海外発送代行完全ガイド|メリット・デメリットから失敗しない業者の選び方まで徹底解説

2025.06.02物流・フルフィルメント
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海外発送代行完全ガイド|メリット・デメリットから失敗しない業者の選び方まで徹底解説「海外への販売を伸ばしたいけれど、発送業務が大きな壁になっていませんか?」

近年、インターネットの普及とグローバルな市場へのアクセスの容易化に伴い、越境EC(国境を越えた電子商取引)に乗り出す事業者が増えています。高品質な日本製品への海外からの需要は依然として高く、中小企業や個人事業主にとっても、海外販売は大きなビジネスチャンスとなり得ます。

しかし、いざ海外へ商品を発送しようとすると、煩雑な手続き、言語の壁、複雑な国際ルールなど、多くの課題に直面します。特に、リソースが限られているビジネスオーナーにとって、これらの業務は大きな負担となり、本来注力すべき商品開発やマーケティング活動を圧迫しかねません。

この記事では、海外発送代行サービスの利用を検討しているEC事業者や海外販売担当者の方に向けて、以下の情報を提供します。

  • 自社で海外発送を行う場合の具体的なデメリットとリスク
  • 海外発送代行サービスの仕組みと、提供される業務内容の詳細
  • 海外発送代行を利用することで得られるコスト削減や業務効率化などのメリット
  • 自社の事業に最適な海外発送代行業者を選ぶための重要なポイント
  • 海外発送代行を利用する際の注意点や考えられるデメリット
  • サービス導入の具体的なステップと成功のためのコツ

海外発送の「困った!」をまとめて解決できる発送代行サービスについて、そのメリットから最適なサービスの選び方、そして実際の活用事例まで、越境EC事業者が本当に知りたい情報を徹底解説します。

越境EC完全攻略ガイド

自社で海外発送を行う場合のデメリットを4選

「思ったより大変…」「こんなはずじゃなかった…」と、多くの事業主や個人の方が直面しています。
実際、越境EC開始前の課題として二人に一人は物流手段に課題を抱えています。

越境EC開始前の課題

※1:日本公庫「越境ECに関するアンケート調査」より作成

自社で海外発送を行う場合の具体的なデメリットを大きく分けると、
・時間的コスト
・金銭的コスト
・専門知識の壁
・トラブル対応の負担

になると筆者のこれまでの経験から言えます。

時間的コストについて

海外発送は、国内発送とは比べ物にならないほど手間と時間がかかります。
要因としては、国内ECとは異なる複雑な業務によるものです。

「インボイス」「パッキングリスト」「税関告知書」といった聞き慣れない専門書類を正確に作成する作業は、少しの記載ミスが原因で通関が遅れたり、最悪の場合、商品が返送されたりすることもあります。商品を海外まで安全に届けるための適切な梱包資材選び、厳重な梱包作業、そして集荷手配や発送ラベルの貼り付けなど、一つ一つの作業に時間と労力がかかります。

さらに、発送先の国ごとに異なるルールや規制、関税情報を常に調べ、更新し続ける必要があり、この情報収集だけでかなりの時間を費やしてしまうこともあります。このような作業に追われ、本来あなたが集中すべき商品開発やマーケティング、顧客対応といったコア業務がおろそかになってしまうのは、大きな機会損失です。

金銭的コストについて

人件費、資材費、小口契約による割高な送料、関税・消費税の複雑な処理が必要になります。また、自分で海外発送を行う場合、一見安く見えても、様々な隠れたコストが発生し、最終的に利益を圧迫する可能性があります。

大手配送業者との大口契約がない限り、個人や小規模事業者ではどうしても送料が割高になりがちです。上記の時間的コストにも共通することですが、発送業務に時間を取られることで、その分の人件費(あなたの時間も含む)が発生します。

国際輸送に適した丈夫な梱包資材は意外と高価で、少量ずつ購入すると割高になることも珍しくありません。発送先の国で発生する関税や消費税の仕組みは国によって異なり、計算ミスや知識不足で予期せぬ費用が発生したり、顧客に不満を与えたりするリスクもあります。加えて、書類不備や禁制品などの問題で商品が返送された場合、往復の送料を二重に負担することになり結果として利益を圧迫することになります。

