フルフィルメントサービスとは?メリットと業者選定のポイントについて

2024.08.26物流・フルフィルメント
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フルフィルメントサービスとは?メリットと業者選定のポイントについて
各種物流に関する業務や、決済処理、カスタマーサポートといったEC関連の業務を代行業者に任せたいと考えた際、選択肢に挙がるのが「フルフィルメントサービス」です。

ここでは、おすすめのフルフィルメントサービス業者とフルフィルメントサービスの詳細、利用するメリットなどについて紹介していきます。記事後半で紹介するフルフィルメントサービス利用の注意点や、気をつけたいポイントなども参考にしてみてください。

さらに、利用にあたり注意したいポイントなども解説します。フルフィルフィメントサービスの活用を検討している方は、参考にしてください。

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フルフィルメントサービスってなに?

フルフィルメントサービスってなに?
フルフィルメントサービスとは、通信販売やインターネット通販における、受注、 梱包、発送、受け渡し、代金回収までの一連の流れを指します。

通信販売やインターネット通販の場合、その場で引き渡しと精算まで終了する店頭販売と違い、受注後の作業が必要です。この一連の作業がフルフィルメントサービスと呼ばれています。

フルフィルメントサービスのメリット

フルフィルメントサービスのメリット
通信販売やインターネット通販において重要なフルフィルメントサービスですが、代行業者にアウトソーシングするのが一般的です。それでは、フルフィルメントサービスを利用するメリットはどのようなものなのでしょうか。

サービスの質の向上

フルフィルメントサービスを利用すると、梱包や発送などのノウハウを持つプロが担当します。プロによる的確な梱包や発送が、個人経営のショップでも実現でき、大手の発送サービスと同レベルのサービスを提供できるようになります。

スピーディーな対応と顧客満足度

スピーディーな対応と顧客満足度
フルフィルメントサービスの利用は、作業を効率化させ、受注から納品までの時間を短縮することにつながります。質の高いサービスを提供しつつスピーディーな取引を実現できます。

通信販売やインターネット通販における受注から消費者の手元に届くまでの時間は短ければ短いほど消費者からの評価は高くなる傾向があります。したがって、フルフィルメントサービスの利用は顧客満足度アップにつながります。

コスト削減

発送や梱包に関する人員やノウハウそして、システム構築や作業スペース確保などのコストをフルフィルメントサービスの利用で大幅に削減することができます。フルフィルメントサービスの利用にも費用が掛かりますが、決して安くない初期投資や継続的に発生する人件費を考えると、フルフィルメントサービスの利用は非常に合理的な選択肢です。

マーケティングなども

フルフィルメントサービスを提供している業者の中には、マーケティングや商品の販売を合わせて行っているケースもあります。Amazonもその一例ですが、大手インターネット通販会社のホームページに自社製品を掲載することで、一般消費者の目にとまりやすくなり、製品の認知度アップにもつながります。

例えば、弊社サービス「ウルロジ」では、EC支援として、ECサイト制作、SNS運用、マーケの戦略策定、SEO対策、リスティング広告・モール広告運用など、売上増かに欠かせないマーケティング施策をワンストップで提供可能です。

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フルフィルメントサービスの注意点

フルフィルメントサービスの注意点
デメリットというよりは、注意点という表現が適切かもしれませんが、フルフィルメントサービスを利用する際に考慮すべき点をいくつかご紹介します。

フルフィルメントサービスの利用料

フルフィルメントサービスの利用料と、得られる利益のバランスはしっかりと考慮する必要があります。

フルフィルメントサービスはとても便利で魅力的なサービスですが、どのくらい売れるか見当もつかないものや、今まで売れていなかったものがフルフィルメントサービスを利用しただけで売れるようになるというものではありません。利用料を支払っても利益を確保できるかは、しっかりと考慮すべきポイントです。

顧客との接点が減る可能性も

顧客との接点が減る可能性も
フルフィルメントサービスには、コールセンター業務が含まれているケースがあります。この場合、顧客からのクレームなどを自社で対応しないので、顧客との接点が減り”何を求めているか?”という声がダイレクトに届かなくなります。

