【2024年7月スタート】楽天「配送品質向上制度」を徹底解説

2024.03.21物流・フルフィルメント
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【2024年7月スタート】楽天「配送品質向上制度」を徹底解説

画像引用元:楽天市場公式HP
https://www.rakuten.co.jp/

「楽天市場に導入される配送品質向上制度ってどんなもの?」「出店者は何をすればよいの?」などの疑問を抱いていませんか。詳細について理解しにくいと感じている方も多いのではないでしょうか。配送品質向上制度は、送料・納期のわかりやすさ向上などを目指して導入される制度です。

ここでは、同制度の概要や認定基準、導入により予想される変化、出店者が求められる対応などを解説しています。配送品質向上制度について理解を深めたい方は参考にしてください。

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楽天が実施した配送品質向上制度とは

楽天が実施した配送品質向上制度とは

「配送品質向上制度」は、楽天が設定した認定基準を満たす商品に対して最強配送ラベル(認定ラベル)を付与する制度です。同制度は「楽天新春カンファレンス2023」で発表されました。2024年月3月時点における開始予定時期は2024年7月です。

配送品質向上制度がスタートすると、認定基準をクリアしている商品ページに最強配送ラベルが付与されます。現時点で表示方法は不明ですが、以下の「翌日配送」部分に表示されるなどが考えられます。

翌日配送

画像引用元:楽天市場「【101】6.5オンス PRO CLUB (プロクラブ) 」
https://item.rakuten.co.jp/hysydefashion/msst09-042/

同制度が導入されると、ユーザーは自身の都合にあわせて受け取れる商品を見つけやすくなります。「配送のわかりやすさ」を改善する取り組みといえるでしょう。

認定基準は、店舗基準と商品基準にわかれます。詳細は以下のとおりです。

Rakuten RMS Service Square「【配送品質向上制度】「配送認定ラベル」獲得に必要な受注・出荷処理とは?」

画像引用元:Rakuten RMS Service Square「【配送品質向上制度】「配送認定ラベル」獲得に必要な受注・出荷処理とは?」
https://service.rms.rakuten.co.jp/column/detail/73

ラベルの有無は、楽天市場内における検索順位の決定に影響すると考えられています。EC事業者にとって、重要な取り組みになる可能性があります。

出典:Rakuten RMS Service Square「【配送品質向上制度】「配送認定ラベル」獲得に必要な受注・出荷処理とは?」
出典:scroll360°「楽天の配送認定ラベルとは?取得方法やメリット・デメリットを解説」

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配送品質向上制度によるこれまでの物流との変化

配送品質向上制度によるこれまでの物流との変化

配送品質向上制度の導入により、どのような変化が起こるのでしょうか。ここでは、EC事業者と消費者にわけて、想定される変化を解説します。

EC事業者編

配送品質向上制度の認定基準として、以下の点が定められています。

【認定基準】

  • 納期遵守率:96%以上
  • 6日以内のお届け数比率:80%以上

最強配送ラベルを獲得すると、迅速かつ確実な配送を行っている商品と消費者から評価されるでしょう。信用を得られるため、新規顧客であっても注文しやすくなると考えられます。また、楽天市場内の検索順位も変動する可能性があります。

最強配送ラベルの有無が、検索順位を決定する要素に含まれると考えられているためです。最強配送ラベルの獲得により、商品認知度向上ならびに競合他社との差別化を図れます。ただし、業務負担が増加する恐れがある点には注意が必要です。認定基準に以下の点が定められています。

【認定基準】

  • 午前の注文:365日いつでも「翌日お届け」指定可
  • 午後の注文:365日いつでも「翌々日お届け」指定可

土日祝日などの休業日も受注や出荷に対応できる体制を構築する必要があります。

消費者編

配送品質向上制度が始まると、これまでよりも納期がわかりやすくなります。検索結果や商品ページに最強配送ラベルが表示されるためです。消費者は、受け取りたいタイミングで受け取れる商品を見つけやすくなります。以上の変化は、消費者の購買行動に影響を及ぼす可能性があります。

たとえば、配送スピードを重視している場合、すぐに受け取れない商品を近隣の実店舗で購入するなどが考えられるでしょう。納期のわかりやすさが向上するため、消費者はニーズに合った選択を行いやすくなります。

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その他配送品質向上制度の登場によって起こる変化

その他配送品質向上制度の登場によって起こる変化

配送品質向上制度の導入により、その他の変化も起こります。主な変化としてあげられるのが、消費者における選択肢の増加です。具体的には、同制度の導入により配送日時の自由度が高まります。置き配など、受取場所の自由度を高める施策の導入が検討されている点もポイントです。