専門知識の壁について

各国の禁制品・規制、HSコード、通関手続きの知識が必要になってきます。

国によって輸入が禁止されているもの(禁制品)や制限されているもの(規制品)は異なります。これらを把握せずに発送してしまうと、没収や罰金の対象となる可能性があります。また、国際貿易で用いられる商品の分類番号であるHSコードの特定も、専門知識がないと難しい作業です。通関手続き自体も国ごとにルールが異なり、常に最新の情報をキャッチアップする必要があります。

トラブル対応の負担について

配送遅延、紛失、破損、言語の壁によるクレーム対応の困難さに直面します。

国際配送には、国内配送よりも配送遅延、商品の紛失、輸送中の破損といったトラブルが発生しやすい傾向があります。万が一トラブルが発生した場合、配送業者への問い合わせや購入者への説明が必要になりますが、言語の壁が大きな障害となることがあります。誤解が生じたり、迅速な対応ができなかったりすると、顧客満足度の低下やクレームに繋がりかねません。

これらの問題によって、
本来注力すべきコア業務(商品開発、マーケティングなど)へのリソース不足が発生します。

上記のような発送関連業務に追われることで、本来事業者が集中すべき商品開発、品揃えの拡充、マーケティング戦略の立案・実行、顧客との関係構築といったコア業務にかける時間やリソースが不足してしまいます。これは、長期的なビジネス成長の機会を逃すことに繋がる、最も大きなデメリットと言えるかもしれません。

ウルロジでは上記のような越境ECにまつわる物流課題をすべて対応が可能です。面倒な物流業務はウルロジに任せてください。
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海外発送代行サービスとは?仕組みと提供される業務内容を徹底解説

自社発送のデメリットを理解したところで、次に海外発送代行サービスが具体的にどのようなものなのかを解説します。

発送代行サービス(物流代行会社とも呼ばれます)とは、EC事業者の物流業務全般を代行するサービスのことです。具体的には、商品の入庫や在庫保管・管理、棚卸し、受注処理、梱包作業、伝票発行、発送手配といった業務をまるごと委託できる物流の専門家です。

海外発送代行サービスの基本的な仕組み

海外発送代行サービスの基本的な流れは、以下のようになります。

越境ECにおける物流業務の流れ

国内ECにおける物流業務は、一般的に「商品入庫」「在庫保管・管理」「受注処理」「梱包作業」「出荷・輸送」といった流れで進みます。これらの業務は、国内の物流会社との連携や、比較的シンプルかつ統一されたルールの中で効率的に行うことが可能です。

しかし、越境ECとなると話は一変します。国内ECの基本的な物流業務に加えて、さらに6つの追加業務が不可避的に発生し、その複雑さは飛躍的に増大します。これらの追加業務は、専門的な知識と継続的な対応を必要とするため、自社で全てをまかなおうとすると、本業である商品開発やマーケティング、顧客対応といったコア業務に使える時間が大幅に削られてしまうのです。

具体的に、越境ECで発生する主要な追加業務を見ていきましょう。

  1. 輸送可否確認と法令確認: 商品を海外に送る際、まず輸送先の国でその商品が輸入可能か、どのような法令や規制が適用されるかを一つ一つ確認しなければなりません。国や商品によってルールが全く異なるため、この調査だけでかなりの手間がかかります。
  2. 出荷データと輸出書類の調整: 国内の配送とは異なり、海外の配送会社ごとに求められる出荷データのフォーマットは異なります。さらに、輸出に必須となるインボイスなどの書類も、現地の言語や国際的に通用する形式に合わせて正確に作成する必要があります。
  3. 輸送国の最新状況確認と税関問い合わせ対応: 国際情勢や現地の税関ルールは常に変動します。配送中の貨物について、輸送先の税関から問い合わせが入ることもあり、その都度、適切かつ迅速な対応が求められます。言語の壁がある中で、これらを自社で行うのは非常に大きな負担となります。

