受発注システム(EOS)とは?メリット・デメリットやEDIとの違いを徹底解説

2024.09.11物流・フルフィルメント
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受発注システム(EOS)とは?メリット・デメリットやEDIとの違いを徹底解説
小売業でも製造業でも、またそれらを繋ぐ物流業でも商品のやりとり、受発注や在庫管理等の業務が必ず存在します。毎日大量の商品が行き交う現在、商品の受発注は「EOS」と呼ばれるシステムを用いるのが主流になっています。

今回はEOSとはどのようなシステムであるか、またそのメリットやデメリットについて解説します。受発注システム(EOS)について、理解を深めたい方は参考にしてください。

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受発注システム(EOS)とは?

受発注システム(EOS)とは?
「EOS」とは「Electronic Ordering System」の略で企業間の商品発注をコンピューターなどの通信機器を使ってオンライン上で情報のやり取りをする受発注方法のことです。

例えば小売店で商品が売れて在庫が不足してきたとき、リアルタイムで端末から商品を発注できる仕組みです。電話やFAX、郵送などのアナログな発注方法を使用しないため、発注作業が効率化され、人件費の削減が可能になりました。

このEOSというシステムはインターネットが誕生する前の1970年代にはすでに存在していました。当時も棚卸時に商品数を登録し、在庫が少なくなると仕入先に情報が送信され、受注数が共有できるシステムでした。

しかしその当時はインターネットも普及しておらず、データ形式や送信方法などが標準化されていなかったため、自社でシステム開発ができる大企業のみが利用可能でした。

現在ではインターネットが普及し、ソフトウェアの開発も容易になり、さらにバーコード管理などの商品管理の方法も標準化されたことで、大手企業だけでなく、あらゆる企業でEOSが導入されるようになりました。

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EDIとは何か?

EDIとは何か?
EOSと混同しやすいシステムとしてEDIがあげられます。EDIは「Electronic Data Interchange」の頭文字をとった略語で「電子データ交換」と訳されます。EDIの定義は次のとおりです。

異なる組織間で、取引のためのメッセージを、通信回線を介して標準的な規約(可能な限り広く合意された各種規約)を用いて、コンピューター(端末を含む)間で交換すること
引用元:一般社団法人 日本情報経済社会推進協会「EDIとは」

具体的には、コンピューターをネットワークで接続して、納品書や受領書、請求書などをやり取りするシステムを指します。EDIには次の3種類があります。

種類 概要
EDI 電話回線を用いて通信する従来型のEDI
インターネットEDI インターネット回線を用いて通信するEDI
Web-EDI インターネットEDIのうちWebブラウザを利用するEDI

現在の主流は、Web-EDIです。従来型のEDIに比べ、通信速度が高速で、業務効率を向上できるなどのメリットがあります。

受発注システム(EOS)とEDIの違い

受発注システム(EOS)とEDIの違い
EOSとEDIは、企業間で情報を交換する点が共通しています。ただし、全く同じものではありません。両者の大きな違いとして、適用範囲が挙げられます。

EOSは受発注データの交換に特化したシステムであり、一方、EDIは企業間取引に関連する多様なデータを交換するシステムです。適用範囲から両者の関係を示すと、EOSはEDIに含まれるといえるでしょう。

受発注業務を目的とするのであれば、EDIではなくEOSがおすすめです。ちなみに、EOSとEDIは普及した年代も異なります。EOSは1970年代、EDIは1990年代から普及し始めました。EDIは、EOSに比べて新しいシステムです。

受発注システム(EOS)でできること

受発注システム(EOS)でできること
販売業や卸売業がデータ上で発注し、アナログな作業を一切行わずに仕入先で受注することが可能なEOS。現在EOSでデータ発注をする方法としては「棚卸スキャン方式」「オーダーブックスキャン方式」「EOB方式」の3種類が主流となっています。

棚卸スキャン方式

棚卸スキャン方式とは、EOS専用のスキャナを使って商品についているバーコードを直接読み取り、発注する方式です。

仕入先と共有しているバーコードをスキャンし、商品の数量を入力することで受発注が完了します。

オーダーブックスキャン方式

オーダーブックスキャン方式とは、商品一覧が掲載され、各商品に個別のバーコードが記載されている発注専用のオーダーブック(カタログ)を端末でスキャンして発注する方法です。端末で読み取られた商品に数量を入力し、そのデータを相手先が受け取り、受発注が完了します。