商品の状態の把握が難しい

商品を自社で発送していれば、どのような状態で発送しているかを発送のたびに確認できますが、フルフィルメントサービスを利用した場合、その確認はできません。

デリケートな商品の場合や、毎回しっかりと確認したいという商品の場合にはフルフィルメントサービスは向いていない場合もあります。

梱包時の細かな気配りがしにくい

梱包の際、発注したのが女性の場合にはテープの端を少し折ってシールを貼っている…というインターネットショップがあります。これは、ネイルをしていることを想定して開けやすくするためのちょっとした気遣いです。また、シールを貼って折り曲げていることがわかるようにし、季節感などを演出するのは、個人経営のショップならではのサービスです。

このような”ちょっとした気配り”はフルフィルメントサービスではほぼ対応不可と言えるでしょう。

お届けの日時の指定やスピーディーで美しい梱包は可能ですが、ひとりひとり消費者に合わせた心配りは自社で発送するからこそできるものでもあります。

フルフィルメントサービスは、発送代行サービスの一種です。発送代行サービスの概要、メリット・デメリットなどは以下の記事で詳しく解説しています。理解を深めたい方は、こちらも参考にしてください。

>>発送代行サービスとは?業者に委託するメリットや選び方、オススメ業者5選を紹介

フルフィルメントサービスを選ぶときに気をつけたいポイント

フルフィルメントサービスを選ぶときに気をつけたいポイント
メリットがある一方で注意点もあるフルフィルメントサービスですが、アウトソーシングする場合はどのようなことに注意して選べば良いのでしょうか。

サービスの幅を確認する

フルフィルメントサービスに何を望んでいるか、そして、業者の対応するサービスが自社の望むサービスに対応しているかを確認する必要があります。

ニーズとサービスが合致していなければ、望むサービスを顧客に提供することはかないません。

コールセンターなどの質

フルフィルメントサービスにはコールセンターサービスが含まれていることが多く、大切な顧客とのやりとりを任せることになります。顧客にへの電話対応の質などはしっかりと吟味する必要があります。

保管場所のクオリティ

保管場所のクオリティ
大切な商品を保管する倉庫の場所や保管環境の確認も重要です。保管するものによっては、温度や湿度など、デリケートな管理が必要になる場合もあります。

保管環境が整っていなければ、保管している間に商品が劣化し、その状態で顧客の手元に届いた場合、自社の信頼を損なう結果にもなりかねません。

可能であれば、倉庫の見学をさせてくれる業者を選ぶ方が安心です。

料金

フルフィルメントサービスの一番のデメリットといえるのが、毎月かかる利用料金です。取り扱う商品によって様々な料金体系がありますので、なかなか料金の比較が難しいという側面があります。

また、トータルの料金だけでなく”何にどのくらいの費用がかかっているか”をしっかりと把握して、納得できる価格かどうかも考慮するポイントです。

しっかりと連携できるか

保管場所や顧客対応でも当てはまることですが、しっかりと連携したサービスを提供してくれるかという点は重要なポイントです。顧客への対応はもちろん、自社への対応の早さや質、柔軟性などをしっかりと見極めることが非常に重要です。自社への対応が遅い業者は顧客への対応も同様になると考えることもできます。