これらの追加業務は、専門的な知識と継続的な対応を必要とするため、自社で全てをまかなおうとすると、本業である商品開発やマーケティング、顧客対応といったコア業務に使える時間が大幅に削られてしまうのです。

出荷件数が少ないうちは自社で対応できるかもしれませんが、月間の出荷件数が100件を超えるような規模になると、その負担は一気に跳ね上がります。

そのため、越境ECで安定的な成長を目指すのであれば、これらの複雑な物流業務を専門とする外部業者へ外注することが、もはや「マスト(必須)」の選択肢となるのです。

主な代行業務範囲について

海外発送代行業者が提供するサービスは多岐にわたりますが、主な業務範囲は以下の通りです。

・商品の保管・在庫管理(WMS連携など)
事業者の商品を代行業者の倉庫で保管し、適切に在庫を管理します。多くの業者では、WMS(倉庫管理システム)を導入しており、リアルタイムでの在庫確認や、ECカートシステムとの在庫情報連携が可能です。
受注処理・ピッキング・梱包
ECサイトからの注文データに基づき、正確に商品をピッキングし、検品後、商品特性や配送先の国に適した資材を用いて丁寧に梱包します。
インボイス、パッキングリスト、税関告知書などの必要書類作成
通関手続きに不可欠なインボイスや税関告知書(CN22/CN23)、パッキングリストなどを、各国の規定に合わせて正確に作成します。
・最適な配送方法の選定・配送会社との連携
DHL、FedEx、UPSといった国際クーリエや、EMS(国際スピード郵便)などの国際郵便の中から、商品の種類、重量、サイズ、配送先の国、顧客の希望納期などを考慮して、最適な配送方法を選定し、手続きを行います。ボリュームディスカウントが適用されるため、個別に発送するより安価な送料で発送できる場合があります。
輸出通関手続きのサポート
複雑な輸出通関手続きをサポート、または代行します。HSコードの確認や、その他必要な申告業務を支援します。
追跡番号の通知・管理
発送後、荷物の追跡番号(トラッキングナンバー)を事業者に通知します。事業者から購入者へ、または代行業者から直接購入者へ追跡情報を提供することも可能です。
返品対応サポート
海外からの返品受け付けや、返品商品の検品、再販処理などをサポートします。返品ポリシーの策定支援を行う業者もいます。
(オプション)多言語カスタマーサポート、ギフトラッピングなど
上記の基本業務に加えて、以下のようなオプションサービスを提供している業者もあります。
多言語カスタマーサポート: 海外の顧客からの問い合わせに、英語や中国語など多言語で対応します。
ギフトラッピング: 商品にギフト用の包装を施します。
同梱物対応: サンクスレターや販促チラシなどを商品に同梱します。

実際、弊社で発送代行を実施しているクライアントの商品レビューでも、ウルロジの高い梱包品質から多くの高評価レビューをいただいております。

梱包物イメージ

発送品質を高めることは顧客満足度の向上に寄与します。この点に関しては、海外発送においても同様に重要となってきます。
物流業務を単なるコストと捉えるのではなく、顧客ロイヤリティを高めるために特性に合った最適な発送方法を選択し、費用対効果を高めます。ウルロジではLTVを最大化させる丁寧な梱包・発送を得意としています。
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海外発送代行を利用する具体的なメリットとは

海外発送代行サービスを活用する最大の魅力は、なんといっても時間とコストの大幅な削減にあります。自分で全てを手配する煩雑さから解放され、より効率的で収益性の高いビジネス運営が可能になります。

時間のメリット:煩雑な作業から解放

海外発送には、国内発送では考えられないほど多くの時間と手間がかかります。しかし、発送代行サービスを利用すれば、これらの作業から完全に解放されます。

自社と発送代行での物流工数比較

まず、複雑な書類作成の時間が不要になります。インボイスやパッキングリスト、税関告知書といった専門的な書類は、代行業者がお客様に代わって正確に作成してくれるため、記入ミスによるトラブルのリスクも激減するでしょう。

