緩衝材とは?種類と選び方のポイントについて
2023.12.05物流・フルフィルメント通販などの物流・配送で重要なことは、モノの状態・品質を保ったまま運ぶことです。
そのためには、モノを衝撃から守る緩衝材を使うことが必要になってきます。
しかし、緩衝材にも非常に多くの種類があり、モノに適した緩衝材を用意するには、緩衝材の特徴などを知ることが重要です。
今回は緩衝材についてご紹介していきます。
目次
緩衝材とは
緩衝材(かんしょうざい)とは、複数のモノ同士がぶつかりあう際の衝撃を緩和するための素材です。
文字のとおり、衝撃を緩和するための素材ということです。
モノに巻いたり、箱の中の隙間を埋めたり様々な用途や使い方があります。
早速、その役割からみていきましょう。
緩衝材の役割
ひとえに緩衝材といっても、いくつかの役割があります。緩衝材の大きな役割としては3つあります。
衝撃からモノを守る
緩衝材の一番の役割は、衝撃からモノを守ることです。そのため、多くの緩衝材がクッション性に優れており、さまざまなモノを守れるように緩衝材にもさまざまな種類があります。
箱の隙間を埋める
「衝撃からモノを守る」の役割にも近いですが、箱の隙間を埋める役割があります。商品によって箱の大きさを変えることは、その分多くの種類の箱を用意することになり、コスト増につながります。
緩衝材を利用することで、1種類の箱でもさまざまなモノを入れることが出来るため、その分梱包資材コストを削減することが出来ます。もちろん箱の隙間を埋めることで、箱の中でモノの動きを制限して衝撃を防ぐ効果もあります。
水漏れや湿気からモノを守る
商品を発送する際には、衝撃以外にも気を付けなければならないことがあります。それが水です。水漏れから守るためにビニール製品で包んだり、紙製の緩衝材を使用することで湿気を吸い取ることができます。
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緩衝材の種類
緩衝材の役割についてご紹介しましたが、その役割やモノの種類によってもさまざまな緩衝材を使う必要があります。ここでは、代表的な緩衝材の種類をみていきましょう。
気泡緩衝材(プチプチ)
いわゆる「プチプチ」です。「エアーパッキン」とも呼ばれます。空気を閉じ込めているため、非常に軽くてクッション性があるのが特徴です。
またカットして大きさを自由に変えられる、シート状のためさまざまな形のものに巻くことが出来るため、非常に多くのシーンで活用されています。
陶器やガラス製品などの非常に壊れやすいものを包むのに便利です。透明で中身が見えるという特徴もあるため、中身を見せながら包みたい場合にも使われます。
ただし、厚みが出てしまうので、小さく梱包したい場合には不向きな梱包材です。
発泡シート
発泡スチロールが薄くシート状になったような見た目の緩衝材です。実際には発泡ポリスチレンが使われることが多いです。非常に軽くて柔らかいため、取っ手付きコップなど複雑な形のものも包むことが出来ます。
ただし、非常に薄いため、気泡緩衝材よりはクッション性が劣ります。ガラスなどを配送する場合には不向きです。
エアークッション、エアーピロー
長方形などのビニールに空気が入った枕のような形をしています。独立しているものや、つながっているものなど様々な形や大きさがあります。
こちらは大きく厚いため、モノを包んで保護するのではなく、箱などの隙間を埋める用途で使われます。モノの大きさや箱の隙間に合わせた種類を選んで使います。
発泡スチロール
非常に軽くクッション性に優れた緩衝材で、家電や電化製品など衝撃に弱いモノに多く使われます。また、硬さもあるため箱の中でモノを固定する機能も優れています。
ただし、柔軟性は無いため、利用には形を加工する必要があります。また、他の緩衝材と比べてコストもかかるため、低単価の商品の緩衝材としては向かないというデメリットがあります。
バラ緩衝材
