緩衝材とは?その役割と9種類の違いや特徴を目的別に解説
2024.09.10物流・フルフィルメント通販などの物流・発送で重要なことは、商品の状態や品質を保ったまま運ぶことです。そのためには、商品を衝撃から守るために緩衝材を使用する必要があります。
しかし、緩衝材にも非常に多くの種類があり、商品に適した緩衝材を選ぶためには、緩衝材の特徴を理解することが重要です。今回は緩衝材についてご紹介します。緩衝材について理解を深めたい方は参考にしてください。
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目次
緩衝材とは
緩衝材(かんしょうざい)とは、複数のモノ同士がぶつかりあう際の衝撃を緩和するための素材です。モノに巻いたり、箱の中の隙間を埋めたり様々な用途や使い方があります。
早速、その役割からみていきましょう。
緩衝材の役割
ひとえに緩衝材といっても、いくつかの役割があります。緩衝材の大きな役割としては3つあります。
衝撃からモノを守る
緩衝材の一番の役割は、衝撃からモノを守ることです。そのため、多くの緩衝材がクッション性に優れており、さまざまなモノを守れるように緩衝材にもさまざまな種類があります。
箱の隙間を埋める
「衝撃からモノを守る」の役割にも近いですが、箱の隙間を埋める役割があります。商品ごとに箱の大きさを変えると、多くの種類の箱を用意しなければならず、コスト増につながります。
緩衝材を利用することで、1種類の箱でさまざまな商品を入れられるため、その分梱包資材のコストを削減できます。また、箱の隙間を埋めることで、箱の中でモノの動きを制限して衝撃を防ぐ効果もあります。
水漏れや湿気からモノを守る
商品を発送する際には、衝撃以外にも気を付けなければならないことがあります。それが水です。水漏れから守るためにビニール製品で包んだり、紙製の緩衝材を使用したりすることで湿気を吸い取ることができます。
緩衝材の種類
緩衝材にはさまざまな種類があります。種類により特徴や使用に向いている商材は異なります。ここでは、緩衝材の種類を紹介します。
気泡緩衝材(プチプチ)
ポリエチレンシートに、気泡粒を成型した緩衝材です。一般的には「プチプチ」「エアーパッキン」と呼ばれています。
メリット
他の緩衝材に比べて、クッション性が高いです。柔軟性が高いため、さまざまな商材に巻き付けて使用できる点も魅力といえます。ハサミなどでカットすれば、大きさを調整することもできます。
デメリット
緩衝材自体にある程度の厚みがあるため、コンパクトに梱包したい場合は向いていません。長期間保存すると緩衝材から空気が抜けて、クッション性が低下する恐れがあるので、注意が必要です。
使用に向いている商材
形状を自由に変えられるうえ、クッション性が高いため、陶器製品やガラス製品の梱包に向いています。梱包したものが透けて見えるため、商品を見せたい場合の梱包にも適しています。
発泡シート
発泡ポリエチレンをシート状に加工した緩衝材です。発泡スチロールを薄くしたような見た目をしています。
メリット
薄く、軟らかいため、さまざまな商品の梱包に使用できます。ハサミなどで、適切な大きさにカットすることもできます。断熱性・保温性・防水性に優れている点も特徴です。
デメリット
ダンボールの隙間を埋めるのに使用できますが、単価が高いため、使いすぎると発送コストが高くなってしまいます。また、クッション性が低いため、割れやすい物を梱包する際は注意が必要です。
使用に向いている商材
柔軟性が高いため、取っ手付きのコップなど、複雑な形状の商品の梱包に適しています。
エアークッション、エアーピロー
空気を充填した袋状の緩衝材です。長方形、正方形、独立しているもの、連続しているものなど、製品により形状は異なります。
メリット
耐久性、クッション性とも優れているうえ、空気を抜くと小さくなります。また、ある程度の大きさがあるため、ダンボールの隙間を埋めることもできます。
デメリット
原則として、空気が入った状態で長期保管することはできません。空気が徐々に抜けて、クッション性が低下するためです。また、商品自体を保護することには向いていません。
使用に向いている商材
前述のとおり、ダンボールの隙間を埋めたいときに向いています。さまざまな形状のエアークッション、エアーピローがあるため、隙間の大きさなどにあわせて選べます。
発泡スチロール
発泡スチロールは、ポリエチレンの粒を加熱して膨張させた緩衝材です。角保護緩衝材などとして用いられています。
メリット
軽量でクッション性に優れる点が強みです。また、ある程度の固さがあるため、箱の中で商品を固定することもできます。
デメリット
原則として、用途に合わせた加工をする必要があります。コストがかかるため、単価が低い商品や出荷件数が少ない商品の緩衝材には向いていません。
使用に向いている商材
家電をはじめとする電化製品の梱包に向いています。商品単価が高いため、加工コストをあまり気にしないケースが多いでしょう。
バラ緩衝材
ポリプロピレンやコーンスターチなどでつくられた粒状(円筒形状)の緩衝材です。発泡スチロールとよく似た見た目をしています。