近年ではこのオーダーブックも電子化され、EOB方式と呼ばれる受発注システムを使用する企業も増えてきました。

EOB方式

EOBとは「Electronic Ordering Book」の略で、前述したオーダーブックスキャン方式のオーダー専用カタログを電子化したものになります。

最近の小売店でよくタブレット端末を使用し作業をしているスタッフを見かけるかと思います。それはタブレット端末を使って、電子化されたオーダー表でリアルタイムに発注をしているのです。

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受発注システムを導入するメリットとデメリット

受発注システムを導入するメリットとデメリット

メリット

①発注業務の効率化
EOSによるペーパーレス発注により、オーダー表を作成する必要がなくなり、業務負担を軽減できます。

商品をスキャンし、数値を入力するだけで注文ができるため、アナログ注文における、FAXが届いたかどうかの確認や、注文書に入力した商品や数量が正しいかどうかのチェックがなくなるため、オーダー時の手間が少なくなります。

②事務業務の効率化
注文した履歴がオンライン上で閲覧でき書類管理をする必要がないので事務作業が大きく削減できます。

注文履歴の書類を保管するファイルや保管棚の確保、古い注文書の廃棄業務などがなくなるため、人件費の削減に繋がります。

③物流業務の効率化
受発注をオンライン上のみに統一することで物流業務も効率化されます。書類でやり取りを行う場合、受注元から発注先、さらに発注先から物流倉庫へと発注書が伝達される過程で、ミスが発生する可能性が高くなります。

オンライン上で同じ受発注データが確認できるためミスの軽減だけでなく、リアルタイムでの確認ができ業務スピードも向上します。

デメリット

EOSを導入するには高額の初期費用がかかります。また、システム業者によっては月額の管理費もかかるため、EOSを導入することによって削減できる人件費を割り出し、初期費用や管理費と比較して何ヶ月で元が取れるかを計算することが大切です。

また、EOSを導入する際には、発注先にも同じシステムを導入してもらうため、同意が必要になります。発注先、物流業者など他社と導入費用や管理費の負担割合を交渉する必要があります。

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受発注システムを選ぶ際のポイント

受発注システムを選ぶ際のポイント

コスト

EOSを導入するための初期費用、月額使用料が現在受発注業務で使われている人件費よりも安くなるシステムを選ぶ必要があります。会社の予算によって最初は人件費を上回っていても何ヶ月か経てば元が取れるため導入が可能というケースもあります。

カスタマイズ性

EOSを導入する際には、自社で取り扱う商品や業務形態に合っているかどうかを確認する必要があります。自社の受発注業務に合わせてEOSにカスタマイズできるシステム業者を選べば後々の変更も容易であるため、カスタマイズ性は重要です。

サポート体制

システムに不具合が発生した際のサポート体制は導入前に確認しておくことが重要です。24時間で対応しているか、電話やチャットなどでやり取りができるか、サポートスタッフが直接駆けつけてくれるか、などを確認しましょう。

また、多くの企業をサポートし、実績のあるEOSを選ぶと良いでしょう。

EOSで受発注業務を効率化!自社にあわせた製品を導入

EOSで受発注業務を効率化!自社にあわせた製品を導入
EOSを使うことで受発注の業務が大きく改善されます。現在メールやFAXで受発注を行っている企業は、まずは自社に合ったEOSシステムをピックアップして、予算やサポート体制を比較検討することをおすすめします。

弊社ウルロジでは、受注代行、発送代行など物流に関する幅広いサービスを提供しています。受注処理業務でお困りの場合や、物流業務全般のアウトソーシングを検討している事業者様は、ぜひお気軽にご相談ください。

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タグ : EC物流初心者向け 業務効率化 EC物流用語 EOS
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角田和樹
上場企業であるディーエムソリューションズ株式会社の物流関連サービスで15年間、営業やマーケティング、物流企画など様々なポジションを経験。 現在は物流・発送代行サービス「ウルロジ 」のマーケティング全体設計を担う。通販エキスパート検定1級・2級を保有し、実際に食品消費財のEC事業も運用。ECノウハウに対しても深い知見を持ち、物流事業者としてだけでなく、EC事業者の両面からnoteウェビナー等での情報発信を行う。