フルフィルメントサービス業者5選

フルフィルメントサービス業者5選
おすすめのフルフィルメントサービス業者として、5社の特徴、料金体系から紹介します。

社名/サービス名 特徴 料金体系
ディーエムソリューションズ株式会社
「ウルロジ」
・当日分の出荷指示は13時まで対応
・使用しているカートによってはAPI連携による自動連携が可能
・新規立ち上げ時にも適したサービス
・ポスト投函便 350円(税込)
・60サイズ650円(税込)~
※作業込み
※全国一律
アマゾンジャパン合同会社
「フルフィルメント by Amazon(FBA)」
・商品の発送、保管、返送、お客様返品などの手数料が無料
・商品はAmazonプライム対象になる
・無料でカスタマーサポートを利用可能
・小口出品:1商品につき110円(税込)+販売手数料
・大口出品:月額5,390円(税込)+販売手数料 【1】
株式会社スクロール360
「フルフィルメント代行サービス」
・受注から発送までワンストップで利用可能
・2種類の料金プランを用意
・マーケティングサービスとの連携も可能
・物流代行(発送代行)
・単品リピート通販物流:ポストイン:1出荷439円(税込)~
・受注代行:6万6000円(税込)~ 【2】【3】
※詳細は要問合せ
ヤマト運輸株式会社
「フルフィルメントサービス」
・入庫以後の各作業をヤマトが代行
・ヤマト運輸ならではの高品質な配送サービスを提供
・Yahoo!ストアクリエイターProとAPI連携などが可能
要問合せ
楽天グループ株式会社「楽天スーパーロジスティクス(RSL)」 ・対象は楽天市場に出展している店舗
・専任担当のコンサルタントがサポート
・倉庫の保管・出荷の上限はなし
在庫保管料+出荷作業量+配送料
※例:10日間保管した靴を、80サイズで出荷:527円(税込)【4】

出典:【1】料金プラン、配送手数料、料金シミュレーター | Amazon出品サービスの料金

 

出典:【2】単品リピート通販物流代行 | EC通販・物流代行【スクロール360】

 

出典:【3】受注処理代行サービス「土日祝対応プラン」提供開始/大手モール 配送品質基準ラベルの対応へ | EC通販・物流代行【スクロール360】

 

出典:【4】サービスの詳細|楽天スーパーロジスティクス(RSL)|楽天ロジスティクス事業

 

それぞれの概要を紹介します。

ディーエムソリューションズ株式会社「ウルロジ」

ウルロジ

画像引用元:ウルロジ
https://ul-logi.jp/

国内外のEC・物販物流代行のほか、受注代行、カスタマーサポートが利用可能です。発送業務に加え、受注業務、決済サービス、カスタマーサービスなど、幅広く通販業務を支援しています。当日13時まで出荷指示を行えば、当日発送が可能です。

WMSによる在庫管理を行っており、倉庫への出荷指示や倉庫在庫の確認はいつでもオンラインで行えます。お客様の商品に合わせた作業プランで対応できる点も特徴です。

また、安価かつ分かりやすい料金体系も特徴の一つです。各作業費込みで送料が300円~と低価格で、さらに全国一律の料金設定なので、物流コストを把握しやすい点も魅力的です。

初めてアウトソーシングを依頼される方からの利用が多く、倉庫見学のほか、WMSのレクチャーなどのフォロー体制も充実しています。月間100,000個以上の発送実績を持っていることから、実績を重視している方にもおすすめです。

公式サイト:ウルロジ

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アマゾンジャパン合同会社「フルフィルメント by Amazon(FBA)」

アマゾンジャパン合同会社「フルフィルメント by Amazon(FBA)」

画像引用元:[公式] Amazon出品サービスの配送方法
https://sell.amazon.co.jp/fulfill/fulfillment-by-amazon

商品の保管から発送までを総合的に依頼できるサービスです。FBAを利用することにより、Amazonプライム会員はお急ぎ便・当日お急ぎ便などを無料で利用できる「Amazonプライム」の対象となります。そのため、プライム対象商品を探している方の目に留まりやすくなることが期待されます。

また、昼夜問わず電話やメールで利用できる無料のカスタマーサービスに加え、返品サービスも充実しています。

株式会社スクロール360「フルフィルメント代行サービス」

株式会社スクロール360「フルフィルメント代行サービス」

画像引用元:EC通販・物流代行【スクロール360】
https://www.scroll360.jp/service/fulfillment/

通販フルフィルメント業務全般の物流・発送代行、リピート通販物流、分散出荷、受注代行、EC運営支援、決済代行などのサービスが利用できます。この他にもマーケティングのサービスも提供しており、これらの業務と連携させて利用できるのも強みです。