メリット
小さな粒で構成されるため、箱の隙間を効率よく埋められます。エアークッションよりも、複雑な形状の隙間を埋めやすいでしょう。
デメリット
小さな粒で構成されるため、重い商品の固定には向いていません。輸送中などに、商品が移動してしまう恐れがあります。
使用に向いている商材
商品と箱の間にできた隙間を埋めたいときに適しています。
ウレタン、発泡ポリウレタン
スポンジのような見た目の緩衝材です。ウレタンフォームと呼ばれることもあります。
メリット
小さな穴が無数に空いているため軽量です。滑りにくい点もメリットとして挙げられます。優れた断熱性も特徴のひとつといえるでしょう。
デメリット
気泡緩衝材のように、自由に形を変えることはできません。また、他の緩衝材に比べて、コストがかかりやすいといえます。
使用に向いている商材
CDやDVDなど、傷から守りたい商品の梱包に適しています。
紙製緩衝材
名称からわかるとおり、紙製の緩衝材です。主に、再生紙が用いられています。
メリット
形状を自由に変更できるため、モノを包んだり、丸めて隙間を埋めたり、さまざまな用途に使用できます。コストを抑えられる点も魅力です。
デメリット
ただし、クッション性は他の緩衝材より劣ります。基本的には、簡易梱包用の緩衝材です。また、水に弱いため、冷蔵商品や冷凍商品の梱包には適していません。
使用に向いている商材
商品の隙間を埋め、高級感を引き立てるスタイリッシュな緩衝材です。衣類や陶器、レザー製品など、贈答用包装として広く使用されています。
巻き段ボール
平らな紙(ライナー)と波々の紙(フルート)で構成される緩衝材です。薄くて柔らかいダンボールをイメージするとわかりやすいでしょう。そのため、片面段ボールとも呼ばれます。
メリット
柔らかいうえ、ハサミなどでカットできるため、さまざまな商品を梱包できます。用途が似ている発泡シートに比べて強度が高い点も魅力です。
デメリット
ただし、薄いため段ボールほどのクッション性は期待できません。衝撃に弱い商品には、適していないといえるでしょう。
使用に向いている商材
大型家具など、通常の段ボールでは梱包できない商品の梱包に向いています。
フィルム
透明なフィルムで商品を包む緩衝材です。食品用ラップに似た見た目です。基本的には段ボールなどの硬い資材と一緒に使用します。
メリット
商品を段ボールなどの資材に巻き付けて固定できます。適切に使用すれば、落下などの衝撃から商品を守れます。水濡れや汚れの付着を防げる点も魅力です。
デメリット
商品を段ボールなどに巻き付けて固定する場合、箱と段ボールのサイズが合っていないと、商品が箱の中で動いてしまいます。
使用に向いている商材
パソコンをはじめとする精密機器の梱包や化粧品のパッケージ梱包に向いています。
緩衝材の選び方のポイント
緩衝材には上記以外にもさまざまな種類があります。では、どのようなポイントを基準に緩衝材を選べばよいのでしょうか。
以下でご紹介していきます。
大きく衝撃に弱いもの(家具・家電など)
家具や家電などの大きくて重量のあるものは、なるべく強度が高く、固定できる緩衝材が向いています。発泡スチロールなどを専用の形に加工したものなどを選ぶと良いでしょう。
小さく衝撃に弱いもの(電化製品・食器類など)
小型の電化製品や食器類などの小さくて衝撃に弱いものは、その商品自体をクッション性のある緩衝材で包み、箱の隙間を埋めることが必要です。気泡緩衝材で周りを包み、箱の隙間をエアークッションなどで埋めると良いでしょう。
衝撃に強いもの(衣類など)
衣類などの衝撃に強いものは、コストを抑えて梱包すると良いでしょう。そのため、安価な紙等を使うと良いです。また衣類などの場合は、水から守るために商品自体をビニールで包むことが重要です。
湿気が発生するもの(食品など)
湿気が発生する食品や、冷蔵・冷凍温度帯で輸送するものにとっては、水が大敵です。紙の緩衝材の場合は水で濡れて破れてしまうため、水に強い気泡緩衝材などを使うと良いでしょう。
梱包代行を行っているウルロジは、商品ごとに適した緩衝材を使用するなど、丁寧な梱包にこだわっています。おすすめの梱包代行業者を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
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商品・コストを考えて緩衝材を使いわけることが大切
緩衝材の種類やその用途などをご紹介しました。商品を衝撃から守ることはもちろん、コストをできるだけ抑えて梱包することも重要です。商品の特徴や梱包コストなどのバランスを考えて、適切な緩衝材を選びましょう。
梱包や発送業務は売上が上がると共にリソースを割く必要が出てきます。自社だけで対応できない場合は、発送代行を利用するとよいでしょう。発送代行は、発送に関わる一連の業務を代行してくれるサービスです。物流のプロが対応してくれるため、変化に対応した質の高いEC物流を実現できます。
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