次に、梱包や発送手配にかかる手間がゼロになります。国際輸送に耐えうる最適な梱包資材の選定から、丁寧な梱包作業、さらには配送会社との連携や集荷手配まで、すべて代行業者が引き受けてくれます。これにより、あなたはこれらの時間のかかる作業から解放され、本来注力すべき商品開発やマーケティング、顧客対応といったコア業務に集中できるようになります。結果として、ビジネスの成長を加速させ、より多くの売上や顧客満足度向上を目指せるでしょう。

コストのメリット:見えない費用も抑え、収益性を向上

「自分でやった方が安く済むのでは?」と感じるかもしれませんが、発送代行サービスを利用することで、実はトータルコストを大幅に削減できる可能性が高いです。

最大のコストメリットは、送料の劇的な削減です。発送代行業者は複数の配送会社と大口契約を結んでいるため、個人や小規模では交渉が難しい割安な特別料金で国際輸送を利用できます。これにより、個別に契約するよりも格段に安い送料で送れるようになるでしょう。

また、人件費や資材費の削減も見逃せません。発送業務にかかる人件費や、国際輸送に適した梱包資材の調達費用は、積み重なると大きな負担になります。発送代行に任せればこれらのコストが不要となり、さらに代行業者は大量仕入れによる資材費のスケールメリットも享受できるため、全体的なコストダウンに貢献します。

加えて、予期せぬトラブルによる追加費用のリスクも軽減できます。書類不備による返送費用や、関税計算ミスによる追加徴収といったトラブルは、知識不足から発生しがちです。代行業者は専門知識を持っているため、このようなリスクを未然に防ぎ、結果的に余計な出費を抑えることにつながります。

海外発送代行サービスは、時間とコストの削減だけでなく、専門知識の活用、販路拡大支援、そして顧客満足度の向上といった多角的なメリットを提供します。

発送代行サービスについてより費用や利用タイミングなどについて詳しく知りたい方はこちらも同様にご覧ください。
>>発送代行サービスとは?業者に委託するメリットや選び方を解説

【失敗しないために】あなたの事業に最適な海外発送代行業者を選ぶ7つの重要ポイント

発送代行選定の7つのポイント

海外発送代行サービスは多くのメリットをもたらしますが、どの業者を選ぶかによってその効果は大きく変わります。自社の事業規模、商材、ターゲット国などを考慮し、最適なパートナーを見つけることが重要です。以下に、業者選定の際に確認すべき7つのポイントを挙げます。

1. 対応国・地域と配送網の広さを確認する

まず、あなたが商品を届けたいターゲット国や地域を代行業者がしっかりとカバーしているかを確認しましょう。将来的な事業拡大も視野に入れ、提携している配送キャリア(DHL、FedEx、UPSといったクーリエサービスから、EMSなどの国際郵便、船便、航空便まで)の選択肢が豊富であるかも大切なポイントです。多様な配送方法があることで、商品の特性や緊急性に応じて最適な選択が可能になります。

2. 料金体系の透明性とコストパフォーマンスを見極める

費用は業者選びにおいて最も重要な要素の一つです。初期費用、月額固定費、そして商品の重量やサイズ、個数に応じた従量課金など、料金体系が明確で透明性があるかを必ず確認してください。燃油サーチャージや関税立替手数料など、隠れた費用がないかも注意が必要です。複数の業者から詳細な見積もりを取得し、比較検討することで、あなたのビジネスにとって本当にコストパフォーマンスの良いパートナーを見つけることができるでしょう。

3. 提供サービス範囲と柔軟性を確認する

単に「発送を代行してくれる」だけでなく、あなたがどこまで業務を委託したいかを明確にし、それに合ったサービス範囲を持つ業者を選びましょう。商品の受入、検品、保管、梱包、書類作成、発送、追跡、さらには返品対応まで、どこまでの業務を委任できるかが重要です。また、あなたの商材(サイズ、重量、特性)に対応可能か、特別な要望に対するカスタマイズ対応の可否も確認しておくと安心です。