配送品質向上制度は、配送スピードの向上だけを目的としているわけではありません。消費者の選択肢を増やし、より多くのベネフィットをもたらすことを目的としています。

出典:ECのミカタ「「楽天市場」の「配送品質向上制度」が2024年7月にスタート! 改めて確認したい出店店舗が取り組むメリットと支援体制」

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最強配送ラベルを獲得するための条件

最強配送ラベルを獲得するための条件

ここからは、最強配送ラベルの獲得条件を紹介します。

楽天SKUに対応する

最強配送ラベルを獲得するため、最初に求められるのが楽天SKUへの対応です。SKUは「Stock keeping Unit」の頭文字をとった略語で、商品の最小管理単位を指します。たとえば、3色・3サイズ展開のTシャツであれば9SKUと考えられます。楽天は2023年4月から楽天SKUプロジェクトを開始しています。同プロジェクトは、商品登録単位をアイテム単位からSKU単位へ変更する取り組みといえるでしょう。対応を強制されることはありませんが、最強配送ラベル獲得には必須条件です。未対応の場合は、楽天SKUへの対応から始める必要があります。

出典:Rakuten.Today「【開催レポート】リアル会場の興奮をお届け!「楽天新春カンファレンス2023」

お届け日表示機能に対応する

お届け日表示機能への対応も求められます。お届け日表示機能は、楽天サーチや商品ページに最短指定可能日を表示する機能です(2023年6月からスタート)。具体的には、SKUごとに発送元住所と出荷リードタイムの登録を求められます。これらを登録することで、商品ページなどに「○○時までの注文で最短□□お届け」などのようなお届け日が表示されます。

出典:日本ネット経済新聞「「楽天市場」、「配送認定ラベル」を2024年導入 配送日で商品を選びたい顧客ニーズに対応」

店舗・商品の基準に合格する

以上の2項目を満たしたうえで、店舗基準と商品基準を満たす必要があります。繰り返しになりますが、店舗基準と商品基準は次のとおりです。

Rakuten RMS Service Square「【配送品質向上制度】「配送認定ラベル」獲得に必要な受注・出荷処理とは?」

画像引用元:Rakuten RMS Service Square「【配送品質向上制度】「配送認定ラベル」獲得に必要な受注・出荷処理とは?」
https://service.rms.rakuten.co.jp/column/detail/73

両基準を満たせない場合は、業務の見直しが必要です。商品の特性上、両基準を満たせないものには、次の例外条件が設けられています。

店舗基準 商品基準
  • 商品の性質上、6日以内のお届けが難しい商品は母数から除外可
  • RSL(楽天スーパーロジスティクス)を利用していて、受注後、タイムリーに出荷指示データを連携できる場合は、店舗基準を免除
  • 土日祝は通常注文の締め切り時間を最短で午前9時に短縮可
  • 年末年始(12月31日~1月3日)および月1回は休業可

商品の特性を踏まえて認定基準に対応することが大切です。

出典:Rakuten RMS Service Square「【配送品質向上制度】「配送認定ラベル」獲得に必要な受注・出荷処理とは?」

管理システムを導入する

最強配送ラベルの獲得に向けて、受注管理や在庫管理を一元管理できる管理システムの導入が勧められています。認定基準の条件は、多くの事業者にとってややハードルが高いと考えられるためです。同システムの導入で、注文確認・サンクスメール・発送完了メール・発送完了報告などを自動化できます。出荷効率を高めるため、検討したい施策のひとつです。

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これからの物流の特徴

これからの物流の特徴

今後の楽天市場では、配送品質向上制度への対応が重要になると考えられます。消費者の利便性、店舗の信頼性、楽天サーチの検索順位などに関わるためです。対応が遅れると、売上が大きく減少することも考えられます。

自社だけで対応が難しい場合や今後の変化を見越して早めに対策を講じておきたい場合は、物流代行を利用するとよいでしょう。物流代行は、物流に関連する一連の業務をEC事業者に代わり専門家が行ってくれるサービスです。物流コストの削減に加え、土日祝日出荷など、サービス品質の向上を期待できます。

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配送品質向上制度はさまざまな変化をもたらす

配送品質向上制度はさまざまな変化をもたらす

2024年7月から楽天市場で配送品質向上制度がスタートします。同制度は、一定の基準を満たす商品に認定ラベルを付与する制度です。導入後は、認定ラベルを獲得している商品が選ばれやすくなるでしょう。EC事業者は、認定基準を理解して対策を講じる必要があります。具体的には「365日いつでも『翌日お届け』指定が可能」などの対応を求められます。自社だけで対応が難しい場合は、受注から出荷までの業務を委託できる発送代行の利用がおすすめです。

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タグ : 配送品質向上制度 楽天 配送品質向上制度
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角田和樹
上場企業であるディーエムソリューションズ株式会社の物流関連サービスで15年間、営業やマーケティング、物流企画など様々なポジションを経験。 現在は物流・発送代行サービス「ウルロジ 」のマーケティング全体設計を担う。通販エキスパート検定1級・2級を保有し、実際に食品消費財のEC事業も運用。ECノウハウに対しても深い知見を持ち、物流事業者としてだけでなく、EC事業者の両面からnoteウェビナー等での情報発信を行う。