繭(まゆ)のような形をした、ポリエチレンなどで出来た粒上の緩衝材です。クッション性があり、軽いです。こちらもエアークッション同様、隙間を埋める目的で使われます。エアークッションより一つ一つが小さいため、より複雑な形のモノの隙間を埋めることが出来ます。
ただし、モノを箱の中で固定することには向かないので、電化製品などの箱内固定などには向きません。
ウレタン、発泡ポリウレタン
スポンジのような見た目の緩衝材です。軽く、クッション性に優れています。また、表面が非常に柔らかいため、CDなどの傷を付けてはいけないモノの緩衝材として向いています。
ただし、形が変えられない、コストがかかるなどのデメリットもあるため、低単価の商品の梱包には向いていません。
紙製緩衝材
字のとおり、紙でできた緩衝材です。再生紙を使うものが多く、緩衝材の中でも特にコストが低いのが特徴です。モノを包んだり、丸めて隙間を埋めたり、さまざまな用途で使えます。
しかし、クッション性は低いため、あくまでも簡易的な梱包にとどまります。丸めて箱の中の隙間を埋めて、商品を動かなくさせることが主な用途です。
また水に弱いため、冷蔵や冷凍品の梱包には不向きです。一方吸湿性はあるため、湿度に弱いモノを運ぶときには便利です。
巻き段ボール
通常の段ボールより薄くて柔らかい緩衝材です。用途は発泡シートに似ていますが、発泡シートより強度があります。そのため、通常の段ボールに入らないサイズのモノに巻いて使ったりします。大型の家具を包んだり、絵画を包むときなどに使われます。
段ボールより薄くクッション性が低いため、衝撃に弱い商品には不向きです。
フィルム
ラップのような見た目の、透明なフィルムを使った緩衝材です。主に段ボールなどの硬い資材と一緒に使います。段ボールとフィルムの間に商品を固定して使います。
クッション性はありませんが、非常に強力にモノを空中に固定することが出来るため、落下の衝撃等にも耐えることが出来ます。パソコンなどの精密機器を輸送するときなどに使用されます。また透明度も高いため、パッケージを見せる梱包にも使えます。化粧品のパッケージ梱包などにも使われます。しかし、大きく重量があるものには使用できません。
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緩衝材の選び方のポイント
緩衝材には上記以外にもさまざまな種類があります。ではどのようなポイントで緩衝材を選べばよいのでしょうか。
以下でご紹介していきます。
大きく衝撃に弱いもの(家具・家電など)
家具や家電などの大きくて重量のあるものは、なるべく強度が高く、固定できる緩衝材が向いています。発泡スチロールなどを専用の形に加工したものなどを選ぶと良いでしょう。
小さく衝撃に弱いもの(電化製品・食器類など)
小型の電化製品や食器類などの小さくて衝撃に弱いものは、そのモノ自体をクッション性のある緩衝材で埋めること、箱の隙間を埋めることの2つが必要です。気泡緩衝材で周りを包み、箱の隙間をエアークッションなどで埋めると良いでしょう。
衝撃に強いもの(衣類など)
衣類などの衝撃に強いものは、コストを抑えて梱包すると良いでしょう。そのため、安価な紙等を使うと良いです。また衣類などの場合は、水から守るためにモノ自体をビニールで包むことが重要です。
湿気が発生するもの(食品など)
湿気が発生する食品や、冷蔵・冷凍温度帯で輸送するものは、水が大敵です。紙の緩衝材の場合は水で濡れて敗れてしまうため、水に強い気泡緩衝材などを使うと良いでしょう。
おわりに
緩衝材の種類やその用途などをご紹介しました。
モノを衝撃から守ることはもちろん、コストをなるべく抑えて梱包することも大切ですね。商品の特徴や梱包コストなどのバランスを考えて、適切な緩衝材を選びましょう。
梱包や発送業務は売上が上がると共にリソースを割く必要が出てきます。自社だけで対応できない場合は、発送代行を利用するとよいでしょう。発送代行は、発送に関わる一連の業務を代行してくれるサービスです。物流のプロが対応してくれるため、変化に合わせた質の高いEC物流を実現できます。
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