4. 実績と信頼性、セキュリティ体制を評価する

安心して業務を任せるためには、その業者の実績と信頼性が不可欠です。同業種や同規模の導入実績があるか、顧客の声や評判はどうかを確認しましょう。さらに、あなたの個人情報や商品情報を取り扱うため、情報セキュリティ対策が万全であるかも重要なポイントです。万が一の配送トラブルに備え、損害賠償保険や補償制度が充実しているかどうかも確認しておくべきです。

5. サポート体制とコミュニケーションの質を見極める

トラブル時や疑問が生じた際に、迅速かつ的確なサポートが受けられるかは非常に重要です。日本語での問い合わせに対応しているか専任担当者がつくか、問い合わせ手段(電話、メール、チャット)と対応時間があなたの業務スタイルに合っているかを確認しましょう。スムーズなコミュニケーションは、円滑な連携の鍵となります。

6. システム連携の容易さを確認する

もしあなたがECカートシステムや受注管理システム、在庫管理システム(WMS)を利用しているのであれば、発送代行業者のシステムとAPI連携が可能かどうかを確認しましょう。システム連携がスムーズであれば、受注データや出荷指示の自動連携が可能となり、手作業によるミスを減らし、業務効率を格段に向上させることができます。

7. 禁制品・特殊貨物の取り扱いノウハウの有無をチェックする

リチウムイオン電池を含む製品、化粧品、食品、アルコール類など、国際配送では特に注意が必要な商材や、各国で禁制品とされている品目があります。あなたの取り扱う商品がこれらのいずれかに該当する場合、その業者が特殊貨物への対応実績や適切なノウハウを持っているかを必ず確認してください。これにより、通関での問題や罰金などのリスクを未然に防ぐことができます。

海外発送代行サービス導入の流れと成功のコツ

海外発送代行サービスをスムーズに導入し、最大限に活用するためには、計画的なステップといくつかのコツがあります。

導入ステップ

  1. 自社の課題とニーズの明確化
    まず、なぜ海外発送代行サービスが必要なのか、現状の海外発送業務で何に困っているのか(例:時間が足りない、コストが高い、専門知識がない、ミスが多いなど)を具体的に洗い出します。その上で、代行サービスに何を期待するのか(例:コスト削減、コア業務への集中、特定地域への発送強化など)、委託したい業務範囲はどこまでか、といったニーズを明確にします。
  2. 情報収集・複数業者のリストアップ
    インターネット検索、業界の展示会、同業者の紹介などを通じて、海外発送代行業者に関する情報を収集します。最低でも3~5社程度をリストアップし、それぞれの特徴(得意な地域、料金体系、提供サービスなど)を比較検討できるように準備します。
  3. 見積もり依頼と比較検討(トライアル利用が可能であれば活用)
    リストアップした業者に、自社の状況(取扱商材、月間発送件数の見込み、ターゲット国など)を伝え、具体的な見積もりを依頼します。料金だけでなく、サービス内容、サポート体制、システム連携の可否などを総合的に比較します。可能であれば、少量の荷物でトライアル利用させてもらい、実際のオペレーション品質やコミュニケーションのスムーズさを確認するのも有効です。
  4. 契約・SLA(サービス品質保証)の確認
    契約内容を細部まで確認します。特に、料金体系、免責事項、解約条件、そしてSLA(サービスレベルアグリーメント:サービス品質保証)の項目(例:受注から発送までのリードタイム、梱包ミス率、情報セキュリティなど)は重要です。不明な点は遠慮なく質問し、納得のいくまで確認しましょう。
  5. 運用開始と定期的な効果測定・改善
    契約締結後、システム連携や商品情報の登録など、運用開始に向けた準備を進めます。運用開始後も、定期的に発送状況やコスト、顧客からのフィードバックなどをチェックし、当初の目的が達成されているか効果測定を行います。必要に応じて代行業者と協議し、運用方法の改善を図っていくことが重要です。

