、すべてが同じわけではありません。主な違いは次のとおりです。

項目 ネコポス クロネコゆうパケット
発送 ヤマト運輸 ヤマト運輸
配達 ヤマト運輸 日本郵政
サイズ
  • 上限:縦31.2cm以内・横22.8cm以内
  • 下限:縦23cm以上・横11.5cm以上
  • 上限:3辺合計60cm以内かつ長辺34cm以内
  • 下限:縦14cm以上・横9cm以上
厚さ 2.5cm以内 1cm以内、2cm以内、3cm以内
重さ 1kg以内 1kg以内
上限料金 全国一律単価

  • 385円(税込)
全国一律単価

  • 厚さ1cmまで:250円(税込)
  • 厚さ2cmまで:310円(税込)
  • 厚さ3cmまで:360円(税込)
お届け日数 宅配便と同じ 最短でネコポス+1日
通知 あり なし
転送 なし あり
補償 あり(3,000円) あり(3,000円)

出典:ヤマト運輸「よくあるご質問(FAQ)」

両サービスの主な違いとして、配送できる荷物のサイズがあげられます。ネコポスで配送できる荷物のサイズはA4サイズ程度まで、クロネコゆうパケットで配送できる荷物のサイズは角2サイズ程度までです。送れる荷物の幅が広がっています。また、クロネコゆうパケットは、荷物の厚さを3サイズにわけて、それぞれに上限料金を設定しています。薄い荷物を、割安な料金で送れるようになっています。

ネコポスで利用できた投函予定通知、投函完了通知を、クロネコゆうパケットで利用できない点もポイントです。一方で、クロネコゆうパケットは、日本郵便の転居転送サービスを利用できます。これまで利用できた機能を使えないため、ユーザーの混乱を防ぐ対策が必要になるかもしれません。

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ネコポスがクロネコゆうパケットに変わることによる変化

クロネコゆうパケットへ移行することで起きる変化をまとめると次のようになります。

項目 Before After
配達 ヤマト運輸 日本郵政
荷物のサイズ A4サイズ程度まで 角2サイズ程度まで
荷物の厚さ 2.5cm以内 3.0cm以内
上限料金 全国一律 荷物の厚さに応じて全国一律
お届け日数 宅配便と同じ 宅配便より遅くなる
投函予定通知、投函完了通知 利用できる 利用できない
転居転送サービス 利用できない 利用できる

具体的に、どのような影響が現れるのでしょうか。

ネコポスがクロネコゆうパケットに変わることによる影響

クロネコゆうパケットの特徴は、荷物の厚さに応じた全国一律の上限料金が定められていることです。薄い荷物が多いEC事業者は、配送料金を最適化できる可能性があります。小規模事業者にとって魅力的な選択肢になりえます。配送エリアは、ネコポスと大きく変わりません。

しかし、お届けまで「ネコポスより最短で+1日」かかります。日本郵便の転居転送サービスを利用できる点も見逃せません。一部のユーザーにとっては、使い勝手のよい配送方法になる可能性があります。

クロネコゆうパケットとゆうパケットはほぼ同じサービスである

クロネコゆうパケットは、日本郵政が展開するゆうパケットとほぼ同じサービスです。送れる荷物のサイズ、料金設定などに違いはありません。ただし、異なる点もあります。違いを理解して使い分けることが大切です。

クロネコゆうパケットとゆうパケットの異なる部分

両サービスとも、荷物の追跡は行えます。しかし、配達完了メールを受け取れるのはゆうパケットだけです。また、クロネコゆうパケットは3,000円までの補償を受けられます。これに対し、ゆうパケットは補償を受けられません。上記の内容をまとめると次のようになります。

項目 クロネコゆうパケット ゆうパケット
配達完了メール ×
補償 ×

重視したい点をもとに、配送方法を選ぶとよいかもしれません。

出典:郵便局「郵便物等の損害賠償制度」

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これからの物流の特徴

これからの物流の特徴

これからの物流は、2024年問題にともなう輸送能力の不足、ECの普及にともなう宅配便取扱個数の増加への対応を迫られると考えられています。ネコポスの廃止とクロネコゆうパケットの開始は、これらの問題への対応を目的としています。今後も、宅配業者の協業は進むでしょう。EC事業者も、物流の効率化を求められる可能性が高いといえます。

負担の大きな取り組みに思えるかもしれませんが、主体的に取り組むことで物流コストを抑えられるなどのメリットを期待できます。検討したい対策のひとつとしてあげられるのが発送代行の活用です。発送代行は、物流に関わる一連の業務を専門家に任せられるサービスです。具体的には、業務フローの構築から日々の受注、配送業務まで委託できます。一歩進んだ対策をお探しの方は、利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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ネコポス廃止は物流効率化に向けた取り組み

ネコポス廃止は物流効率化に向けた取り組み

ヤマト運輸は、2023年10月からネコポスを順次終了するとともに、クロネコゆうパケットを開始しています。クロネコゆうパケットは、ヤマト運輸が集荷業務、日本郵政が仕分け業務と配送業務を行うサービスです。規格サイズが大きくなる、料金が割安になるなどのメリットがある一方で、通知サービスを利用できないなどの注意点もあります。詳細を理解してから活用することが大切です。

ヤマト運輸と日本郵政の協業は、物流の効率化と2024年問題への対応を主な目的としています。今後は、EC事業者も物流効率化に向けた取り組みを求められると予想されます。主体的に取り組みたい方は、発送代行を活用するとよいでしょう。

発送代行について詳しく知りたい方は、EC・通販の物流代行サービス「ウルロジ」にご相談ください。安心の発送品質とコスト削減を強みとしています。

タグ : ネコポス ネコポス廃止
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角田和樹
上場企業であるディーエムソリューションズ株式会社の物流関連サービスで15年間、営業やマーケティング、物流企画など様々なポジションを経験。 現在は物流・発送代行サービス「ウルロジ 」のマーケティング全体設計を担う。通販エキスパート検定1級・2級を保有し、実際に食品消費財のEC事業も運用。ECノウハウに対しても深い知見を持ち、物流事業者としてだけでなく、EC事業者の両面からnoteウェビナー等での情報発信を行う。