また、初期費用0円、固定費0円から始められる決済サービス「後払い.com」も利用可能です。物流・発送代行では柔軟なカスタマイズ物流によって業務の最適化が期待できます。

公式サイト:フルフィルメント代行サービス

ヤマト運輸株式会社「フルフィルメントサービス」

ヤマト運輸株式会社「フルフィルメントサービス」

画像引用元:ヤマト運輸
https://business.kuronekoyamato.co.jp/service/lineup/fulfillment/index.html

ヤマト運輸の営業倉庫で商品の在庫を管理し、入庫、保管、梱包出荷、発送、代金回収までEC事業の物流業務を総合的に代行してくれます。さらに、海外から輸入された商品の国内向け流通加工に加え、FBA向け納品代行といった豊富なオプションが用意されているのも特徴です。

物流に特化している会社ということもあり、一部の地域では当日発送にも対応しています。また、サービスの導入によりYahoo!「優良配送」の対象になるのも特徴です。

ストアの商品が受領された時点から料金が発生し、契約時にかかる初期費用はありません。

公式サイト:フルフィルメントサービス

楽天グループ株式会社「楽天スーパーロジスティクス(RSL)」

楽天グループ株式会社「楽天スーパーロジスティクス(RSL)」

画像引用元:楽天ロジスティクス事業
https://logistics.rakuten.co.jp/rsl/flow/

楽天市場内に出店を行っている店舗に向けて提供している物流アウトソーシングサービスです。ギフトラッピングなどにも対応しているため、ギフト需要の高い商品を取り扱う場合にも活用できます。

梱包から発送まで総合的に依頼が可能で、また楽天のイベントスケジュールを把握していることから、大型セールでもしっかり対応できます。店舗と二人三脚で進めるサポート体制に力を入れており、現状分析、課題把握、提案が受けられることも特徴です。

公式サイト:楽天スーパーロジスティクス(RSL)

ECの成長に欠かせないフルフィルメントサービス

おわりに
フルフィルメントサービスとは、通信販売やインターネット通販における、受注、 梱包、発送、受け渡し、そして代金回収までのすべての工程を指します。

その場で決済と商品の引き渡しが完了する店頭販売とは異なり、受注後に検品、梱包、発送、代金回収を行う通信販売では、非常に重要なプロセスであり、顧客満足度に直結する部分でもあります。

フルフィルメントサービスは、多くの場合アウトソーシングされ、プロによる質の高いサービスが提供されます。保管場所や料金、サービスの質などをしっかりと吟味し、業者を選択する必要があります。

フルフィメントサービスの活用で業務の効率化が期待できる

代行サービスの活用で業務の効率化が期待できる
おすすめのフルフィルメントサービス業者や、フルフィルメントサービスを利用する上で押さえておきたいポイントを紹介しました。

フルフィルメント代行サービスを活用することで、業務の効率化が図れるため、社内での対応が難しいと感じる場合は、代行サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。通信販売やECにおいて非常に重要なプロセスであり、顧客満足度に直結する部分です。

ウルロジではフルフィルメント代行サービスも提供しています。物流業務全般のほか、受注情報の管理業務、カスタマー業務まで幅広く対応可能です。フルフィルメントサービスの利用を検討している方は、ぜひご相談ください。

ウルロジに相談してみる

タグ : EC物流初心者向け ECお役立ち情報 EC運用 発送・梱包 EC物流用語 フルフィルメント
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角田和樹
上場企業であるディーエムソリューションズ株式会社の物流関連サービスで15年間、営業やマーケティング、物流企画など様々なポジションを経験。 現在は物流・発送代行サービス「ウルロジ 」のマーケティング全体設計を担う。通販エキスパート検定1級・2級を保有し、実際に食品消費財のEC事業も運用。ECノウハウに対しても深い知見を持ち、物流事業者としてだけでなく、EC事業者の両面からnoteウェビナー等での情報発信を行う。