受発注システム(EOS)とは?EDIとの違いや導入のメリット・デメリットと選定のポイントを解説

2024.02.28物流・フルフィルメント
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小売業でも製造業でも、またそれらを繋ぐ物流業でも商品のやりとり、受発注や在庫管理等の業務が必ず存在します。毎日大量の商品が行き交う現在、商品の受発注は「EOS」と呼ばれるシステムを用いるのが主流になっています。

今回はこのEOSとはどのようなシステムなのか、そしてEOSのメリットやデメリットについて解説します。

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受発注システム(EOS)とは?

「EOS」とは「Electronic Ordering System」の略で企業間の商品発注をコンピューターなどの通信機器を使ってオンライン上で情報のやり取りをする受発注方法のことです。

例えば小売店で商品が売れ在庫が不足してきたとき、リアルタイムで端末から商品を発注することができ、電話やFAX、郵送などでのアナログな発注方法を使わないため、発注作業を効率化させ、人件費の削減が可能になりました。
このEOSというシステムはインターネットが誕生するよりも前の1970年代にすでに存在していたのです。当時も棚卸時に商品数を登録し、販売時に在庫が少なくなったら仕入先に情報が飛び受注数が共有できるシステムでした。
しかしながらその当時はインターネットも普及しておらずデータの形式、送信方法などが標準化されていなかったため、自らシステム開発できる大企業のみが使える受発注システムだったのです。
現在ではインターネットが普及しソフトウェアの開発も容易になり、またバーコード管理など商品管理の方法も標準化され、大手だけでなくあらゆる企業でEOSが取り入れられるようになりました。
また、EOSと混同してしまいそうなシステムとして「EDI」(Electric Data Interchange)があり、こちらも企業間でデータをやりとりするシステムになるのですがEOSとは少し異なります。

EDIは受発注のみではなく支払いや銀行との取引データなど経理的な情報も含め全てのデータを企業間でやり取りするシステムになるため、EDIの中に受発注システムであるEOSが存在するという考え方になります。EOSで受発注データのやり取りをし始めたのが1970年代頃になり、あらゆる業務データをやり取りするEDIは1990年代から普及し始めました。

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受発注システム(EOS)でできること

販売業や卸売業がデータ上で発注し、アナログな作業を一切することなく仕入先で受注することが可能なEOS。現在EOSでデータ発注をする方法としては「棚卸スキャン方式」「オーダーブックスキャン方式」「EOB方式」の3種類が主流となっています。

棚卸スキャン方式

棚卸しスキャン方式とはEOS専用のスキャナを使い商品についているバーコードを直接読み取り発注する方式です。
仕入先と共有しているバーコードをスキャンし、スキャンした商品の数量を入力することで受発注が完了します。

オーダーブックスキャン方式

オーダーブックスキャン方式とは、商品一覧が載っており、それぞれの商品に個別のバーコードが記載されている発注専用のオーダーブックと呼ばれるカタログを端末でスキャンする発注方法です。
端末で読み取られた商品に数量を入力し、そのデータを相手先が受け取り受発注が完了します。
近年ではこのオーダーブックも電子化され、EOB方式と呼ばれる受発注システムを使用する企業も増えてきました。

EOB方式

EOBとは「Electronic Ordering Book」の略で、前述したオーダーブックスキャン方式のオーダー専用カタログを電子化したものになります。
最近の小売店でよくタブレット端末を使用し作業をしているスタッフを見かけるかと思います。それはタブレット端末を使い、電子化されたオーダー表でリアルタイム発注をしているのです。

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受発注システムを導入するメリットとデメリット

メリット

①発注業務の効率化

EOSでペーパーレス発注をすることでオーダー表を作成する必要がなくなり、業務負担を削減できます。
商品をスキャンし、数値を入力するだけで注文ができるため、アナログ注文のようなFAXが届いたかどうかの確認、または注文書に入力した商品や数量は合っているかなどのチェックがなくなるためオーダー時の手間が少なくなります。

②事務業務の効率化

注文した履歴がオンライン上で閲覧でき書類管理をする必要がないので事務作業が大きく削減できます。
注文履歴の書類を保管するファイルや保管棚の確保、古い注文書の廃棄業務などがなくなるため、人件費の削減に繋がります。

③物流業務の効率化

受発注をオンライン上のみに統一することで物流業務も効率化されます。書類でやり取りすると受注元から発注先、発注先から物流倉庫へと発注書が流れるためミスが発生する可能性が高くなります。
オンライン上で同じ受発注データが確認できるためミスの軽減だけでなく、リアルタイムでの確認ができ業務スピードも速くなります。

デメリット

EOSを導入するには高額の初期費用がかかります。
また、システム業者によっては月額の管理費もかかるため、EOSを導入することによって削減できる人件費を割り出し、初期費用や管理費と比較して何ヶ月で元が取れるかを計算することが大切です。
また、EOSを導入するにあたって発注先にも同じシステムを導入させるため同意が必要になります。発注先、物流業者など他社と導入費用や管理費の負担割合を交渉する必要があります。

 

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受発注システムを選ぶ際のポイント

コスト

EOSを導入するための初期費用、月額使用料が現在受発注業務で使われている人件費よりも安くなるシステムを選ぶ必要があります。会社の予算によって最初は人件費を上回っていても何ヶ月か経てば元が取れるため導入が可能というケースもあります。

カスタマイズ性

EOSを導入するときには自社で取り扱う商品や業務形態に合っているかどうかを確認する必要があります。自社の受発注業務に合わせたEOSにカスタマイズできるシステム業者を選ぶと後々変更することもできるため、カスタマイズ性は重要です。

サポート体制

システムに不具合が発生したときのサポート体制は導入前にチェックしておくことが大切です。24時間で対応しているか、電話やチャットなどでやり取りができるか、サポートスタッフが直接駆けつけてくれるか、などを確認しましょう。

また、多くの企業をサポートし、実績のあるEOSを選ぶと良いでしょう。

おわりに

EOSを使うことで受発注の業務が大きく改善されます。現在メールやFAXで受発注を行っている企業は、まずは自社に合ったEOSシステムをピックアップして、予算やサポート体制を見比べてみることをお勧めします。

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タグ : EC物流初心者向け 業務効率化 EC物流用語
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角田和樹
上場企業であるディーエムソリューションズ株式会社の物流関連サービスで15年間、営業やマーケティング、物流企画など様々なポジションを経験。 現在は物流・発送代行サービス「ウルロジ 」のマーケティング全体設計を担う。通販エキスパート検定1級・2級を保有し、実際に食品消費財のEC事業も運用。ECノウハウに対しても深い知見を持ち、物流事業者としてだけでなく、EC事業者の両面からnoteウェビナー等での情報発信を行う。