発送代行会社選定のコツ

  • 丸投げにせず、業者と良好なパートナーシップを築く
    代行サービスは「丸投げ」して終わりではありません。業者を単なる外注先としてではなく、ビジネスを共に成長させるパートナーとして捉え、積極的にコミュニケーションを取り、情報共有を行うことが成功の鍵です。目標や課題を共有し、協力して改善に取り組む姿勢が大切です。
  • 導入目的を明確にし、KPIを設定する
    「何のために導入するのか」という目的を常に意識し、具体的なKPI(重要業績評価指標)を設定しましょう。例えば、「発送業務にかかる時間を月〇時間削減する」「海外配送料を〇%削減する」「誤発送率を〇%以下にする」など、測定可能な目標を立てることで、導入効果を客観的に評価し、改善に繋げることができます。
  • スモールスタートも検討
    最初から全ての海外発送業務を委託するのに不安がある場合は、特定の国や地域への発送のみ、あるいは一部の商品のみを対象にするなど、スモールスタートで試してみるのも良い方法です。実際に運用しながら課題を見つけ、徐々に委託範囲を拡大していくことで、リスクを抑えつつスムーズな移行が可能です。

最適な海外発送代行サービスで、海外発送の負担を減らし、ビジネスをグローバルに最適化しよう

本記事では、海外発送代行サービスの基本的な仕組みから、メリット、業者の選び方、導入のステップを解説しました。
海外発送代行サービスは便利ですが、利用時には注意点も存在します。これらを理解し、ミスマッチを防ぎましょう。

まず、物量が少ない場合はコストが割高になる可能性があります。月に数件程度の小規模な発送だと、固定費や手数料がかえって負担になるケースも。次に、業者選定には手間と時間がかかります。最適なパートナーを見つけるため、複数業者への問い合わせや見積もり比較、契約内容の確認など、ある程度の労力が必要です。

また、発送業務を外部に委託するため、直接コントロールできない感覚を覚えるかもしれません。独自の梱包や細かな指示が伝わりにくく、品質が自社基準に満たない可能性もゼロではありません。業者との密な情報共有が不可欠で、これが滞ると誤発送や遅延に繋がりかねないため、明確な連絡体制の構築が重要です。

本記事の要点のおさらい:

  • 自社での海外発送は、時間的・金銭的コスト、専門知識の不足、トラブル対応など多くの負担を伴う。
  • 海外発送代行は、これらの負担を軽減し、事業者がコア業務に集中できる環境を提供する。
  • メリットには、コスト削減、業務効率化、リスク低減、販路拡大サポート、顧客満足度向上などがある。
  • 業者選びは、対応国、料金、サービス範囲、実績、サポート体制、システム連携、特殊貨物対応の7つのポイントが重要。
  • 導入は計画的に行い、業者と良好なパートナーシップを築くことが成功のコツ。

越境EC市場が拡大し続ける中で、海外発送はビジネス成長の鍵となります。しかし、その複雑さから二の足を踏んでいた事業者も少なくないでしょう。海外発送代行サービスを賢く活用することで、これらの課題をクリアし、発送業務の負担を大幅に削減できます。

これにより、あなたは貴重なリソースを商品開発やマーケティングといった、より戦略的な分野に注力できるようになり、ビジネスのグローバル展開を加速させることが可能です。さらに、プロフェッショナルな配送サービスは顧客満足度を高め、リピーター獲得や口コミによる新規顧客の増加にも繋がるでしょう。

ぜひこの記事を参考に、あなたのビジネスに最適な海外発送代行サービスを見つけ出し、グローバル市場での成功への第一歩を踏み出してください。

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タグ : コスト削減 越境EC 発送代行 EC物流 海外発送
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藤田直樹
国立大学大学院にて、工学修士課程を修了。大手企業のマーケティング支援を経て、ディーエムソリューションズが運営するEC物流代行サービス「ウルロジ」に参画。 現在はウルロジのマーケティング責任者として戦略から実行までを統括する傍ら、物流倉庫の作業標準化や品質改善プロジェクトも主導。工学的な知見、マーケターとしての顧客視点、物流現場の視点を掛け合わせ、EC事業の成長を加速させる実践的ノウハウを提供する。